橋本龍太郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 穀田議員にお答えを申し上げます。
 まず、社会保障の水準についてお尋ねがございました。
 一般政府の社会保障移転GDP比を見ますと、平成六年度で一二・七、米国の一二・八、英国の一五・四等と比しても遜色のない数字だ、私はそのとおりに申し上げました。ドイツ、フランスの社会保障移転のGDP比が高いのは、両国の高い国民負担率を反映していると考えております。
 我が国の社会保障の水準については、国民皆保険、皆年金の仕組みを中心として、年金額の水準、医療の受けやすさなどの面では諸外国と比較しても遜色ないものだと考えております。
 次に、その給付水準についての御意見がありました。
 我が国では高齢化が急速に進展しております。議員が御指摘になりましたような国に比べますと、老年人口比率がこれまで低かったことに加え、失業率が諸外国と比べて低いことを反映して、失業給付の規模が小さい、公的扶助の規模が小さい、また国民所得が大きいことなどの理由によりまして、国民所得に占める社会保障給付費の割合が相対的に低くなっていると考えられます。
 しかしながら、国民皆保険、皆年金の仕組みを中心として、年金額の水準、医療の受けやすさなどの面では諸外国と比較しても遜色のないものだ、そのように考えております。
 そして、社会保障給付そのものについても御意見がありましたが、我が国はこれまでも社会保障制度の充実を図ってまいりました。今後の高齢化の急速な進展に伴い、この給付はさらに増大すると見込まれます。
 財政構造改革におきましては、経済の発展、社会の活力を損なわないよう、国民負担率の上昇を抑制しながら、少子・高齢化の急速な進展と経済成長率の低下という環境の変化の中で、今後とも効率的、安定的に運営できる社会保障制度の構築に努めていきたいと考えております。
 財政構造にも触れられましたけれども、社会保障に関しましては、我が国はこれまでも社会保障制度の充実を図ってくる中で、急速な高齢化の進展に伴って社会保障給付費はさらに増大すると見込まれます。
 公共投資に関しましては、国民経済計算体系の一般政府ベースで見ますと、諸外国と比べれば高い水準になっておりますが、社会保障との関係では約半分程度の額になっています。
 今後の歳出構造についてお尋ねがございましたが、公共投資につきましては、集中改革期間中、その水準をおおむね景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の適正な水準にまで引き下げることを目指していくことといたしております。
 社会保障につきましては、高齢化の進展に伴って社会保障給付費の増加が見込まれる中で、社会保障構造改革を推進し、制度の効率化、合理化を進めながら必要な給付を確保していきたいと考えております。
 また、公共事業についての御意見がございましたが、六月三日に閣議決定をいたしました「財政構造改革の推進について」におきましても、国民生活の豊かさを実感できる経済社会の実現を目指す公共投資基本計画の考え方を踏まえて、引き続き、生活関連の社会資本への重点化を図ることとされております。
 また、引き続き中小建設業者等の受注機会の確保に努力してまいります。
 次に、防衛関係費について御意見がございました。
 我が国の安全保障上の観点と経済財政事情などを勘案しながら、節度のある防衛力の整備を行う必要があると考えておりまして、防衛関係費を抑制していく、そうしております。軍拡との御批判は当たらないと思います。また、我が国の防衛力整備につきましては、防衛大綱のもと、中期防衛力整備計画に従い、継続的かつ計画的に実施していくことが必要だと考えております。
 在日米軍駐留経費についても御意見がございました。
 国際社会に引き続き不安定要因が存在する中において、日米安保体制は我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしております。我が国は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保するとの観点から、厳しい財政事情にも十分配慮しながら、在日米軍駐留経費について自主的にできる限りの努力を行ってまいります。
 次に、医療保険制度における患者負担についてのお尋ねがございました。
 給付と負担のあり方につきましては、今後の少子・高齢化社会において、若い世代の負担が過重なものとならないようにすること、全制度を通じた負担と給付の公平を図るなどの観点から、所得の低い方々にも十分配慮しながら適切に対応していこうとしております。また、本年九月実施の改正につきましても、例えばお年寄りに対し、外来の負担を月四回、月額二千円までとするとともに、入院につきましては所得の低い方に対する特例を設けるなど、無理のない負担となるようなきめ細かな配慮をいたしております。
