橋本龍太郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 池田議員にお答えを申し上げます。
まず冒頭に、日本の状況あるいは国民の意識に触れられながら、内閣に対する信頼感の喪失と与党内の反乱という御批判をいただきました。
私自身に対する御批判は甘受をいたしますが、与党は、少子・高齢化と経済のグローバル化というこの内外の大きな環境変化の中におきまして、我が国の経済社会システムを改革していくことによりこの国の明るい未来を開きたい、そうした思いで全力を挙げております。その点は、冒頭申し上げておきたいと思います。
次に、バブル崩壊後における不況対策とその後の財政構造についての御意見がございました。
議員御指摘のように、我が国におきましては、バブル崩壊後の経済状況に対応するために、景気対策として大型の補正予算を累次にわたり編成をしてまいりました。これは、需要の拡大を通じて景気の下支えの役割を果たしてきたものと認識しておりますけれども、一方で、公債残高が累増するなど、現下の財政状況は極めて危機的な状況に立ち至っており、財政構造改革に一刻の猶予も許されない状況になっております。
こうした中で、財政構造改革を含むさらなる構造改革を進めることが中長期的に我が国経済をより活性化させる上で重要だと考えており、今後は、安易に財政に依存せず、規制緩和を初めとする経済構造改革の実現によって、我が国経済、殊に民間需要中心の自律的経済成長の発展を遂げていくことが基本だ、私はそのように考えております。
また、国の財政の情報開示についての御意見がございました。
国の財政状況の公表につきましては、財政法第四十六条に基づいて情報の開示に努めております。
毎年度の予算における各経費の積算につきましては、参考資料として各目明細書を国会に提出させていただき、また、国の資産や負債の状況につきましても、財政法第二十八条に基づく参考書類を国会に提出いたしております。
決算につきましては、予算の執行実績を示すことであるから、歳入歳出予算と同一区分で作成をしておりますが、別途「決算の説明」等におきまして、できる限り情報開示に努めてまいっております。
次に、本法律案によって財政構造改革ができるか、そのようなお尋ねをいただきました。
本法律案では、主要な経費ごとにめり張りのきいた量的縮減目標を設定し、その歳出構造を改革すると同時に、量的縮減目標を達成するために、個々の歳出の中身に踏み込んだ改革を行うことが構造改革に直結するものと考えております。
また、制度改革の検討についても規定をいたしており、これらにより、財政構造改革を着実に進めていくことが可能だと考えております。
次に、財政赤字の定義についてお尋ねがございました。
先刻も他の議員にお答えをしたことでありますけれども、貯蓄投資差額は、国連が設定をした国民経済計算の体系における財政赤字の定義として国際的に広く用いられていること、法律には定義の明確性が求められることから、今回用いることといたしました。
なお、国、地方の財政赤字対GDP比三%以下の当面の目標の達成により公的債務残高対GDP比の上昇に歯どめをかけました後、速やかに公的債務残高が絶対額で累増しない財政体質を構築してまいりたいと考えております。
次に、赤字国債、建設国債という区分け自体が時代に即していないという御指摘をいただきました。
しかし、建設国債は、将来世代も便益を受ける資産が見合いとして残るもの、特例公債とは基本的に違いがあると考えております。
その上で、現在では建設公債発行に伴う国債費を賄うために特例公債の発行の増加を招くなどの問題があることから、本法律案におきましては、国、地方の財政赤字の対GDP比を三%とすること、公債依存度を引き下げることを当面の目標としており、国債発行総額の抑制を図ることとしております。
次に、発行対象についての御意見がございました。
財政法は、負担の世代間公平という考え方に立ち、公共事業等に限って建設公債の発行を認めておりまして、見合いの資産の残らない特例公債とは基本的な相違がありますことから、財政法そのものを見直せという点については、私は慎重でなければならないと思います。
しかし、今申し上げましたように、本法律案におきましては、国債発行総額の抑制を図ってまいりたい、このように考えているところであります。
