島田晴雄の発言 (行財政改革・税制等に関する特別委員会)

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○参考人(島田晴雄君) 原因は、これは過去から累積してきたものなのでございますけれども、過去を振り返ると大きく分けて二つの原因があり、その原因の中に一つの大きな仕組み上の問題があるというふうに思います。
 過去を分けて二つの原因は何かというと、最も直近の原因はこの数年間、つまりバブルが崩壊した後の大変苦しい日本経済の状況の中で、これはもう国民総出で政府に経済対策をしろ経済対策をしろと言ったわけです。ですから、宮澤先生が総理をなさっていたときからずっと六回にわたって超大型経済対策を打って、その総額は六十六兆円にも及んだわけです。同時に、景気が悪いですから税収がうんと落ち込んでおりますので、税収の落ち込みと政府の特別な支出でもって恐らく百兆円を超える累積赤字がこの数年間で積み上がってしまったということがあろうと思います。これが直近の原因でございます。
 そして、もう少し前の原因を考えますと、実は日本経済が高度成長時代が終わって成熟段階に入ってからじわじわじわじわと大きな政府に向かって日本が進んできたんです。一つは、これは避けがたいことなんですが、高齢化が進みますから社会保障費その他がふえてくる。これはもうしょうがないことですが、実はこの中にもメスを入れる必要があるんですけれども、ふえてきた。
 それからもう一つは、経済構造が変わりまして大規模な投資をする製造業中心の経済からサービス化ということになってきますと、民間の投資が経済を引っ張らないものですから、私どもが頑張ればよかったんですけれども、やはりそれは政府に期待をするということで公共投資をどんどんふやしてそれで埋めていったという成熟化経済の問題がございます。これが長期の問題で、そして直近の数年間の問題は、人々は不況になったから国民総出で、政府よもっと経済対策を打てと言ったわけですね。
 諸外国はどういうことをしていたかというと、日本は高度成長のまだ余韻があったものですからそういうことをやれると国民が思っていたと思うんですが、諸外国は逆さに振ってもできない状態になっていたものですから、もうできません、構造改革しかありませんと。日本がやったこういうのをケインズ政策と言うんです。つまり、景気が悪いから政府が支出をする、そうすれば経済はよくなろうというのがケインズ政策なんですが、日本だけ世界の中で一周二周おくれのケインズ政策を六回も繰り返してしまったんです。それが最近の問題でございます。
 しかし、この成熟化経済の中に含まれている仕組みの問題、それがこのケインズ政策をさらに要請したという構造の問題がございます。これは先ほど新藤先生がおっしゃった問題なんですけれども、二言目には公共投資に頼りたいという政治構造があり、地方の財政支出構造があるんです。これは、地方が直接支出をしているので地方が問題といえば問題なんですが、しかし地方にそうさせているのは日本の中央の制度なんですね。この問題、また後ほど機会があればお話し申し上げたいと思いますが、そういう仕組みをはらんだまま国民総出で政府よ支出をせよとやったものですから財政赤字になった。この考え方、原因が明らかでございます。
 ですから、成熟社会にどう取り組むのか、改革というのはケインズ政策に頼むだけでいいのかという問題、それから全国各地で公的予算の使い方というのは本当にこれでいいのかという問題、これらの問題にメスを入れる必要があろうかと思います。

発言情報

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発言者: 島田晴雄

speaker_id: 15326

日付: 1997-11-18

院: 参議院

会議名: 行財政改革・税制等に関する特別委員会