決算委員会

1997-11-26 衆議院 全126発言

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会議録情報#0
平成九年十一月二十六日(水曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 冬柴 鐵三君
   理事 高市 早苗君 理事 浜田 靖一君
   理事 原田昇左右君 理事 穂積 良行君
   理事 大口 善徳君 理事 笹木 竜三君
   理事 葉山  峻君 理事 佐々木憲昭君
      大野 松茂君    熊谷 市雄君
      佐藤 静雄君    佐藤  勉君
      阪上 善秀君    下村 博文君
      田邉 國男君    山口 泰明君
      草川 昭三君    若松 謙維君
      佐々木秀典君    中林よし子君
      堀込 征雄君    前田 武志君
      武村 正義君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  島村 宜伸君
 出席政府委員
        林野庁長官   高橋  勲君
 委員外の出席者
        会計検査院長  疋田 周朗君
        会計検査院事務
        総局次長    森下 伸昭君
        会計検査院事務
        総長官房総務課
        長       船渡 享向君
        会計検査院事務
        総局第四局長  牛嶋 博久君
        決算委員会調査
        室長      天野  進君
    —————————————
委員の異動
十一月二十六日
 辞任         補欠選任
  熊谷 市雄君     阪上 善秀君
  滝   実君     大野 松茂君
  仙谷 由人君     佐々木秀典君
  前田 武志君     堀込 征雄君
同日
 辞任         補欠選任
  大野 松茂君     滝   実君
  阪上 善秀君     下村 博文君
  佐々木秀典君     仙谷 由人君
  堀込 征雄君     前田 武志君
同日
 辞任         補欠選任
  下村 博文君     熊谷 市雄君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 歳入歳出の実況に関する件(国有林野事業に関
 する問題)
     ————◇—————
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冬柴鐵三#1
○冬柴委員長 これより会議を開きます。歳入歳出の実況に関する件、特に、国有林野事業に関する問題について調査を進めます。本日は、国有林野事業に関する問題について、農林水産大臣及び会計検査院長より説明を聴取した後、質疑を行うことといたします。質疑は、まず、各党を代表する委員が順次質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 なお、御発言はすべて着席のままで結構でございます。
 それでは、まず、農林水産大臣より説明を聴取いたします。島村農林水産大臣。
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島村宜伸#2
○島村国務大臣 国有林野事業の現状及び抜本的改革の方向につきまして御説明申し上げます。我が国の国有林は、森林面積二千五百万ヘクタールの約三割に当たる七百六十五万ヘクタールを占め、その大部分は我が国の脊梁山脈にあり、国土保全、水資源の涵養などの上で重要な役割を果たしております。
 そもそも国有林野事業は昭和二十二年に独立採算制により特別会計のもとでスタートし、その後、例えば高度成長期には拡大した需要に応じた木材供給を行うなど、それぞれの時代の要請にこたえて、国民経済の発展に大きく貢献してまいりました。
 財務状況につきましては、昭和三十年代から四十年代にかけては、木材価格が堅調であったことから黒字で推移しました。しかしながら、昭和三十九年に木材輸入が完全自由化された後は、輸入材の増大により木材価格が低迷していること、間伐材の需要が減少してきたことなどから、我が国の林業が経営の悪化、林業従事者の高齢化などのさまざまな問題に直面していく中で、特に国有林につきましても、戦時中や戦後の高度成長期において旺盛な木材需要にこたえて大量伐採を行ったため、伐採適齢期に達した森林が減少してきたことなどから、昭和五十年代に入って急速に収支が悪化してきました。
 これに対して、独立採算制という枠内で、収入不足を財政投融資借り入れで補いつつ、経営改善を図るため、昭和五十三年に国有林野事業改善特別措置法を制定し、ピーク時に八万九千人いた要員を、新規採用を抑制し退職者の大半を補充しないという方法により、今日、一万五千人にまで縮減してまいりました。また、財投借入金の金利の一部を一般会計の繰り入れ対象にするなど一般会計からの支援を徐々に拡充し、経営改善のため最大限の努力を行ってまいりました。
 しかしながら、木材価格はその後も低迷する一方、伐採適齢期に達した森林も減少を続け、収支は一向に改善しない状況にあります。
 平成八年度の収支構造を見ますと、歳入のうち信入金が約三千百億円と全体の五八%を占めており、また、歳出のうち利子支払いが約千八百億円、償還金が約千二百億円、合計約三千億円と全体の五四%を占めております。この結果、ここ数年は債務残高が毎年二千億円ずつ増加し、平成八年度末には三兆五千億円に達しているところであります。その中には八・五%というような高金利時代の借入金も残っており、平均金利は五・二%と金利負担が重荷となっております。この状態をこのまま放置しておけば、ますます債務が累増し、事態が一層悪化する懸念があります。
 また、森林の手入れをしないで放置した場合には、日当たりや風通しが悪くなり、下草が生えないため、肥沃な土壌が流出したり、樹木が病虫害に侵されやすくなるなど、森林の持つ国土保全、水資源の涵養などの機能が低下してしまうおそれもあります。
