法務委員会

1998-03-17 衆議院 全278発言

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会議録情報#0
平成十年三月十七日(火曜日)
    午前九時二分開議
出席委員
  委員長 笹川  堯君
   理事 鴨下 一郎君 理事 橘 康太郎君
   理事 八代 英太君 理事 与謝野 馨君
   理事 北村 哲男君 理事 熊谷  弘君
   理事 上田  勇君
      太田 誠一君    奥野 誠亮君
      木村 義雄君    下村 博文君
      谷川 和穗君    谷畑  孝君
      中川 秀直君    横内 正明君
      渡辺 喜美君    枝野 幸男君
      左藤  恵君    佐々木秀典君
      福岡 宗也君    漆原 良夫君
      若松 謙維君    安倍 基雄君
      谷口 隆義君    木島日出夫君
      保坂 展人君    園田 博之君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 下稲葉耕吉君
 出席政府委員
        法務政務次官  横内 正明君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 山崎  潮君
        法務省民事局長 森脇  勝君
        法務省刑事局長 原田 明夫君
        大蔵大臣官房審
        議官      大武健一郎君
 委員外の出席者
        議     員 大原 一三君
        議     員 上田  勇君
        議     員 保岡 興治君
        議     員 太田 誠一君
        議     員 濱田 健一君
        議     員 杉浦 正健君
        議     員 与謝野 馨君
        議     員 園田 博之君
        法務大臣官房参
        事官      菊池 洋一君
        大蔵省証券局企
        業財務課長   三國谷勝範君
        大蔵省銀行局銀
        行課長     内藤 純一君
        参  考  人
        (預金保険機構
        金融危機管理審
        査委員会事務局
        次長)     畑山 卓美君
        法務委員会専門
        員       海老原良宗君
    —————————————
委員の異動
三月十七日
 辞任         補欠選任
  漆原 良夫君     若松 謙維君
  安倍 基雄君     谷口 隆義君
同日
 辞任         補欠選任
  若松 謙維君     漆原 良夫君
  谷口 隆義君     安倍 基雄君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 土地の再評価に関する法律案(大原一三君外五
 名提出、衆法第七号)
 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する
 法律の一部を改正する法律案(太田誠一君外七
 名提出、衆法第六号)
     ————◇—————
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笹川堯#1
○笹川委員長 これより会議を開きます。
 大原一三君外五名提出、土地の再評価に関する法律案を議題といたします。
 まず、提出者より趣旨の説明を聴取いたします。大原一三君。
    —————————————
 土地の再評価に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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大原一三#2
○大原議員 ただいま議題となりました土地の再評価に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、現下の金融経済情勢にかんがみ、法人が所有している事業用土地の再評価に関し必要な事項を定めることにより、主としていわゆる貸し渋りを是正し、金融の円滑化に資するとともに、法人が所有する事業用土地の帳簿価額と時価の乖離を是正し、企業経営の健全性の向上に寄与することを目的とするものであり、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二条に規定する株式会社である、いわゆる商法監査特例会社及び信用金庫、労働金庫、信用協同組合、農業協同組合など系統金融機関は、商法第三十四条第二号の規定にかかわらず、その所有する事業用土地について、時価による評価を行い当該事業用土地の帳簿価額を改定するところの再評価を行うことができることとしております。
 この再評価を行う場合には、その所有するすべての事業用土地について再評価を行わなければならないこととしております。
 第二に、再評価は、この法律の施行日から施行日以後二年を経過する日までの期間内のいずれか一の決算期において行うことができることとしております。
 第三に、再評価を行った法人は、当該再評価を行った事業用土地の再評価額から当該事業用土地の再評価の直前の帳簿価額を控除した金額を再評価差額金として、貸借対照表に計上しなければならないこととしております。
