大蔵委員会

1997-12-02 参議院 全211発言

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会議録情報#0
平成九年十二月二日(火曜日)
   午前十一時十一分開会
    —————————————
   委員の異動
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     野村 五男君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     橋本 聖子君     松浦 孝治君
     広中和歌子君     今泉  昭君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         石川  弘君
    理 事
                河本 英典君
                楢崎 泰昌君
                牛嶋  正君
                峰崎 直樹君
                上山 和人君
    委 員
               大河原太一郎君
                片山虎之助君
                金田 勝年君
                清水 達雄君
                西田 吉宏君
                野村 五男君
                松浦 孝治君
                今泉  昭君
                海野 義孝君
                白浜 一良君
                直嶋 正行君
                広中和歌子君
                岡崎トミ子君
                久保  亘君
                志苫  裕君
                笠井  亮君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       大蔵政務次官   塩崎 恭久君
       大蔵大臣官房長  武藤 敏郎君
       大蔵大臣官房金
       融検査部長    原口 恒和君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     溝口善兵衛君
       大蔵省主計局次
       長        細川 興一君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省国際金融
       局長       黒田 東彦君
       証券取引等監視
       委員会事務局長  堀田 隆夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       労働省職業安定
       局雇用政策課長  太田 俊明君
       建設省建設経済
       局建設業課長   中山 啓一君
   参考人
       株式会社住宅金
       融債権管理機構
       代表取締役社長  中坊 公平君
       日本銀行総裁   松下 康雄君
       日本銀行副総裁  福井 俊彦君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○罰則の整備のための金融関係法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    —————————————
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石川弘#1
○委員長(石川弘君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山本一太君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君が選任されました。
 また、本日、橋本聖子君が委員を辞任され、その補欠として松浦孝治君が選任されました。
    —————————————
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石川弘#2
○委員長(石川弘君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 罰則の整備のための金融関係法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として株式会社住宅金融債権管理機構代表取締役社長中坊公平君、日本銀行総裁松下康雄君及び日本銀行副総裁福井俊彦君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石川弘#3
○委員長(石川弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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石川弘#4
○委員長(石川弘君) 罰則の整備のための金融関係法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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楢崎泰昌#5
○楢崎泰昌君 最近、特に金融不祥事等に関連し、また株価の動向とも関連して金融関係の議論が活発に行われている最中でございます。この際に、そういう問題の一端として金融不祥事の再発防止のために本法案が提出され、金融システムの改革の推進に当たって検査・監督の実効性の確保及び金融証券市場の公正性、透明性の信頼を高めることが緊要の課題であるということは言うまでもないことであります。