次に、累積債務残高の目標についての御意見がございました。
先ほど来申し上げてまいりましたように、当面の目標としては、国、地方の財政赤字対GDP比を三%以下とすることなどを規定し、その達成により公的債務残高の対GDP比の上昇に歯どめをかけました後には、昨年十二月に閣議決定をいたしましたように、速やかに公的債務残高が絶対額で累増しない財政体質を構築してまいりたいと考えております。
なお、国鉄長期債務の処理及び国有林野事業の改革につきましては、財政構造改革会議等の場で検討を進めていくことといたしております。
次に、財政構造改革法案と補正予算について御意見がございました。
補正予算につきましては、財政構造改革を推進するに当たって、財政法第二十九条の補正事由の趣旨を厳正に判断し適切に対処する、そういたしております。
なお、本法律案における財政健全化の目標はいずれも実績の数値でありまして、補正予算につきましても財政構造改革の趣旨は反映するものと考えております。
次に、ウルグアイ・ラウンド農業対策費あるいは住都公団への補助金等を例に挙げて御議論がございました。
ウルグアイ・ラウンド農業対策費などの毎年度補正予算計上につきましては、補正予算は当初予算作成後における諸情勢の変化に適切に対応するため編成するもの、その要件について財政法二十九条に定められております。各年度の補正予算におきましては、これまでもこの規定の趣旨に即し、年度内に追加することが必要な経費に限って計上を図ってまいりました。
では、景気刺激を目的とする補正予算を編成するつもりがあるのかという御意見でありますが、我が国では、バブルの崩壊後の経済情勢に対応するために、景気対策として大型の補正予算を累次にわたって編成をしてまいりましたが、そのためもありまして、公債残高が急増するなど現在の財政状況が危機的な状況に立ち至っていること、財政構造改革が一刻の猶予も許されない緊急課題となっていることは冒頭に議員が御指摘になりました。
こうした中におきまして、財政構造改革を含むさらなる構造改革を進めていくことが中長期的に日本経済をより活性化させる上で重要だと考えており、今後は安易に財政に依存せず、規制緩和を初めとする経済構造改革の実現によって民間需要中心の自律的成長の達成を図っていくことが基本であると考えております。
次に、米国で採用している収支相償原則と同様の財政運営のルールをとれという御指摘がありました。
これは、社会保障等の義務的経費を新たに設ける場合、見合いの財源を用意しなければその経費増分について義務的経費全体を一律に削減するというものであります。このアメリカの義務的経費というのは、根拠法の制定により予算審議なしに支出が認められる経費でありますけれども、予算審議によって毎年度の、立法府が予算全体をコントロールされる我が国におきましては、このような原則は制度的になじまないのではないかと私は思います。
また、公共事業の個々の事業計画の見直しを行う仕組みについての御意見がございました。
公共事業の実施に当たりましては、所管省みずからの行政責任として、社会経済情勢の変化に沿い、不断の見直しを行っております。これにより真に必要な事業の推進を図っているところであり、今後ともこのような姿勢で適切に対処してまいります。次に、補助金等の返還についてのお尋ねがございました。
補助金等、これは国民の税金を財源としているものでありまして、地方公共団体の判断だけで補助事業などを中止することは適切ではないと思います。なお、補助金等適正化法におきましては、補助金などに係る適切な返還ルールが定められていると考えております。
最後に、社会保障制度改革についてのお尋ねがございました。
少子・高齢化の急速な進展、経済成長率の低下という環境の変化の中において、議員の御指摘とは違い、私は、社会保障のニーズの変化に対応しながら、どうすれば効率的で質の高いサービスを提供できる安定的な制度をつくり上げていくことができるかが大事なことだと思っております。今後、介護、医療、年金などの改革を順次進めてまいります。(拍手)
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〔議長退席、副議長着席〕