斎藤精一郎の発言 (予算委員会公聴会)

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○斎藤公述人 立教大学の斎藤でございます。
 お時間を少しおかりしまして、現在の日本の経済状況と、それに対する財政金融がいかにあったらいいか、僣越ですが私の考えていることを一言申し上げたいと存じます。
 景気が悪くなったのは、御承知のとおり、一九九一年、平成三年の桜が咲くころ悪くなった。この間ずっと、ちょっと上がったり、だらだらしながら、もう七年を経過しております。
 お配りした図表一、GDP成長率にありますように、こういう形で九一年から落ちてきまして、九五、九六、三%前後の、よく一般に言われる正常軌道に戻ったかに見えましたが、御承知のとおり、九七年、これは政府の見通しですと、今年度、この三月に終わる年度、〇・一。恐らくマイナスの〇・五前後になるのではないかと思いますが、こういう形になる。
 九一年から九七年までを見ますと、平均しますと、年率にすると一・五%です。先進国としては非常に低い成長率でここずっと来ていたわけであります。長い、一種のだらだら景気といいますか、半煮え景気といいますか、こういう状況に突っ込んできた。
 御承知のとおり、時々景気回復宣言も出ておりますし、景気も時々こういうふうによくなったりしますし、あるいは一般に、経済企画庁あるいは一般のエコノミストの景気、経済を見る目というのは、一—三、四—六、七—九という四半期統計で見ていますから、四半期統計で見ると時々でこぼこがあります。これは、子供ではないのですけれども、悪いものはなるたけみんな見たくありませんから、人間の心理あるいは政府としては当然です。下がると目をふさいでしまうのですけれども、上がるとこれで大丈夫だという形です。
 そして、これからお話ししますが、政府、日銀は、この間何もやらなかったのではなくて、むしろやり過ぎることをやっていました。
 御存じのとおり日本銀行は、九一年七月の、公定歩合六%から九五年の九月〇・五と、恐ろしい勢いで下げてきている。現在〇・五、異常な超低金利、世界的にも類のない超低金利ということですから、日本銀行が何もやらなかったというのはとんでもないことで、当初ちょっともたもたした節はありますが、途中からはもう一気呵成に緩和政策に転じたということですから、よくやったと思います。
 それでは、大蔵省が財政再建、再建ということでしぶちんで来たかといいますと、これも御案内のように九二年八月の、大蔵大臣は羽田さんでしたが、羽田さんの総合経済対策、あれは十兆七千億の事業費ベースですが、それを皮切りに毎年追加財政出動、九五年九月の例の十四兆の追加財政措置までで追加だけで総額六十五兆円強、これもまた前代未聞、ケインズが生きていたらびっくりするぐらいの大ケインズ政策をやってきました。
 そういう面で、財政金融を大蔵省、日銀はやらなかったではないかという批判が時々あるように、日本でもケインジアンが多いですから言いますが、そうではなくて、やり過ぎるぐらいやったと思います。
 しかし、問題は、そんなにやっているのに、景気が時々はよくなりますが、全体として見ると、先ほど言ったように一・五%という低速成長にへばりついちゃった。つまり、行ったり来たり。景気がよくなって青空が広がったなと思うと、途中でまた雲が出てくる。それで雨が降ってくる、小雨が。それで時々どしゃ降りになります。
 時々起こる、株式市場一万四千円台に、これまでも三回金融危機が訪れています。みんな冷やっとします、これは大変なことになったのじゃないかと。慌てていろいろ政策が出ますと、またもとに戻ります。そうするとまた曇りになり、そして晴れ間が広がってくる。これで大丈夫かなと思って景気回復宣言などが出ますと、またしばらくすると曇ってくる。そしてまた雨が降り、大雨になって、えっと思うとまたよくなってくる。こういう行ったり来たりで、この七年間、一種の半殺しというか生煮えというか、適切な言葉がございませんが、そういう状態。
 どうしてなのか、これだけ一生懸命大蔵省、日銀がやっているのに、なぜなのか、こういう疑問をほとんど今まで持たれてこなかった点がまた実は不思議なわけですけれども。これは、基本的に、九〇年から日本経済が長期的なデフレーション過程に入った。戦後初めてです。世界でも初めてです。
 ですから、デフレーションという意味がよくわからないということが一つあるのですが、デフレーションというのは、一般的な、ケインズ的な財政金融政策をフル稼働しても、それだけではどうしても景気が浮揚力を持たない。確かに、マイナスに落ち込むとか失速することは抑えられても、景気に浮揚力を持たない状態がデフレーションです。