 第四に、法人が、再評価を行った事業用土地を売却等により処分した場合には、当該法人は、当該事業用土地に係る再評価差額金を取り崩さなければならないこととしております。
 第五に、再評価を行った事業用土地の再評価後の決算期における時価の合計額が、当該事業用土地の帳簿価額の合計額を下回った場合には、その差額を貸借対照表に注記しなければならないこととしております。
 以上が、本法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
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笹川堯#3
○笹川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    —————————————
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笹川堯#4
○笹川委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村哲男君。
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北村哲男#5
○北村(哲)委員 民友連の北村でございます。どうも御苦労さまでございます。
 まず、私は、この法律案の目的についてからお聞きしたいと思っております。
 この法案の「目的」に、「金融の円滑に資するとともに、企業経営の健全性の向上に寄与する」と、ただいま提案者も言われましたけれども、具体的にはどのような効果をねらったのかというと、そこでもはっきり言われましたが、貸し渋り対策であるというふうに言っておられます。まさにそれがこの本来の目的ではないかと思われるのですけれども、本来の企業会計の原則からいうと、このような改正は必ずしも必要ではないのではないかと私は思っております。すなわち、企業会計原則は、本来、企業経営の健全化あるいは透明性を確保することのために存在するのであって、短期的な金融貸し渋り対策を目的にするには余りにも便宜的ではないかと思うからであります。
 したがって、企業の健全性の向上に寄与するというのであれば、広く会計学の専門家あるいは法制審議会、さらに会計制度審議会などの幅広い論議を前提にする必要があるのではないかと思います。拙速な議員提案では、世の人々はほとんど、一体何のために、本当にこれが貸し渋り対策になるのだろうか、その内容を知らぬままにでき上がった法律を見て、そういう疑問が起こることも確かではないかと思います。
 本来的には商法や税制の本則で定めるべきと考えるので、あえてこの目的について質問する次第でございます。
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大原一三#6
○大原議員 委員がおっしゃった議論、当然だと私も思っております。商法の固定資産に対する評価の原則、本来どうあるべきかという議論は、いろいろの御議論があると思います。いわゆる時価主義をとるべきであるという時価主義会計の議論も朝野にあることは、先生御承知のとおりであります。
 ただし、世界の潮流を見ますと、土地については取得原価主義というのが原則でございまして、この点について、特に金融機関の自己資本の充実の見地から先鞭をつけたのはECでございまして、ECの方は、土地について時価会計をとることを妨げない、これは、任意に時価を評価して結構でございますとやりましたのは、金融ビッグバンに備えての対応であったと私は解釈しております。
 そういう意味で、大原則論は先生のおっしゃったとおり今後御議論を願わなければいかぬのでありますが、当面の貸し渋り対策の一環として、まず金融機関を重点に置いて、そして特に日本は長期保有の土地についての時価と取得価額との乖離が非常に大きい、そこに着目して、金融機関も自分の持てるものはお出しください、いわゆるいろいろの自己資本対策をやる前にそれをお出しいただいたらどうだろうかということを、ヨーロッパの先例にかんがみてヒントを得たわけでございます。
 したがって、先生のおっしゃるような商法の今後の固定資産に対する時価会計の問題、取得原価主義のありようというような問題は、これは、私も余り専門家ではございませんし、十分そういった専門家の御議論の要るところだと思いますが、いかにもこれは、政策的に、当面的に貸し渋り対策の是正のために着目した臨時法でございまして、その点御理解をいただけたらありがたいなと思っております。
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北村哲男#7
○北村(哲)委員 ただいま最後に、まさに政策的かつ臨時的なものというふうに言われましたけれども、そうであるがゆえに、果たしてそれが本当に今の経済対策に役立つものかどうかということも、検証、あるいはそのあたりの調査ということも必要かと思うのですが、再評価を実施すると見込まれる金融機関は一体どのぐらいあって、その効果はどのぐらいあると見込まれるのでしょうか。
 一方、帳簿上自己資本比率が向上しても、金融機関は資産圧縮をとめないという見方もあり、実際、本当に貸し渋り対策になるか否かは疑わしいという批判もあるようです。
