本会議

1997-10-17 衆議院 全40発言

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会議録情報#0
平成九年十月十七日(金曜日)
    —————————————
  平成九年十月十七日
    午後一時 本会議
    —————————————
○本日の会議に付した案件
 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件
 裁判官訴追委員及び同予備員辞職の件
 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
 検察官適格審査会委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの
 件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同
 意を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの
 件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を
 求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの
 件
 財政構造改革の推進に関する特別措置法案(内
 閣提出)及び漁港法第十七条第三項の規定に基
 づき、漁港整備計画の一部変更について承認を
 求めるの件の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
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伊藤宗一郎#1
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ————◇—————
 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件
 裁判官訴追委員及び同予備員辞職の件
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伊藤宗一郎#2
○議長(伊藤宗一郎君) お諮りいたします。
 裁判官弾劾裁判所裁判員冬柴鐵三君及び正森成二君から裁判員を、また、裁判官訴追委員松永光君、高鳥修君及び玉置一弥君から訴追委員を、また、裁判官訴追委員の予備員加藤卓二君から予備員を、辞職いたしたいとの申し出があります。
 右申し出をそれぞれ許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤宗一郎#3
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ————◇—————
 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
 検察官適格審査会委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
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伊藤宗一郎#4
○議長(伊藤宗一郎君) つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員、裁判官訴追委員及び同予備員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、検察官適格審査会委員、国土開発幹線自動車道建設審議会委員、北海道開発審議会委員、国土審議会委員及び日本ユネスコ国内委員会委員の選挙を行います。
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田野瀬良太郎#5
○田野瀬良太郎君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。
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伊藤宗一郎#6
○議長(伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤宗一郎#7
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に
      津島 雄二君    安倍 基雄君
   及び 松本 善明君を指名いたします。
 また、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に山本有二君を指名いたします。
 なお、予備員の職務を行う順序は第一順位といたします。
 次に、裁判官訴追委員に
      麻生 太郎君    粕谷  茂君
   及び 北側 一雄君を指名いたします。
 また、裁判官訴追委員の予備員に
      牧野 隆守君    福岡 宗也君
   及び 杉浦 正健君を指名いたします。
 なお、予備員の職務を行う順序は、牧野隆守君を第一順位とし、福岡宗也君を第二順位とし、杉浦正健君を第三順位といたします。
 次に、検察官適格審査会委員に与謝野馨君を指名いたします。
 なお、予備委員河村建夫君は与謝野馨君の予備委員といたします。
 次に、国土開発幹線自動車道建設審議会委員に
      綿貫 民輔君 及び 中西 啓介君を指名いたします。
 次に、北海道開発審議会委員に武部勤君を指名いたします。
 次に、国土審議会委員に
      野中 広務君    坂本 剛二君
   及び 岡島 正之君を指名いたします。
 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に
      遠藤 利明君 及び 肥田美代子君を指名いたします。
     ————◇—————
 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの件
 公害偉康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件
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伊藤宗一郎#8
○議長(伊藤宗一郎君) お諮りいたします。
 内閣から、
 国家公安委員会委員に磯邊和男君を、
 公害健康被害補償不服審査会委員に清水英佑君、及び原田尚彦君を、
 社会保険審査会委員に大澤一郎君を、
 中央社会保険医療協議会委員に工藤敦夫君を、
 運輸審議会委員に前田喜代治君を、
 電波監理審議会委員に秋山喜久君、塩野宏君及び常盤文克君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、国家公安委員会委員及び公害健康被害補償不服審査会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤宗一郎#9
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、社会保険審査会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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伊藤宗一郎#10
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、中央社会保険医療協議会委員、運輸審議会委員及び電波監理審議会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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伊藤宗一郎#11
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ————◇—————
 財政構造改革の推進に関する特別措置法案(内閣提出)及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件の趣旨説明
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伊藤宗一郎#12
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法案及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件について、趣旨の説明を順次求めます。大蔵大臣三塚博君。
    〔国務大臣三塚博君登壇〕
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三塚博#13
○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました財政構造改革の推進に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 人口構造の高齢化等、国及び地方公共団体の財政を取り巻く環境が大きく変容する中で、我が国の財政は危機的状況にあります。このため、財政構造改革を推進し、安心で豊かな福祉社会及び健全で活力ある経済の実現等の課題に十分対応できる財政構造を実現する必要があります。
 本法律案は、以上の観点から、財政構造改革の推進に関する国の責務及び財政構造改革の当面の目標等を定めますとともに、各歳出分野における改革の基本方針、平成十年度から十二年度までの集中改革期間における主要な経費に係る量的縮減目標及び政府が講ずべき制度改革等を定め、また、地方財政の健全化に関する事項を定めるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、総則においては、財政構造改革の趣旨を述べるとともに、国は財政構造改革を推進する責務を有することとしております。また、財政構造改革の当面の目標を、平成十五年度までに国及び地方公共団体の財政赤字の対国内総生産比を三%以下とすること、国の一般会計について特例公債から脱却すること等としております。さらに、財政運営に当たり、特別会計を含むすべての歳出分野を対象とした改革を推進することを当面の方針とするとともに、平成十年度当初予算の一般歳出の額は平成九年度の当初予算の額を下回るようにすることとしております。
