恵美三紀子の発言 (文教委員会)

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○参考人(恵美三紀子君) 御紹介いただきました恵美三紀子でございます。
 私は、山下選手のようなすばらしい選手でもございませんし、八代先生のような研究員でもございません。一地方で長年子供たちを相手に地域でスポーツをしてまいりました者でございます。そういう者にこういう発言の機会を与えていただきましたことを本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。
 これからしばらく、私がかかわってまいりました地域におけるスポーツ団体の活動状況、そして課題ということでお話しさせていただきたいと思います。
 私が今までかかわってまいりましたのは日本スポーツ少年団という組織でございます。この日本スポーツ少年団は日本で一番大きな青少年のスポーツの組織となっております。一九六二年、東京オリンピックの開催を機に創設されまして三十五年たっております。スポーツ少年団の目的は、スポーツによる青少年の健全育成ということで、すべての子供たちにスポーツの喜びを知ってもらい、そして地域の子供を地域の大人がスポーツを通して心身ともに健康に育てるということを目的にして活動してまいりました。現在、団員が九十七万四千人、そして指導に携わっております者が十七万六百人ということで、およそ百十万ぐらいの組織でございます。ちなみに団数は三万四千三百ございます。完全メンバーシップ制をとっておりまして、物事を決定するに当たりましては代議員制をとっております。
 活動内容でございますが、地域で活動しております。そして、スポーツを中心に、文化、社会、奉仕活動なども取り入れて活動しようということで、生涯スポーツの基礎づくりを目指しております。子供たちの体の発育、発達のすばらしい時期に多種目を経験させることによりまして、体の各部位を発達させ、いろいろな運動能力を身につけさせようということで、多種目を経験させることを基本に置いております。
 現在、この組織率でございますけれども、団員九十七万四千のうち、小学生がおよそ〇%、そのほかは中学、高校生となっておりまして、高校生はごくわずかでございます。ここが残念なところでございますが、小学生は、この対象年齢のおよそ一割が日本スポーツ少年団の組織に加入しております。
 このスポーツ少年団の活動の形態でございますが、多種目を取り入れて活動しております複合団がおよそ二〇%、そして、例えば野球ですとかサッカー、馬術、水泳、カヌーなど四十七種目今登録されておりますが、そういう単一種目をやっておりますのがおよそ八〇%ぐらいでございます。活動日数ですが、週に三日から四日、時間は一回当たり一時間半から二時間ぐらいが平均的なところでございます。
 この子供たちを指導しておりますのが地域の大人、ボランティアでございます。ただいまは団員の父兄、父母を中心に組織されておりますけれども、中には、二十年、三十年と、お子さんが卒業なさっても、卒団なさっても続けている指導者の方もございます。
 この指導者になりますには、日本スポーツ少年団の方で認定講習会というものを持っております。これは、やはりまだ発育、発達途上にある子供たちを指導するに当たって、体のこと、それから心の健康、それを知った上で指導していただきたい、全人格的に子供を育てようということでございますので、技術指導だけではいけないということで認定講習会を持っております。ここで、心身の発育、発達、団の運営の仕方というようなこと、安全対策なども含めまして、六単位十四時間の講習を終わった後に認定指導員ということで登録していただいております。残念ながら、これは義務づけではございませんので、ただいま十七万おります指導員のうち約五一%がこの認定講習会を受けて指導をしております。
 この子供たちの活動している場所でございますが、学校、それから公民館ですとかコミュニティーセンターのような公的なところを使っておりますのがおよそれ五%、残りは道場ですとか民営の施設で活動をいたしております。
 以上のようなところがスポーツ少年団活動の現在の状況でございますが、このスポーツ少年団を支えておりますものに、地域の育成会、そして母集団というものがございます。日本スポーツ少年団は、地域の大人が地域の子供をということで地域に根差した活動を目指しておりますので、地域との連携を大切にしております。
 育成会には、学校、PTA、地区体協、そしてスポーツ少年団の関係者が参加をしております。そして母集団の方は、団員の父母を中心にいたしまして、子供たちのスポーツ環境の整備などを行っております。現在は、母集団も、みずからも活動する団体になろうということで、子供たちと一緒にスポーツを楽しむということを目指しております。これはスポーツの習慣化ということにもかかわってまいりまして、やはり親がスポーツをいたしますと、その子供もスポーツに親しむ機会も多くなります。ということで、親を通して子供にスポーツの楽しみを知ってもらいたいというところも目指しておりますし、もう一つはこの母集団の中から指導者も育ってほしいという願いもございます。