 そういう意味でこの法律案が提出されてきていると思いますが、本法案の一番の基本は、経済犯則を犯した場合の罰則として懲役刑、あるいは罰金刑を引き上げるということが基本になっているように思われます。しかし、このような罰則の水準を引き上げるということはこの程度で妥当であるかどうかということが疑問になってくるわけでございますが、政府当局の本罰則、刑事罰の引き上げの水準についてどのようにお考えなのか、まず御説明を聞きたいと思います。
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山口公生#6
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
 今回の金融関係の罰則の強化におきましては、例えば銀行の検査回避、虚偽報告等の罰則の例をとって御説明いたしますと、現行は五十万円以下の罰金でございますが、それを一年以下の懲役または三百万円以下の罰金に引き上げるとともに、法人に対しましては二億円以下の罰金に大幅に引き上げるものでございます。
 この罰則の強化及び法人重科につきましては、十分な抑止効果を上げる観点から設定したものでございますけれども、諸外国と比べまして申し上げますと、アメリカにおきましては三十年以下の禁錮または百万ドル、約一億二千万円以下の罰金、英国では二年以下の禁錮または罰金、ドイツにおきましては十万マルク、約六百五十万円以下の過料、フランスにおきましては一年以下の禁錮または十万フラン、これは約二百万円でございますが、以下の罰金というふうになっております。したがいまして、国によってかなりで区々でございますが、総じて言うと妥当な線かなと思うわけでございます。
 ただ、よく議論されますのは、アメリカで民事制裁金という莫大な額の制裁金があるではないかという御指摘がしばしばなされます。これにつきましては、アメリカの連邦銀行法上の民事制裁金につきましては、銀行が法令違反等を行った場合に監督当局が当該銀行の資産規模や違反の重大性等を勘案して制裁金を決定しまして、行政命令として科すわけでございます。銀行側がこれに不服があれば聴聞手続とかあるいは通常の裁判手続を求めることができるわけでございます。
 我が国におきましては、このような刑罰の一つである罰金と同様の性格を持つ財産的制裁を行政機関が科し得るということにつきましては、重大な不利益処分たる刑罰は厳格な裁判手続によって初めて科すことができるとする憲法の趣旨との絡みでもございますので、この点については慎重な検討が必要だという感じがいたしております。
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楢崎泰昌#7
○楢崎泰昌君 今、例に挙げられた銀行の検査回避あるいは虚偽報告につきましては、従来五十万円の罰金刑しかなかったということで第一勧銀の事件のときに大きな波紋を及ぼした事件だったと思います。五十万円の罰金だったら科せられたって大したことないなというような論調も行われました。それが今回、罰金は三百万円、法人については二億円になっているようですけれども、それと懲役一年以下という懲役刑まで付せられたということで大きな抑止効果があるのではないかというぐあいに思います。
 しかしながら、ほかの不正取引に対する罰金等は、例えば相場操縦であるとか損失補てんであるとか、これは証券の方ですけれども、そういうのは従来から懲役刑があったわけですからこれを多少上げたところでそんなに抑止効果があるのかなというような感じもいたします。この点については、虚偽報告のところは確かに大きな成果が私は多分あるだろうというぐあいに思いますが、あとのところはこれで大丈夫なんですか。
 というのは、今アメリカの事例についても申されましたけれども、現在、これはお答えいただかなくて結構ですけれども、公的資金の導入という議論が行われています。それに対して、第一は経営者の責任ということ、それから第二はディスクロージャーの徹底ということ、ディスクロージャーについては後から言及をいたしますけれども、責任問題ということが盛んに言われています。さらに、アメリカでは千八百人の方が経済事犯として刑事告発されて刑に服したという例があるではないか、日本は甘いぞという議論がございます。
 そういう観点から見て、この程度の引き上げで十分なのかどうか、再度御答弁を願いたいと思います。
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山口公生#8
○政府委員(山口公生君) 今御紹介いただきましたアメリカにおきまして、Sアンドしが破綻したことを受けましてRTCが設立され、そこに財政資金が投入されたときに、詐欺、横領、粉飾決算等の犯罪行為を働いた経営者に対しましては千八百五十九人が有罪判決を受けたという報告書が出ております。そういう厳しい対応をしておるわけでございます。
 大蔵省としましても、これまで個別金融機関の処理に当たりましては、破綻金融機関を存続させない、あるいは民事、刑事の責任追及をきっちりやるなどの方針で対応してきておりますけれども、公的支援の問題も種々御議論を賜っております。ますますそういった御指摘の経営責任の明確化という問題が強調されるわけでございます。
 ただ、この問題は公的支援の云々にかかわらず、本来そういった罰されるべきものは罰されるというのを厳しくやっていくという姿勢は変わりなくやるべき事項だと思って肝に銘じておるところでございます。
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楢崎泰昌#9
