小松國男の発言 (決算委員会)

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○小松参考人 本日は、石油公団による石油開発企業への投融資事業について申し上げたいと存じます。
 まず初めに、石油探鉱事業の特性と石油公団の投融資事業の概要について申し上げます。
 我が国エネルギー供給の大宗を担う石油の安定供給を確保することは重要な課題であります。そのためには、石油の自主開発を推進する必要がありますが、石油の探鉱事業は極めてリスクの高い事業であり、我が国民間企業のみでは、そのリスクを負って膨大な投資を行うのは困難であります。このため、昭和四十二年に当公団が設立され、自来、我が国民間企業が行う石油探鉱事業に対する出融資及び開発段階における債務保証を行うことにより、探鉱開発事業の支援を行ってきたところであります。
 石油の探鉱事業は、井戸を掘って石油・ガスを発見するものでありますが、膨大な投資に見合う十分な石油・ガスが確保されて初めて商業生産に移行できるものであります。井戸を掘って商業生産に至る確率は、これまでのところ五%にすぎませんが、これは、欧米主要企業と比して遜色のないものであります。このように、石油探鉱事業は極めてリスクが高いものであり、成功した井戸から生産する石油・ガスの収益で、成功に至らなかったもののコストをも賄うことを想定して進められる事業であります。
 石油探鉱事業はこのような特性を有するため、探鉱が不成功に終わった場合には、石油公団は融資金の返済を求めず、出資金とともに損失として処理しており、他方、探鉱が成功し商業生産に至った場合には、融資金の元本・利息、生産量に応じた特別負担金、さらには可能な配当等を受け取ることになっております。このような融資の減免制度は石油探鉱投融資制度上確立されており、石油公団は、かかる制度にのっとって個々の案件について対処してきているところであります。
 このように、石油公団は、案件によっては回収のできないものが生ずることを想定した一定の制度のもとで、リスクの高い探鉱事業に対して出融資を行っているものであります。
 次に、探鉱投融資事業の実績及びその成果について申し上げます。
 石油公団は、民間石油開発企業に対し、原則として探鉱事業資金の七割を限度として出資及び融資を行っておりますが、設立以来平成八年度末までの投融資累計は一兆七千二百六十一億円に達しております。
 民間企業は、リスク管理等のためプロジェクトごとに開発会社を設立しており、これまで投融資の対象となったプロジェクト会社数は、平成八年度末までの累計で二百六十六社に及んでいます。このうち、生産中または生産準備中の会社が四十四社、探鉱中の会社が六十八社、解散準備中の会社が十社であります。平成八年度末までに解散または清算手続中のプロジェクト会社は百四十四社であり、これら企業に係る出資処分損及び融資元本減免による損失処理は、八年度末までの累計で約三千七百二十億円であります。他方、生産中等の成功企業からの配当や利息等の事業収入は、累計で約七千七十億円であります。このため、これまでの損失処理によって石油公団の業務遂行に特段の支障が生じているような状況にはありません。
 これまでの石油公団の支援により、石油自主開発の推進については相当の成果が上がってきております。具体的には、自主開発原油の輸入量について見れば、石油公団設立時に日量二十七万バレルであったものが現在では日量六十七万バレルと、約二・五倍に増加しております。こうした自主開発原油については、二度にわたる石油危機のさなかにおいても減少することはなかったわけでありまして、我が国のエネルギーセキュリティーの確保に多大な貢献をしてきていると考えております。
 次に、いわゆるナショナルプロジェクトの状況について申し上げます。
 第一次石油危機以降、閣議了解などで政府が支援姿勢を明確化したり、石油公団が連絡調整役として一定の役割を果たし、ナショナルプロジェクトと称される事業が数例あります。これらのプロジェクトは、経済界挙げて大型、有望プロジェクトを志向していた時代のもとに成立したものであります。これらのプロジェクトを遂行している企業は、総じて、一九八〇年代半ば以降の油価の下落、低迷及び円高の進展等により、経営に深刻な影響を受けてきたところであり、このことは、我が国の石油開発にとって極めて不幸な出来事と考えております。
 これらの企業においては、コストの低減等経営努力を続けられているところであり、石油公団としても、これらプロジェクトが我が国への石油安定供給に果たしている重要な役割にかんがみ、引き続き支援を行ってまいる所存であります。企業の経営努力と昨今の円安傾向による好影響などとも相まって、経理内容の改善が図られることを期待している次第であります。
 現在、ロシアやカスピ海周辺の旧ソ連邦地域や中南米を初めとして、世界的に鉱区開放が急速に進んでおり、これまで欧米主要企業に比べて後発であるがゆえに何かと不利な面が多かった我が国石油開発企業にとっては、新規鉱区獲得の絶好のチャンスが訪れております。石油公団としては、業務及び資金の一層の効率化に努めるとともに、このようなチャンスを逃さず、我が国民間企業の探鉱、開発活動を積極的に支援してまいる所存であります。
 どうか決算委員会の先生方におかれましては、こうした状況を御賢察の上、我が国のエネルギーセキュリティー確保のため、私ども石油公団の業務運営に引き続き御理解を賜りますようお願いいたしまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

発言情報

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発言者: 小松國男

speaker_id: 21007

日付: 1997-12-03

院: 衆議院

会議名: 決算委員会