 例えば、欧米の優良銀行の自己資本比率は、八%という基準はあくまで最低のラインであって、現実は一〇%以上あるという報告もあります。すなわち、八%では不十分であるのではないかという国際的認識があるということを言っている人もおります。したがって、日本においても、八%は確かに帳簿上クリアできても、なお一〇%以上を達成することにきゅうきゅうとして、自己資本比率アップをさらにクリアしょうとして貸し渋りがとまらないのではないかという批判があるわけですね。現実に、そのあたりの調査やデータというものを前提とした立法であるのか。
 報道によると、ユニチカとか伊豆急が土地評価をやろうとしている、しかし肝心の金融機関はどこからも声が聞こえてこない。先日も、経団連からある立法の要請が来られました。これは株式の方で、株式の自己取得については強い要望がある。土地についてはどうですかと言ったら、さあ知りませんというふうなつれない返事をされるのですよ。
 一体、どういうところがら要望があり、そしてどういうデータに基づいてこういう立法をされたのか。その全体的な面とあるいは個別的な面について、おわかりであれば御説明を願いたいと存じます。
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大原一三#8
○大原議員 この法案は、特定の団体から要望があって企画したものではございません。先ほどおっしゃった、後で御議論になる株式の消却の問題は経団連等々から要望があったものだと聞いておりますが。
 参考にいたしましたのは欧米の例でございまして、イギリスが、サッチャーさんが政権をとられてからビッグバンをおやりになるその直前に、カンパニーアクトを改正されて、金融機関の自己資本の充実のために、八六年でございましたか、時偶会計の導入を任意にお認めになった。この際は、金融機関だけではございませんで、オーバーオールに一般企業もカバーするという仕組みでカンパニーアクトを改正された。また、九二年にはドイツが、金融機関だけについて自己資本の充実を図ろうということで、金融機関のみ、あそこはユニバーサルバンクですから、証券会社も銀行が一緒にやっているわけでありますから、銀行と証券について、日本流に言えば、資本の充実をやるために限定をした再評価をやらせた、こういう実例がございます。
 先生御指摘のように、日本の銀行というのは、私も最近の事例等を見ながらしみじみ思うのでありますが、護送船団で、自分の自主的な意見を余りお持ちでないのですね。大蔵省の言うなりに飼いならされて、ついてきたという面が多分にありまして、自分でいろいろ御意見を出すということはほとんどない集落ではないのかな、私は正直言ってそう思っております。したがって、うちの銀行はこれをやれば利益になるけれども、隣の銀行のことを考えるとかわいそうだなとか、そういう集団意識が非常に強くて、自主的な意見をお出しになるところではないようであります。
 したがって、今、実証の数字はどうなっておるかというお話でございますけれども、正直に言いまして、四千近く金融機関の対象がございます。農協が二千二、三百、それから漁協が千三百ぐらいございます。それを加えると金融機関の数は四千ぐらいになるのでありますが、我々が数字的に一応大蔵省を通じて把握しろと、あるいはまた経済紙等を通じて評価差益がどれぐらい出るかというのを検証してみますと、いろいろ数字がございまして恐縮でございますが、大蔵省に調べさせると、都市銀行十九行で三兆六、七千億ぐらい、それから民間の調査によりますと、これは日本経済新聞でございますが、五兆八千億ぐらいの評価益が出る。それから地方銀行については、アバウトでございますが、二兆円ぐらいの評価益が出る。
 こういう数字が一応出ておりまして、その割合を何%、これは補完的な自己資本でございますから、いずれいわゆるバーゼルが言っているティア2になるわけでございますけれども、ドイツの場合は四五%、土地の再評価益は算入しておる、イギリスの場合は一〇〇%、ティア2に算入しておるという実態がございます。何割入れるかは各国の金融情勢、金融政策とのバランスで決まることだと思います。仮に、日本が今とっております株式、この評価益は無条件にティア2に算入しているわけでございますが、これは貸借対照表にも何も明示してない、慣例上入れているわけですが、これが四五%の算入を認められております。
 したがって、さきの数字に四五%ないし五割を掛けますと、外国に支店を持っている、いわゆる八%の自己資本比率を決めておる、都市銀行が中心でございますが、それのところではティア2の分子が一つふえますと、百分の八ですから十二・五倍の貸出枠がふえる。これは頭の体操でございまして、現実にふえるかどうかは、貸したり貸さなかったりするのは金融機関の裁量であります。それから、地方銀行の場合等は、四%をとっているところは、半分入れますと一兆円でございますから、一兆円の二十五倍の二十五兆円ぐらいの貸し渋りがなくなる。
 これはマキシマムの話でございまして、つぶれかかった会社に、自己資本がふえたからといってじゃぶじゃぶ金を貸す金融機関もいないと思うのでありまして、これはマキシマム。とにかく土俵を広げてやろうということでありまして、現在国会を通過させていただいたいわゆる三十兆円の金融景気対策、これは金融機関のマネーフローはふえます、キャッシュが行くのですから。私の方は一銭もマネーフローはふえません。ただ、その効果は、いわゆる金融機関からお金を借りる人のサイドにマネーフローがふえていけばいいなというのがこの法案のねらいでございます。
 細かい数字等は以上申し上げた程度のことしか、農協等はなかなか把握ができませんで、私の知っている農協の方から電話がありまして、いっこれをやるのですか、そして、できるだけ私たちもこれによって自己資本を充実しないと非常に今経営が苦しいというお話も聞きましたが、そういったところも末端の金融機関にはあるのかな、こう思っております。