○楢崎泰昌君 公的資金のことは今余り議論しようと思っていなくてしゃべっているんですけれども、公的支援の有無にかかわらず責任は明らかにすべきであると、こういうお話がありました。私ども自民党の中で現在金融問題安定化の小委員会をこしらえて公的資金の導入の可否、その方法等を議論いたしておりますが、その中で責任というものの強調がされております。新聞論調等を見ても、責任問題を明らかにしなきやとてもじゃないけれども公的資金の話まで入れないよと、こういうお話でございました。
 この責任という問題は実は政府、端的に言えば大蔵省の責任問題で議論されているわけですが、当然経営者の責任ということが議論されていくわけですね。そのときにこの程度の罰則で十分と考えるのかどうか、その点もまた議論になると思います。ある意味では先取りかもしれません。公的資金導入についての議論の先取りかもしれません。しかし、この程度でいいのかどうかということが議論されると言われます。
 そこで、今、銀行局長が千八百人の刑事判決が出たというお話でございますが、政府の説明でも詐欺とかなんとかいう言葉が出てきましたよね。いわゆる経営破綻というのは実は現在のような資産デフレになっていると非常に避けられない状態のものがあるわけですね。通常、犯罪行為に及ばなくても経営破綻をするという会社が当然出てくるわけでございます。あるいはそれに特別背任とか何かが加わるという問題があります。
 この間テレビでリチャード・クー氏が言及された中には、いや、実は経営破綻というのはなかなか責任が問えないんだけれども、実は千八百人というのは、その多くは会社の乗っ取りをやって詐欺その他を働いたのが相当いるんだよと、そういうのが多いんだよと、いわゆる経営破綻の責任だけを問うたわけではないんだよと。それはむしろ少ないと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、そんなに数多くなかったんだよというような発言をテレビでされておりまして、私は確認しておりませんけれども、大蔵省としてはそういう発言についてどう思うか。リチャード・クーの発言についてどう思うかというのは、公的な発言をしたわけじゃありませんからお伺いするのは若干問題があるかと思いますけれども、アメリカの経済事犯の性格というのは、例えば乗っ取りをやって、SアンドLについては乗っ取りが随分あったそうで、それは私どもも聞いておりますが、乗っ取りをやって政府の保護を利用して極めて悪質なお金集めをやって破産したという事例があるようにも聞いておりますが、それについて政府側はどのようにお考えでございましょうか。
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山口公生#10
○政府委員(山口公生君) 私、正確に状況を把握しているか自信はないわけでございますが、私の方の持っておりますレポートでは、主に罪状として挙げておりますのは当局への虚偽報告、資産隠匿、横領、詐欺等でございます。もちろん、RTCは金融機関の経営者等に対して民事上の責任も追及したというふうに聞いております。したがって、刑事の問題と民事の損害賠償的な問題とはやはり切り離してあるのではないかと思います。
 一つの事例をちょっとこの機会に御紹介させていただきますと、リンカーン貯蓄貸付組合というのが事件を起こしております。この組合の不動産親会社の元会長で同組合の実質的オーナーだった男が、粉飾決算、詐欺行為、不動産取引を通じて親会社と当該貯蓄貸付組合の利益を水増ししまして、私的な目的のために同組合の資金を流用しまして、それでリンカーン貯蓄貸付組合を破綻させております。これにつきましては、最終的には連邦地裁で禁錮十二・七年、損害賠償金千二百二十四万ドル、上告中ということでございますが、そういった形での刑事及び損害賠償としての民事というのが責任を追及されているわけでございます。
 そういった不正行為がある場合につきましてこういった厳しい追及がなされているというのが実情ではないかと思います。
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楢崎泰昌#11
○楢崎泰昌君 今御説明のあったように、いわゆる刑事罰的なもの、要するに詐欺等を含んで行われるというのは当然それなりに摘発をし、そしてやっていかなきゃいかぬというぐあいに思いますが、今、公的資金ということを議論しているときに責任、責任、責任、責任というのを言っていると。その責任というのは一体何を言っているのかということを、今言われましたように、アメリカの事例というものが皆さんの頭の中にあるわけですから、そのRTCの告発状況あるいは裁判事例等をよく考えて責任とは何ぞやと、責任はもちろん追及をせねばいかぬと、しかし一般的に景気が悪くなってきたから疲弊してきたんだというのまで経営者の責任であるというぐあいに議論するのかどうか、そういうことをきちっと整理をしておいてもらいたいと思いますが、いかがですか。
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山口公生#12
○政府委員(山口公生君) その点につきましては、責任という言葉がいろんな局面でいろいろな意味を持って使われております。ただ、私どもが議論をしなければいけないのは、今、委員の御指摘になったそれはきちっとした法的な意味での責任というようなことが基本にならなければならないだろうと思っております。
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楢崎泰昌#13
