山口公生の発言 (大蔵委員会)

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○政府委員(山口公生君) 不良債権のディスクロージャー問題というのは真剣に取り組むべき議題だと思っております。
 現在、どういうことでやっておるかといいますと、各金融機関が統一的な基準でもって数字を洗い出しているわけでございます。それで、先ほど先生おっしゃいましたように、ようやく来年の三月期で信用金庫、信用組合まで全部同じ基準で公表するというふうになりました。その公表の基準は破綻先債権、延滞先債権、金利減免等債権となっております。
 破綻先といいますのは、これは言葉どおりでございまして、相手方が破産したとか、会社更生法の適用があったというようなものでございます。二番目の延滞債権といいますのは、これは税法との関係がございまして、六カ月の延滞というものを基準にしておりまして、それ以上の延滞になった場合これに掲げるというふうになっております。それから、金利減免等債権は約定改定時の公定歩合以下の水準にまで金利を引き下げた場合というふうな一つの基準でやっております。したがって、その基準で出てきたものは、もし隠していれば別ですけれども、きっちりそれをやっている限りにおいてはどの銀行も信用金庫も信用組合も同じ基準で同じベースで数字を出します。それが十分かどうかという議論は先生の御指摘のとおりあると思います。
 ちなみに、アメリカの場合は少し考えが違いますけれども、やはり一つの基準をつくっております。端的に申し上げると、六カ月と申し上げたところが正確に言うとちょっと違いますが三カ月、こういうふうになっております。それから、金利減免のところは公定歩合云々というのをリストラクチャードということでちょっとでも何か条件を変えたらという基準が少し違います。そういう基準が違うんです。ところが、ヨーロッパ等はほとんどそういう基準がない。自主的にやりなさい、こうなっております。
 したがって、国によって対応が違いますけれども、我が国においては一つの基準でもってそれを出しなさい、それでディスクローズしなさい、こうなっておるわけです。それで、私がしばしば二十七兆九千億とか申し上げているのはそれをトータルしたものです。それが時系列的にずっと見ているとだんだん減ってきておりますよ、引き当て済みのもの、あるいは担保でカバーされたものを考えると要処理というのも少しずつ減ってまいっておりますよ、だから全体としてはよくなっていると時系列的には言えますよということを申し上げているわけです。
 それと、個々の金融機関が不良債権という問題をどう抱えているかということ、またそれが破綻したときには実際その基準に当てはまらないものがとれない、つまり回収できないということで出てくるのではないかという問題は確かにあるわけでございます。ただ、基準を設けて開示しませんと、ある銀行は物すごく厳しい基準で出してくる、ある銀行は非常に甘い楽観的な考え方で出してくる、これはある意味では預金者にとって誤った情報になるということであります。非常に難しい面でありますけれども、できるだけその辺をきっちりディスクローズしていくという方向で考えていくべき時期に来たであろうと。
 一つの基準でやっておりますのがようやく全金融機関が来年の三月期でそろうという状況で、随分出おくれたなというおしかりがあるかもしれませんが、本来金融機関はディスクローズすると預金がどんどん取りつけに遭うんじゃないかという恐怖感があったんだと思うんです。しかし、現在の世の中は市場から評価されなければかえってだめだということですから、これからはディスクローズをたくさんしている銀行ほど信頼される、その内容が何か問題があるとしても、全部それが公表されるという方がむしろ信頼を仰ぐという時代にだんだん入ってくると思います。
 したがって、この不良債権問題のディスクローズ一つをとりましても、時代は変わっておるし、金融機関のマインドも変わってきております。そうした中で当局としてどういうふうな形でディスクローズを推進していくかという問題は緊急の課題になっているというふうに承知しております。

発言情報

speech_id: 114114629X00619971202_025

発言者: 山口公生

speaker_id: 33961

日付: 1997-12-02

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会