 このようなことでスポーツ活動をしておりますが、課題は指導者の問題と活動場所でございます。
 まず、指導者の問題でございますが、先ほども申しましたように、団員の御父兄が中心になって指導してくださっていますので、どうしても団員がその団から抜けますと指導者も一緒に抜けてしまう。せっかく経験を積まれたいい指導者の方が残っていただけない、これが一つの悩みでございます。それからもう一つは、女子の指導員が少ないということでございます。これは、団員九十七万の中に男子が三分の二、女子が三分の一というところにも関係してまいりますが、女子の指導員が少ない。女子の指導員が少ないということは、やはりこのスポーツ少年団活動の上におきましても、ともすれば技術中心に走りがちな指導を、女子が入ることによりまして生活習慣の指導ですとか心を育てていくというようなことにも目が向いていくと思いますが、そこがちょっと今足りないところかと思っております。
 もう一つは、活動場所のことでございます。現在は学校、公民館などというところにおよそれ五%お願いしておりますが、それでも活動の活発なところは団数に比べまして活動場所が少のうございます。中には取り合いなどということもございまして、そのために育成会がバランスをとりながら活動しておりますけれども、そんなことで活動場所が少ない。このことは種目をふやすことができないということにもつながってまいりまして、実は女子の団員が三分の一しかいない原因の一つに、女子に向いたスポーツが少ないということがございます。現在はサッカーでもラグビーでも女の子が入っておりますが、これはまだまだ一部で、どうしてもそういう野球、ラグビー、サッカーというような人気のある種目は男子優先になっておりまして、女子のやりたい例えば新体操のようなことですとか体操のようなことは場所がなくてできない。
 そしてもう一つは、そういう指導者の方も少ないということもございますけれども、女子のスポーツを盛んにするためにも、活発にするためにも、私はやはり活動場所、そして指導者をふやしていかなければいけないのではないかと思っております。
 この活動の場所、そして指導者のことについてでございますが、実はこれは大変その地域によってばらつきがございます。現在、日本スポーツ少年団で一番対象年齢の子供たちの組織率が高いのは東北地方でございまして、秋田、山形というようなところは対象年齢の三〇%以上の子供がスポーツ少年団に入っております。しかし、大都市圏におきましては一〇%にも満たない、七%、六%というような大変ばらつきがございます。
 この辺のところは、先ほど八代先生のお話にもございましたように、やはり行政側がスポーツに対する関心をどれぐらい持っているかということに大きな原因があるのではないかと思っております。大変組織率の高いところは行政がスポーツに対して関心が高いということになりますと、場所の確保についても考えていただけますし、指導者の待遇についても御配慮があるということでございまして、これから地域スポーツを盛んにしていくためには、やはり行政の関心を高めていかなければいけないのではないかと思っております。
 この地域単位にスポーツクラブがあるということは、やはり身近なところでスポーツができるということにつながってまいりまして、これは大人に関しても言えることだと思います。秋田県で実は調査したことがございますが、スポーツをしていない人たちになぜしていないのかと聞きますと、やはり身近なところで活動できないとか、それから私にはスポーツ音痴だからスポーツができないというような返事が返ってまいりまして、決してスポーツ嫌いだからという返事は多くございません。
 ということを考えますと、スポーツといいますとどうしても単一スポーツ、競技スポーツを思い浮かべますが、身近なところでもっと気軽に体を動かして楽しむことだというふうに広く考えてまいりますと、多くの方が参加していただけることになるのだと思います。これからは、地域のスポーツ、地域で体を動かすことができるそういう施設づくりをしていただければ、スポーツだと感じないまま体を動かしてスポーツをしていく方々がふえるのではないかというふうに考えております。
 この地域ごとのスポーツ活動といいますのは、そこで大人も子供も一緒に触れ合えます。そのことによって、社会が子供を育てていく、社会が子供を教育していくという力もまた回復できるのではないか、そのようなことを考えて、私どもはこれからも地域でスポーツ活動を続けていきたいと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 恵美三紀子

speaker_id: 27155

日付: 1997-12-11

院: 参議院

会議名: 文教委員会