新村裕の発言 (農林水産委員会)
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○新村参考人 日本食肉加工協会の新村と申します。よろしくお願いいたします。
まず初めに、HACCP手法についてどう評価しているかということについてお話をしたいと思います。
このHACCPにつきましては、米国におきまして、宇宙飛行士にいかに安全な食品を提供するかということで開発された手法でございまして、その後、ある食品業界におきまして、この手法を用いたことによって安全な食品が製造できるようになったというように聞いております。
私どもの業界としましては、今から三年前の一九九五年に食品衛生法の中で総合衛生管理製造過程というものが設けられまして、その承認制度が導入されておりますけれども、これに関心を持ちまして、私どもは、学識経験者、それから業界の技術者から成りますHACCP研究班というものをつくりまして検討してまいりました。
検討していく中で、今までの製造方法と大幅に違うということはございませんけれども、あれこれ現場で記録をつけなければならない、そういう煩わしさというのがわかりまして、これはちょっと大変かなというように思ったわけですけれども、その後、実は私どもは、一年半ほど前から試験検査関係の施設におきましては、よく似た手法なんですけれども、GLP制度というものを導入しなければならないということになりまして、昨年四月からそのGLP制度を導入して実施しているわけです。このGLP制度で感じましたのは、確かに、人のやったことをチェックするということをやっていきますので、煩わしいという面がございましたし、導入当初におきましてはかなり非効率的なこともございましたけれども、一年たってみますと、今はすっかりなれてしまっている。また、依頼者に対しましては試験成績書を発行するということをやっておりますけれども、従来のやり方に比べると確実性が高い、いわゆる間違いのない成績が出せているというように確信を持っておりますので、このHACCPにおきましても、恐らく、製造するメーカー側からしますと、今までよりは確実性の高い商品を出せる、そういう安心感を持って商品が製造できるのではないかなというように思っております。
それでは、このHACCP手法を導入するに当たりまして何が重要かということですけれども、私は二つあるというように思っているわけです。
一つは、施設設備の整備という問題がある。それからもう一つは、HACCPについて正しい知識を持つ人材を養成するということであろうと思っております。
施設設備につきましては、古い工場もございます。そういう工場は高度成長期に増改築をやってきているわけですけれども、その増改築の際に必ずしも物の流れがうまくいっていないということがございまして、例えば、裸の製品と生肉が接触しやすいような流れができているということもあり得る。そうしますと、そういう流れを持っている工場におきましては製品の安全性というものが脅かされる可能性がありますので、やはりこのHACCPを導入してやっていこうということになりましたら、うまく流れるように、例えば壁の位置を取りかえるとかというようなことが必要であろうと思いますし、それから、ネズミとか昆虫が工場の中に入りやすいとか、または工場の中で発生しやすいような構造になっているといったような場合には、それを直すというようなことが必要であろうというように思っております。そういう、施設設備が良好な状態に保たれて初めてこのHACCPというのはうまくいくのではないかなと思っております。
それから、HACCPについて正しい知識を持つ人、そういう人材の養成ということでございますけれども、これにつきましては、私どもは、「食肉製品の総合衛生管理製造過程(ガイドライン)」という冊子をつくりまして、これを会員に案内しております。その「ガイドライン」をもとに昨年、説明会を開催いたしまして、約四百三十名ほどの人が受講しております。それから、ことしの三月にもやはり第二回目の説明会を開催いたしまして、そのときは約三百名ちょっとの人が受講しているという状態です。この講習会は毎年開催していくというつもりでおります。その中で、特に厚生省の総合衛生管理製造過程の承認を得たいという企業のためには、さらに専攻編という講習会を開催いたしまして、そういう人材の養成に努めているところであります。
それでは、今回出ております支援法についてどう評価しているかということで申し上げたいと思いますけれども、現在、世の中の景気は余りよくないということもございます。企業は収益が上がらない、一方では製品価格を下げなければならないということもありまして、なかなか設備投資に回せる資金的な余裕がないということがございます。そういう状態でございますので、今回の支援法が出るというのは大変ありがたいというように私はとらえております。これは、私だけではなくて、企業の一部の方にも聞きましたら、大変に期待しているということでございましたので、よろしくお願いしたいなと思っております。
以上でございます。(拍手)