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北村哲男#9
○北村(哲)委員 ただいまの数字からだけ言うと夢のような話なんですけれども、実際どれくらいあるかは、これもまた先のことだと思うのです。
 この法律は、先ほどの御説明の中でも、主としていわゆる貸し渋り対策を是正しということを言われました。すなわち、金融機関が対象である。ただいまの御説明でも、まさに金融機関だけを対象にしておられますね。
 ところで、この法律は、金融機関以外にも適用しておられる。すなわち五億円以上の、特殊監査法人を必要とする企業を対象としておられるということ。確かに、時価主義というのは世界の流れでもある。そうであれば、これが緊急時限的なものであるというならば、なぜ金融機関だけにしないのかということ。一方、一つの世界の流れに沿ってやっておられるというのであれば、なぜ一部だけではなくてすべてを対象にしないのかということをまずお聞きしたいと思います。
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大原一三#10
○大原議員 私も最初は、先生のおっしゃるとおりドイツ方式で銀行だけに、金融機関だけに限ったらいいじゃないかという議論をしておりました。
 ところが、党内でも法務、商工等の部会がございまして、そこで広く議論をいたしましたところ、通産省サイド、経団連サイドから、非常にまじめな企業もあるのですよ、バブルに浮かれて新しい土地を買いあさったのじゃなくて、しっかりした企業経営の理念を持っている企業もあるので、せっかく商法の特例を決めるのなら、最初はあの人たちは税金まであると思っていたのです。特例は決める必要はなくて、法人税法本法において税金は非課税になっておりますので、そういった誤解も多少あったのかなという感じも持っていますが、ぜひ入れてくれという御要望がございましたので、これも、要するに時価と取得価額の乖離をずっと会計上担保していかなきやならぬのでございますので、一定規模以上の法人についてしか、個人等については将来どうなるかわかりませんが、本法の目的、趣旨に照らして、上場会社の中の、おっしゃった商法監査特例法人にだけ適用してあげたらどうかなという結論になったわけでございます。
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北村哲男#11
○北村(哲)委員 私は、今の御説明、本来の目的には必ずしも合わないものを、そういういろいろな要望から入れられたということ、これは、確かに大きな意味では正しい姿ではないかという点が一面あるのですけれども、しかし、この法律が臨時的あるいは緊急的なものであるという目的であって、しかも時限的であるということから見ると、かえっておかしな現象を起こしてきている。それがまさに先ほど私が申しましたユニチカであり伊豆急であり、本来目的としないものがそれを使おうとしているということ。これがかえって将来的な混乱を起こすのじゃないか。あるいは、別の意味ではそれが中心になって正しい姿になっていくかもしれないのですけれども、その辺の展望は私はまだないのじゃないかという気がします。
 そこで、この点について、将来的な展望として、資産の評価方法を一体どうするのかという展望とかあるいは計画はあるのだろうか。今回の措置は、まさに将来の時価会計を見据えたものなのか、あるいは、二年の時限立法としておられますけれども、二年を経過した後は一体どうされるのかという点について、どのようにお考えなのでしょうか。
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大原一三#12
○大原議員 この法律で、特に法務委員会と御関係の深い企業会計の大原則を修正しようというような大きな野心はいささかも持っておりません。大変ささやかな願いでございまして、現在の貸し渋り対策の一助だということで御理解をいただけたらありがたいな。
 ただし、イギリスにおきましては、一九八六年にカンパニーアクトを改正して、任意に、企業として希望するもの、強制ではございません、については、商法の大原則は取得価額主義でありますが、時価会計を導入することにやぶさかでないというECの全体の考え方がそうなっているのですね。それから、アメリカも最近、私は専門家ではございませんが、企業会計の流れを見ますと、時価主義というようなことが言われておる。ましてや日本においては、取得価額と時価との差が余りにも大きい地価について、やはり時価主義を出して、企業の実態を投資家や債権者に明瞭にすべきであるという議論も一方においてあることは承知をいたしております。
 しかしながら、将来の日本の時価主義会計をどうすべきかという議論は、これから幅広い御議論が必要ではないのかな。私は専門家ではありませんが、そういう印象を持っております。
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北村哲男#13
○北村(哲)委員 確かに正直にそのようにおっしゃっていただくことはとても好感の持てることなんですけれども、今、土地については、まさに時価主義をここに一時的であれ導入しようとしておる。しかし、逆に、金融資産である株については原価法を認めているという点があります。
