長野厖士の発言 (大蔵委員会)
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○政府委員(長野厖士君) 最近、もろもろの事案がディスクロージャーの重要性とそれに対する私どもの取り組みの課題を設定しておるように存じます。
先ほど来御指摘の簿外債務の問題、これは本来的にきちんと会計処理すべきものを簿外で隠したということでありますから、既存の枠組みにおきますディスクロージャー義務に対して大変疑義のある取引が行われておると。これはそのようなものとして、粉飾決算と申しますか、有価証券不実記載と申しますか、その面からの問題点というのは監視委員会においてお調べいただけるものと考えております。
その上で、最近幾つかの上場企業で、これは金融も含みますけれども、建設業その他におきまして上場企業の破綻という問題が起きました。そのとき必ず起こりましたものは、破綻前の決算期におきますディスクロージャーと破綻直後に整理して発表されたものとの乖離が余りにも大きいのではないかという問題、会社が粉飾決算をしておったのか、あるいは公認会計士がそれに加担しておったのかという問題提起でございました。
もちろん、その過程で先ほどの山一証券の問題と同様に意図的に一般の会計基準と異なる扱いを会社がやり、公認会計士がそれを幇助してやったということになりますと、法に照らして厳正に対処すべき事柄と思っておりますし、そういったものとして取り組ませていただきます。
しかし、もう一つその上で私が今問題意識を深く持っておりますのは、そういった突然の大きな計数の変化が、貸付金の毀損、関連会社あるいは子会社に対する貸付金がある日大きく引き当てを計上せざるを得なくなる。あるいは債務保証を行っておりまして、その債務保証がある段階で子会社の破綻等によって突然実行しなければならなくなる。したがって、子会社あるいは関連会社の破綻ということが起こった途端に会計処理のルールとして今までは引き当てを計上しなかったが一斉に計上しなければならなくなる。その取り扱いは実は金融機関あるいは建設、ゼネコン等で共通に行われておりまして、それで急に資産、負債のバランスが崩れます。崩れた結果、経営のよくなかった企業が破綻、銀行やゼネコンで破綻ということになりますけれども、それをのみ込んで健全に経営していっている銀行やゼネコンもある。
したがいまして、ここにある問題は破綻に至った会社だけが特異な決算操作をやっておったということでなく、貸付金の会計処理あるいは債務保証の会計処理という一般的なルールの中にもう少し見直すべき点がないのかという点でございます。
したがいまして、現在、貸付金に関しましてはかねて既に問題がございましたので、銀行の早期是正措置の導入とあわせて自己査定という手法を銀行に持ってもらい、貸付金の査定、つまり引当金の計上を適正に行うという方向の準備が進められておりまして、そこの手法が確立されればこれは私は他の業態にもそれを広げていくことができるだろうと考えております。
債務保証の問題につきましては、現在、公認会計士協会にお願いいたしまして、これは主としてゼネコンで起きますのでゼネコンを例にしつつ、どの時点で債務保証について引き当てなりしかるべき会計処理をすべきかということを研究していただきたい、こう思っておりますが、その研究がまとまりますれば、例えばこの間の三洋証券も債務保証が大きなきっかけだったわけでございますから、こういった会計実務、会計ルールというものの整備をもう少し図ってまいりたいと考えておるところでございます。