 これは七十年前の話になりますから、経験がほとんどない。アメリカでも世界でもありませんから、G7に行けば内需拡大とかいう話がすぐ出てきますが、これはデフレーションを知らない人たちが言っていることであって、日本はそういう面で今新しいデフレーション過程に入っている。それは昔の、七十年前の要因とは全然違いますけれども、中長期的なデフレーション過程にある。
 では、どうしてそういうふうになっているのか。政府、日銀は、一生懸命カンフル注射、モルヒネ注射を打って、できる限りのことを、あらん限りのことをやっています。しかし、効果が一時的で、一時的なカンフル注射にはなりますが、あるいは一時的な痛みどめにはなりますけれども、景気を浮揚する力がない。今後十兆円を超す財政が出ても、恐らく効果は半年か一年しかないでしょう。一年するとまた力がなくなる。そうするとまた出すということの繰り返しだと思います。
 それは、今回、日本経済が九〇年代、九一年から突っ込んできているこの長期的なはっきりしない景気、あいまいな景気の根因、一番の原因がどこかということについての診断、いわゆるカルテができていない。カルテがはっきりしていませんから、処方は間違うのですね。ですから、問題は診断書。的確な診断書を書く。
 おなかが痛いといった場合は、単におなかが痛いのだったら、飲み薬あるいは注射あるいはモルヒネ注射で痛みどめをすれば治ります。しかし、中がポリープになっていた、あるいは何かしこりができている、あるいは潰瘍になっているといった場合には、単なるカンフル注射やモルヒネやちょっとした胃薬では治らない。ある種の手術が必要かもしれません。
 では、一体根因は何かということなのですが、日本の経済学だけではなくて欧米の経済学、みんなそうなんですが、経済学自体がもともとそうなのですが、御存じのとおり、よくストックとフローと言いますが、ほとんどの経済分析はフローです。流れ。所得だとか賃金だとか、期間でとったフローで見ています。経済学自体がそうやってつくられていますし、四半期統計をベースにする経済学でいきますと、フローだけを見ています。それから一—三月とか毎月の景気動向を見たりしていますから、当然ストックなどというのはそんなに変わりませんから、フローだけを見ていればいいということで、経済学的に物をとらえるツールがフロー重視になっていますから、ストックの変化に気がつかない。
 そこで、多くのエコノミストあるいは政府、あらゆるところで見失ったのは、この三枚目の表です。図表三がありますが、ごらんいただきたいと思います。これは経済企画庁が毎年つくっている国民経済計算です。ちゃんとした政府の統計です。
 御存じのとおり、九〇年から株が下がりました。それから、九一年の秋から地価が下がってきています。これは、統計が九五年末までの統計しか今使えるものがないのでここまでにしてありますが、この九〇年から九五年の五、六年間、土地と株が下がりまして、ここに点線で書いてあるように、土地は六百十六兆目減りしています。減価しています。資産の減価です。それから、株価はここにあるように四百兆。二つ足すと一千兆のお金が、企業、金融機関あるいは我々個人、家計が持っている資産の目減りが起こっている。
 よく日本は千二百兆の個人金融資産があるから大丈夫だということを言う人が非常に多いのですが、確かに、千二百兆、世界一の金持ちです。個人は貯蓄を持っています。しかし、逆に、それにほぼ匹敵する額の資産がなくなっているのですね。この事実を見れば、日本経済はそんなに安心していいかどうかとふと疑問になるのですけれども、多くの人は、片方のこっちの暗い方は見ないのですね。
 これは手前勝手で恐縮ですが、私は前々からこの問題が一番大きいのじゃないかと言ってきたのですけれども、ストックということについての経済学的な常識といいますか、ツールがなかなか確立していないこともあって、ほとんど無視されてきました。唯一それを初めて明らかに言った方は、去年の十二月の週刊文春の、例の梶山さんの十兆円交付国債。あのとき梶山さんはこの数字を出しました。私が知っている限り、要人で出したのは梶山さんが初めてだと思います。これだけ大きいから十兆円入れなければいけないという話に梶山さんの論文はなっているわけです。
 それで、これだけの資産が目減りするということは何が起こっているのかといいますと、経済学的に言うと当然二つのデフレ圧力、つまり経済に下方圧力がかかっている。
 一つは、だれでも考えてわかりますように逆資産効果。
 個人で我々が株を持っている、あるいは土地を持っている。これが目減りしてきますと、当然消費行動が地味になってきます。ベンツに乗っていた人は、買いかえが来ていても、もうベンツはちょっときついな、もうちょっと安い物にしよう。あるいは十万円の背広を買っていた人がやはり五万円か六万円にしよう、あるいは一年に三着つくっていた人が二着にしよう。海外旅行は今年はちょっとやめておこう。これがいわゆる逆資産効果で、消費がぐっと縮んでくる。
