橋本龍太郎の発言 (財政構造改革の推進等に関する特別委員会)

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○橋本内閣総理大臣 先ほどからの中井理事の言葉を借用いたしますならば、鈴木教授の講義を非常に真剣に拝聴しておりました。そして、その講義に対してはお礼を申し上げます。その上で私は、ちょっと議員と意見を異にする部分があるな、これは率直にそう感じました。
 例えば、このような状況下、議員が論議を展開されましたように、一時的に財政赤字を拡大をする、そして減税あるいは公共投資の追加、これは当然ながら議員はその公共投資のコストの削減もあわせて御主張になりましたことを私はあわせて伺っておりました。しかし、そういう形で仮に景気を拡大させる、しかしそれは、その増収額でそのために必要とする公債の増発発行額を消し切れるかというと、私は必ずしもそうは思えません。
 ある意味では、我が国はまさに今日までの間、バブル経済の崩壊後、景気対策として大型の補正予算を累次に組んできました。また、税制においても議員御指摘のような方向を見た時期がございます。しかし、その結果として、私はそれはそれなりの底支え効果があったと思いますけれども、公債残高は急激に累憎いたしました。そして、現在の財政状況というのは危機的な状況にあること、これも議員もお認めいただいているところであります。この上、少子・高齢化の進展というものを考えますと、要するに、国民生活のセーフティーネットとしての社会保障支出というものがある、当然ながら制度のより合理的な安定した姿を模索していくにいたしましても、一定の自然増は必ず出てまいります。
 こうした財政構造をこのまま放置しておくことができるかといえば、私はもう限界に来ている。むしろ、経済の活力の低下を食いとめるためにも、あるいは将来に背負い切れないような負担を残さないという点に対しても、財政構造改革というのは一瞬のちゅうちょも許されない状況にあると私は考えております。
 その上で、既によく御承知のとおり、この法律案に書き込む、書き込まないではなく、規制緩和にいたしましても、分権の推進にいたしましても、他方で加速させております。また、今後において、その進展を受けた形で行政改革というものも当然ながら進めていくわけであります。
 私どもは、これは政策選択の問題として、私は議員が引用されましたような東大の偉い先生の学説を批判するほどの力はありません。しかし、もしそういうことをあえて申し上げることを許していただけますならば、先ほどお触れになりました現在の証券市場の状況におきましても、数年前の証券不祥事によりまして、特定の人間への補てんが行われていたことから、一般投資家の心理は完全に冷えました。これがようやくある程度戻り始めた時期に、現在大変な混乱が起きております。こうした状況の中で、市場が信頼を取り戻して、一般の投資家が戻っていただける状況をどうつくるか、むしろそうした問題も私の頭の中にはあることは申し上げておきたいと存じます。

発言情報

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発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1997-10-31

院: 衆議院

会議名: 財政構造改革の推進等に関する特別委員会