○楢崎泰昌君 余り大蔵省がそう言うと、大蔵省が責任逃れやっているんだとまた言われちゃいますから、気をつけて議論をせにゃいかぬのだろうと思います。やはり、責任問題というのをただ一言で責任問題、はいそうですかと言って、今一般的に言われているのは、会社あるいは金融機関がどんどん疲弊をしていっている、それに対して経営者は一体その責任をどうするんだというような問題だと思います。しかし、個々について言ってみれば、私はやっぱり経営の判断ミスというのは当然あったのかなというような感じもしますけれども、そういう意味の責任論というのを十分議論をしておいていただきたいと、かように希望をいたします。
 さらに、先ほど政府の御答弁の中で粉飾決算という言葉が出てきました。実は、ごく最近の山一事件の二千六百億に及ぶ簿外債務、明らかに粉飾決算なんだろうと思いますが、参考人の意見聴取の中では粉飾決算ということはなかなか向こうから出てこなくて私も質問者として大変苦労したんですけれども、いずれにしても粉飾決算であったというぐあいに思います。
 それは、平成四年以来、例えばペーパーカンパニーに全部閉じ込めちゃって、飛ばしとかそういうことはやっていないんだというような説明もございましたけれども、監視委員会としてはどういうぐあいにこれを認識し、対処しようとしているのかちょっと御説明願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
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堀田隆夫#14
○政府委員(堀田隆夫君) お答え申し上げます。
 証券取引等監視委員会といたしましては、山一証券に対しまして過去二回検査に入っております。官房の金融検査部と合同で入っておりまして、金融検査部の方は財務面の検査をする、私どもは会社の経営なり営業の中で法令などの市場ルールに違反する行為がなかったのかどうか検査をするという仕事の分担でやっているところでございます。
 私どもといたしましては、過去二回の検査におきまして、いわゆる簿外債務の発生原因の一つと言われておりますが、飛ばしの有無につきまして、その点を念頭に置きつつ事実解明に努めたところでございますけれども、そのような取引を把握するには至らなかったということでございます。
 いわゆる飛ばしというものは、顧客の保有する評価損を抱えた有価証券を決算期の異なるほかの顧客に証券会社の外で顧客間の直取引という形で転売を重ねていく、それを証券会社が仲介をするということでございまして、一般的に証券会社の帳簿には痕跡の残らない取引であるということがございます。
 また、私どもの実施しております検査は、官房検査部の検査も同じでございますけれども、行政検査でございまして、相手方の協力をもとに事実解明を行うということを基本としておりますので、相手方の十分な協力が得られない場合にはなかなか発見、解明には困難な面があるということを御理解いただきたいと思います。
 ただ、困難だということでとどまっていていいものとは決して思っておりません。私ども、山一証券に対しましては、十一月二十五日からまたこれも検査部と合同で特別検査に入っております。
 その中で、簿外ではございましても証券会社の役職員が関与している以上は何らかの痕跡が残っている可能性は十分にあるわけでございまして、その点の現物の検査を徹底する、あるいは顧客から事情を聞くというようなことを通じましていわゆる飛ばし行為の実態をこの際徹底的に解明いたしまして、法令違反等があれば厳正に対処してまいりたいと思っているところでございます。
 また、今回の検査の中で得られました経験といいますか、ノウハウを生かして今後のこの点についての検査能力の向上に努めてまいりたいと思っているところでございます。
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楢崎泰昌#15
○楢崎泰昌君 先般、予算委員会の参考人意見聴取の中で行平氏の言を聞いてみると、二千六百億円の簿外がございました、そのうち千六百億円は国内分でございます、差額分は山一オーストラリアで欠損として累積したものでありますという御説明であったように思います。そのうち国内の千六百億円については、平成四年一月一日以降は証取法の改正がございましていわゆる飛ばしはやらなかったんだ、そして五つのペーパーカンパニーにそれ以前の飛ばしの結果として生じた欠損を閉じ込めたんだ、閉じ込めるに際して金融が必要なのでスイス系信託銀行から二千億を特金で調達をして、その二千億で五つのペーパーカンパニーに閉じ込めたんだ、したがって平成四年以降は飛ばしはやっていないというような御発言があったように思います。
 それについてはどのようにお感じでございますか。
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堀田隆夫#16
○政府委員(堀田隆夫君) 前会長が国会の参考人質疑の中でそういう御発言をされたということは十分承知をしております。
 その点の事実関係につきましては、私ども、先ほど申し上げましたように、現在特別検査に入っているところでございまして、その中で確認をしていきたいと思っております。
 ただ、平成四年一月に証券取引法の改正がございましたが、その問題が一つキーポイントとして出ておりますけれども、この法改正はいわゆる損失補てんを刑事罰をもって禁止するというところを中心とした改正でございまして、損失補てんの問題については改正前と改正後で取り扱いが異なるということになるわけでございます。
 いわゆる飛ばしという問題につきましては、一義的に私どもまず該当する可能性があるかどうかということで検討しなければいけないなと思っておりますのは、特別の利益を提供して顧客を勧誘する行為、これは省令になりますけれども、いずれにしましても法令上の禁止行為でございまして、これは刑事罰則はついておりませんで行政処分の対象になっていくということでございますけれども、過去、飛ばしにつきまして、委員会発足後、二つの会社についてその特別の利益提供行為に当たるという認定をいたしまして大蔵大臣に勧告をした経緯がございます。