 第二に、社会保障、公共投資、文教その他の九つの各歳出分野ごとに改革の基本方針、量的縮減目標を定め、歳出の改革と縮減の枠組みを明らかにいたしております。
 このうち、社会保障の分野におきましては、改革の基本方針等とあわせまして、医療保険制度、年金制度及び雇用保険制度の改革を行うための検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとともに、年金事業等の事務費に係る国等の負担を抑制すること等を定めております。
 また、公共投資につきましては、公共事業に係る長期計画について、その期間を延長することにより投資規模の実質的な縮減を図ること等を定めております。
 文教につきましても、義務教育教職員の定数改善に伴う給与費等に係る国庫負担等を抑制することとし、そのために義務教育教職員等の定数改善計画の延長措置を定めております。
 その他、人件費の抑制、補助金等の見直しを規定しております。
 第三に、地方財政の健全化につきましては、地方公共団体は、国に準じ財政構造改革に努め、財政の自主的かつ自立的な健全化を図る責務を有すること、政府は、地方財政計画における地方一般歳出が抑制されたものとなるよう、必要な措置を講ずること等を規定いたしております。
 第四に、附則においては、検討条項を設け、必要に応じ、財政構造改革の進展の度合いを踏まえながら、国及び地方公共団体の財政のあり方について検討を加えることとするとともに、所要の規定の整備を行っております。
 なお、政府は、六月三日に「財政構造改革の推進について」を閣議決定をしており、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の見直し、中期防衛力整備計画の見直し等についても、この閣議決定に基づき、着実に実施していくこととしております。
 財政構造改革の推進に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。拍手
    —————————————
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伊藤宗一郎#14
○議長(伊藤宗一郎君) 農林水産大臣島村宜伸君。
    〔国務大臣島村宜伸君登壇〕
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島村宜伸#15
○国務大臣(島村宜伸君) ただいま議題となりました漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 漁港につきましては、漁業生産の基盤であり、かつ、水産物流通の拠点であるという重要性にかんがみ、漁港法に基づき、漁港整備計画を定め、国会の承認を受けて、計画的に漁港施設の整備を図っているところであります。
 現行の漁港整備計画は、平成六年第百二十九回国会において承認を受けたものでありますが、我が国財政の危機的状況のもと、財政構造改革を着実かつ強力に推進するため、平成九年六月三日閣議決定された「財政構造改革の推進について」を踏まえ、その一部を変更し、国会の承認を求めることとした次第であります。
 次に、本件の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 今回の漁港整備計画の変更の内容といたしましては、平成六年度以降六年間としておりました現行の漁港整備計画の計画期間を、平成六年度以降八年間と二年延長することとしております。
 なお、以上申し上げました漁港整備計画につきましては、漁港法に基づき、漁港審議会の意見を徴し、適当であるとの趣旨の答申を得ております。
 以上、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。拍手
     ————◇—————
 財政構造改革の推進に関する特別措置法案(内閣提出)及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件の趣旨説明に対する質疑
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伊藤宗一郎#16
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小杉隆君。
    〔小杉隆君登壇〕
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小杉隆#17
○小杉隆君 私は、自由民主党を代表して、財政構造改革の推進に関する特別措置法案に関して、次の五点に関し、総理大臣並びに大蔵大臣に質問をいたします。
 まず第一は、財政赤字の国民生活に及ぼす影響について、大蔵大臣にお伺いいたします。
 現在、我が国は、他国に例のない急速な高齢化の進展に直面しております。六十五歳以上の高齢者人口は、現在、他の先進国と同様、一五%でありますが、これが二〇二五年には、他の先進国が二〇%程度でとどまるのに対し、我が国の高齢化率は実に二七・四%と、際立って高くなっていくと予想されております。高齢化の進展に伴い、年金や医療などの給付の急速な増加が見込まれる一方、主に負担を担う働き手は相対的に少なくなつていきます。
 OECDなどの国際機関によると、国と地方を合わせた日本の財政赤字は、他の先進諸国に比べて極めて深刻な状況にあります。例えば、一九九六年、昨年のアメリカの財政赤字は対GDP比二・五%、ドイツは三・八%であるのに対し、我が国では七・三%にも達しております。また、EUは、通貨統合に当たって、国、地方の財政赤字を、まさに本年、一九九七年にGDPの三%以内とすることを条件としております。
 これらの状況を踏まえた場合、二十一世紀においても我が国が活力を保っていくためには、これ以上財政赤字を放置し、次の世代にそのツケを回すのではなく、財政構造改革を私たちの世代でぜひともなし遂げなければなりません。しかしながら、財政赤字が現実の国民生活や経済に及ぼす影響となると、国民の皆様にはもう一つ実感に乏しいというのが実態ではないでしょうか。
 そこで、まず、この点について、政府は国民にわかりやすく説明すべきと考えますが、大蔵大臣の御所見を伺います。
 第二は、財政構造改革と他の改革との関連について、総理大臣に伺います。
 財政構造改革は、単に赤字を解消することに主眼を置くのではなく、これからの社会全体をどのように改革していくかという明確なビジョンのもとに行われなければなりません。例えば、地方自治体の多くが公共事業に過度に依存せざるを得ない今日の体質というものを指摘される向きが多数あります。財政構造改革は、地方自治体の創意工夫を喚起し、地方分権時代にふさわしい自立した活力ある自治体を育てる構造を実現するものでなければならないと考えます。これは、お互いに考えなければならないことです。
 また、橋本総理が掲げる六つの改革は、密接不可分の相互関係にあります。財政再建と行革、金融、社会保障、経済構造の四つの改革の関連性は国民にも比較的理解されやすいのでありますが、教育改革との関連は十分に理解されず、やや異質なものと映りがちです。しかし、今、すべての改革を進めるには、国民の意識改革こそ重要です。
 例えば先般、日本は、COP3、地球温暖化防止京都会議の議長国として、政府案を発表しました。温室効果ガスを削減するには、産業部門はもとより、特に民生・運輸部門の省エネ、効率化を進めなければならず、国民の協力なくしては到底達成できるものではありません。国民の意識改革を促す意味でも、教育改革は五つの改革の基盤となる重要改革であり、まさに一体不可分でなければならないと考えます。
 そこで、内閣の掲げる六大改革の一つである財政構造改革と、教育、経済構造などの他の改革との関連について、改めて総理の御見解をお伺いしたいと思います。
 第三は、法律として制定することの意義について、総理にお伺いいたします。
 財政構造改革の理念を具体化し、急速な高齢化の中で、豊かな福祉社会、健全で活力ある経済の実現に十分対応できる財政構造を実現するため、財政構造改革法はぜひとも必要と考えております。財政制度が異なるものの、アメリカにおいても、包括財政調整法、OBRAによって裁量的経費に上限を設け、また、各種制度改革を法制化することによって、巨額の財政赤字が急速に解消に向かっております。
 こうした他国の例を踏まえ、財政構造改革の推進方策を法律として制定することの意義について、総理から御説明いただきたいと思います。
 第四は、平成十年度予算編成について、大蔵大臣に伺います。
 財政構造改革法案においては、直近の問題として、平成十年度予算について、社会保障、公共事業といった主要経費ごとの量的な縮減目標や各種制度改革の内容が規定されており、まさに構造改革のための具体的方策が示されております。聖域なしを原則として緊急改革期間を設けておりますけれども、こうした予算編成に異を唱えるものではありませんが、予算には明確な内閣の意思が反映されなければならないと考えます。
 例えば、我が国の国際貢献についてはしばしば顔の見える協力が求められ、その代表的な活動の一つであるUNHCR、すなわち国連難民高等弁務官、あるいはUNEP、国連環境計画などへの任意の拠出が、ODA予算の一〇%縮減の方針をそのまま当てはめますと、実質三九%あるいは四五%もの削減になると予想されます。
 私は、これからの日本の世界に対する貢献として、こうした点こそ一層充実させていく必要があると考えますが、十年度予算の編成に当たって、このような財政構造改革と日本のリーダーシップをどう調和させていくのか、大蔵大臣の決意と御見解を伺いたいと思います。
 第五に、現下の厳しい経済状況や景気との整合性について、総理にお伺いいたします。今まさに、与党・政府を挙げて財政構造改革に取り組もうとしておりますが、一方、足元に目を転じれば、現在の我が国の景気は、特に中小企業を中心に極めて厳しい状況にあります。この点にかんがみ、我が党は、国民生活に責任を負う政権党として、臨時経済対策協議会を設置し、従来の財政出動によらず、規制緩和、土地有効利用、税制改正などによる重点的で効果的な景気対策を取りまとめつつあります。
