大原一三の発言 (法務委員会)

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○大原議員 この法案は、特定の団体から要望があって企画したものではございません。先ほどおっしゃった、後で御議論になる株式の消却の問題は経団連等々から要望があったものだと聞いておりますが。
 参考にいたしましたのは欧米の例でございまして、イギリスが、サッチャーさんが政権をとられてからビッグバンをおやりになるその直前に、カンパニーアクトを改正されて、金融機関の自己資本の充実のために、八六年でございましたか、時偶会計の導入を任意にお認めになった。この際は、金融機関だけではございませんで、オーバーオールに一般企業もカバーするという仕組みでカンパニーアクトを改正された。また、九二年にはドイツが、金融機関だけについて自己資本の充実を図ろうということで、金融機関のみ、あそこはユニバーサルバンクですから、証券会社も銀行が一緒にやっているわけでありますから、銀行と証券について、日本流に言えば、資本の充実をやるために限定をした再評価をやらせた、こういう実例がございます。
 先生御指摘のように、日本の銀行というのは、私も最近の事例等を見ながらしみじみ思うのでありますが、護送船団で、自分の自主的な意見を余りお持ちでないのですね。大蔵省の言うなりに飼いならされて、ついてきたという面が多分にありまして、自分でいろいろ御意見を出すということはほとんどない集落ではないのかな、私は正直言ってそう思っております。したがって、うちの銀行はこれをやれば利益になるけれども、隣の銀行のことを考えるとかわいそうだなとか、そういう集団意識が非常に強くて、自主的な意見をお出しになるところではないようであります。
 したがって、今、実証の数字はどうなっておるかというお話でございますけれども、正直に言いまして、四千近く金融機関の対象がございます。農協が二千二、三百、それから漁協が千三百ぐらいございます。それを加えると金融機関の数は四千ぐらいになるのでありますが、我々が数字的に一応大蔵省を通じて把握しろと、あるいはまた経済紙等を通じて評価差益がどれぐらい出るかというのを検証してみますと、いろいろ数字がございまして恐縮でございますが、大蔵省に調べさせると、都市銀行十九行で三兆六、七千億ぐらい、それから民間の調査によりますと、これは日本経済新聞でございますが、五兆八千億ぐらいの評価益が出る。それから地方銀行については、アバウトでございますが、二兆円ぐらいの評価益が出る。
 こういう数字が一応出ておりまして、その割合を何%、これは補完的な自己資本でございますから、いずれいわゆるバーゼルが言っているティア2になるわけでございますけれども、ドイツの場合は四五%、土地の再評価益は算入しておる、イギリスの場合は一〇〇%、ティア2に算入しておるという実態がございます。何割入れるかは各国の金融情勢、金融政策とのバランスで決まることだと思います。仮に、日本が今とっております株式、この評価益は無条件にティア2に算入しているわけでございますが、これは貸借対照表にも何も明示してない、慣例上入れているわけですが、これが四五%の算入を認められております。
 したがって、さきの数字に四五%ないし五割を掛けますと、外国に支店を持っている、いわゆる八%の自己資本比率を決めておる、都市銀行が中心でございますが、それのところではティア2の分子が一つふえますと、百分の八ですから十二・五倍の貸出枠がふえる。これは頭の体操でございまして、現実にふえるかどうかは、貸したり貸さなかったりするのは金融機関の裁量であります。それから、地方銀行の場合等は、四%をとっているところは、半分入れますと一兆円でございますから、一兆円の二十五倍の二十五兆円ぐらいの貸し渋りがなくなる。
 これはマキシマムの話でございまして、つぶれかかった会社に、自己資本がふえたからといってじゃぶじゃぶ金を貸す金融機関もいないと思うのでありまして、これはマキシマム。とにかく土俵を広げてやろうということでありまして、現在国会を通過させていただいたいわゆる三十兆円の金融景気対策、これは金融機関のマネーフローはふえます、キャッシュが行くのですから。私の方は一銭もマネーフローはふえません。ただ、その効果は、いわゆる金融機関からお金を借りる人のサイドにマネーフローがふえていけばいいなというのがこの法案のねらいでございます。
 細かい数字等は以上申し上げた程度のことしか、農協等はなかなか把握ができませんで、私の知っている農協の方から電話がありまして、いっこれをやるのですか、そして、できるだけ私たちもこれによって自己資本を充実しないと非常に今経営が苦しいというお話も聞きましたが、そういったところも末端の金融機関にはあるのかな、こう思っております。

発言情報

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発言者: 大原一三

speaker_id: 2914

日付: 1998-03-17

院: 衆議院

会議名: 法務委員会