 児童扶養手当制度についてもお尋ねがございました。
 児童扶養手当制度につきましては、先般の児童福祉法改正時の附帯決議などを踏まえ見直しを行うこととしており、現在、中央児童福祉審議会において制度全体に係る諸問題について検討をお願いをいたしております。今後、同審議会の検討結果などを踏まえ、所要の措置を講じてまいりたいと考えております。
 雇用保険、年金についても御意見がありました。
 財政構造改革法案では、今後、雇用保険の高年齢求職者給付金のあり方の検討に加え、年金制度改革として給付と負担のあり方などについて検討を行うこととされております。このような改革を進めることによりまして、将来にわたる制度の安定を図ることは、社会保障の向上に努めることになると考えております。
 次に、教育費についての御意見がありました。
 教育の機会均等の理念を踏まえ、適切に対処していく必要があります。他方、今般の財政構造改革は、あらゆる歳出分野を例外なく対象としていることも御理解をいただきたいと思います。
 また、中小企業関係につきまして、国際的な競争の激化、流通構造の激変など、中小企業を取り巻く経済環境は極めて厳しい状況にあることは認識をいたしております。その状況におきましても、我が国経済活力の源泉である中小企業が先行きに明るい見通しを持って事業活動を行っていけるよう、基盤強化や新事業展開支援などめり張りのきいた中小企業対策を講じてまいります。
 次に、農業予算についても御意見がございました。
 農政の主要課題は、農家の経営安定を図り、国民食糧の安定供給を確保することであります。農業予算につきましては、この課題にこたえるべく、生産基盤の整備による生産性向上、農産物の価格安定対策による所得の安定などの諸施策を、厳しい財政事情の中で総合的、効率的に推進し得るよう、各施策へのニーズも勘案して編成してまいります。
 次に、本法律案附則の検討条項に関して御意見がございました。
 現在の財政構造を放置して赤字の拡大を招きましたならば、経済、国民生活が破綻することは必至であります。財政構造改革は、将来の世代に対する我々の責務だと私は考えております。したがって、財政健全化目標の達成に向け、検討条項も踏まえ、徹底した歳出の改革と縮減に取り組んでいくことが重要だと考えております。
 また、歳入面の改革についてのお尋ねがございました。
 財政構造改革法案は、財政構造改革会議で歳出面を中心に徹底した検討が行われた結果を受け、財政構造改革の当面の目標の達成に向け、歳出の改革と縮減のための具体的な方策と枠組みを規定するとともに、国は財政構造改革を推進する責務を有することといたしております。
 この間、歳入面につきましては、より国民的な理解を得られる財政構造改革とするためにも、引き続いて公平、中立、簡素という幅広い観点に立ち、税負担のあり方について検討し、改革に取り組んでいくことが必要だと考えております。
 その負担の水準につきましては、財政状況、税制全体のあり方なども踏まえた上で、その時々の国民的な議論を行いながら検討していくべき課題であると考えておりますが、いずれにいたしましても、まずは歳出の改革と縮減に最大限の努力を傾注すべきであり、同時にそれが国民の御理解を受ける上での改革の実現だと考えております。
 いろいろ例示を挙げられまして、税収をふやす努力をすべきではないか、そのような御指摘もいただきました。法人課税につきましては、税の公平、中立等の基本的視点に加え、経済構造改革を進める観点も踏まえて、課税ベースを適正化しながら税率を引き下げる方向で検討を続けていきたいと、以前も御答弁を申し上げたところであります。
 最後に、消費税率あるいは医療保険改革等を前に戻せという御指摘がございました。しかし、消費税率の引き上げは、先行しておりました所得減税に対応する論として、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に対応した税制改革の一環として実施したものであります。
 また、本年九月の医療保険制度改革は、医療保険制度の破綻を防ぎ、安定した運営を確保していくために、給付と負担の見直し等を行ったものであり、これらの改革は我が国にとって真に必要な改革だと信じております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1997-10-17

院: 衆議院

会議名: 本会議