 とかく財政再建と景気対策は相矛盾するかのように受けとめられがちですが、私たちは、大胆な規制緩和などの経済構造改革を断行し、経済成長目標を達成することによって自然増収を生み出し、財政改革を実現することが望ましいと考えます。
 現下の厳しいちまたの状況を真摯に受けとめつつ、こうした景気対策と財政構造改革との関係について総理の御所見をお伺いして、質問を終わります。拍手
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
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橋本龍太郎#18
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 小杉議員にお答えを申し上げます。
 まず、財政構造改革と他の改革についての関連のお尋ねがございました。
 私は、少子・高齢化、また経済のグローバル化の進む中で、今改革をしなければ社会の活力が失われ、この国のあすがない、そんな思いから、我が国のすべてのシステムを改革していくための六つの改革を内閣の最重要課題と掲げました。これらのシステムは、今日までの日本の繁栄を支えてまいったものでありますだけに、日本の社会に深く根をおろし、それだけに相互に密接に関連し合ってもおりまして、御指摘のように、それぞれの改革を一体的に断行していかなければなりません。
 特に、議員から御指摘がありました教育改革、これは、国民一人一人が将来に夢や目標を抱きながら、創造性、チャレンジ精神を存分に発揮できるような社会をつくるためには、すべての社会システムの基盤である教育そのものについて改革を行うことが必要であると考えており、御指摘のとおり教育改革は極めて重要でありますし、他の改革と私は一体に進めていかなければならないものだと思います。
 また、例えば財政と経済の関係につきましては、これは車の両輪ともいうことができます。現在の財政構造をこのまま放置すれば、経済の活力が低下し、将来に背負い切れない負担を残すことは必至でありまして、私どもは一刻の猶予も許されない課題だ、そのように考えており、財政構造改革法案を提出させていただきました。
 この法案の意義についてのお尋ねがございました。
 本法案は、主要な経費の量的縮減目標、制度改革など、構造改革のための具体的な方策や枠組みを規定するものであります。こうした方策などを皆が守ること、皆が拘束されるということを法律によって明確にすることにより、財政構造改革を強力に進めていくことは可能になる、そう考えております。
 次に、景気対策と財政構造改革のかかわりについての御指摘がございました。
 議員御指摘のように、景気回復に従来のような力強さが見えておりません。これは、やはり我が国の経済が抱える構造的な問題のあらわれとして私はとらえなければならないと思います。他方、我が国の財政状況は危機的と言える状況になっておりますことは既に申し上げたとおりでありまして、財政構造改革もまた一刻の猶予も許されるものではありません。
 こうした中で、財政構造改革を含むさらなる構造改革を進めていくこと、これは議員が幾つか例示に挙げられましたような手法を含めまして、これが中長期的に日本経済をより活性化させる上で重要だと考えておりまして、今後は、安易に財政に依存するのではなく、規制緩和を初めとする経済構造改革を推進し、我が国経済の体質強化を図っていくことが極めて重要だと考えております。
 我が国経済の体質改善を行い、企業や消費者の経済に対する不透明感を払拭し、我が国経済の回復基調を確実に力強いものにしていくために、内閣を挙げて効果的な経済対策を取りまとめていく考えであり、ぜひとも御協力をお願いする次第であります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。拍手
    〔国務大臣三塚博君登壇〕
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三塚博#19
○国務大臣(三塚博君) 小杉議員にお答えを申し上げます。
 財政赤字の生活や経済に与える影響についての御質問でございますが、現在の財政構造をそのまま放置をするということになりますと、財政赤字はさらなる拡大を招くということになります。
 その結果として、財政が巨額の資金を吸い上げてしまうことにより、民間の経済活動に必要な資金が回らなくなってしまうということ、第二点、利払い費が増大をいたしまして、次世代、すなわち子供たちの時代に政策的な経費として自由に使えるお金が少なくなってしまうこと、第三点、将来世代の租税、社会保険料等の負担が背負い切れないほど増加してしまうということなどの問題点が顕在化しまして、我が国経済、国民生活の破綻につながるおそれがあるということでございます。
 第二点の質問でございますが、十年度予算編成に当たって、財政構造改革を進める中で、できる限り日本のリーダーシップを維持するようという御質疑であります。御趣旨は全く同感であります。
 なお、平成十年度のODA予算について、定められました金額の範囲内で各施策の内容を吟味いたし、所管の枠を超えた総合調整を行い、重点的、効率的な予算配分を行う旨、総理の基本方針が示されておるところであります。
 私は、これを踏まえ、今後とも、財政構造改革の必要性について理解を求めながら、本件についても適切に対処してまいりたいと思います。拍手
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伊藤宗一郎#20
○議長(伊藤宗一郎君) 中井洽君。
    〔中井洽君登壇〕
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中井洽#21
○中井洽君 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました財政構造改革の推進に関する特別措置法案に対しまして、橋本総理に質問いたします。
 まず初めに、この法案が政府の予算編成権を長期間にわたって拘束することについてであります。
 総理、あなたの自民党総裁としての任期は、あと二年もありません。問題山積で、辞任説さえささやかれ出し、来年度予算編成ですらおできになるかどうかと言われています。その総理が後任の内閣に対し、二〇〇三年度まで、内閣の最大の機能の一つであります予算編成権を拘束しようというのであります。
 我が国における予算制度のあり方から考えて、財政の構造・制度改革に関することを法律化し、その進捗状況を適宜に把握するなどの内容であれば、法制化することも妥当であります。しかし、この法案は、構造改革に関することはすべて抽象的な表現にとどめ、具体的な内容はなく、ただ単に年度ごとの縮減を義務づけているにすぎません。
 我が国の予算制度の精神を阻害する法律であることについて、総理の御見解をお伺いします。
 次に、本法案が今の日本経済に与える影響についてお尋ねします。
 今日の日本経済は大変深刻な状況にあります。公定歩合〇・五%という超低金利政策を二年間変更できなかった異常な事態にあります。この低金利で、しかも、政府がしばしば穏やかな回復基調と発表しながら、株価は一万八千円台を大きく割り込んでいます。低金利で救われるはずの金融機関や建設業関係の不良債権の清算はいつまでたっても終わらず、倒産が相次ぎ、先行き不透明であります。一般消費に至っては、前年比マイナス一一%という二十数年ぶりの落ち込みです。どれを見ても、どれをとっても、日本経済に明るい面は何一つありません。
 この悲惨とも言える状況をつくり出したのは、言うまでもなく橋本内閣の失政であります。私たち新進党の真剣な忠告を無視し、景気に対する診断を誤り、消費税や医療費のアップ、特別減税の廃止等で九兆円の国民負担増をあえて実行したことがすべてであります。超低金利政策で一年間四兆円以上の利息を値切られた上に、九兆円の負担増では、消費が低迷するのは当たり前であります。治りかけている病人に冷水を浴びせて肺炎を起こさせるような政策をおやりになったのであります。総理は、この明らかな経済運営の失敗をどう認識されているのか、率直にお尋ねいたします。
 本法案では、二〇〇三年度に向かって毎年財政赤字と赤字国債を減少させることが義務づけられています。膨大な赤字国債や地方債の累積残等を考えたとき、当然、思い切った対策が必要であります。しかし、現在の激しい不況の中でこの法案に沿った経済財政運営を二〇〇三年度まで続けるとしたら、肝心の国民生活や我が国の経済がもちません。これこそ角を矯めて牛を殺すの例えそのものであります。今最も効果的な経済財政対策は、橋本内閣の大胆な政策転換であります。
 総理はけさの閣議で、従来の発想にとらわれぬ景気対策を指示されたようでありますが、市場はそれを全く信頼せず、株価は午前も下落し、一万七千五百円を切っているのであります。
 日本経済を短期的に潜在成長経路に戻すことを最優先にし、中期的な展望として、民間市場経済を拡大し、担税力を強化し、財政赤字を縮小するという考えをとるべきであります。経済活動を現在の閉塞状況から解放し、国民に安心と明るい展望をもたらすことが必要なのであります。特に、私たちがかねてから提言しています法人課税の実効税率を一〇%下げる四兆円の減税や、所得課税の二兆円の減税を速やかに実施すべきであります。拍手
 私どもの減税による景気対策に懐疑的であった各界の人々から減税を求める声が日々に高まり、今や与党、自民党や社民党の中からさえも大幅な減税要求が出ているではありませんか。総理、減税を含む景気対策を早急に実施なさるおつもりはありませんか。それとも、あくまで現行の政策を続け、補正予算も組まず、日本経済の破綻に向かわれるのですか、お考えを承ります。
 法案の内容についてお尋ねします。
 本法案は、財政構造改革法案という名称にもかかわらず、内容的に構造改革と考えられる規定が全く見当たりません。当初予算のみが対象で、補正予算は対象外となっています。地方財政については抽象的な記述しかなく、特別会計については言及もありません。税源配分のあり方や方向性に関する具体的な規定もありません。要するに、本法案の実態は、単なる一般会計歳出及び赤字削減目標法案と言っても過言ではありません。