 こういう一種の御都合主義というふうな見方をし、そして、これが政府が一種の粉飾決算を奨励しているのではないかという、誤解になるのかどうかわかりませんが、そういうふうに批判をする人もあります。そういうことはかえって、国民だけではなく海外の信用を喪失するおそれはないのか、あるいは日本全体の信用にかかわるのではないかということを危惧する面もあるわけです。しかも、一方的かつ便宜的なルールの変更は海外市場の不信感を増幅するのではないかというふうな批判も見当たるわけですけれども、そのあたりについては提案者はどのようにお考えでしょうか。
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大原一三#14
○大原議員 その議論は主として、EC、ヨーロッパサイドではなくて、アメリカの方から出るのではないのかな。
 アメリカは、私、余りよく知りませんが、日本のように狭いところで経済が密集した地域におけるほど時価と取得価額との乖離が大きくないのではないのかな。企業が非常に流動化しておりまして、MアンドAとかそういった場合には恐らく時価で評価をするのではないのかな。
 そういった問題も考えられるし、さらに、時価会計という議論も主としてアメリカから起こっておることを考えますと、いわゆる粉飾決算というよりは、むしろ、先生そうはおっしゃいましたけれども、逆に、ある日本の一流銀行の丸の内の地価が、これはこういう場所で申し上げていいかどうかわかりませんが、新聞によりますと、千六百平方メートルがたったの四百万円、坪七千何百円なんですね。そのすぐ近くの国鉄の本社が坪八千二百万円、一万数千倍。そういう乖離があることも事実でございまして、銀行さんは、先ほど先生おっしゃいましたけれども、都市銀行は特に、地方銀行でもそうでございますが、この法律が通ったら早速評価をかえたいという意見をお持ちになっておることを、協会筋からも私お聞きいたしました。地方銀行もおやりになるだろうと。
 これらの銀行は他業禁止になっておりますので、いわゆるやたら事業用以外の土地を買収した企業ではありません。一般企業というのは、どちらかというと、バブルのときに土地を拡幅されたり立派な店舗をおつくりになったりしておりますが、金融機関の場合は、本店のほか支店の設置等についても限定があるし、さらに他業禁止でございますから、不必要な土地を持っていない、だから長期保有の土地、こういう仕組みになるのではないのかなということに着目いたしまして、再評価を積んで、少なくとも、外国がやっているように、貸し渋り対策の一助にしたらどうかなというのが発想の出発点でございます。
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北村哲男#15
○北村(哲)委員 いずれにしても、企業会計のルールの変更であることは間違いないのですけれども、これが任意ですよね。あるところはこの方法をとってもいいし一あるところはとらなくてもいいということで、現象としてはかえって、非常に立派な経営基盤のしっかりしたところはそんなことをする必要はない、ボーダーすれすれで危ういところはそうすることによってかさ上げができるというふうな現象というのが当然考えられますけれども、まず、任意という方法を採用されたのはどういう点からされたのでしょうか。
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大原一三#16
○大原議員 日本も再評価の経験を既に持っておりまして、昭和二十五年にシャウプ勧告でございまして、それに基づいて再評価をさせなさい、それは土地並びに償却資産、ねらいは償却資産にございました。いわゆる戦前の時価の価額のままで減価償却をしても再取得価額が調達できないから、資本の充実のためにやりなさい、こういうことを二十五年に法律をつくってやらせたわけでございますが、なかなかおやりにならない。企業利益のないところへ幾ら減価償却したって損金参入できないのですから、これはやりっこないのです。
 そういうことで、二十六年もこれを一年延長、二十八年にもう一年延長してやらせたのですけれども、なかなかおやりにならない。したがって、これは、マッカーサー司令部はもうそのころなかったわけでありますが、要するに上場企業について、二十九年の法律で、資本充実法という名前に体裁を変えまして強制をいたしたわけであります。
 これは、ただし、減価償却資産についてだけ、五千万以上の資本金のものについて強制をしたという経緯がございます。それ以外のものは全部任意になっておりまして、土地もその間ずっと任意の評価。それから、ECも任意に評価しなさい、こういうことになっておりまして、強制になっておりません。したがって、それぞれの企業の御都合というようなことが優先されておりまして、強制の掲記を入れたのは戦後、昭和二十九年の再評価の上場会社だけでございまして、それも、償却資産だけであったことも事実でございます。
 以上のようなことから、強制をやりますといろいろひずみも出てくるのではないのかな、こういう商法の原則がまた、たまたま取得価額主義をとっているものですから、これを強制するというのはいかがなものかなという議論もあったのではないかと私はそんたくをしております。
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北村哲男#17
○北村(哲)委員 その任意と強制化というのは、私自身もよくわからないので御説明を願ったわけですけれども、ある人に言わせるとこれは非常にまずいのではないかと言われるし、ある人に言わせると必要なのではないかと言われるし、私自身もはっきりどうするかという展望は今の段階では持っておらないのです。
