疋田周朗の発言 (決算委員会)
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○疋田会計検査院長 本日の御審査は、林野庁所掌の国有林野事業特別会計に関する問題についてということでございます。
会計検査院といたしましては、国有林野事業特別会計が膨大な累積債務を抱えていることにかんがみ、従来から重要な検査対象の一つと位置づけ、鋭意検査に取り組んできているところであります。そして、これまでに国有林野事業の経営の問題を含めさまざまな予算執行上の問題点を指摘し、当局に改善を求めてきたところであります。
それでは、会計検査院が行っております国有林野事業特別会計の検査の概要につきまして御説明いたします。
まず、資料の一ページでございますが、検査の観点でございます。
国有林野事業の財務状況は、平成八年度末で累積欠損金が一兆六千百四十三億円、債務残高が三兆五千二百二十七億円に達し、経営環境はますます厳しくなっております。したがいまして、国有林野事業の経営実績を分析して、経営悪化の原因を究明するとともに、収入の確保及び支出の抑制を図る観点から、収入の面では林産物の販売収入、支出の面では造林事業、林道事業等について重点的に検査しております。
次に、資料の二ページでございますが、検査の実施体制についてでございます。
林野庁の検査につきましては、第四局上席調査官、農林水産担当が実施しております。このうち、国有林野事業特別会計の検査に従事している職員は五名でございます。また、検査の実施状況でございますが、国有林野事業特別会計の検査にかかる人日数は、過去三年間をとってみますと、年間三百人目から五百人目程度となっております。
次に、検査の方法でございますが、これは三ページでございます。
国有林野事業特別会計の収入につきましては、素材等の販売契約は適切に行われているかなどについて、各営林署で作成している予定価格調書等により検査いたしております。また、支出につきましては、造林事業等に係る請負契約の予定価格の算定等は適切なものとなっているか、林道工事等の設計、積算及び施工は適切に行われているかについて、関係書類を調査検討したり、現地を確認するなどして検査しております。
続きまして、検査報告に掲記した事項についてでありますが、お手元に配付しました資料の四ページ以降に示しております。
国有林野事業の経営や収支状況を取り上げたものとしては、特に掲記を要すると認めた事項として、昭和五十年度、六十年度及び平成七年度の三度にわたり検査報告に掲記してきております。また、不当事項等の指摘金額は、昭和六十一年度から平成七年度までの十年間で、特別会計が一億六千七百九十六万円、一般会計が二億一千八百四十三万円で、合計三億八千六百三十九万円となっております。
これらのうち、平成七年度の国有林野事業の経営に関する特記事項と六年度の社会保険料等に関する処置要求及び意見表示事項について、その概要を説明させていただきます。資料の八ページでございます。
まず、平成七年度に特記事項として掲記した国有林野事業の経営についてでございます。林野庁では平成三年七月に現行の改善計画を作成しておりましたので、その推進状況等について、国有林野事業全体と営林署単位の両面から調査いたしました。
その結果、国有林野事業全体の経営状況につきましては、自己収入の大半を占める林産物収入が減少する一方、職員の給与経費等の収入に対する比率は上昇しておりました。また、森林の整備、保全管理等のため必要な投資額が多額となっておりました。このため、借入金が増加し、その償還及び支払い利子も増加の一途をたどっている状況でありました。また、営林署の経営状況につきましては、外材と競合することのない木曽ヒノキなどの樹種を多く保有している営林署は収入超過、外材の価格に影響される杉などの樹種を多く保有している営林署は支出超過となっておりました。また、調査した営林署では、その収入の約九〇%が木材生産林からのものとなっており、公益林からのものは少額となっておりました。一方、公益的機能の確保等の必要から、公益林に係る造林、林道の投資額が多額に上っておりました。
このように、国有林野事業は、経営改善を推進する上で困難な事情を抱えており、このまま推移すると、平成十二年度までに経常事業部門で借入金依存から脱却し、二十二年度までに事業の収支の均衡を回復し経営の健全性を確保するという目標の実現が困難となるおそれがあると認められました。つきましては、公益林に係る経費が明確に把握できるような方途を講じ、その財源のあり方を総合的に検討することなどにより、事態の改善が図られることが望まれる旨を掲記しております。
次に、資料の十一ページでございますが、平成六年度に処置要求事項及び意見表示事項として掲記いたしました国有林野事業の素材生産及び造林の請負化に伴う社会保険料等についてでございます。
林野庁では、素材生産事業等を森林組合等に請け負わせて実施しておりますが、その予定価格の積算に当たっては、保険料及び共済掛金の事業主負担額を、現場作業員の全員が加入しているものとして算定しておりました。しかし、調査したところ、社会保険等の適用除外者等について事業主負担額を積算していて積算が過大になっていたり、加入すべき者を加入させておらず、積算で見込んだ経費が効果を発現していなかったりしているものが見受けられましたので、処置要求及び意見表示を行ったものでございます。
以上、会計検査院の検査の概要について御説明いたしましたが、会計検査院といたしましては、国有林野事業の経営について引き続き注視するとともに、今後とも、検査の観点、検査の方法などについてさらに創意工夫を加えながら、林野庁所掌事業の全般について検査していく所存でございます。
簡単ではございますが、これで御説明を終わらせていただきます。