白川勝彦の発言 (本会議)
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○白川勝彦君 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合、新党さきがけを代表して、ただいま議題となりました財政構造改革の推進に関する特別措置法案及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件に賛成し、民主党提案の修正案に対し反対の討論を行うものであります。(拍手)
我が国は、戦後、焦土の中から、国民のたゆまぬ努力により、一人当たりの国民所得が米国の一・三倍になるなど、豊かな経済社会を築き上げてまいりました。しかしながら、高齢化の急速な進展、それに伴う生産年齢人口の大幅な減少が見込まれるもとで、従来のような単純な右肩上がりの経済成長が望めない状況となっております。
一方、二次にわたる石油危機やバブル崩壊後の景気調整を財政政策に大きく依存した結果、長期債務残高は、国と地方を合わせて今や国内総生産額に匹敵するまでの巨額なものとなり、主要先進国の中でも最悪と言われる危機的な財政状況となっております。
さらに、今後、少子・高齢化の進展に伴う財政支出の増加が確実視され、現状を放置したままでは、経済の活力が著しく低下し、将来世代に背負い切れない負担を残すことは明らかであります。
本法案は、こうした我が国の財政の危機的な状況を踏まえ、早急に財政の健全化を図り、多様な財政需要に対応できる財政構造を実現するため提出されたものであり、まことに時宜にかなった措置であります。
以下、賛成する理由を具体的に申し述べます。
第一は、財政構造改革の緊急性かつ必要性についてであります。
我が国の平成九年度の長期債務残高は、国、地方合わせて約四百七十六兆円に達する見込みであります。このまま財政赤字の累増を放置すると、国の財政は破綻し、本来国が果たすべき役割を果たせなくなるばかりでなく、社会保障制度の崩壊が懸念される等、深刻な社会問題が生ずるおそれがあります。その意味で、一刻も早く財政構造改革に着手し、その着実な実行を図ることが強く求められているところであり、本法案はその期待に沿うものであります。
野党は、財政構造改革よりも景気対策を優先すべきとの主張をされていますが、バブル崩壊後の累次にわたる経済対策が、財政赤字を急速に拡大させた要因であったばかりでなく、経済社会の構造改革への取り組みをおくらせてきた原因となつたことは周知の事実であります。さらにつけ加えるならば、主要先進国においては、安定した経済成長を達成するためには、健全な財政を維持していくことが不可欠であるとの認識が常識化しております。
その第二は、本法案において、量的縮減目標を設定するとともに、制度改革及び基本方針を定める等、財政構造改革の具体的方策を明らかにしていることであります。
本法案において、これまでの概算要求基準にはない、例えば、公共事業費七%削減、政府開発援助費の一〇%削減を初め、防衛費、社会保障関係費等の抑制を明示し、個々の歳出の中身にまでも踏み込んだことは、財政の健全化に向けた改革を確実に行い得る方策として評価すべきものであります。
また、財政運営の当面の方針において、特別会計を含むすべての歳出分野を対象として改革を進めるものとされており、さらに地方財政の健全化についても積極的に取り組むこととされております。特別会計あるいは地方財政に言及していないとする野党の指摘は、的外れなものと言わざるを得ません。
その第三は、財政構造改革の目標を明確にしているところであります。
財政構造改革を推進する上で重要なことは、政府みずからが目標を掲げ、実行するという強い決意を示すことであります。
本法案において、西暦二〇〇三年度までに財政赤字を国内総生産比三%以下にするなどの目標を定めたことは、財政改革に対する政府の並々ならぬ意思を示したものであり、高く評価するものであります。また、この目標達成によって長期債務残高の上昇にも歯どめがかけられることになり、この点においても財政の健全化に資することとなります。
野党からは、本法案は当初予算のみに限定されているとの批判がありますが、本法案における財政健全化目標はいずれも補正予算を含めた実績値をもって示すこととなっており、補正予算についてもその枠内にあることは明白であります。
賛成の第四の理由は、本法案は、中長期的には、国民負担率の上昇を抑え、公的部門の簡素合理化などにより経済の活性化に資するものであることであります。
現状を放置すれば、財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は、西暦二〇二五年度には七〇%を上回ると試算されております。所得の七割が税と社会保障で消え、自分が実際に使えるお金は三割しかないということになると、勤労意欲が喪失するなどの深刻な問題が生ずることは明らかであります。本法案においては、この国民負担率が五〇%を上回らないよう、歳出分野を対象とした改革を推進することにより、その抑制を図ることといたしております。
豊かさを維持し、自由で活力ある経済社会を築くことが国民に対する私たちの責務であります。真剣に国の将来を憂えるならば、この目標に向けて命がけで努力することが、まことの政治家の姿であります。(拍手)
なお、承認案件については、漁港整備計画の計画期間を二年間延長するものであり、財政構造改革を着実に推進する見地から賛成であります。
寒風に耐えて梅花開く。いかにつらく困難を伴おうとも、今財政構造改革を断行することが、二十一世紀における我が国の活力ある経済社会の実現に結びつくものであります。ここで財政構造改革をちゅうちょすることは、医療、年金制度の破綻、ひいては我が国の財政の崩壊につながりかねず、将来に大きな禍根を残すこととなります。その意味で、財政構造改革に取り組んでいるさなかに、景気対策として所得税の大幅減税等を要求する野党の態度は到底理解できません。(拍手)
なお、民主党提案の修正案については、量的縮減目標に関する規定を削除する等、財政構造改革の道筋を何ら示しておらず、非現実的であり、反対いたします。
以上をもちまして、私の討論といたします。(拍手)