一木豊の発言 (逓信委員会)

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○参考人(一木豊君) ただいま御紹介いただきましたテレビ東京社長の一木でございます。
 十二月十六日に放映いたしました私どものアニメ番組「ポケットモンスター」をごらんになって全国で相当数の方々が健康に被害を受けられて、ある者は入院される、特に児童、小学生といういたいけな方が多くその被害に遭われたということにつきまして、放映した局として、まずおわびを申し上げますとともに、一日も早く回復されることを祈念いたし、さらに局としては原因究明に全力を挙げてかかる事態の再発防止に全力を期したい、こう思っております。
 まず初めに、皆様にポケモンとはということをちょっと御説明したいと思うんですが、これは、もとは九六年発売の任天堂のテレビゲームでございまして、サトシという主人公がポケモン図鑑というものを完成するために百五十余種のモンスターを採取、育成、その過程においてまた対戦するというようなものでございます。
 そのモンスターのかわいらしさとか育成、対戦、特にゲームを通じて友達との間に交信が図られるというようなことから非常な人気を得たわけで、それをもとに、九六年末に小学館プロダクションを通じまして私どもテレビ東京にアニメ化の提案がございました。私どもとしてもアニメを主要番組としてやってきておりますので、これを決定いたしました。九七年四月一日より、火曜日の十八時三十分より十九時を放送枠といたしまして放送を続けてまいりました。なかなかの人気を得まして、系列六局で同時マイクロ放送を行っておりますが、視聴率は平均一三・九%、最高で一八・六%という数字を得ております。
 問題になりましたのはこの三十八話目でございまして、これも同じく視聴率は一六・五%、系列中心とした世帯数で申し上げますと四百十四万世帯、関東だけで申しますと二百四十五万世帯、ビデオリサーチの個人視聴率調査によりますと、四歳から十二歳のお子さんで百六十五万人の方がごらんになったという数字が出ております。
 この三十八話は、主人公とポリゴン、それからピカチュウというような人気のあるキャラクターがコンピューターの中に入っていって敵と争うわけでございますが、そのときに、向こうから飛んできたミサイルをピカチュウなるキャラクターが電撃的に撃ち落とすというところが後半の十八時五十一分三十四秒から約四秒間にわたってございまして、この四秒間の間に赤、青のこまが百回交代する、またミサイルの爆発で光が大きなフラッシュとなって光る、こういうことでございました。この四秒間に大半の方がショックを受けられたと聞いております。
 作品につきましては、我々としては、プロダクションから納入されますと社員のプロデューサーが全編についてこれをプレビューいたします。放送内容を確認して、問題がないという判断がついて初めて放映に踏み切るわけでございます。今回の場合も、プロデューサーは放送内容については全く問題がないということで放映をいたした次第であります。ただ、この赤、青が百回も交差して、それからフラッシュがすごく光ってというそのショックを受けた肝心のそういう技法につきまして、これは今までもある程度、程度の差はございますがそういうものをずっとアニメでは使っておったということで、これが特に新しい手法ではない、パカパカと申しておりますが、パカパカのやや強いパカパカ程度という認識でこれを通したということでございます。これがまさかショックを与えるとは、つくった方もまたこれをプレビューした方も全く念頭に置いていなかった、気がついていなかったということで、この点については深く反省をして、おります。
 私どもには、十二月十六日の二十時ごろに横須賀市民病院から視聴者センターを通じて緊急の番組内容の問い合わせがございまして、それによってわかったわけでございますが、これを受けまして私どもは、同日夜二十三時ごろから直ちに緊急対策会議を開きまして、まず原因究明を急ぐ、それからローカル放送、これは系列以外に三十一局がその翌日に放送する予定になっておりますので、これをとにかくとめてもらう、その要請をいたしました。
 それから、夜の十一時からの「ワールドビジネスサテライト」というニュース番組で事故の第一報をお伝えするとともに、ビデオを撮っておられる方がおると思いますので、そのビデオは見ないようにしてほしいということをお知らせいたしました。
 明けて十七、十八日と対策をいろいろ協議してまいりましたが、まず、その原因究明のためには医師を中心とした調査チームをつくることが必要であるということで、早速医師の選定にかかりました。ところが、時を同じくして厚生省の方でも医師の選定にかかっておられましたため、私どもの方とぶつかったりということがございました。またその時点では、後刻郵政省、場合によっては通産省もチームをつくるかもしれないというふうな情報もございましたので、これはテレビ東京単独ではなかなか十分な医師の確保ができないのではないかという懸念もございましたし、また三月にNHKでこういう事件があったということもその時点までに新聞でわかりましたので、これはNHKさんにも素材その他の面でもいろいろ御協力を願った方がよかろうと存じまして、十八日にちょうど私、民放連の理事会がございましたので、その理事会で、この際、民放連としてこれに取り組んでいただきたい、調査チームをつくっていただきたいということをお願い申し上げました。直ちに緊急提案されてその理事会で承認をいただいたわけでございます。
 私どもは、これとは別に、技術面を中心として局内の調査チームを開いて逐次検討をいたしております。また、年明けにはイギリス、アメリカに調査団を派遣して、各国の実態はどうであるかというようなことも調べてまいりたいと思っております。
 なお、ポケモンの次の番組につきましては、一昨日、火曜日ですか、「学級王ヤマザキ」という番組を流しておりますが、その中でも、テレビから離れて明るい部屋でごらんになっていただきたいということを字幕で再三流しております。
 なお、既存の私ども全部で二十番組のアニメをやっておりますが、これはリピートを含めまして、これについても全部再点検をいたしまして、ちょっとでもフラッシュとか点滅とかパカパカとか、そういう面でどうも危ないなと思われるものがあればこれにマスクをかけるといいますか、これに修整を加えて放送するようにしております。
 また、被害者の方々につきましては、まず被害状況を的確に把握することが大事であるということから、患者が搬入された病院を特定することに全力を挙げるということをしておりました結果、十七日の午後三時ごろには大体三十都道府県で七百人近くの方が被害を受けられた、百三十人が入院されたというような数字が得られましたので、これをもとに系列局も含めて全国でお見舞いに参上し、その状況をお伺いしております。我が社としては、いろいろなケースがございますので、皆様方の実情をよく把握して、その上で真摯にお見舞いのお話に応じたいという方向でおります。
 なお、入院確認した数は、十二月十九日現在十九人でございましたが、二十二日には四人、二十三日には二人、本日の現段階では東京に一人ということでございます。
 また、このほか入院した以外に我が社に直接お見えになったり電話をかけてこられたりという方がございますが、そういう方で重い方にお見舞いをしたり、そういうものを加えますと大体五十一、二人に現在お見舞いその他をやっていると、これも引き続き続けていきたい、こう思っております。
 簡単でありますが、以上御報告申し上げます。

発言情報

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発言者: 一木豊

speaker_id: 32889

日付: 1997-12-25

院: 参議院

会議名: 逓信委員会