 このようなことから、農林水産省といたしましては、国有林を的確に整備し国有林野事業の使命を果たすためには、抜本的な改革が必要と考え、今回の改革案を提示したところであります。
 改革の第一が、森林整備方針の転換であります。これまでの国有林の経営は、主として木材生産に役立つ山づくりを行ってきましたが、今後は、国民の要望にこたえ、国土保全、水資源の涵養、保健休養の場の提供などの公益的機能の発揮に重点を置いて森林の整備を行うこととしております。
 改革の第二が、独立採算制の廃止であります。今回、森林整備方針の転換に伴い、木材販売収入などにより森林整備のための費用を賄うという独立採算制は廃止し、森林整備のために必要な所要の経費を一般会計で賄うことが必要であると考えております。
 改革の第三が、組織・要員の削減合理化であります。組織については、本庁二部を一部に、十四の営林局・営林支局を七のブロック単位の組織に、二百六十四の営林署を九十八の流域単位の組織に再編することとしております。
 また、要員につきましては、国の業務を、保全管理、森林計画、治山など民間では担えない業務に限定するとともに、伐採、造林等の事業の実施は全面的に民間に委託することにより、平成八年度末一万五千人を平成十五年度末には三分の一程度に縮減することとしております。今後、職員や労働組合の理解と協力を得ながら実施してまいりたいと考えております。
 改革の第四が、累積債務の処理であります。これは、組織・要員の徹底した合理化などぎりぎりの自助努力を行った上で、国有林野事業で返済できる債務はみずから負い、これを超える債務は一般会計の負担をお願いするという考え方を基本としております。
 具体的には、平成十年度末約三兆八千億円に達すると見込まれる累積債務について、林野、土地売り払い、林産物の販売等の自助努力により今後三十五年間に返済し得る約五千億円の債務は国有林野事業特別会計が負担し、これを超える約三兆三千億円の債務は一般会計に承継していただきたいと考えております。さらに、三十六年後から五十年後までの間に、伐採適齢期を迎えた林産物の販売等の自助努力により国有林野事業特別会計から一般会計に五千億円を繰り入れることとしております。
 この累積債務処理に際しましては、財投借入金について金利軽減措置が必要と考えております。
 農林水産省といたしましては、国民共通の財産である国有林を健全な姿で次世代に引き継ぐためには、いっときも早く累積債務を本格的に処理することが必要と考えております。
 以上をもちまして、国有林野事業の現状と抜本的改革の方向に関する説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
 ありがとうございました。
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冬柴鐵三#3
○冬柴委員長 次に、会計検査院長より説明を聴取いたします。疋田会計検査院長。
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疋田周朗#4
○疋田会計検査院長 本日の御審査は、林野庁所掌の国有林野事業特別会計に関する問題についてということでございます。
 会計検査院といたしましては、国有林野事業特別会計が膨大な累積債務を抱えていることにかんがみ、従来から重要な検査対象の一つと位置づけ、鋭意検査に取り組んできているところであります。そして、これまでに国有林野事業の経営の問題を含めさまざまな予算執行上の問題点を指摘し、当局に改善を求めてきたところであります。
 それでは、会計検査院が行っております国有林野事業特別会計の検査の概要につきまして御説明いたします。
 まず、資料の一ページでございますが、検査の観点でございます。
 国有林野事業の財務状況は、平成八年度末で累積欠損金が一兆六千百四十三億円、債務残高が三兆五千二百二十七億円に達し、経営環境はますます厳しくなっております。したがいまして、国有林野事業の経営実績を分析して、経営悪化の原因を究明するとともに、収入の確保及び支出の抑制を図る観点から、収入の面では林産物の販売収入、支出の面では造林事業、林道事業等について重点的に検査しております。
 次に、資料の二ページでございますが、検査の実施体制についてでございます。
 林野庁の検査につきましては、第四局上席調査官、農林水産担当が実施しております。このうち、国有林野事業特別会計の検査に従事している職員は五名でございます。また、検査の実施状況でございますが、国有林野事業特別会計の検査にかかる人日数は、過去三年間をとってみますと、年間三百人目から五百人目程度となっております。
 次に、検査の方法でございますが、これは三ページでございます。
 国有林野事業特別会計の収入につきましては、素材等の販売契約は適切に行われているかなどについて、各営林署で作成している予定価格調書等により検査いたしております。また、支出につきましては、造林事業等に係る請負契約の予定価格の算定等は適切なものとなっているか、林道工事等の設計、積算及び施工は適切に行われているかについて、関係書類を調査検討したり、現地を確認するなどして検査しております。
 続きまして、検査報告に掲記した事項についてでありますが、お手元に配付しました資料の四ページ以降に示しております。
 国有林野事業の経営や収支状況を取り上げたものとしては、特に掲記を要すると認めた事項として、昭和五十年度、六十年度及び平成七年度の三度にわたり検査報告に掲記してきております。また、不当事項等の指摘金額は、昭和六十一年度から平成七年度までの十年間で、特別会計が一億六千七百九十六万円、一般会計が二億一千八百四十三万円で、合計三億八千六百三十九万円となっております。
 これらのうち、平成七年度の国有林野事業の経営に関する特記事項と六年度の社会保険料等に関する処置要求及び意見表示事項について、その概要を説明させていただきます。資料の八ページでございます。