 そういった必ずしも法改正にかかわらない問題もそこにはあるということで、いずれにしましてもこの際事実を徹底的に解明していきたいと思っておるところでございます。
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楢崎泰昌#17
○楢崎泰昌君 行平さんの御証言によれば、平成四年以後は飛ばしはやっていないというお話でありました。また、新聞等で飛ばしがあったよあったよと盛んに書いているのは平成三年当時の話で四年以降は余り書いていないように思うんです。しかしながら、その点は十分御調査をやっていっていただきたいというぐあいに思っています。
 そこで、今御発言の中で、飛ばし行為については省令で禁止をしている、行政処分の対象になるが罰則の対象にはならないんだということを仰せになりました。
 これは証券局長にお伺いしますが、そのとおりでよろしいんですか。そしてまた、それはなぜ今回の改正に入ってこないんですか。
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堀田隆夫#18
○政府委員(堀田隆夫君) ちょっと言葉が不足しておりまして申しわけございませんでした。
 いわゆる飛ばし行為がまず特別の利益提供行為に該当するかどうかというポイントがあるわけでございますけれども、さらに証券会社が顧客間の直取引を仲介する際の勧誘の態様といたしまして、損失が発生した場合にはそれを補てんする、それを約束して一定の利益提供を約束するというようなことがございますれば、それはいわゆる利回り保証になるということでございまして、その場合には犯則事件といいますか、刑事罰のついた法令違反ということにもなってくるわけでございまして、そういう方面への展開も考えながら検査を進めるということでございます。
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楢崎泰昌#19
○楢崎泰昌君 やっぱり注意して物事を発言していただかなきゃいけないので、飛ばしは罰則がないんだよというのでは困るんです。飛ばしは利益供与が当然くっついていて飛ばしがあるので、利益供与がなくて飛ばしなんかやるわけはないんですから。その際には、こういうことを立証する。それは恐らく口頭の約束であるとか、いろいろ表に出にくいので皆さん方としてはなかなか把握しにくい場面だと思いますけれども、やっぱり飛ばしというのは罰則がついておるんですよ。それを厳重に取り締まっていくんだということでなければならぬと思います。実戦部隊としては証拠がなかなか見つからない、要するに利益を提供するという約束が調わない、証拠が集まらないというようなことで難しい場面だと思いますけれども、飛ばしがあれば必ず利益供与があるわけですから、なければ飛ばしはないんですよ。その点は気をつけてやっていただきたいというぐあいに思います。
 さらに山一のことについて申し上げますけれども、山一オーストラリアに為替差損あるいはディスクロージャーの損失というものをどうもつけていたようです、私は余りよくわからないけれどもそのようですと行平さんはお答えになりましたが、そういう事実はわかっているんですか、わかっていないんですか。
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堀田隆夫#20
○政府委員(堀田隆夫君) その点もただいまの特別検査の中でこれから解明していきたいと思っておるところでございます。
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楢崎泰昌#21
○楢崎泰昌君 そこで、山一の損失はもちろん簿外であったわけですから当然ディスクローズされていないわけですね。簿外というのはディスクローズしないから簿外なんでしょうが、当然簿外も含めてディスクローズすべき義務があり、有価証券報告書不実記載ということに当然なると思います。
 今、一般的に、先ほど申し上げたように、金融機関の問題としては責任を明確にすること、それからディスクロージャーを十分やることというような条件がついていると思いますが、ディスクロージャーを充実するといっても、どういうぐあいに現在ディスクローズがなされていて、何をあとディスクローズすれば金融業界としては最も適当なんでしょうか。
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長野厖士#22
○政府委員(長野厖士君) 最近、もろもろの事案がディスクロージャーの重要性とそれに対する私どもの取り組みの課題を設定しておるように存じます。
 先ほど来御指摘の簿外債務の問題、これは本来的にきちんと会計処理すべきものを簿外で隠したということでありますから、既存の枠組みにおきますディスクロージャー義務に対して大変疑義のある取引が行われておると。これはそのようなものとして、粉飾決算と申しますか、有価証券不実記載と申しますか、その面からの問題点というのは監視委員会においてお調べいただけるものと考えております。
 その上で、最近幾つかの上場企業で、これは金融も含みますけれども、建設業その他におきまして上場企業の破綻という問題が起きました。そのとき必ず起こりましたものは、破綻前の決算期におきますディスクロージャーと破綻直後に整理して発表されたものとの乖離が余りにも大きいのではないかという問題、会社が粉飾決算をしておったのか、あるいは公認会計士がそれに加担しておったのかという問題提起でございました。
 もちろん、その過程で先ほどの山一証券の問題と同様に意図的に一般の会計基準と異なる扱いを会社がやり、公認会計士がそれを幇助してやったということになりますと、法に照らして厳正に対処すべき事柄と思っておりますし、そういったものとして取り組ませていただきます。