 財政の構造改革を実効あらしめるためには、国と地方の行政や税の分担のあり方の見直し、規制緩和を断行する中で、行政と民間の役割分担の見直し、行政組織、人員、経費の見直し、特殊法人のあり方、公共事業や社会保障のあり方や長期的見直し等の諸改革が具体的に含まれたり、同時進行で実行されなければなりません。総理のお考えを具体的にお尋ねいたします。
 次に、いわゆる公共事業についてであります。
 国民にとって財政再建で一番わかりやすいことといえば、公共投資であります。この法案では、公共投資支出のテンポを落としているだけにすぎません。しかも、平成十年度を初年度とする公共投資は対象から除外されています。支出計画の中期的な構造を変えることなく、ただ単純に実施期間を二年間延長して七年とし、支出増加のテンポをおくらせているにすぎません。民間に比べ二割から三割も高いと指摘されている単価の引き下げや、補助金の一括交付などの制度的な改変についても全く盛り込まれておりません。
 公共事業のあり方、特に単価の見直しについてどう考えるのか、また、入札制度について改革するつもりはないのか、公共事業の制度改革に関する御見解を伺います。
 次に、社会保障についてであります。
 社会保障についても、法案には増加額の抑制だけで、改革に相当する何らの具体的な記述はなく、これもまた量的縮減のみが規定されております。しかも、来年度の社会保障関係予算については、自然増分の八千億円を三千億円に圧縮するとしており、その根拠は全く不明であります。
 さらに、雇用保険の高年齢求職者給付金の廃止を含めた見直しだけが具体的に規定され、それ以外の医療、年金等の制度改革はすべて「検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」とのみ規定されているのであります。抜本的な改革を後回しにして、結局は国庫負担の削減や自己負担増など国民へのしわ寄せにつながるという危惧を抱かざるを得ません。
 来年度の自然増分を三千億円に圧縮する根拠は何なのでしょうか。社会保障の制度改革に関する御見解とあわせてお尋ねをいたします。
 次に、財政赤字の目標値として、対GDP比にSNA、国民経済計算上の貯蓄投資差額という概念を使っていることについてであります。
 貯蓄投資差額を目標値とするのでは、一部の事業や融資の特別会計、公団、公庫、特殊法人などはSNA上の財政部門に入らないため、建設国債に裏づけられたこれらの赤字に財政赤字をしわ寄せして操作し、ごまかすことも可能となる余地を残しました。
 現に、過去の実績値では、国債と地方債の発行額の合計よりも貯蓄投資差額の方が毎年度数兆円程度、対GDP比で言えば、最も大きいときでは、実に三%も貯蓄投資差額の方が少ないのであります。つまり、この目標値を使っただけで、何の努力もなく、対GDP比三%という目標は場合によって達成してしまうことになります。こうしたごまかしが、果たして財政健全化の目標と言えるのでしょうか。
 なぜ明確に、国債と地方債の合計額としないのか。また、赤字国債の発行ゼロのみを目標として、建設国債にはなぜ何らの言及もないのか。法案の肝心かなめの目標の値として、操作可能な貯蓄投資差額を目標値として法律化した理由について、明確な答弁をお願いいたします。
 さらに、単年度ごとのフローの目標値だけで、債務ストックの対GDP比は目標値として言及がありません。国鉄清算事業団や国有林野事業特別会計などのいわゆる隠れ借金への対応についても、具体的な記述はないのであります。債務の累積残高、ストックについての目標値を設定しないのはなぜか、総理の御見解を伺います。
 この法案には、このほかにも多くの疑問点があり、財政改革の名に値しない法案であることは既に明らかであります。橋本総理の他の改革と同じく、国民に苦痛と負担増を押しつけながら、明るい見通しも夢も持てない改革であります。現状に対する甘い認識の中途半端なものであります。かつてない厳しさに直面している日本の現状を十分に把握され、早急な景気対策や、真に改革案にふさわしい諸改革に火だるまになって取り組まれることを総理に強く求め、質問を終わります。拍手
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
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橋本龍太郎#22
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 中井議員にお答えを申し上げます。
 まず、本法案が政府の予算編成権を拘束する、これについて是非を問うという御指摘をいただきました。
 しかし、議員よく御承知のように、この法律案は、個々の経費について網羅的に、具体的な予算計上額を数字をもって定めるものではございません。予算とは法的に性質の違うものでありますから、内閣の予算編成権との関係での問題はない、そのように考えております。
 次に、平成九年度予算がデフレ予算だという御指摘をいただきました。
 しかし、財政は、近年、バブル崩壊後の景気後退に対処するために減税や公共事業の増加などを行ってきたこともありまして、巨額の赤字が累積し、このままでは、将来世代に対して過重な負担を負わせることが明らかであります。そのために、先行する所得減税に見合った消費税率の引き上げを行い、歳出面でも削減に取り組むなど、財政構造改革の第一歩をスタートさせました。
 このような改革は、短期的には痛みを伴います。しかし、中長期的には、国民負担率の上昇を抑えること、あるいは公的部門の簡素合理化などにより、経済の活性化に資するものと考えております。
 今後の経済運営におきましては、安易に財政に頼るのではなく、民間需要中心の自律的な安定成長を図っていくことが基本であると考えておりますし、そのためには、財政構造改革と並んで、規制緩和を初めとする経済構造改革などの実現がますます必要だと考えております。
 また、財政構造改革と経済運営について、このような財政経済運営を二〇〇三年まで続けたら我が国経済はもたないという御指摘がありました。しかし、もしそれならば、赤字公債を追加し、公共事業を追加するという手法が今我々にとれるでしょうか。私は、この改革は、短期的には痛みを伴うものの、中長期的には国民負担率の上昇を抑え、また、公的部門の簡素合理化などにより経済の活性化に資するものである、そのように考えておりますし、そのためには、規制緩和を初めとする経済構造改革などの実現がますます必要だと考えております。
 殊に、今日、景気が緩やかに回復しているといいながら、その回復に従来のような力強さが感じられぬ、不透明感が漂うという御指摘を受けるのも、まさに構造的な問題のあらわれであり、内閣を挙げて経済構造改革を強力に進めながら、内需主導型の経済運営を図っていきたい、そのように考えております。
 法人課税及び所得税の減税についてのお話がございました。
 この一環として、法人課税につきましても、課税ベースを適正化しながら税率を引き下げる方向で検討を行い、十年度税制改正において結論を得るといたしております。また、特例公債を発行せざるを得ない状況のもとにおける減税につきまして、現下の危機的な財政状況を考えるとき、これを実施することはなかなか容易ではないと考えております。
 今後とも、経済の動向を注視しながら、経済構造改革の強力な推進を初めとして、政府として責任を持って適切な経済運営に努めてまいります。
 次に、この法律案と補正予算あるいは特別会計、地方財政の規定についてのお尋ねがございました。
 補正予算につきましては、財政法第二十九条の補正事由を厳正に判断し、適切に対処していくこととして、改めて本法律案に規定をする必要はないと考えております。
 なお、本法律案における財政健全化目標は、いずれも実績の数値でありますことから、補正予算についても改革の趣旨は反映していくものと考えております。
 特別会計につきましては、本法律案において、財政運営の当面の方針として、特別会計を含むすべての歳出分野にわたる改革を推し進めることといたしております。
 次に、地方財政につきましては、地方自治の視点からは、個々の地方公共団体の財政運営を直接拘束する手法はとり得ません。こうしたことから、本法律案におきましては、地方財政計画における地方一般歳出を抑制することとするとともに、各地方自治体に対して徹底した行財政改革を強く要請し、地方財政の健全化に積極的に取り組んでまいることとしております。
 次に、国と地方の税源配分のあり方についてのお尋ねがございました。
 財政構造改革法案は、財政構造改革の当面の目標の達成に向け、歳出の改革と縮減のための具体的な方策と枠組みなどを規定しているものであります。税制につきましては、別途、各年度の税制改正の中で検討していくことといたしております。地方税源の充実確保は地方分権の推進にとって重要な課題であり、国と地方の税源配分のあり方につき、今後とも真剣に検討してまいりたいと思います。
 次に、この法律案には具体的な規定がないという御意見をいただきました。しかし、本法律案は、主要な経費ごとにめり張りのきいた量的な縮減目標を設定し、歳出構造を改革することとともに、量的縮減目標達成のために、個々の歳出の中身に踏み込んだ改革を行うことが構造改革に直結すると考えております。また、制度改革の内容についても規定しており、これらにより財政構造改革を着実に推進していくことが可能であると考えております。
 なお、この法律案におきましては、財政構造改革の趣旨につきまして、規制緩和等による経済構造改革を推進しつつ、将来に向けて効率的で信頼できる行政を確立するなど、我が国の緊要な課題に柔軟に対応できる財政構造改革を実現することとともに、財政運営の当面の方針として、国と地方、国と民間の役割分担を見直しながら、すべての歳出分野を対象とした改革を進めることといたしております。
 また、適切な措置を講ずることにより、人件費の総額を極力抑制する旨規定いたしております。
 次に、公共事業について幾つかの御指摘がございました。
 六月三日に閣議決定をいたしました「財政構造改革の推進について」の中におきまして、公共工事の建設コストの縮減及び国の補助対象の縮減、採択基準の引き上げなど、補助金の見直しを図ることを既に決定いたしております。
 次に、入札制度についてのお尋ねがございました。
 公共事業の入札、契約制度につきましては、平成六年度から、大規模工事への一般競争入札の導入や指名競争入札の改善など、透明性、客観性、競争性の大幅な向上を図るための抜本的な改革を実施してきたところでありまして、今後は、一層その定着、浸透に努めていきたいと考えます。