 まず、平成七年度に特記事項として掲記した国有林野事業の経営についてでございます。林野庁では平成三年七月に現行の改善計画を作成しておりましたので、その推進状況等について、国有林野事業全体と営林署単位の両面から調査いたしました。
 その結果、国有林野事業全体の経営状況につきましては、自己収入の大半を占める林産物収入が減少する一方、職員の給与経費等の収入に対する比率は上昇しておりました。また、森林の整備、保全管理等のため必要な投資額が多額となっておりました。このため、借入金が増加し、その償還及び支払い利子も増加の一途をたどっている状況でありました。また、営林署の経営状況につきましては、外材と競合することのない木曽ヒノキなどの樹種を多く保有している営林署は収入超過、外材の価格に影響される杉などの樹種を多く保有している営林署は支出超過となっておりました。また、調査した営林署では、その収入の約九〇%が木材生産林からのものとなっており、公益林からのものは少額となっておりました。一方、公益的機能の確保等の必要から、公益林に係る造林、林道の投資額が多額に上っておりました。
 このように、国有林野事業は、経営改善を推進する上で困難な事情を抱えており、このまま推移すると、平成十二年度までに経常事業部門で借入金依存から脱却し、二十二年度までに事業の収支の均衡を回復し経営の健全性を確保するという目標の実現が困難となるおそれがあると認められました。つきましては、公益林に係る経費が明確に把握できるような方途を講じ、その財源のあり方を総合的に検討することなどにより、事態の改善が図られることが望まれる旨を掲記しております。
 次に、資料の十一ページでございますが、平成六年度に処置要求事項及び意見表示事項として掲記いたしました国有林野事業の素材生産及び造林の請負化に伴う社会保険料等についてでございます。
 林野庁では、素材生産事業等を森林組合等に請け負わせて実施しておりますが、その予定価格の積算に当たっては、保険料及び共済掛金の事業主負担額を、現場作業員の全員が加入しているものとして算定しておりました。しかし、調査したところ、社会保険等の適用除外者等について事業主負担額を積算していて積算が過大になっていたり、加入すべき者を加入させておらず、積算で見込んだ経費が効果を発現していなかったりしているものが見受けられましたので、処置要求及び意見表示を行ったものでございます。
 以上、会計検査院の検査の概要について御説明いたしましたが、会計検査院といたしましては、国有林野事業の経営について引き続き注視するとともに、今後とも、検査の観点、検査の方法などについてさらに創意工夫を加えながら、林野庁所掌事業の全般について検査していく所存でございます。
 簡単ではございますが、これで御説明を終わらせていただきます。
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冬柴鐵三#5
○冬柴委員長 これにて説明の聴取は終了いたしました。
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冬柴鐵三#6
○冬柴委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穂積良行君。
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穂積良行#7
○穂積委員 きょうは、非常に危機的な状況にある国有林野の経営問題につきまして、この決算委員会において、この問題の根源にさかのぼって質疑をさせていただきたいと思っております。
 その前に、ただいま会計検査院長から御説明のあった会計検査院の指摘事項について若干触れさせていただきます。
 今御説明の国有林野事業についての検査結果、不当事項、処置要求事項等が十ページからございますけれども、この内容を見ますと、十ページの一番上の「エ」の治山工事の契約高が割高になっているという指摘、あるいは「オ」の素材生産請負事業についての労務費の積算について改善を求めたことなどは、これは事務的なミスということで理解すればいいと思うわけであります。また、「カ」の職員の不正行為については、これは、そうした職員もまれな例ではあるけれども出たということで、それが指摘されたということだと思います。
 次の十一ページの「キ」は、国有林野事業を森林組合等に一部随意契約によって請け負わせていることについての、その妥当を欠くやりようということでありますが、これについては、我が国の林業のうち民有林について、その主たる役割を担っている森林組合というものについての現状分析と、それからこれについてどのような政策を進めていくかということにかかわると思いますので、その点について、この十一ページの「キ」の事項に関連してまずお伺いをしたいと思っております。
 これについては、今、私は率直な感想を申しましたけれども、会計検査院としては、こうした指摘事項についての林野庁の処置についての評価はいかがでしょうか。林野庁がとった処置はおおむね妥当と評価されておられるかどうか。
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疋田周朗#8
○疋田会計検査院長 私どもの指摘に対しまして、林野庁では、指摘の趣旨に沿って、不適切な事態の再発を防止したり、あるいは施策の目的が達成されるように関係通達を改正しておられるところでございまして、私ども会計検査院といたしましては、指摘に対して適切な処置がとられたと認識しているところでございます。
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穂積良行#9
○穂積委員 それでは、林野庁に伺いますけれども、林野行政の中で、森林組合についてどのような現状認識を持ち、また、これについてどのような施策を進めているかについて御説明をいただきたい。
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高橋勲#10