 しかし、もう一つその上で私が今問題意識を深く持っておりますのは、そういった突然の大きな計数の変化が、貸付金の毀損、関連会社あるいは子会社に対する貸付金がある日大きく引き当てを計上せざるを得なくなる。あるいは債務保証を行っておりまして、その債務保証がある段階で子会社の破綻等によって突然実行しなければならなくなる。したがって、子会社あるいは関連会社の破綻ということが起こった途端に会計処理のルールとして今までは引き当てを計上しなかったが一斉に計上しなければならなくなる。その取り扱いは実は金融機関あるいは建設、ゼネコン等で共通に行われておりまして、それで急に資産、負債のバランスが崩れます。崩れた結果、経営のよくなかった企業が破綻、銀行やゼネコンで破綻ということになりますけれども、それをのみ込んで健全に経営していっている銀行やゼネコンもある。
 したがいまして、ここにある問題は破綻に至った会社だけが特異な決算操作をやっておったということでなく、貸付金の会計処理あるいは債務保証の会計処理という一般的なルールの中にもう少し見直すべき点がないのかという点でございます。
 したがいまして、現在、貸付金に関しましてはかねて既に問題がございましたので、銀行の早期是正措置の導入とあわせて自己査定という手法を銀行に持ってもらい、貸付金の査定、つまり引当金の計上を適正に行うという方向の準備が進められておりまして、そこの手法が確立されればこれは私は他の業態にもそれを広げていくことができるだろうと考えております。
 債務保証の問題につきましては、現在、公認会計士協会にお願いいたしまして、これは主としてゼネコンで起きますのでゼネコンを例にしつつ、どの時点で債務保証について引き当てなりしかるべき会計処理をすべきかということを研究していただきたい、こう思っておりますが、その研究がまとまりますれば、例えばこの間の三洋証券も債務保証が大きなきっかけだったわけでございますから、こういった会計実務、会計ルールというものの整備をもう少し図ってまいりたいと考えておるところでございます。
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楢崎泰昌#23
○楢崎泰昌君 御説明だけを聞いていますと、いや問題意識も十分持っている、一生懸命やっているという話ですけれども、実は金融危機に際してそういうことをぴしっぴしっと片づけていけよということを政府側から言明をされないと皆さん困っておられるわけですよね。突如として破産した、突如として子会社あるいは債務保証が爆発したと、いやそれはしようがないんですよというわけにはいかないんですね。それではディスクローズして、いや私の会社は大丈夫なんですよ、こういうような状態ですよと言っているのが全部ディスクローズの役に立っていなかったということになるように思うんですね。
 今、ディスクローズというのは実は銀行を含めて言いますと二つございまして、全銀協が自主規制によってディスクローズのいろんな項目を決め実行しておられる、今は全国銀行はそれを実行されているけれども実は信用組合や信用金庫の方は十分にはまだ行っていないよというような問題が一つと、それからもう一つは有価証券報告書、証券取引法で項目が定められていまして、有取法上の有価証券報告書でディスクローズがされているという問題と二つあるように思うんです。ディスクローズといっても二つあるように思うんです。
 例えば、ごく最近の北海道拓殖銀行を例にとりましても、個別の銀行の話をするのは余り好まないんですけれども、不良債権というのが発表されています。破綻先債権が千三百九億円、延滞債権が三千六百五十八億円、金利減免等債権が四千三百六十一億円、計九千三百二十九億円ありますよと。これは有価証券報告書で報告されているわけですよ。
 しかし、問題は、今、政府側がちょっと言われましたように、債務保証であるとかあるいは子会社に対する貸付債権等が破綻すると瞬く間に倍になってしまうというような感じがするわけです。
 今、私は拓銀の不良債権を申し上げましたけれども、有価証券報告書ではこれだけなんですね、ざっと発表されていることは。中身は全然わからないわけですよ。
 それについてはこういうような有価証券報告書の記載で十分であるというぐあいに政府側としては考えておられるんですか、どうですか。
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長野厖士#24
○政府委員(長野厖士君) 貸付金に対します評価のあり方、そしてそれの開示のあり方につきまして一般論として先ほどお答え申し上げました。
 銀行につきましては、私どもの証取法に基づきます一般企業と同列のディスクロージャー以上の義務が銀行法上課せられ、それに対応していただいておると存じますので、その範囲につきましては銀行局長の方から御答弁させていただきたいと存じます。
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山口公生#25
○政府委員(山口公生君) 不良債権のディスクロージャー問題というのは真剣に取り組むべき議題だと思っております。
 現在、どういうことでやっておるかといいますと、各金融機関が統一的な基準でもって数字を洗い出しているわけでございます。それで、先ほど先生おっしゃいましたように、ようやく来年の三月期で信用金庫、信用組合まで全部同じ基準で公表するというふうになりました。その公表の基準は破綻先債権、延滞先債権、金利減免等債権となっております。
