村井仁の発言 (大蔵委員会)
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○村井委員 預金保険法につきましていろいろな議論があるわけでございますが、日産生命、それから拓銀、そして山一証券、このところ急激に多くの問題が生じまして、日本発の世界不況というようなおどろおどろしいことさえ言われ、そして現実に懸念される事態になっているわけであります。
ここで、このような金融の危機に対応するためとして預金保険法の改正案が提案されているわけでございますが、私たちは、この内容が不十分であるからこれを出し直してほしい、こういう主張をしておりまして、この問題につきましては別の場で議論をしているわけでございますので、私は、預金保険という手段よりももう少し本質的な対策が必要じゃないか、日ごろそのように考えておる者でございますので、その観点から質問をさせていただきたいと思います。と申しますのは、預金あるいは金融危機という形であらわれているその底には、まだまだいろいろな問題があることは申し上げるまでもないことでございまして、それをどう解決していくのかという根本的なところの議論が不十分なのではないか、あるいは政治的な踏み切りが必要なのではないかという問題意識を基本的に持っているからであります。
そういう意味で、初めに、日本経済の今の状況というものをどう見るかということでありますけれども、明らかに将来の見通しというものはここへ来まして急激に悪化しております。政府見通しの平成九年度実質一・九%の成長というものが達成できると考えている人は、残念ながら非常に少ないというよりほとんどいない、こう言わざるを得ないような状態になっているのではないかと思います。
例えば四−六の実質GDP成長率が発表されて以後、主要な研究機関あるいは金融機関の調査部、シンクタンク、そういったものが発表しました九七年度の予想値というのは軒並み大幅な下落をしておりまして、以前、政府予測と同様に一・九%の成長を予測していた長銀総研それから第一生命経済研究所、この二つがわずかに一・九%という成長率を九七年度について予想していたわけでありますけれども、これもそれぞれ、長銀総研の場合が一%に、それから第一生命経済研究所も〇・七%に修正している。中でも大変衝撃的でございますのは日興リサーチセンターあるいは大和総研、これのようにマイナス成長さえ予想するものがあるわけであります。しかも、この予測は四−六の数字が公表された後に修正作業をして修正した数字でありまして、いわゆる拓銀、山一の破綻の前に発表されたものでありまして、私は、その後の推移を考えれば、事態はもっと深刻な見方をする人が多いのではないか、そのような感想を持っております。このような事態というのは、ある意味では、私たちが昨年以来いろいろな機会に声を大にして警告してきたことがここで現実化したことではないかと思われるわけであります。
後でも少し引用させていただきますけれども、東洋経済統計月報十二月号で七十人のエコノミストの意見を問うているわけでありますけれども、六カ月後に経済状態が何もしないでいてよくなる、こういう見方をしている人はたった一人、斎藤さんという富士総研の副理事長さんですが、この人の発言はなかなかおもしろくて、要するに四—六の消費の落ち込みというのは基本的な流れとしては予測されていたことであって七—九以降増加に転じよう、それから生産調整も比較的軽いだろうという見方をしておりまして、特段の手当ては必要ない、こうなったのは、もとはといえば過去に過大な需要追加策をやったその反動がここへあらわれている、こういう見方をしている。この人を除きますと、後でまただんだん御紹介しますけれども、ほとんどの人が何らかの対策が要るという見方をしている、そういう状態であります。
さてそこで、与党では規制緩和を非常に重視した景気対策をお考えのようでありますが、規制緩和というのは、一般論として即効性を欠く、余り即効性のない策であることは、これはもうどなたでもよく御理解のことでありまして、私は、事態はどうもそんな悠長な状態ではないのではないか。
私は、そういう意味で、現在の状況というものはいろいろな意味で、後でだんだん申し上げますけれども、大蔵大臣のお手の中にそのかぎがある、そういうことが多い。税制であれ財政であれそういうことでありますので、今の事態につきまして大臣はどんなふうに一体御認識であるか、それをまずお伺いをさせていただきたいと存じます。