○高橋政府委員 お尋ねの森林組合につきましては、平成七年度末現在で千四百五十五組合ありまして、地区内森林所有者の四九%が加入しております。そして、組合員が所有している森林面積は、地区内民有林面積の七三%となっております。その森林組合のうちの約八割が作業班を有しておりまして、民有林の新植の約八割、間伐の約七割を実行しております。ということは、流域の森林整備でありますとか、あるいは林業振興にとりまして、中核的な担い手という役割を果たしていると認識しております。
 しかしながら、その経営基盤について見ますと、小規模な組合が多くて赤字組合が約三割を占めるなど、依然として脆弱でありまして、その役割を果たしていく上で経営基盤の強化が不可欠と思っております。そのために、本年四月一日から施行された森林組合法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律で、その合併計画の提出期限を延長したり、森林組合の事業範囲の拡大、あるいは指定森林組合制度の創設、経営管理体制の整備などを図っているところであります。これに伴いまして、本年度から、合併関係者間の合意形成を促進することを通じて合併を推進する事業や、森林組合による不在村者等所有森林の整備を推進する事業を実施しております。
 いずれにしましても、都道府県や市町村と連携しまして、森林組合が我が国の森林整備や林業振興の担い手として十分な役割を果たすように、取り組みを支援していきたいと思っております。
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穂積良行#11
○穂積委員 今林野庁長官から御説明をいただきましたが、およそ千四百の森林組合が、従来も、それからこれからも、それぞれの地区での民有林の適切な施業あるいは維持管理等について大きな役割を果たしていくことは間違いがありませんので、その組合の体質を強化しながら、その社会的な使命をも果たしていただくような施策を続けていただきたい、こういうことを申し上げたいと思います。
 その際、特に、現場をごらんになれば、森林組合の作業班は高齢化した要員で担われている、そうした現状はもうおわかりと思います。林業の担い手の確保ということも、これは農業の担い手と共通する面がありますが、十分留意して施策を進めていただきたいと思います。
 それでは、この問題はその程度にいたしまして、会計検査院も毎年の検査の結果で取り上げておられる国有林野特別会計の経営の実態、これをどうすべきかということについてこれからいろいろ伺いたいと思います。
 まず、現在、累積三兆五千億余りという膨大な債務を抱えるに至ったこの国有林野特会でありますが、この原因について、少し問題の所在を明らかにしたいと思います。
 私も過去においてこの組織の一員として働いた者でありますけれども、戦後、復興の過程で木材に対する需要が非常に大きくて、これを国有林から極力安定的に供給するということのために要員を抱えて、ピーク時には八万九千人という要員を抱えていた組織であります。今大臣からお話しのように、現在は約一万五千人というところまでリストラを進めてきたという経緯があるわけですが、そうした中で、組織も合理化し、要員も削減して、なおかつこのような累積赤字を抱えているというこの国有林野について、材価が低迷している、投じたコストに合わないということで赤字発生になっているということは間違いないと思うのです。
 そのきっかけになったのは、大臣御説明のとおり、戦後、あの昭和三十九年に外材の輸入の自由化が断行された、これは国際化という流れの中で、しかも国内の材価安定という政策目的のもとに行われたわけでありますが、それによって、国産材が割に合わないような材価になるようになった、こういうことはもう間違いないところでありますが、こうしたことについて、改めて、この材価の推移、そして、これにより国有林野経営が非常に困難を来すことになったことについての認識をお伺いしたいと思います。
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高橋勲#12
○高橋政府委員 国有林野事業特別会計が、木材の生産、その収入ですべての経費を賄うという仕組みになっておりますので、材価の変動が一番影響をもたらしますし、それから、伐採する事業量、これが大きな影響をもたらすわけであります。
 御指摘の材価につきましては、昭和三十五年というふうな古い時期から申し上げますと、その当時、杉の山元一立方で伐木の作業員を十一人雇うことができたわけでありますけれども、現在では〇・九人というふうに、材価とほかの物価の比較が、相対的な価格という意味で、十一分の一といいますか、そのような価値の下落をしております。
 材価だけで端的に言いますと、材価の一番高い時期は昭和五十五年でありますけれども、五十五年に比べて現在の価格はその五八%というふうなことで、非常に低い水準に陥っております。したがって、その事業収入における林産物収入、これが下落の一途をたどったということであります。
 材価のそれだけ落ち込んだ理由としては、やはり昭和三十九年までの国内の木材の不足ということで自由化を行いまして、どんどん外材を使うようにしてきた。昭和四十五年にはその外材と国産材の比率がもう半分半分になりまして、以後は外材がシェアをどんどん拡大し、現在段階では外材が八割を占めている、このような状況でございます。
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穂積良行#13
○穂積委員 実は、昭和二十二年に戦後の国有林野の組織がスタートしてから昭和五十年前後までは、国庫に対して国有林野から稼ぎのうちかなりの額を納付しておった、こういういい時代もあったわけであります。
 その国有林野特会から一般会計に繰り入れた額は、累計でどのくらいになっており、それを現在の消費者物価に換算したらどのくらいの額になり、それだけ国家財政に寄与したということになると思うのですが、その額等について説明をしてください。