 次に、社会保障制度改革についてのお尋ねがございました。
 少子・高齢化の急速な進展、経済成長率の低下という環境の変化の中におきまして、社会保障のニーズの変化に対応しながら、効率的で質の高いサービスを提供できる安定的な制度をつくり上げていくことが必要である、そう考え、今後、介護、医療、年金などの改革を順次進めてまいります。
 また、財政構造改革を達成いたしますために、社会保障関係費につきましては、対前年度伸び率を高齢者数の増によるやむを得ない影響分以下に抑制する、そうした観点から、対前年度三千億円を加算した額を下回ることといたしております。
 次に、財政赤字の定義についてお尋ねがございました。
 貯蓄投資差額は、国連が設定いたしました国民経済計算の体系における財政赤字の定義として国際的に広く用いられていること、法律には定義の明確性が求められていることから、今回用いることといたしました。
 なお、国と地方の公債金収入額の合計が貯蓄投資差額より大きい、これは、前者では償還額がカウントされていないことなどによるものであります。
 次に、建設公債の減額、赤字国債の発行ゼロのみを目標とし建設国債に何ら言及がないという御指摘がございました。
 建設公債と特例公債の区別にとらわれず、国、地方の財政赤字の対GDPを三%以下とすること、及び国の一般会計について公債依存度を引き下げることを、財政構造改革の当面の目標としてこの法律案には盛り込んでおります。
 次に、国鉄長期債務及び国有林野事業の経営改善について、これに対しての具体的な記述がないという御指摘がございました。
 これの経営改善のあり方につきましては、本年中の対応について閣議決定が行われているところでありまして、本法律案において改めて同様の規定を置く必要性は薄いと考えられ、この法律案には盛り込んでおりません。
 債務の累積残高に対するお尋ねでありますが、財政構造改革法案においては、当面の目標として、国、地方の財政赤字対GDP比を三%以下にすることなどを規定しております。
 この達成によって公的債務残高対GDP比の上昇に歯どめをかけた後には、昨年十二月に閣議決定されましたように、速やかに公的債務残高が絶対額で累増しない財政体質を構築してまいりたい、そのように考えております。拍手
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伊藤宗一郎#23
○議長(伊藤宗一郎君) 池田元久君。
    〔池田元久君登壇〕
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池田元久#24
○池田元久君 私は、民主党を代表して、議題となりました財政構造改革推進に関する特別措置法案について、総理にお尋ねします。
 橋本総理大臣、今、日本が置かれている状況、国民の意識について、どのように認識されておりますか。多くの日本人は、我が国の先行きに不透明さを感じ、漠然とした危機感を抱いております。金融市場の極度の不振にも、それが色濃く反映されております。
 しかし、政治、とりわけ政権与党は、我が国がどこへ行こうとするか、進むべき道、展望を具体的に示せずにいます。それどころか、総理の率いる自由民主党は、総理大臣経験者も交えて幹事長のポスト争いなどを繰り広げたあげく、市井の市民の普通の感覚を軽視して、有罪確定者を行財政改革の核心とも言える閣僚に据えようといたしました。そして、石油卸売商をめぐる疑惑が自由民主党中枢にも向けられております。また、みずから打ち出した郵政三事業を初めとする省庁再編構想は、あっという間に骨抜きされようとしています。総理が火だるまとなってやると言った行財政改革は、今や風前のともしびとなる気配すら出ています。
 こうした内閣に対する信頼感の喪失と与党内の反乱、混乱に一体どう対処されようとするのか、まずお尋ねをしたいと思います。
 さて、我が国の財政は、平成九年度までに国債発行残高が二百五十四兆円を初め、政府借入金、地方債残高、それにいわゆる隠れ借金も合わせますと、国、地方の長期債務残高は実に五百二十兆円を超え、GDP、国内総生産に占める債務残高の割合は、イタリアを除いて先進国中最高となっています。この長期債務残高は、我が国の財政の失敗のあかしであると言わざるを得ないと思います。拍手
 とりわけ、バブル崩壊後、六回にわたる六十六兆円の不況対策は、景気の一段の落ち込みを防ぐのに若干役には立ちましたが、景気の浮揚効果はほとんどありませんでした。その唯一の効果は、財政構造を無残なまでも悪化させたことでした。
 ケインズ流の裁量的、拡張的財政政策は、先進国では既に過去のものとなっております。総理は、この失敗の現実とその責任をどう認識し、反省しているのか、お伺いをしたいと思います。
 財政構造改革には、国民の理解と協力が不可欠ですが、現状では財政に関する情報の開示が全く不十分と言わざるを得ません。財政構造改革の大前提として、国の財政にかかわるあらゆる情報、データを国民に知らせ、財政を透明なものにすべきだと考えます。
 また、今度の予算編成に当たっては、国の持つ資産や負債の状況、各経費の積算の根拠となる調書、決算では各経費の支出の明細を明らかにする調書などを国会に提出するよう政府に義務づけることが必要だと考えます。総理の見解をお伺いいたします。
 次に、政府案の基本的な問題点について伺います。
 我が国の財政は、平成九年度予算で見ても、一般会計予算の六〇%が特別会計に繰り入れられ、三十兆円以上の予算が国から地方自治体に補助金等で流れる仕組みになっています。こうした一般会計と特別会計の関係、国から地方へ流れる補助金やそれによって行われる公共事業のあり方について、本質的な構造改革の論議が政府・与党でなされた形跡はありません。
 実際に提出された法案を見ても、対象が国の一般会計に限定されており、特別会計、財政投融資、地方財政は事実上対象から外れています。一般会計についても、三年分の分野別キャップ、歳出上限を設け、公共事業などの計画期間を一律に二年間ずつ延長しようというだけで、具体的な構造改革の提案は一切盛り込まれておりません。
 これでは、政府案は数字合わせのための単なる歳出カットの寄せ集め、構造改革とは名ばかりの上げ底の法案と言わざるを得ません。政府には財政構造を抜本的に改革する気があるのかどうか、疑わざるを得ません。総理、これで本当に財政の構造改革になるとお考えなのでしょうか。
 政府案は、財政再建の目標として、国と地方の財政赤字を二〇〇三年度までにGDPの三%以下にするとしていますが、政府案のように中央政府と地方政府の貯蓄投資差額の合計を財政赤字の指標とすることには大変問題があります。過去二十年間の貯蓄投資差額で見た財政赤字は、国と地方を合わせた債券発行残高や借入金の増加分よりも平均で一〇%以上も低い数値になっています。
 このような財政の実情を忠実に反映しない指標を財政再建の目標に掲げて、果たして財政再建ができるでしょうか。国民に痛みを伴う財政構造改革を断行するには、国民にわかりやすい目標を掲げなければなりません。国と地方の債務そのものを指標として、その増加に歯どめをかけるようにすべきだと考えますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
 また、政府案は二〇〇三年度までに赤字国債ゼロを達成することを目標に掲げていますが、これにも疑問を抱かざるを得ません。
 土光臨調以来、政府・自民党は、赤字国債ゼロを目標に掲げて、福祉予算や環境保護に必要な予算をカットする一方で、建設国債で賄う公共事業は景気のよしあしにかかわらずどんどん拡大してきました。しかし、バブルによる税の増収で赤字国債発行ゼロは一時的には達成したものの、バブルが崩壊した後、累積債務がさらに拡大し、消費税率や保険料のアップ、福祉予算切り捨てによる自己負担の拡大という極めて高いツケを国民は払ってきました。
 世界じゅうを見ても、国債を赤字国債と建設国債に分けて、一方だけにたがをはめている国はないのです。赤字国債、建設国債という区分自体が、もはや時代に即しているとは思えません。
 当時大蔵大臣を務めたみずからの経験を踏まえて、総理はどのようにお考えでしょうか。赤字国債をゼロにするというだけで本当に財政再建になるとお考えでしょうか。
 民主党としては、財政法を改正し、広く環境や福祉のためのインフラ整備や教育への投資にも、必要であれば公債を発行できるようにすると同時に、今後は、建設国債も含めた国債発行総額を毎年削減していくことを新たな歯どめとして財政の再建を進めるべきだと考えます。総理の御見解をお尋ねしたいと思います。
 旧国鉄長期債務などの隠れ借金を含めて我が国の累積債務の増加傾向がこのまま進めば、二〇一〇年には累積債務残高のGDP比はイタリア並みの一二〇%台になるという試算もあります。EUのマーストリヒト条約では、通貨統合に参加する条件として、累積債務残高のGDP比を六〇%としています。国際的に見ても、累積債務残高をコントロールすることが財政再建の目標とされているのに、政府案では累積債務残高の目標値を明記しなかったのはなぜか、お伺いします。
 二〇〇三年度までに単年度の財政赤字を削減するというフローの目標に加えて、累積債務残高の拡大に歯どめをかける目標を設定すべきだと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 また、その際には、旧国鉄や国有林野の累積債務などについても、一般会計で堂々と処理するような総合的な財政再建計画を策定すべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 財政悪化の原因の一つは、シーリングの枠外であった補正予算の編成に財政の規律が働かなかったことにあります。バブル崩壊後の七年間に、景気対策の名目で、補正予算によって二十七兆円余の公債が追加発行されました。政府案で補正予算を枠外としているのはなぜでしょうか。各分野別のキャップも当初予算についてのもので、補正予算にはかかりません。これで果たして歳出のコントロールができるのでしょうか。総理の見解をお伺いいたします。
