橋本龍太郎の発言 (行財政改革・税制等に関する特別委員会)

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○国務大臣(橋本龍太郎君) 慶応義塾出身の私として、独立自尊という言葉を福沢先生とともに引用していただいたことを、ある意味では幸せに感じながら、ある意味では大変複雑な感じも持って伺っておりました。
 なぜなら、私はこの福沢先生の独立自尊という言葉は、議員がその前にこのビッグバンが進んだ場合の社会というものを想定されて、欧米型のいわば優勝劣敗、弱肉強食がルール、その中における自己責任という突き詰めた思いの中で私はこの言葉を用いられたとは実は考えておりません。
 むしろ、封建時代から近代日本が生まれようとする中で、改めて日本というものを福沢先生なりにみずからの心の中に問いかけ、あるべき姿として導き出されたものがある。文明の名において輸入される洋風のものすべてに対し、その技術は取り入れながら日本人の心を失うまじといった、そのような思いを持たれたのではなかろうか、私はそのような思いを持ってこの言葉に接しておりました。
 そして、もちろんその市場原理というものが私は完全なものだということを言い切るつもりはありません。なぜなら、そこには独占支配の弊害といったこと、あるいは環境問題の悪化など、市場の失敗と呼ばれる事態も起こり得るわけであります。
 かつてのように右肩上がりの経済の続く時代でありましたなら、結果の平等を求めることもできたでありましょう。しかし、そういう時代を夢見ることができないとするなら、まさに国家としてはセーフティーネットをできるだけ適切に整備をしておきながら、その上で、社会全体の活力というものを求めていくためにも、チャレンジ精神と申しましょうか、私はよく夢という言葉が好きで、夢という言葉を用いますけれども、みずからの夢に対して挑戦し、それがかなえられるチャンスのあるといった社会を築いていかなければならないのではないでしょうか。むしろ、今度は逆に、しかし、そのセーフティーネットを大きくすることにのみ奔命するならば、逆に活力をそぐ場合もありましょう。
 私はそんな思いで、今、議員が福沢先生の言葉を引用されながら述べられましたものに対し、市場原理というものを当然追求しなければならないと思います。同時に、その弊害というものも目配りをしなければならないと思います。その上で、欧米型の弱肉強食、優勝劣敗の社会に対して我々は適切なセーフティーネットを用意する責任はある。まさに、そうした点を補完するのが政府の役割の中で大きなウエートを占めるのではなかろうか、議員の御議論を拝聴しながら、そのような思いを持っておりました。

発言情報

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発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1997-11-12

院: 参議院

会議名: 行財政改革・税制等に関する特別委員会