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高橋勲#14
○高橋政府委員 お尋ねの件は国有林野事業特別会計から一般会計への繰り入れでありますけれども、国有林野事業特別会計法に基づきまして、林業の振興のために必要な経費等の財源に充てる場合に予算の定めるところにより繰り入れを行ってきたわけでありますけれども、その額は、昭和二十八年から五十二年までの間に累計約九百二十三億円となっております。
 この繰入額を、例えば消費者物価指数の上昇率を用いて試算しますと、約三千億円と見込まれております。
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穂積良行#15
○穂積委員 今お答えがありましたように、現在の物価で考えればおよそ三千億円は、国民のために国庫に納付して寄与した、こういうことになるわけですね。ところが、実は昭和五十年ごろから、先ほど御説明がありましたように、収入、支出の関係では支出の方が多くなって赤字に苦しむような体質に変化してしまった、こういう経過があるわけですけれども、その結果、昭和五十一年から、事業費を調達するためにはどうしても金をどこからか借りなければならないということで、借りた相手は財政資金。これは資金運用部から、今いろいろと議論が行われています郵便貯金等の資金運用部への預託資金を林野庁がお借りして、収入、支出のつじつまを合わせたという歴史ですね。
 その、いわゆる財投から借りた資金の利息は、現在はたしか平均して五・二%の金利という状況になっていると伺っておりますけれども、今大体市中金利二%台という低利の資金調達が行われる中で、国有林野特会は、三兆五千億の累積赤字に対して、そのような市中金利とはかけ離れた高利の支払いを続けているこういう状況があるわけですね。そこがこの国有林野の、今後どうするかという問題についての一つの大きなポイントだと思います。
 そこで、そのような借入金を年々行い必要な支出額を確保する、こういう歴史の中で、一体国有林野特会はこれまでに総額幾ら借金をしたか、その累計。
 それから、それに対して、事業費として、本当に中身のある仕事に使ったといいますか、そうした実質の事業費支出の累計は幾らか。
 それと、年々雪だるま式に借金がふえ、その借金の中には、返せない借金について、利息も含めて元本に繰り入れてということでの複利的なことも含めて、利息を毎年ずっと払ってきた、その利息額の累計は幾らになるか。
 そういう状況を数字的に明らかにしていただきたいと思います。
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高橋勲#16
○高橋政府委員 お配りしてあります資料の、国有林野事業の抜本的改革についてというところの十六ページに、その資料、細かい数字で恐縮ですが、載せてあるわけでありますけれども、今お尋ねの件の平成八年度までにどれだけ借り入れをしたかという総額は、四兆六千二百億でありまして、この間償還をしておりまして、一兆九百七十二億を返しております。したがって、累積債務残高が三兆五千億。アバウトな数字で申し上げますと、四兆六千億を借りて一兆一千億を返しまして、三兆五千億が債務残高という数字であります。
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穂積良行#17
○穂積委員 今長官が十六ページの資料について説明をされましたが、これは各委員の皆さんもよくごらんいただきたいと思います。
 改めて私からも数字を確認的に申しますと、昭和二十二年から約五十年の間に、国有林野は、十三兆の収入のうち、稼ぎ出したのが約八兆円。それで、借入金四兆六千億と、一般会計からいただいた四千三百三十二億円、合わせて十三兆余りの収入ということになっている。借金が累計四兆六千億余り。稼ぎ出したのは八兆円余り。
 それで、支出の方で真水的に、中身のある事業費支出と私が先ほど言いましたが、何とそれが十兆円ということですね。利息が一兆九千億。元本償還は一兆一千億と長官言いましたが、こういう数字になっているということですね。それらの結果が三兆五千億余りの債務残高ということで、この表でごらんのとおりだと思うのですね。これについて一体どうするんだという話が、私はまさにきょうのこの委員会での主題だと思っておるわけであります。
 このように自己収入八兆円ということは、先ほど申しましたように、外材自由化に伴って、材価低迷、これ以上は稼げなかったということですね。そういうことが一つ。
 しかし、必要な事業支出として十兆円ぐらいは使わなければならなかった、足りない分は借金で補ったということだが、その借金に対して利息を累計で一兆九千億も払ってきた。今後もこのまま必要な事業を行い、しかし足りない分は借金で賄い、できるだけ稼ぎながらこの経営を維持していけるかということですが、どうもそういうことではもう続かないということで、大臣から御説明ありましたように、今回、抜本的な特会の改善措置というものを打ち出さざるを得なくなった、こういうことだと思うわけであります。
 そこで、これまでは、一つは国有林野が担っている、公益的機能と俗に言いますが、重要な役割について、これは稼ぎにならない部分について金を使わなければならない、それを支出してきたということなんですが、これについては今後どうすべきかということだと思います。国民のために稼ぎと離れた仕事をしていくということについては、国民的な理解のもとにこれは特会以外の、一般会計の方で負担してもらうのは当然だと思うわけであります。それが一つ。
 それからもう一つ、繰り返し述べましたけれども、現在平均して五・二%という累積赤字に対する利息というものを今後も払っていくのか、これはもう無理ではないか、こういうことで、金利が経営に与える重圧というものをなくさなければならないということが必然的な今後の方向だと思うわけであります。
 以上二点についてお答えをいただきたい。
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高橋勲#18
