山口公生の発言 (大蔵委員会)
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○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
今回の金融関係の罰則の強化におきましては、例えば銀行の検査回避、虚偽報告等の罰則の例をとって御説明いたしますと、現行は五十万円以下の罰金でございますが、それを一年以下の懲役または三百万円以下の罰金に引き上げるとともに、法人に対しましては二億円以下の罰金に大幅に引き上げるものでございます。
この罰則の強化及び法人重科につきましては、十分な抑止効果を上げる観点から設定したものでございますけれども、諸外国と比べまして申し上げますと、アメリカにおきましては三十年以下の禁錮または百万ドル、約一億二千万円以下の罰金、英国では二年以下の禁錮または罰金、ドイツにおきましては十万マルク、約六百五十万円以下の過料、フランスにおきましては一年以下の禁錮または十万フラン、これは約二百万円でございますが、以下の罰金というふうになっております。したがいまして、国によってかなりで区々でございますが、総じて言うと妥当な線かなと思うわけでございます。
ただ、よく議論されますのは、アメリカで民事制裁金という莫大な額の制裁金があるではないかという御指摘がしばしばなされます。これにつきましては、アメリカの連邦銀行法上の民事制裁金につきましては、銀行が法令違反等を行った場合に監督当局が当該銀行の資産規模や違反の重大性等を勘案して制裁金を決定しまして、行政命令として科すわけでございます。銀行側がこれに不服があれば聴聞手続とかあるいは通常の裁判手続を求めることができるわけでございます。
我が国におきましては、このような刑罰の一つである罰金と同様の性格を持つ財産的制裁を行政機関が科し得るということにつきましては、重大な不利益処分たる刑罰は厳格な裁判手続によって初めて科すことができるとする憲法の趣旨との絡みでもございますので、この点については慎重な検討が必要だという感じがいたしております。