伊藤大一の発言 (決算行政監視委員会)
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○伊藤参考人 日本の場合には、今おっしゃいましたようなポリティカルアポインディーは、現在は制度としてはございません。ただし、戦前にはそれはございました。大正の終わりから昭和の初めごろ、一時日本の政党政治が非常に盛んでありましたときに、主として内務省でありますけれども、民政党寄りの知事がおられる、あるいは政友会寄りの知事がおられる。そうしますと、政友会が政権をとりますと民政党寄りの知事の方はおやめになる、そして政友会寄りの方が知事におなりになるということがございました。
これはアメリカと同じようなポリティカルアポインディーでありますけれども、ただ、アメリカと違いますところは、政党がかわって、それでは全く官界から離れてしまうかというと、そうではございませんで、官僚の身分は継続する。ただし、忙しい仕事からは外されるわけでありますから、そのときに待命という制度を使いまして、待命で、ある程度の給与は支払われるということであります。また、自分の支持している政党が復帰いたしますとまた知事に呼ばれるということもあり得るわけであります。こういう制度はポリティカルアポインディーではありますけれども、アメリカほど極端ではない。
大体これに似た制度はフランスにございます。フランスにキャビネという制度がございまして、高級官僚の中で特にある特定の政権をとった政党と政治的な物の考え方、政策的な物の考え方が近い人を、幹部として採用いたします。その人たちがキャビネというものを組織するということでありまして、キャビネに入りますと、忙しくなりますし、当然給与も上がる。それから外されますと、また通常の給与に戻るということであります。
私は、日本でもそういうフランス流のキャビネの制度あるいは戦前にございました待命のような制度をもう一度取り入れたらいいのではないか、個人的にはそういうふうに思っております。
そういう非常にお忙しい職務につかれた方の場合にはそれだけ責任も大きいわけでありますから、当然報酬も引き上げる、それに年金の計算も結びつけるということになるわけでありまして、報酬も大きいけれどもリスクも大きい、そういうような職務給的といいますか、そういったような要素を今後取り入れていくべきだろうと思います。日本の企業ではそういう動きが最近急速にどんどん始まっておりますので、公務員の世界でもそういうことをすべきであろうというふうに考えております。