○高橋政府委員 先ほどの表でもう一度、繰り返しになるところもありますが御説明して、今の金利の負担とか公益的な経費について申し上げたいと思います。
 この表によりますと、「事業支出」という欄がちょうど真ん中辺にございますが、それがトータルで十兆円という数字でありまして、それから左側の「収入」のところで「自己収入」というのがトータルで八兆円。結局、特別会計ですから自己収入で事業支出を賄うということなわけですが、昭和二十二年に始まって平成八年までの間に自己収入で得た金額が約八兆円、その間に必要だった事業支出が十兆円。
 これをどういうふうに工面したかといいますと、「一般会計より受入」というのが四千三百三十二億ということで「自己収入」の隣の欄にあります。結局、不足した金額は一・六兆円ということでありますが、これをトータルで見ますと、借入金四兆六千億を行いまして、その中から約一兆一千億を元本として返済いたしまして、それから一兆九千億を利子として支払いまして、その残りが一・六兆円、こういう実態でございます。
 ですから、借り入れによる金利の負担、それから元本の返済、これが非常に大きく、特別会計に難しい、困難な事態を招いたということであります。
 そして、現在の借りております三兆五千億の累積債務があるわけですが、この累積債務の約定どおりの返済を、これから利子を支払おうとしますと、約一兆八千億の利子の支払いがこの三兆五千億の元本返済とともに求められるわけであります。したがいまして、財投からの借り入れをこのまま続けていれば、そのために国有林野特別会計が非常に困難な事態になるという状況だと思っております。
 それにこれからは、大臣から御説明したように、国有林に対する国民の期待が、木材の生産よりも国土保全、環境保全、水資源の涵養あるいはレクリエーションの森の造成、そんなふうな公益的な機能を発揮する点に求められておりますので、こういう面からいきますと、やはり木材の収入だけでその公益的な機能を賄うというのはもうできないのではないか、そういうふうな森林整備をやるためには、やはり一般会計に必要な資金は要求をしていく方向、新しい特別会計の制度になるべきではないか、そんなふうに考えているところでありまして、この累積債務の処理、それから森林整備に要する一般会計の繰り入れ、そういうことを新しい制度として平成十年度の予算要求で要求をしているところでございます。
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穂積良行#19
○穂積委員 まことにこのような借金の重圧のもとに、さらに利息、元本を返すために三千億くらいは毎年借りなきゃならない。そうしたことをいつまでも続けていいのかということからすれば、ここはもうとにかく抜本的な国有林野特会の見直し、経営改善計画を策定し実施するということは当然のことだと思うわけであります。
 しかし、これは先ほどちょっと申しましたけれども、ピーク時には八万九千人いた組織をとにかく要員を減らしていかなければならない。ただ、生首整理といいますか、そういうことを簡単にやれるかということもありまして、欠員不補充ということで要員を減らす必死の努力をしてきたということですね。その結果、今国有林野に残る一万五千人の要員の高齢化が進み、営林署や林業事務所に行けば白髪の目立つ年輩の人たちが国有林野を守っているという現実になっているということですね。
 そこで、これまで要員減らしには極力努力してきた、そしてそれと並行して、かつては十四営林局があったのを、どんどんこれからも整理統合といいますか、流域ごとの営林局といいますか営林署というか、その辺の組織の合理化ということも進めなければならないということになっているわけでしょう。この要員の削減と組織の合理化ということについて、およそのこれまでの悪戦苦闘の歴史についてちょっと所感を述べてください。
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高橋勲#20
○高橋政府委員 御指摘のように、戦後の高度成長期の旺盛な木材需要に対応するための増伐、増伐を行いますとその後の造林ということで、大量の要員が必要だったわけであります。そのときの要員のピークは、昭和三十九年に八万九千人ということでございます。
 その後、財政状況の悪化というふうなことで、この要員のリストラということを、昭和五十三年に策定しました国有林野事業の改善に関する計画、これに基づきまして実行し始めたわけであります。
 この改善計画も四回改定いたしましたが、五十三年度に始めたときの要員が六万五千人おったわけであります。八万九千人おった要員を次第に減らして、昭和五十二年までに六万五千人にしてきたわけですが、その六万五千人をさらに、現在の改善計画は平成三年度に始まったわけですが、この時点には三万一千人に減少させてきております。その三万一千人を現段階、平成九年度当初は一万五千人にまで減らしてきているところであります。そうしまして、今度はこの一万五千人を、先ほど大臣からの御説明のように、抜本的対策ということで平成十五年度末には三分の一程度に縮減していこうというのが計画でございます。そのときには、やはりこれまでのような木材生産中、心から公益的な機能中心というふうなことで、今までやってきた現場の仕事は民間にすべて委託をして、国有林の職員がやる部分は、森林計画ですとか治山事業、森林の保全、こういう事業に限定していくことでこのような要員のリストラを可能にしていこうというふうに考えております。
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穂積良行#21
○穂積委員 今お話しの国有林野は何をすべきかということについて、かつては、とにかく優良なる国産材の供給、それから良好な森林の保全といいますか、そうしたことで国有林野の使命が設定されてきたわけですが、今経営がこういう状況だから国有林野が本来担うべき役割というものを、ある程度もうこの仕事はいいじゃないかというようなことでやめてしまうというようなことがあちこち出て、本当に国民的立場からそれでいいのかというような問題などが議論されなければならないところがあると思うわけであります。