 破綻先といいますのは、これは言葉どおりでございまして、相手方が破産したとか、会社更生法の適用があったというようなものでございます。二番目の延滞債権といいますのは、これは税法との関係がございまして、六カ月の延滞というものを基準にしておりまして、それ以上の延滞になった場合これに掲げるというふうになっております。それから、金利減免等債権は約定改定時の公定歩合以下の水準にまで金利を引き下げた場合というふうな一つの基準でやっております。したがって、その基準で出てきたものは、もし隠していれば別ですけれども、きっちりそれをやっている限りにおいてはどの銀行も信用金庫も信用組合も同じ基準で同じベースで数字を出します。それが十分かどうかという議論は先生の御指摘のとおりあると思います。
 ちなみに、アメリカの場合は少し考えが違いますけれども、やはり一つの基準をつくっております。端的に申し上げると、六カ月と申し上げたところが正確に言うとちょっと違いますが三カ月、こういうふうになっております。それから、金利減免のところは公定歩合云々というのをリストラクチャードということでちょっとでも何か条件を変えたらという基準が少し違います。そういう基準が違うんです。ところが、ヨーロッパ等はほとんどそういう基準がない。自主的にやりなさい、こうなっております。
 したがって、国によって対応が違いますけれども、我が国においては一つの基準でもってそれを出しなさい、それでディスクローズしなさい、こうなっておるわけです。それで、私がしばしば二十七兆九千億とか申し上げているのはそれをトータルしたものです。それが時系列的にずっと見ているとだんだん減ってきておりますよ、引き当て済みのもの、あるいは担保でカバーされたものを考えると要処理というのも少しずつ減ってまいっておりますよ、だから全体としてはよくなっていると時系列的には言えますよということを申し上げているわけです。
 それと、個々の金融機関が不良債権という問題をどう抱えているかということ、またそれが破綻したときには実際その基準に当てはまらないものがとれない、つまり回収できないということで出てくるのではないかという問題は確かにあるわけでございます。ただ、基準を設けて開示しませんと、ある銀行は物すごく厳しい基準で出してくる、ある銀行は非常に甘い楽観的な考え方で出してくる、これはある意味では預金者にとって誤った情報になるということであります。非常に難しい面でありますけれども、できるだけその辺をきっちりディスクローズしていくという方向で考えていくべき時期に来たであろうと。
 一つの基準でやっておりますのがようやく全金融機関が来年の三月期でそろうという状況で、随分出おくれたなというおしかりがあるかもしれませんが、本来金融機関はディスクローズすると預金がどんどん取りつけに遭うんじゃないかという恐怖感があったんだと思うんです。しかし、現在の世の中は市場から評価されなければかえってだめだということですから、これからはディスクローズをたくさんしている銀行ほど信頼される、その内容が何か問題があるとしても、全部それが公表されるという方がむしろ信頼を仰ぐという時代にだんだん入ってくると思います。
 したがって、この不良債権問題のディスクローズ一つをとりましても、時代は変わっておるし、金融機関のマインドも変わってきております。そうした中で当局としてどういうふうな形でディスクローズを推進していくかという問題は緊急の課題になっているというふうに承知しております。
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楢崎泰昌#26
○楢崎泰昌君 ヨーロッパでは別段余り大した基準はないよと。ヨーロッパはヨーロッパでいいんですよ。日本は今や、先ほどちょっと申し上げたように、公的資金を入れるという議論をされているときにさてディスクローズをどうするかという問題が議論されているので、ヨーロッパでどうだろうがアメリカでどうだろうが国民の信頼を得なきゃいかぬ。我が国の企業はどうも隠しに隠しまくっているような感じがしていて、それを一体どういうぐあいに考えるかというのが現在の問題だろうと思うんです。
 そして、会社の損益あるいは損失について、不良債権をどれだけ今持っているんだと。確かにバブルの影響で日本に特殊の現象かもしれません。しかし、不良債権がどれだけあるんだと、危険性かどれだけあるんだということを表現しなきゃならない。その不良債権が税務の基準に引っ張られて、緩くなっているというのかきつくなっているというのか表現の仕方が両方の角度から見えますけれども、要するに不良債権の定義がきつくなっているわけですね。そして、ほかにもあるかもしれないねというような状態で今ディスクローズがされているのではないかというような感じがするんです。
 しかし、ここのところは十分か十分でないかというのは、制度としての議論を今やっているわけですから、おっしゃるように、政府の方は一つの基準で見てそれが大勢として多くなっているかどうかを申し上げているので個々の会社についてさてそれが適当かどうかを議論してはおりません、こういう話ですからそれはそれで置いておくとして、制度の問題としては実は、先ほど政府側からお話になりましたように、デリバティブの損益が一体どういうぐあいに評価をされているんだろうかと。という意味は、山一でも同じなんですけれども、山一の場合は、行平さんは仕組み債でございますのでその損益について私はわかりませんというようなことを平気で言っているわけですよ。確かにわからないらしいですね、仕組み債というのは。幾つもの商品がコンバインされていて評価がなかなか難しい、こういうことのようでございます。
 ということは、デリバティブは非常に難しいということ、それから債務保証はこれは相手の会社を調べないと債務保証をしているがいつ爆発するかわからないということでございますので、ここら辺が不良債権の問題と含めてどのようにディスクローズされて国民の目に明らかにされていくのか、その点について御質問したいと思います。
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山口公生#27