 ところで、非常に素朴な考えなのですけれども、今までも、マネーフローは関係ないというふうなお話がありました。再評価をしても、これは単なる帳簿上の操作であって、企業の実態は変わるわけではないわけですね。しかも、単なる帳簿の書きかえであるということは当事者が一番よく知っているわけですけれども、そういうところがら、貸し渋り対策の実質的な効果があるのだろうかとつい思うのですけれども、そのあたりは率直に言って、いや大丈夫だというふうな答えになるのでしょうか。
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大原一三#18
○大原議員 帳簿上の書きかえだけであることは事実でございます。ただ、日本の金融機関が八%すれすれというところがかなりございます。私は、このBIS規制というものが、本来の議論をさせていただくならば、何で八%なんだ、何で四%なんだという議論からもう一回やるべきではないのかなと。ドイツは四五%入れ、イギリスは土地の再評価を一〇〇%入れ、ドイツは、実は正直言いまして、貸借対照表に明記をしておりませんで、ずるいやり方で、注記をしている程度でございますのでバーゼルからクレームがついたというようなこともあるのではないのかなと。
 いずれにしましても、帳簿価額の変更は、名義上の変更でございますが、八%すれすれの金融機関にとっては、これが仮に四五%入れられるとすると、大体〇・五ぐらいの自己資本のアップになりそうでございます。その辺の数字は実態を見ないとよくわからないのでありますが、頭の体操で計算しますと、全部入れていただいたとして、〇・五%程度。ヨーロッパの場合はこれをやりまして、たった〇・一%程度しか自己資本の増加になっていないということは、日本の土地の含み益がいかに大きいかということがその数字を見てもわかるわけでございまして、〇・四%上乗せされるということは非常に大きな自己資本のかさ上げになるのではないのかなということでございます。
 八%というと、ことしから始まる早期是正措置で、八%を切ったら立入検査をするぞと。地方の場合は、四%を切ったら立入検査をする。地方だけは一年間延ばしましたけれども、四%のところだけは。これは一年間延長したぐらいで済む話かなという感じも持っておりまして、名目の変更でございますが、申し上げたような点からいくと、実質的な金融機関のゆとり、余裕というものが上昇するのではないのかな、こう思っております。
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北村哲男#19
○北村(哲)委員 先ほど申しましたけれども、実際にこの法律を適用しようとして意味があるのは、自己資本比率四%ぎりぎりあるいは八%ぎりぎりの金融機関等だと思うのですけれども、これが単に帳簿上の操作で自己資本比率を上げることを認めれば、金融機関の自発的なリストラの意欲を減退させることにならないだろうか。そして、かえって企業の企業競争力強化の妨げになるのではないかという危惧があります。
 今政府を挙げて、あるいは企業のリストラをしょうという動きの中で、それをかえって、片方は不完全なまま、片方から別の手を差し伸べるようなことになってしまうのじゃないかというふうに思うのですけれども、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
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大原一三#20
○大原議員 お説のとおりだと思います。
 私、この問題を提案いたしましたのは、九二年の、初めて緊急対策をやろうというときに御提案を申し上げたのでありますが、実は、いろいろ調べてみますと、銀行の給料が一般製造業の二倍とか、重役の報酬もえらく高い、そんなところへこれを入れてやったらリストラが進まないのではないかという議論がございまして、私は提案をしないということにしたわけでございます。
 ところが、現在の金融情勢を見ますと、もうその貸し渋りというのは黒字倒産を生むまでひどい状況になっておる。八%ぎりぎりだから貸し渋りをして、これを現金化して資本の充実をしない。いわゆる八%ラインを切れば早期是正措置をとられるぞというような一方のおどしがきいておるために、八%、四%という数字がひとり歩きいたしまして、金融機関の恐怖症を誘っているのではないのかなと。
 現状はそういうことで、以前においては、私も、先生のおっしゃったとおり、こんなところで使っていい言葉かどうか知りませんが、銀行が緩ふんになるのじゃないか、そんなことしたらリストラが進まないのじゃないかという議論もございまして御遠慮申し上げたのでありますが、現状からいうと、特に、借り手にとって背に腹はかえられない状況が顕在化しておって、黒字倒産等々が頻発をしておるという実態を見たときに、これは二年間やるわけでございまして、その間に任意で御評価をしてください、あと、いつでもだらだらできるという制度ではありませんので、そういった緊急対策として本措置の導入をお願いしたわけでございます。
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北村哲男#21
○北村(哲)委員 確かにそういうお話があっただろうし、あり得る話だと思います。
