谷垣禎一の発言 (科学技術特別委員会)
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○国務大臣(谷垣禎一君) 最初に、科学技術庁に御激励をいただきまして、心から御礼申し上げます。
今、北岡先生御指摘になりましたように、最近原子力行政等で幾つか不祥事が続いたこともございまして、当庁もその対応に追われているようなこともございます。また、そういう中で、行財政改革、あるいは財政が非常に厳しい状況でございますが、北岡先生は、そういう中で原子力行政で足を引っ張られることによって科学技術行政全体が沈滞するようなことがあってはならない、こういうお考えだろうと思います。
原子力行政につきましては、御心配をかけていることをおわび申し上げますとともに、そっちの方もしっかり立て直すことによって、変化の中で科学技術行政全体を後退させることのないように、科学技術庁一丸となって頑張らなければいけないと思っております。まず、御激励に心から感謝を申し上げたいと思います。
それから、科学技術の重要性を御指摘なさった上で、日本の科学技術の現状をどう見ているのかということでございます。主観的なことを申し上げてもいけませんので、できるだけ客観的な資料でお答えを申し上げたいと思うんです。
まず研究費についてであります。我が国の政府、民間を合わせた研究費の総額は、平成七年度で十四兆四千億円になっております。また、研究者数は六十五万九千人であります。この数字は、いずれもアメリカに次ぎまして世界第二位、アメリカは研究費総額が十六兆八千億、それから研究者数が九十六万三千人で、いずれもアメリカに次いだ世界第二位の数字でございます。
その次に、その中で政府研究開発投資がどうかということであります。これについては国防研究費の割合とか、あるいは民間がどの程度力を注いでいるかによっていろいろ差異がありまして単純な国際比較というのは難しいんですが、我が国の政府負担研究費のGDP、国内総生産に対する比率は、残念ながら欧米主要国の水準を下回っていると言わざるを得ないわけでございます。ちょっと数字を申し上げますと、日本の場合は九五年度で政府の負担研究費がGDP比で〇・六七%、アメリカが〇・八六%、ドイツが〇・八四%、フランスが一・〇三%、イギリスが〇・六八%、こういう数字になっているわけであります。
今のは財政的な面あるいは研究者の数でございますが、質的な面で申しますと、これもいろいろ比較が難しいといえば難しいんですが、すぐれた論文はほかの論文に引用される回数が多くなります。したがって、全世界での論文引用回数というものが質を見る場合の一つの基準になるのではないかと思うんですが、国別シェアを見てみますと、我が国は八%、これに対してアメリカが五二%、イギリスが一二%などとなっておりまして、主要各国に比べ低い数値となっております。
それからもう一つは、基礎研究の成果の質をあらわす一つの指標としてよく引用されますのが自然科学分野におけるノーベル賞受賞者の数であります。これについて見ますと、我が国の受賞者数はこれまで五人でありまして、アメリカの百八十四人、イギリスの六十八人、ドイツの六十一人などと比べますと大きく劣っていると申し上げざるを得ないわけであります。
今申し上げましたように、研究環境の整備などにおきまして、我が国はまだまだ努力を重ねていかなければならない状況にあるのではないかというふうに考えております。