○政府委員(山口公生君) 銀行について申し述べたいと思います。
 デリバティブ取引は大変活発になってきております。このデリバティブにつきましては、非常にリスク管理が難しい、いろいろなリスクが大きいということで国際的にもこれを規制すべきではないかという議論もありました。しかし、今の世界の大勢はそうではありません。むしろ規制をしていくよりはちゃんとディスクローズをして市場がチェックをするような仕組みの方がいいのではないかという方向に来ております。したがいまして、今、先生の御指摘のとおり、市場からチェックを受けられる形でディスクローズしていく必要があるわけでございます。
 それで、最近のデリバティブの伸展に伴いまして、金融制度調査会でもこのデリバティブ取引にかかわるリスクに関する情報の開示の充実は必要であるというふうに指摘されております。
 したがいまして、全銀協の統一開示基準におきましてもデリバティブ取引情報、オフバランス取引情報、リスク管理情報が開示項目として決められております。したがって、ここできっちりとその状況をディスクローズするというふうになっております。
 それから、お尋ねの債務保証につきましても、潜在的な偶発債務でございますから非常に大切な情報なわけでございます。これは金融機関の場合は業として行う与信業務の一部でもございます。したがいまして、金額も多いことからも銀行法施行規則で貸借対照表に計上され、公表しているという状況にございます。
 今おっしゃったデリバティブとか債務保証というところはこれから大変大事なディスクローズ項目であろうというふうに思います。
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楢崎泰昌#28
○楢崎泰昌君 まず、債務保証については危ないなということはよくわかるんだけれども、危ない取引先だから債務保証しているわけですよね。常に大きなあれがある。これはいわゆる不良債権であるとか延滞債権であるとか、そういう区分はないわけですよ。全体が怪しいか怪しくないかということは、一つの幾ら幾らということで出ていて、債務保証の中で危ないものはこれよというのは表示されていないんじゃないんですか。
 それから、さらにいえば、ディスクロージャーをデリバティブについてもやっている、またやらにやならぬということであるが、特に金融機関の決算は時価主義によるということで時価主義によって時価の表示をしなさいという規定がございます。例えば金融先物なんかですと時価がはっきりわかるわけですね。しかし、先ほど山一の場合で申し上げましたけれども、仕組み債ということでやられるとこれは時価がわからないわけですね。
 そういうような市場時価というものがないデリバティブというのが現在横行しておるような感じがいたしますが、それについてどういうぐあいに対処しようと考えておられますか。
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長野厖士#29
○政府委員(長野厖士君) 一般的に、銀行に限らずでお答え申し上げますけれども、デリバティブにつきましては、すべてのデリバティブ取引につきまして平成九年の三月期から取引内容等の記述を有価証券報告書上求めますとともに、契約額及び時価を財務諸表に注記事項として開示するということにいたしております。注記事項として開示するという意味は、公認会計士の監査対象になるということでございます。これは上場デリバティブについて行っておりますけれども、非上場のデリバティブ取引につきましても十年三月期から時価を開示いたしたいと考えております。
 デリバティブは非常に複雑な取引でもございますし、またリスクというものをどういうふうに、時価はわかったけれどもリスクはどうなんだという御質問が次に当然あろうと思いますけれども、そのあたりがわかり得るように、取引内容等の記述を求めるというのはどういう性格とリスクを持った取引であるのかということがわかるような仕組みが考えられないかというようなことでございまして、諸外国の例なども参考にしながらさせていただいております。
 債務保証につきましては、まず債務保証は、銀行局長が申し上げましたように、有価証券報告書上そういったものがあるということは注記することになっておりますけれども、これにはまたはっきりとした債務保証にとどまりませず、債務保証の予約とかいうような形態がございます。それらも含めてどこまで開示を求めていくかということを公認会計士協会に考えていただいているわけでございます。
 それから、その債務保証が子会社の状況によっていつ債務保証の履行が迫られるだろうかということにつきまして、その引き当ての計上時点ということを考えていかなければなりません。これは貸付金と非常に似た側面を持っておりますけれども、個人的な感触を言わせていただきますと、従来の考え方がやや税務の基準に引っ張られたという印象を持っております。
 税務上はやはり公平が第一でございますから、会社が更生法の適用を申請したとか破産を申請したとかいう客観的な事実があった場合に初めてそれを損金として認識する、どうも危なそうでございますから損金に計上させてくださいというものは決算操作の可能性がございますから税務上は客観的な基準で会社更生法というやり方でございますけれども、それを企業会計上もそのまま踏襲いたしましたためにノンバンクなどがある日会社更生法の適用になった瞬間にどっとロスが膨らんできたという嫌いがございますから、それを税務の目とは別に企業会計上だんだんと悪くなっていく状況に見合った引き当てをどう計上していくかということが、貸付金につきましても債務保証につきましても、これは公認会計士のすぐれた高度の知識の中で解決策を見出してもらいたい、こう考えておるわけでございます。
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