 特に、ウルグアイ・ラウンド農業対策費や住宅・都市整備公団への補助金などが毎年補正予算に計上されているのは、「特に緊要となった経費の支出」に限るとしている財政法第二十九条の趣旨を逸脱しているのではありませんか。これらの経費を計上するのであれば、補正予算での計上をやめて、当初予算で計上すべきものと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 緊急景気対策の名目で、またぞろ公共事業ばらまき型の補正予算の編成を求める声が自民党内に上がっているようですが、総理は、景気刺激を目的とする補正予算の編成をするつもりがあるのかどうか。財政再建のバランスをどのように図るおつもりか、お伺いいたします。
 さらに、米国で採用している、歳出増に見合う歳入増を義務づける収支相償原則、いわゆるペイ・アズ・ユー・ゴーの原則と同様の財政運営のルールを我が国でも導入すべきだと考えます。総理の見解はいかがでしょうか。
 さて、我が国が公共事業依存型の経済を続けた結果、ついに日本の公共事業予算の総額がアメリカの軍事費をしのぎ、セメントの使用量が、国土が二十五倍のアメリカとほぼ等しくなるという現実に改めて驚かざるを得ません。まさに土建国家と言わざるを得ないこの国のありようから目を背けることはできません。
 民主党は、公共事業改革の第一歩として、公共事業透明化法案をさきの通常国会に提出し、各公共事業計画の策定の手続を透明なものにするとともに、各計画を国会承認事項とすることなどを提案してまいりました。今後は、一定期間たったものは見直す「時のアセスメント」の観点から、個々の事業計画の見直しを行う仕組みを取り入れるべきだと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 また、補助金を用いた公共事業を地方自治体の判断で中止することを妨げている補助金適正化法の補助金返還ルールについては、これを早急に廃止し、公共事業の見直しを進めやすいようにすべきだと考えます。総理の考えをお伺いいたします。
 医療、年金などの社会保障制度について、政府案のように、制度の抜本的な改革の方向性を示さずに歳出カットのみを法律で規定することは、社会の安定の根幹をなす社会保障制度への国民の信頼を失墜し、社会の活力を失わせかねないと考えます。この点について総理の見解を伺います。
 以上述べてきましたように、財政が危機的状況にあるにもかかわらず、政府案は構造改革なき財政のつじつま合わせをしたと言って過言ではありません。
 運命に無責任になるとき、文明は滅亡すると言います。私たち民主党は、未来に責任を負う立場から、この国の破局のシナリオを安易に語ることなく、国民、市民とともに本当の構造改革を進めたいと思っております。そのため、民主党の財政構造改革法の対案を委員会審議の過程で提出し、大いに論議を深めていきたいと考えております。
 以上をもちまして、私の民主党を代表しての質問といたします。拍手
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
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橋本龍太郎#25
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 池田議員にお答えを申し上げます。
 まず冒頭に、日本の状況あるいは国民の意識に触れられながら、内閣に対する信頼感の喪失と与党内の反乱という御批判をいただきました。
 私自身に対する御批判は甘受をいたしますが、与党は、少子・高齢化と経済のグローバル化というこの内外の大きな環境変化の中におきまして、我が国の経済社会システムを改革していくことによりこの国の明るい未来を開きたい、そうした思いで全力を挙げております。その点は、冒頭申し上げておきたいと思います。
 次に、バブル崩壊後における不況対策とその後の財政構造についての御意見がございました。
 議員御指摘のように、我が国におきましては、バブル崩壊後の経済状況に対応するために、景気対策として大型の補正予算を累次にわたり編成をしてまいりました。これは、需要の拡大を通じて景気の下支えの役割を果たしてきたものと認識しておりますけれども、一方で、公債残高が累増するなど、現下の財政状況は極めて危機的な状況に立ち至っており、財政構造改革に一刻の猶予も許されない状況になっております。
 こうした中で、財政構造改革を含むさらなる構造改革を進めることが中長期的に我が国経済をより活性化させる上で重要だと考えており、今後は、安易に財政に依存せず、規制緩和を初めとする経済構造改革の実現によって、我が国経済、殊に民間需要中心の自律的経済成長の発展を遂げていくことが基本だ、私はそのように考えております。
 また、国の財政の情報開示についての御意見がございました。
 国の財政状況の公表につきましては、財政法第四十六条に基づいて情報の開示に努めております。
 毎年度の予算における各経費の積算につきましては、参考資料として各目明細書を国会に提出させていただき、また、国の資産や負債の状況につきましても、財政法第二十八条に基づく参考書類を国会に提出いたしております。
 決算につきましては、予算の執行実績を示すことであるから、歳入歳出予算と同一区分で作成をしておりますが、別途「決算の説明」等におきまして、できる限り情報開示に努めてまいっております。
 次に、本法律案によって財政構造改革ができるか、そのようなお尋ねをいただきました。
 本法律案では、主要な経費ごとにめり張りのきいた量的縮減目標を設定し、その歳出構造を改革すると同時に、量的縮減目標を達成するために、個々の歳出の中身に踏み込んだ改革を行うことが構造改革に直結するものと考えております。
 また、制度改革の検討についても規定をいたしており、これらにより、財政構造改革を着実に進めていくことが可能だと考えております。
 次に、財政赤字の定義についてお尋ねがございました。
 先刻も他の議員にお答えをしたことでありますけれども、貯蓄投資差額は、国連が設定をした国民経済計算の体系における財政赤字の定義として国際的に広く用いられていること、法律には定義の明確性が求められることから、今回用いることといたしました。
 なお、国、地方の財政赤字対GDP比三%以下の当面の目標の達成により公的債務残高対GDP比の上昇に歯どめをかけました後、速やかに公的債務残高が絶対額で累増しない財政体質を構築してまいりたいと考えております。
 次に、赤字国債、建設国債という区分け自体が時代に即していないという御指摘をいただきました。
 しかし、建設国債は、将来世代も便益を受ける資産が見合いとして残るもの、特例公債とは基本的に違いがあると考えております。
 その上で、現在では建設公債発行に伴う国債費を賄うために特例公債の発行の増加を招くなどの問題があることから、本法律案におきましては、国、地方の財政赤字の対GDP比を三%とすること、公債依存度を引き下げることを当面の目標としており、国債発行総額の抑制を図ることとしております。
 次に、発行対象についての御意見がございました。
 財政法は、負担の世代間公平という考え方に立ち、公共事業等に限って建設公債の発行を認めておりまして、見合いの資産の残らない特例公債とは基本的な相違がありますことから、財政法そのものを見直せという点については、私は慎重でなければならないと思います。
 しかし、今申し上げましたように、本法律案におきましては、国債発行総額の抑制を図ってまいりたい、このように考えているところであります。
 次に、累積債務残高の目標についての御意見がございました。
 先ほど来申し上げてまいりましたように、当面の目標としては、国、地方の財政赤字対GDP比を三%以下とすることなどを規定し、その達成により公的債務残高の対GDP比の上昇に歯どめをかけました後には、昨年十二月に閣議決定をいたしましたように、速やかに公的債務残高が絶対額で累増しない財政体質を構築してまいりたいと考えております。
 なお、国鉄長期債務の処理及び国有林野事業の改革につきましては、財政構造改革会議等の場で検討を進めていくことといたしております。
 次に、財政構造改革法案と補正予算について御意見がございました。
 補正予算につきましては、財政構造改革を推進するに当たって、財政法第二十九条の補正事由の趣旨を厳正に判断し適切に対処する、そういたしております。
 なお、本法律案における財政健全化の目標はいずれも実績の数値でありまして、補正予算につきましても財政構造改革の趣旨は反映するものと考えております。
 次に、ウルグアイ・ラウンド農業対策費あるいは住都公団への補助金等を例に挙げて御議論がございました。
 ウルグアイ・ラウンド農業対策費などの毎年度補正予算計上につきましては、補正予算は当初予算作成後における諸情勢の変化に適切に対応するため編成するもの、その要件について財政法二十九条に定められております。各年度の補正予算におきましては、これまでもこの規定の趣旨に即し、年度内に追加することが必要な経費に限って計上を図ってまいりました。
 では、景気刺激を目的とする補正予算を編成するつもりがあるのかという御意見でありますが、我が国では、バブルの崩壊後の経済情勢に対応するために、景気対策として大型の補正予算を累次にわたって編成をしてまいりましたが、そのためもありまして、公債残高が急増するなど現在の財政状況が危機的な状況に立ち至っていること、財政構造改革が一刻の猶予も許されない緊急課題となっていることは冒頭に議員が御指摘になりました。
 こうした中におきまして、財政構造改革を含むさらなる構造改革を進めていくことが中長期的に日本経済をより活性化させる上で重要だと考えており、今後は安易に財政に依存せず、規制緩和を初めとする経済構造改革の実現によって民間需要中心の自律的成長の達成を図っていくことが基本であると考えております。
 次に、米国で採用している収支相償原則と同様の財政運営のルールをとれという御指摘がありました。
 これは、社会保障等の義務的経費を新たに設ける場合、見合いの財源を用意しなければその経費増分について義務的経費全体を一律に削減するというものであります。このアメリカの義務的経費というのは、根拠法の制定により予算審議なしに支出が認められる経費でありますけれども、予算審議によって毎年度の、立法府が予算全体をコントロールされる我が国におきましては、このような原則は制度的になじまないのではないかと私は思います。
 また、公共事業の個々の事業計画の見直しを行う仕組みについての御意見がございました。