 その辺、再度、今まで国有林野は、林業のモデル的な施業や何やも民有林の皆さんにお見せしなければというような意気込みで造林を行い、保育を行い、立派な人工林をつくってきたということがあるわけですが、その仕事をかなり手抜きするというようなことになっていいのかというおそれもあるわけです。
 それからもう一つ、一般会計にお世話になるという場合に、これ以上お金をかけていいのかということからして、国有林の、大事な国民の休養の場であり、あるいはレクリエーションの場であるということや何やという、その空間を良好な状態で保全していくということについて手抜きするということがあっていいのかということやら、そういう懸念を片方から持たれることになりかねない。その辺は、とにかくなりふり構わず経営の改善をするためにこれまで使命と思っていたことの茂らかはもうなおざりにするということでいいのかというあたりの問題について、どんなふうに考えておられるかをお答えいただきたい。
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高橋勲#22
○高橋政府委員 そのような懸念もなきにしもあらずということだと思いますが、私どもとしましては、先ほど申し上げたような基本的な考え方に立ちまして、木材生産から公益的機能を中心に事業を進めていく。そのためにこれまでの木材生産の現場を放棄するということではなくて、そういう箇所も、やはり民有林のモデルになるような森林あるいは長伐期、複層林にするような森林、そういうふうな木材生産の場としての確保もきちんとやります。
 そのためには、先ほどリストラの中で要員を申し上げまして組織の方を申し上げませんでしたけれども、組織の方も再編しまして、営林局、営林署も流域単位あるいは地域ブロック単位に再編いたしまして、営林署は特に、現在二百六十四あるのを流域単位に再編して九十八の組織にしていこうと。この組織はやはり、その流域において民有林との林業の交流、国民一体としての流域管理システム、そういうところでの技術的なリーダーシップというふうなことも考えて再編をしていきたいというふうに思っております。確かに、人も減り、予算も減り、一般会計の導入ということで苦しい面はありますけれども、国有林が、現在の国民のニーズに基づいて、国土保全あるいは水資源の涵養あるいはレクリエーションの森、そして木材生産というふうな使命をきちんと果たせるように再編をしていきたいと思っております。
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穂積良行#23
○穂積委員 大臣の説明の中で、これからの国有林野事業についての改革の基本テーマとして、第一に森林整備方針の転換、今長官がお触れになりましたけれども、そういうことを考えておられますが、それは公益的機能の発揮に重点を移すということはやむを得ないといいますか、当然かなという感じはしますけれども、それと並行しての生産活動というものを手抜きするということについての懸念ということは、これは、現場で今まで国有林野に携わってきた人たちが非常に心配しているわけです。私も現場に行きまして、おれたちが一生懸命国有林野の仕事として木を植えた、下刈りもした、ところが営林署の話では、これから金が回ってこないから、これ以上の下刈り、枝打ち、除伐、間伐といったことなどをもうやる金もない。せっかくこれまで金をかけたのに、立派な人工林として、優秀な木材生産の場として国有林を守っていくということをやめてしまうのかというような心配をよく聞きますよ、これは。その辺を念頭に置いて、これからも国民の皆さんの御意見を十分頭に置いて対処していただきたい、こういうことが一つであります。
 それから、独立採算性の廃止というのは、これはここに至れば当然のことであり、これについては国民の皆さんも、これまで国有林野でまじめに仕事をして、優秀な林材供給ということで一生をかけた人の思いも込めた過去の歴史を踏まえて、今回、組織・要員を縮小するとしても、そこは、この過去のまじめな仕事というものの結果、やむを得ざるところにより赤字を累積し、この始末をつけることになったのだということ、それは国民の皆さんに御理解をいただいて、これについての財政支出等は理解を示していただくということではないかと思いますので、その辺についての当局の理解をいただくための活動というものは、これは怠ってはならないと思うわけであります。
 それから第三問、組織・要員の削減合理化の問題でありますが、私も過去、労使関係の当事者として経験がございます。生身の人間の人生をかけた仕事というものについてどうなっていくのかという思いを十分酌み取りながら、国有林野で働いてきた人たちの、現に働いている人たちの理解を十分求めながら、理解をいただきながら、そうした要員削減、組織合理化を進めるというその辺の心構えはもちろんおありと思いますが、よろしくお願いをしたいと思うわけであります。
 そんな思いも込めて、実は私、昭和六十年に大蔵委員会で、政府側の答弁者として、当時の社会党の政審会長の伊藤委員からの御質問に答えた資料を配らせていただきました。これは各委員も、苦渋に満ちた、国有林野の経営責任者は十二年前どういう気持ちでおったかお酌み取りいただければということを、自分のことを申してちょっと気恥ずかしいのですが、最後にちょっとお話を申し上げて私の質問を終わりたいと思いますが、最後に、島村農林水産大臣、今までの質疑を通しての大臣としての所見をお伺いいたしたいと思います。
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島村宜伸#24
○島村国務大臣 さすがに林野事業に直接取り組まれた御経験が生々しく感じられ、感服いたしておったところであります。