 そこで、公的資金を導入する金融機関には、あるリストラ計画が強制されるということを言われておりますね。同じように、この再評価を行う金融機関には、厳格なリストラ計画の作成を義務づけるようなことをすることはいかがなものでしょうか。
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大原一三#22
○大原議員 本来なら、これは金融機関が自主的におやりになるお話だったと思うのですね。もう少し余裕のあるときにこういう議論をしていただいて、抜本論から検討していただくべきではなかったのかなと私も思っておりますが、どうも背に腹はかえられぬ状況が現在のことになっておる。ただ、その際にリストラを要請するということがこの法律でできるのかなというような議論もございまして、一方、キャッシュをおやりになる金融特別法の関係においてはクレームをつけられるのでございましょうが、特にリストラを要請するというので……。
 特に農協や、それから漁協というのは貸し渋りが起きていないのです。余っているのですよ。むしろ私は、二五%の員外利用というのをこの際広げていただいて、三〇%とか四〇%にして中小企業へ回していただいて、そっちの方の貸し渋りを緊急措置としてやるべきではないのかな、員外利用二五%の範囲内に切っているというのはおかしいなというようなことも、農林省に議論を吹っかけた経緯もございますが、貸し渋りはないのですね。
 ですから、おっしゃるように、農協も二千二十幾つあるのでありますが、その中の八十四がもう既に危ないのです。これはもう、合併をして、そしてリストラをしょうというところに追い込まれております。そういった戦列に入りそうなのは、これで救われて、やれやれというところは、中には出てくる可能性もありますね、小さな金融機関でありますが。そういったことも、確かにおっしゃるとおり、この法律には盛っておる。
 ただ、やはりねらいはあくまでも貸し渋り対策でございまして、ねらいの対象は、現在の八%、四%を救済することによって極端な貸し渋りをなくすることができないのかなというのが本法のねらいだ、こう御理解いただけたらありがたいなと思います。
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北村哲男#23
○北村(哲)委員 ちょっと観点を変えますけれども、この法律で、貸借対照表は時価主義をとろうとし、そして損益計算書は原価主義というふうに書きますね。これは会計原則からいったら矛盾だと思うのですけれども。本来、この二つのものは一体のものであって、両方見てその企業の実態を知ろうとするのです。したがって、統一した会計原則に基づかなければならないのは当たり前なのですよね。しかも、この法案は二年の時限立法としているのですが、一たん時価主義にしたものは、これは永久にその矛盾を抱えたままになるのだと思うのですけれども、二年たった後は一体どうなってしまうのだろうか。大きな、恐らく半永久的に続く企業は、その矛盾を抱えたまま続いていくのだろうか。
 そうなると、一つ、二つならいいのですけれども、多くの場合だったら、貸借対照表あるいは損益計算書というのは、債権者たちが見て企業の実態を知ろうとするその有力な資料なのですけれども、そのあたりがねじれているわけですから、非常におかしなことになるのではないだろうか、矛盾を抱えたまま将来に禍根を残してしまうのではないだろうかという気もするのですけれども、その辺はどのようにお考えなのでしょうか。
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大原一三#24
○大原議員 そこもまた、私、企業会計の専門家ではありませんので、専門家面して申し上げられる自信はないのです、きょうはたくさんの専門家の方がいらっしゃるわけでありますから。
 申し上げますけれども、実は、昭和二十五年から、先ほど申しました二十九年の資産再評価法におきましても同じようなことが起きているわけでございます。いわゆる再評価を任意にしたところは、再評価差額を積み立てたまま法人税は取らない、こうなっております。実はそのときに、再評価税というのがございまして六%を取った経緯があるのです。それは何かというと、法人税の延納分だという考え方ですね。法人税を納めていないから六%ぐらい納めろ。そのころの法人税はたしか表面税率で三五%ぐらいだったと思うのですね、それにかわる税金として六%を取った経緯がございます、それがあって再評価をしなかったという面もあるのですよ。
 昭和四十年に、商法の改正に伴って、法人税法で、未実現の利益は課税しないという条文を入れてくれているのです、たしか二十五条と三十三条だったと思うのでありますが。再評価をいたしましても、未実現の利益ですから法人税の課税はしません。再評価損を出しても、未実現の損だから法人税法上の損金算入はいたしませんという規定を入れてくれておりまして、おかげさまで税金の方はそれで以前のような問題がない。
 そこで、実は正直に申しまして、昭和三十二年でございましたが、自己資本の組み入れを認めているのです。六%の再評価税を納めたら自己資本に組み入れて結構でございますよという措置をとっているのですね。そこで一遍、これも任意でございまして、強制でございませんから、やった企業は、おっしゃったように乖離がなしに終わったのです。そのかわり、税金を納めなければなりませんよと。そうでない企業は、なお現状も残っておるという実態がございます。