 公共事業の実施に当たりましては、所管省みずからの行政責任として、社会経済情勢の変化に沿い、不断の見直しを行っております。これにより真に必要な事業の推進を図っているところであり、今後ともこのような姿勢で適切に対処してまいります。次に、補助金等の返還についてのお尋ねがございました。
 補助金等、これは国民の税金を財源としているものでありまして、地方公共団体の判断だけで補助事業などを中止することは適切ではないと思います。なお、補助金等適正化法におきましては、補助金などに係る適切な返還ルールが定められていると考えております。
 最後に、社会保障制度改革についてのお尋ねがございました。
 少子・高齢化の急速な進展、経済成長率の低下という環境の変化の中において、議員の御指摘とは違い、私は、社会保障のニーズの変化に対応しながら、どうすれば効率的で質の高いサービスを提供できる安定的な制度をつくり上げていくことができるかが大事なことだと思っております。今後、介護、医療、年金などの改革を順次進めてまいります。拍手
    —————————————
    〔議長退席、副議長着席〕
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渡部恒三#26
○副議長(渡部恒三君) 穀田恵二君。
    〔穀田恵二君登壇〕
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穀田恵二#27
○穀田恵二君 私は、日本共産党を代表し、政府提出の財政構造改革特別措置法案について、橋本総理に質問いたします。
 まず冒頭に、この法案は、九兆円もの負担増で国民が苦しみ、景気の落ち込みが深刻さを増しているこのときに、さらに追い打ちをかけ、社会保障を切り捨て、国民生活と日本の経済に打撃を与えるものであり、かつてない悪法であることを明らかにしておきたいと思います。
 財政再建が国政上の急務であることを否定する者はだれもいません。問題は、財政危機の根本原因を明らかにし、ここにメスを入れるかどうかです。政府は、財政危機の原因を欧州並みの社会保障制度にありとし、真っ先に社会保障の給付を引き下げようとしています。果たしてそうでしょうか。
 予算委員会で我が党の志位書記局長は、日本の公共事業費は社会保障費の約二倍で、公共投資が社会保障を食いつぶすという異常な財政構造があること、国民の負担に比べて社会保障給付水準が極端に低いことを明らかにし、ここに正すべき一番の財政のゆがみがあることを指摘しました。
 総理、あなたは、一般政府ベースの社会保障移転の対GDP比で見た場合、アメリカ、イギリスと比べて遜色ないと答弁し、その際、ドイツ、フランスはわざわざ省きました。日本が一二・七%に対し、ドイツは一八・二%、フランスは二三・三%という歴然とした事実があります。これでもあなたは遜色ないと言えますか。
 より正確なILO基準の社会保障給付で各国の国民所得に占める割合を比較すると、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスは、日本の一・三倍から二・四倍です。日本の社会保障の給付水準は格段に低いではありませんか。
 受益と負担の点でも同様です。税、保険料等の負担に対する社会保障給付の割合を欧米並みに引き上げるだけで、日本の社会保障給付は十九兆円から二十七兆円もふやすことができます。これでも遜色ないと言い張るのですか。この際、明確にお答えください。
 国、地方を合わせた公共投資が社会保障費の二倍などという国は日本だけです。浪費的ゼネコン型公共投資が社会保障を食いつぶすという逆立ちした財政構造を転換することこそ急務ではありませんか。
 総理、あなたは、公共投資が諸外国と比べて高いと認めました。しかし、単に高いというだけでなく、異常な高さであり、その構造にメスを入れなければ改善がないということです。
 ところが法案は、六百三十兆円公共投資基本計画の総額は変えず、それを三年延長するだけです。この計画を指標にして決める各種の公共事業長期計画は軒並み増額しています。その結果、目標とする二〇〇三年でも、公共投資額が社会保障公費負担額の約二倍というゆがんだ構造は何ら変わらないのではないでしょうか。
 ゼネコン奉仕型の公共事業のあり方も変えなければなりません。東京を例にとった場合、臨海部開発では九六%以上が大手ゼネコンへの発注でした。これに対して、都住宅局や福祉局の発注は、六割から七割が中小企業に対するものでした。大型プロジェクト中心ではなく、生活密着型に転換すれば、むだを削りつつ中小企業の仕事を確保し、潤いのある地域と国民生活を築くことができます。総理の答弁を求めます。
 正すべき第二は、軍事費の膨張です。
 別枠のSACO関係経費を加えたら、これまで以上の軍備拡張を進めるということになります。政府が軍拡を合理化する唯一の理由であったソ連脅威論が成り立たなくなったもとで、大幅軍縮になぜ転換しないのか。中期防衛力整備計画をなぜ中止できないのか。国民生活にかかわる予算まで大幅に削りながら、なぜ米軍のための予算には手をつけないのか。本来、安保条約、地位協定上の義務もない思いやり予算の廃止になぜ踏み出さないのか。明確な答弁を求めます。
 次に、むだと浪費の構造を温存したまま、その一方で、国民が生き、生活していく上でぜひとも必要な分野には、聖域なしとして無慈悲に削減している問題です。
 まず第一は、社会保障関係費の削減です。
 医療保険で見ると、ことし九月実施の制度改悪による予算の削減額は約三千億円です。国民の負担増は約二兆円です。厚生省の来年度概算要求では、ことしの制度改悪を上回る四千二百億円も削減していますが、今回に匹敵する負担増を来年も国民に押しつけるつもりですか。今回の制度改悪と同じような負担を三年連続して国民に強いるものではありませんか。戦後の歴史上、このような大幅な国民負担増を伴う社会保障制度の改変が連続的に行われたことがありましたか。
 政府・与党は、入院給食費や高額療養費制度の自己負担限度額の引き上げを計画しています。それに続き、老人医療費を定額制から定率負担にするだけでなく、現在は扶養家族となっている三百四十万人のお年寄りからも新たに保険料を取り立てる計画や、健保本人に三割、大病院の場合五割の負担さえ検討しています。
 九月からの医療費患者負担の大幅引き上げを機に、医者ではなく患者が、自分の体のぐあいより懐ぐあいを見ながら治療するかどうかを決めるという、命を削るような状況が生じています。この法案が実施されたら、この事態を一気に加速させるのではありませんか。児童扶養手当についても、母子家庭などの命綱さえ断ち切ろうというのですか。法案では、高齢者に係る雇用保険給付の打ち切りの検討に加え、年金給付水準の引き下げ、支給開始年齢の引き上げを強要しようとしています。
 以上のようなやり方は、社会保障の向上、増進を国に義務づけている憲法二十五条に真っ向から背くものではありませんか。拍手
 第二は、文教予算の削減です。
 国立大学予算や私学助成の厳しい抑制は、学費値上げにつながります。高校生、大学生の子を持つ働き盛りの中堅層には大きな打撃です。経済企画庁の九六年度国民生活白書は、下宿私立大生一人の学生生活費が家計可処分所得の四二・五%にも達することを明らかにしています。今や学費負担の大きさゆえに進学の夢まで絶たれるという事例も少なくありません。経済的事情によって若者の学問への志が摘み取られてもやむを得ないとお考えなのですか。
 第三は、中小企業対策費です。
 ことし上半期の企業倒産は七千九百六件、前年同期比で約一二%増、負債総額は倍増し、史上最悪の五兆九千三百億円に上っています。このように深刻な状況にある中小企業、業者に対する支援策こそ求められています。ところが、中小企業対策費は、この間年々減らされ、今年度は八二年度に比べ金額では四分の三に、一般会計に占める比重では半分以下に切り下げられました。法案は、戦後最悪の危機にある中小企業への予算をさらに削減しようとしています。これでどうして活力ある経済を実現することになるのですか。はっきりお答えいただきたいと思います。
 第四に、農業分野も例外ではありません。市場原理の活用が強調されていますが、市場原理に任せた結果、自主流通米価格は軒並み大幅に下落し、政府米価格さえ下回る銘柄が続出する深刻な事態となっています。このままでは日本農業の存立が脅かされ、今でも危機的な状況にある食糧自給率の低下に拍車をかけることは必至です。農林水産省予算の中で、公共事業費は五五%にまで膨れ上がっています。この中で、多くの干拓事業や農道空港など、その浪費は目に余るものがあります。そこにメスを入れ、農産物価格保証対策を充実させる農業予算構造へと転換することこそ急ぐべきではありませんか。
 結局、法案は、制度改悪による国民への一層の大幅負担増を三年連続して行うのを手始めに、浪費は温存、犠牲と負担増は国民にというレールを将来にわたって引いてしまおうというものではありませんか。しかも附則で、当面の目標とする二〇〇三年度までの財政健全化の進捗状況を点検し、国民向け歳出のこれ以上の切り捨て、改悪があり得ることを規定しています。一体どこまで国民に負担を押しつけるつもりなのですか。はっきりお答えください。
 最後に、収支の健全化のもう一面、歳入に関連してお聞きします。
 法案は、歳出面の削減に触れているにすぎず、最初から歳入についての改革を放棄するという根本的欠陥を持っています。歳入の見通しを持たずして、いかにして収支の健全化が達成できるというのですか。
 最近の大蔵省の資料でも、二〇〇三年度赤字国債発行ゼロという政府の目標達成は困難と認めています。総理は、増税なき再建をたびたび表明していますが、歳入にはメスを入れないまま、歳出カットだけでは目標が達成できないとして、消費税を増税しようとする布石ではありませんか。正直にお答えください。
 歳入の改革で求められていることの一つは、不公平税制の是正です。政府税制調査会の法人課税小委員会報告ですら指摘する、外国税額控除制度や課税ベースを狭くしている各種引当金や準備金などを大胆に縮小して、大企業に対する優遇税制を改めるべきではないでしょうか。
 二つとして、個人消費を拡大し、景気をよくして税収を安定させることです。今日の深刻な景気後退は、二十三年ぶりという国民の消費の落ち込みが最大の要因です。それは、空前の負担増を国民に押しつけた結果にほかなりません。歳出カットで国民に一層の負担と犠牲を強いる計画は、景気回復に新たな冷や水をかけようとするものであり、財政の再建の道にも逆行するものです。不況、税収不足、負担増、消費の冷え込み、不況の深刻化という悪循環を断ち切るべきです。
