三塚博の発言 (大蔵委員会)
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○国務大臣(三塚博君) 参議院大蔵委員会の閉会中審査に当たりまして、次期通常国会において御審議をお願いする予定の金融システム安定化のための緊急対策について、その背景及び大要を御説明いたします。なお、具体的内容につきましては、後ほど銀行局長から説明させます。
金融の国際化・情報化が進み、国境を越えた市場取引を通じ、我が国金融システムは世界のマーケットと直結する時代となっております。
最近では、例えばアジア地域において、タイを発端に香港、韓国などの通貨・金融市場に大きな混乱が見られました。こうしたアジア地域における経済・金融情勢の深刻さは、我が国金融システムの安定性に関係する問題となっております。
国内においては、金融機関は不良債権処理に取り組んでいるものの、昨年秋以降、金融機関の破綻が相次いで発生し、我が国金融の機能に対する信頼が大きく揺らぎかねない状況となっております。また、海外におきましてもジャパン・プレミアムは急上昇しており、これが金融機関の資金調達に重大な影響を与えております。
金融システムは国民経済の基盤をなすものであり、金融機関の資金供給機能が損なわれれば、健全な企業を初め経済にはかり知れない打撃を与えるとともに、それがさらなる不安を招くという悪循環に陥る危険があります。金融システムの安定は、我が国経済の自律的な成長の実現、国際経済における我が国の信用の保持にとって必須の条件であります。
また、仮に我が国の金融が機能不全を起こせば、世界じゅうのマーケットに直ちに伝播し、深刻な影響を及ぼすこととなります。こうした事態を未然に防止するための体制整備は、政府に課された重大な責務であると考えております。
以上の認識に立って、今般、金融システムに対する信頼を一刻も早く回復させ、経済全体が危機に陥る事態を防ぐための時限的な緊急対策として、次の措置をとることといたしました。
まず第一に、今後いかなる事態が生じても預金の全額保護が可能となる体制を整備いたします。具体的には、信用組合のみならず、一般金融機関全体を対象として、公的資金により預金保険機構の財政基盤の強化を図ります。また、破綻処理の受け皿銀行となる整理回収銀行の機能の拡充及び預金保険機構における不良資産の回収体制の強化を図ります。これらにより、金融機関の破綻に対し、円滑かつ迅速に対処してまいります。
第二に、金融危機の際の対応として、一時的に金融機関の発行する優先株等を引き受け、金融機関の自己資本を充実させる制度を設けます。この措置を行うに当たっては、公正な審査機関により厳正な基準を設けて、透明性の高い手続のもとで運用を行うことといたします。こうした運用により、優先株等の引き受けが個別金融機関の救済ではなく、我が国の金融システムに著しい障害が生じ、信用秩序と国民経済に重大な支障が生ずることが懸念される場合に限られるようにしてまいります。
以上の措置に関して、預金保険機構に総額十兆円の国債を交付するとともに、借入金等の政府保証限度額を総額二十兆円とし、合わせて三十兆円の公的資金を活用できることとします。
こうした公的資金の活用の前提として、金融機関自身による責任ある経営体制の整備やリストラの徹底、破綻した金融機関の経営者責任が厳しく問われることは言をまたぬところであります。
最後に、我が国の金融システムを安定させることが、これまで講じてきた予算・税制面における対応等と相まって、我が国経済の自律的な安定成長の実現に大きく寄与し、財政の健全化にもつながるものであることを申し上げまして、私の説明といたします。