 したがって、今回の規定におきましては、明瞭に貸借対照表に載せなさい、そうして再評価差額と、それから取得価額というものを明記しておきなさい、税金はいただきませんが、売ったときは法人税を納めていただかなければなりませんということで、取得価額を永久保存するという仕組みにしているわけでございます。
 それから先生御指摘の御懸念でありますが、例えば阪神大震災なんかの場合のように、土地が地割れをして値段が半減したというような場合は、損を貸借対照表に計上する、それから地価が下落をした場合は、貸借対照表の注記でもってその下落を明示しておきなさい、こういったことの細かい操作ができるようにしてあります。しかし、将来、法人税を納めていただいて、自己資本に本源的に算入するというようなことも、この再評価の二年後の実態を見ながら考えることもしていいのではないのかな。
 つまり、三五%ではございません、現在、四九・九から三%、今度下がりますので、その分を納めていただければ、残りの分、一〇〇%の資産再評価差益のうちから法人税相当額を引いた分を自己資本に算入していただくというようなことができる時代が来れば、これは再評価のやり方は実態を見ないとわかりませんので、昭和三十二年にやったような措置をこれについても導入すれば、先生のような、永久に乖離の御懸念がなくなるのではないのかなということも考えております。
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北村哲男#25
○北村(哲)委員 ただいまの説明の中にも相当部分入っておったことなのですけれども、端的に言って、再評価したものがなぜ課税されないのかという話を方々から聞くのですけれども、その点について、もう端的に答えてください。
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大原一三#26
○大原議員 これは大蔵省の主税局が来ているとえらいいいのでありますが、私はそれを最初知らなかったのですよ。税金の特例をつくると、これはえらい法律になるなと、法人税を課税しないとか。よくよく調べてみましたら、私が主税局におったころは課税だったのです。四十年に未実現の利益と未実現の損失は課税しないということになっていまして、いや、これはありがたいなと。それから、固定資産税はどうだという、これも時価になっておりまして、こちらの方も時価と書きますのでそちらの課税関係も起きないということで、税金の方はフリーパスだなと。
 何だったら主税局に説明を。これも私、聞いたけれども、余りはっきりしないのです。
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大武健一郎#27
○大武政府委員 お答えさせていただきます。
 本法案におきまして、今御説明ありましたように、再評価が行われた場合には、再評価益に相当する金額を再評価差額金という形で貸借対照表に計上しなければならないことになっております。
 課税上は、今お話のございましたように、法人税法の二十五条並びに三十三条におきまして、再評価時の課税は行われず、再評価後も再評価前の帳簿価額が引き継がれるということになっております。そのような場合、将来再評価を行った土地を売却などをして処分した場合に、その時点で、再評価前の帳簿価額をもとにして計算される譲渡益の課税を行うことになっているということでございます。
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北村哲男#28
○北村(哲)委員 理屈はわかりました。
 ところで、次の質問なんですけれども、再評価によって、ROAすなわち総資産利益率、あるいはROE、自己資本利益率が低下することになるようですけれども、これはいわゆる財務格付ということには悪影響を及ぼさないのだろうか。すなわち、銀行のROEは下がって非効率になるんだという批判がありますけれども、そのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。
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大原一三#29
○大原議員 私も最初はそう思っていたわけでございます。そこで、戦後の実態、経理、会計処理、それから今回のことも、これは一貫して同じものにしなければいかぬのですが、仮勘定へ積んでいるのですね。仮勘定ということは負債勘定でございまして、ストレートには資本に入らない。バーゼルの方は、準備金等は入れているのですね。例えば、劣後債というのは債権債務でございますけれども、これも入れているのですね。自己資本に四五%入れて結構だということを言っているのです。だからそこは、バランスはバーゼルとは別の角度からやってくれているのでありますが、おっしゃるように、貸借対照表の上で負債勘定へ立てるようになると私は思いますので、当面はあれに関係はございません。
 ただ、さっき私が申しましたように、何年か後にそれは自己資本に算入するという事態が来れば、法人税を納めていただいて、その残りを自己資本にするという事態、これはいつ来るのか、そういうこともわかりませんけれども、もしそういう事態が来れば自己資本に入りますから、おっしゃるとおり、自己資本利益率は下がらざるを得ない。その御心配をされる方が、よくこの法律をごらんにならないで、特に金融機関以外のところがら、経団連等から御質疑が来ておるように思います。だから、とりあえずは関係ないのですよということを申し上げているわけでございます。
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