 その道は明白です。国民の消費購買力の拡大と中小企業への支援策こそ、何よりの景気回復の道です。今、緊急に消費税率をもとに戻す、医療負担増をやめる、これらのことを強く要求します。
 財政再建を行うためには、公共投資五十兆円、社会保障二十兆円という世界に類例のない逆立ちした財政構造のゆがみを正さねばなりません。
 今回の法案は、むだと浪費の構造を将来にわたって続け、国民生活と社会保障を切り捨てるというとんでもないものです。法案を速やかに撤回し、国民本位の財政再建の道へ転換することを強く主張して、私の質問を終わります。拍手
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
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橋本龍太郎#28
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 穀田議員にお答えを申し上げます。
 まず、社会保障の水準についてお尋ねがございました。
 一般政府の社会保障移転GDP比を見ますと、平成六年度で一二・七、米国の一二・八、英国の一五・四等と比しても遜色のない数字だ、私はそのとおりに申し上げました。ドイツ、フランスの社会保障移転のGDP比が高いのは、両国の高い国民負担率を反映していると考えております。
 我が国の社会保障の水準については、国民皆保険、皆年金の仕組みを中心として、年金額の水準、医療の受けやすさなどの面では諸外国と比較しても遜色ないものだと考えております。
 次に、その給付水準についての御意見がありました。
 我が国では高齢化が急速に進展しております。議員が御指摘になりましたような国に比べますと、老年人口比率がこれまで低かったことに加え、失業率が諸外国と比べて低いことを反映して、失業給付の規模が小さい、公的扶助の規模が小さい、また国民所得が大きいことなどの理由によりまして、国民所得に占める社会保障給付費の割合が相対的に低くなっていると考えられます。
 しかしながら、国民皆保険、皆年金の仕組みを中心として、年金額の水準、医療の受けやすさなどの面では諸外国と比較しても遜色のないものだ、そのように考えております。
 そして、社会保障給付そのものについても御意見がありましたが、我が国はこれまでも社会保障制度の充実を図ってまいりました。今後の高齢化の急速な進展に伴い、この給付はさらに増大すると見込まれます。
 財政構造改革におきましては、経済の発展、社会の活力を損なわないよう、国民負担率の上昇を抑制しながら、少子・高齢化の急速な進展と経済成長率の低下という環境の変化の中で、今後とも効率的、安定的に運営できる社会保障制度の構築に努めていきたいと考えております。
 財政構造にも触れられましたけれども、社会保障に関しましては、我が国はこれまでも社会保障制度の充実を図ってくる中で、急速な高齢化の進展に伴って社会保障給付費はさらに増大すると見込まれます。
 公共投資に関しましては、国民経済計算体系の一般政府ベースで見ますと、諸外国と比べれば高い水準になっておりますが、社会保障との関係では約半分程度の額になっています。
 今後の歳出構造についてお尋ねがございましたが、公共投資につきましては、集中改革期間中、その水準をおおむね景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の適正な水準にまで引き下げることを目指していくことといたしております。
 社会保障につきましては、高齢化の進展に伴って社会保障給付費の増加が見込まれる中で、社会保障構造改革を推進し、制度の効率化、合理化を進めながら必要な給付を確保していきたいと考えております。
 また、公共事業についての御意見がございましたが、六月三日に閣議決定をいたしました「財政構造改革の推進について」におきましても、国民生活の豊かさを実感できる経済社会の実現を目指す公共投資基本計画の考え方を踏まえて、引き続き、生活関連の社会資本への重点化を図ることとされております。
 また、引き続き中小建設業者等の受注機会の確保に努力してまいります。
 次に、防衛関係費について御意見がございました。
 我が国の安全保障上の観点と経済財政事情などを勘案しながら、節度のある防衛力の整備を行う必要があると考えておりまして、防衛関係費を抑制していく、そうしております。軍拡との御批判は当たらないと思います。また、我が国の防衛力整備につきましては、防衛大綱のもと、中期防衛力整備計画に従い、継続的かつ計画的に実施していくことが必要だと考えております。
 在日米軍駐留経費についても御意見がございました。
 国際社会に引き続き不安定要因が存在する中において、日米安保体制は我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしております。我が国は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保するとの観点から、厳しい財政事情にも十分配慮しながら、在日米軍駐留経費について自主的にできる限りの努力を行ってまいります。
 次に、医療保険制度における患者負担についてのお尋ねがございました。
 給付と負担のあり方につきましては、今後の少子・高齢化社会において、若い世代の負担が過重なものとならないようにすること、全制度を通じた負担と給付の公平を図るなどの観点から、所得の低い方々にも十分配慮しながら適切に対応していこうとしております。また、本年九月実施の改正につきましても、例えばお年寄りに対し、外来の負担を月四回、月額二千円までとするとともに、入院につきましては所得の低い方に対する特例を設けるなど、無理のない負担となるようなきめ細かな配慮をいたしております。
 児童扶養手当制度についてもお尋ねがございました。
 児童扶養手当制度につきましては、先般の児童福祉法改正時の附帯決議などを踏まえ見直しを行うこととしており、現在、中央児童福祉審議会において制度全体に係る諸問題について検討をお願いをいたしております。今後、同審議会の検討結果などを踏まえ、所要の措置を講じてまいりたいと考えております。
 雇用保険、年金についても御意見がありました。
 財政構造改革法案では、今後、雇用保険の高年齢求職者給付金のあり方の検討に加え、年金制度改革として給付と負担のあり方などについて検討を行うこととされております。このような改革を進めることによりまして、将来にわたる制度の安定を図ることは、社会保障の向上に努めることになると考えております。
 次に、教育費についての御意見がありました。
 教育の機会均等の理念を踏まえ、適切に対処していく必要があります。他方、今般の財政構造改革は、あらゆる歳出分野を例外なく対象としていることも御理解をいただきたいと思います。
 また、中小企業関係につきまして、国際的な競争の激化、流通構造の激変など、中小企業を取り巻く経済環境は極めて厳しい状況にあることは認識をいたしております。その状況におきましても、我が国経済活力の源泉である中小企業が先行きに明るい見通しを持って事業活動を行っていけるよう、基盤強化や新事業展開支援などめり張りのきいた中小企業対策を講じてまいります。
 次に、農業予算についても御意見がございました。
 農政の主要課題は、農家の経営安定を図り、国民食糧の安定供給を確保することであります。農業予算につきましては、この課題にこたえるべく、生産基盤の整備による生産性向上、農産物の価格安定対策による所得の安定などの諸施策を、厳しい財政事情の中で総合的、効率的に推進し得るよう、各施策へのニーズも勘案して編成してまいります。
 次に、本法律案附則の検討条項に関して御意見がございました。
 現在の財政構造を放置して赤字の拡大を招きましたならば、経済、国民生活が破綻することは必至であります。財政構造改革は、将来の世代に対する我々の責務だと私は考えております。したがって、財政健全化目標の達成に向け、検討条項も踏まえ、徹底した歳出の改革と縮減に取り組んでいくことが重要だと考えております。
 また、歳入面の改革についてのお尋ねがございました。
 財政構造改革法案は、財政構造改革会議で歳出面を中心に徹底した検討が行われた結果を受け、財政構造改革の当面の目標の達成に向け、歳出の改革と縮減のための具体的な方策と枠組みを規定するとともに、国は財政構造改革を推進する責務を有することといたしております。
 この間、歳入面につきましては、より国民的な理解を得られる財政構造改革とするためにも、引き続いて公平、中立、簡素という幅広い観点に立ち、税負担のあり方について検討し、改革に取り組んでいくことが必要だと考えております。
 その負担の水準につきましては、財政状況、税制全体のあり方なども踏まえた上で、その時々の国民的な議論を行いながら検討していくべき課題であると考えておりますが、いずれにいたしましても、まずは歳出の改革と縮減に最大限の努力を傾注すべきであり、同時にそれが国民の御理解を受ける上での改革の実現だと考えております。
 いろいろ例示を挙げられまして、税収をふやす努力をすべきではないか、そのような御指摘もいただきました。法人課税につきましては、税の公平、中立等の基本的視点に加え、経済構造改革を進める観点も踏まえて、課税ベースを適正化しながら税率を引き下げる方向で検討を続けていきたいと、以前も御答弁を申し上げたところであります。
 最後に、消費税率あるいは医療保険改革等を前に戻せという御指摘がございました。しかし、消費税率の引き上げは、先行しておりました所得減税に対応する論として、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に対応した税制改革の一環として実施したものであります。
 また、本年九月の医療保険制度改革は、医療保険制度の破綻を防ぎ、安定した運営を確保していくために、給付と負担の見直し等を行ったものであり、これらの改革は我が国にとって真に必要な改革だと信じております。拍手
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渡部恒三#29
○副議長(渡部恒三君) 横光克彦君。
    〔横光克彦君登壇〕
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