 国有林野事業につきましては、昭和三十九年の木材輸入の完全自由化以後、木材輸入の増加等により木材価格が低迷していること、また、戦中そして戦後の高度成長期に旺盛な木材需要にこたえて大量伐採が行われましたが、その後植林した木がまだ若いことから伐採可能な森林資源が少ないこと等により、国有林野の管理経営に必要な経費を木材販売収入等で賄う独立採算制の維持が困難となっているわけであります。平成八年度末で累積債務が既に三兆五千億円余になるなど、極めて厳しい財務状況にあるわけであります。
 このため、農林水産省といたしましては、一、公益的機能を重視した森林整備への転換、二、組織・要員の徹底した削減合理化、三、独立採算制の見直し、四、累積債務の本格的処理を柱とした抜本的改革を実施することとし、これに必要な財政措置を要求しているところであります。
 今後、国有林は国民共通の財産であるとの認識に立って、関係省庁との密接な連携のもとに、この抜本的改革の実現に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
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冬柴鐵三#25
○冬柴委員長 穂積良行君の質疑を終わりました。
 次に、笹木竜三君。
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笹木竜三#26
○笹木委員 新進党の笹木竜三です。質問を始めさせていただきます。
 きょうは、幾つかの点で御質問したいと思っているわけですけれども、大きくいいますと、一つは、この国有林野の会計を何とか立て直しをしていかないといけない、そのためにいろいろ改革をしないといけないと思いますけれども、その前提として、いろいろな経営的な分析がしっかりとなされているのかどうか、そのことをお聞きしたいと思います。
 それともう一つは、もちろん採算に合わない部門もたくさんあるわけですけれども、民間に委託するとか、いろいろなお話もあります。経営努力がしっかりとなされているかどうか、コスト削減の努力がしっかりなされているかどうか、そういったことについてもお聞きをしたい、そう思っています。よろしくお願いします。
 まず最初に、今言った立て直しのための分析がしっかりなされているのかどうかということについて、会計等のあり方全般についてもお聞きしたいと思います。
 平成八年度の貸借対照表によると、この特別会計の資産が六兆七千億円、負債が三兆五千億円となっております。例えば、一般会計からこの国有林野事業についてもっとバックアップすべきだということに対して反対の意見を言われる方、これはあえて言っておられるのだと思いますけれども、資産が負債の倍近くあるのなら問題ないじゃないか、そういった極論をあえて言われる方もおられます。まず、これについてどうコメントされるのかをお答えいただきたいと思います。
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高橋勲#27
○高橋政府委員 お尋ねの、資産と負債の関係でありますけれども、確かに貸借対照表上では、土地、立木の資産が六兆七千億あります。債務が三・五兆円ということで、資産が大幅にまだあるではないか、こういう見方をされる可能性はあるわけですが、私どもこれを分析いたしまして、やはり企業として、企業といいますか経営体として健全にやっていくためには、その資産の中身を詳細に見なければいけない。
 その資産の中身を見てみますと、立木竹が約六兆円あるわけですが、その六兆円の中の言うなればすぐお金になるような資産、これは材積勘定ということにしておりますが、それが約二兆五千億、造林仮勘定というふうに申しております、三十年生以下の若い木でまだお金にならない部分でありますけれども、これが三・四兆円あるわけであります。
 簡単に申しますと、まだ若い木、これは売れない資産でありますから、これで負債を賄うというわけにはいきませんので、売れる資産だけ見て、もう既に負債はそれを上回っているというふうな状況であります。貸借対照表上はまだまだ負債を資産が上回ってはおりますけれども、実態は、そういう若い木でありますとか、あるいは森林の中でも保安林、国立公園の中の禁伐林、そういうものも資産の中に入っておりますので、資産があるからといって、資産が負債をまだまだ上回っているからといって、実態はとてもやっていける状態ではない。
 この負債の方は、言うなれば毎年五・二%の金利でどんどん利子がかさんでいくわけでありますけれども、資産の方は逆にふえていくわけではありませんので、この負債をこのまま借り入れたままで金利を払っていくという状態であれば、いっかの時点ではこの資産全体を上回ってしまう事態にもなりかねないというふうな認識をしております。
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笹木竜三#28
○笹木委員 林野庁は、三兆八千億円の債務のうち、今後三十五年間で五千億円は返済できる、資産の処分とか林産物収入によってだというお話なのですけれども、この五千億円の積算根拠はどうなっているのでしょうか。
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高橋勲#29
○高橋政府委員 これから新しい体制になりまして、累積債務の方は、一つの我々の予算要求しているスキームで改善を図り、それから、新しい特別会計ということで、一般会計から森林整備に要するような経費を導入してもらうというふうな体制をとりますと、平成十一年から四十五年度までの三十五年の間に、林野の土地売り払いあるいは林産物処分、こういうふうなことで、剰余金が五千億円出ると長期収支で見込まれるわけであります。
 今借りている財投の資金の約定の最終償還期限も三十五年でありますので、その三十五年間で出てくる剰余金が五千億、これを国有林野事業特別会計の負担として支払いをしたい、負担をしたいという根拠でございます。
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