 それから、企業にとってみれば、株式だとか土地資産がなくなりますから、新しい事業をやろうとか、新しい製品を開発しようとか、販売店を強化しようとか、新しい機械を導入しようとか、いわゆる設備投資等に当然慎重になります。金融機関は、もちろん御存じのとおり株式も土地も持っているわけですから、当然内向きの志向になる。これが逆資産効果で、これがデフレ圧力として需要を減らしてしまいます。これはだれでもわかる話だと思うのです。
 それからもう一つの話が、いわゆる貸し渋りです。
 こういう資産が下がりますと、株も下がり、土地も下がりますと、金融機関が不良債権を抱えるわけですから、そうすると、本来ならば、自分の不良債権を直すために資本を当然減耗する、減少していく。そうすると資本比率が下がる。下がると、情報が開示されている世界では、怖いから取引先企業や一般の顧客、預金者が逃げてしまいます。
 アメリカでクレジットクランチが起こったのはまさにそれです。一九九一年、ブッシュさんが例のサダム・フセインをやっつけて、万歳と言って世界一になったとアメリカが喜んだ途端、アメリカはクレジットクランチに襲われて経済がマイナス一%成長に落ち込みます。それは、預金者や取引企業がみんな危ない金融機関から、つまりアメリカも同じように八〇年代の不動産バブルの崩壊で痛手をこうむって、逃げちゃった。預金者が逃げたり取引先が逃げますと、預金が減っちゃって取りつけに遭う。そうなると大変だということで、金融機関としては当然自己資本比率を高めていく。財務内容をよくするために、貸し出しを、分母の資産をぐっと圧縮する。これがいわゆるクレジットクランチ、貸し渋りです。
 ところが、日本の場合はこれが出なかったのですね。九二年六月に宮崎義一さんという方が「複合不況」という本を中公新書から出しまして、ベストセラーになりました。宮崎さんの主眼は、クレジットクランチが今こそ起こってきて、日本は大変な不況に陥るということを書いたのです。みんな、えっと思ってびっくりして買ったのですが、貸し渋りは全然起こらなかったです。だからみんな、何だ、あれはうそだと。まあうそだったのですが、実際には。
 しかし、それはなぜかというと、日本では情報開示をしていません。金融機関がつぶれるものとはだれも思っていません。つぶれたって最後は金融当局が助けてくれるのではないか、こういうことですから、金融機関も貸し渋りをしたり自己資本を高めようなんという気は余りなかった。そこでこの貸し渋りが起こってこなかったのですね。
 そしてあと一つ、先ほど言いましたように、逆資産効果も、実はあったのですが表面化してこなかった。なぜかといいますと、先ほど言った、財政が大盤振る舞い、六十五兆円。何かあるときにどかんどかんと出て、逆資産効果を打ち消していた。あるいは六%から〇・五という異常な超低金利によって下で支えたのですね、モルヒネで。つまり、企業がつぶれないように金融で支えました。ですから、大きな倒産などはほとんど起こらなかった。
 御存じのとおり、バブルというのは、一番大きいのは土地バブルの崩壊が大きいわけですから、当然それに関連するディベロッパーや大手のゼネコンの倒産が、これはあった方がいいとかいう話ではなくて、経済論理的にいって、五年間で六百兆の土地資産が減価していれば、我々が目にしているように、東京、大阪を見ますと、あいたビルがたくさんある、あいた土地がたくさんある。地方に行って、特に北海道などへ行きますと惨たんたる状況で、ゴルフ場はもう閑散としている、リゾートホテルは人が入っていない、スキー場は閑古鳥が鳴いている、幾つかのテーマパークも人が来なくなっちゃった。どこへ行ってもうまくいっていないのですね。はっきり言って、そういうところが倒れてもおかしくないわけです。ところが倒れていません。
 それはなぜかといいますと、これは支えていたのですね、金融機関が支えていた。モルヒネ注射を打って、金融機関にお金を安く供給しました。したがってそれは支えられていた。そういう面では、社会不安が起こらないところはいいわけですが、そういうことで逆資産、貸し渋りが、ケインズ政策と日本的な、開示がはっきりしていない、あるいは銀行の行動について厳しい規律がない、そういう中であいまいもことしたために、何とか経済は失速しないで、マイナス成長に陥らないで続いていった。
 たまたま、九五年と九六年のときには円が急速に戻している。一時八十三、四円になった円が、御存じのとおり百十円前後に戻しました。いわゆるサマーズ・榊原合意という形で、アメリカの支援で戻した。日本の製造業というのは、これは非常にたくましいものですから、非常に為替レートを下げたところで戻りましたから、いわゆる史上最高の利益を上げる。こういうことで、九〇年代のバブルの崩壊という、戦後初めてのことですね。ですから大したことはない。
 しかも財政が出て、公定歩合もこれだけ下がってきますと、マイナス成長に陥らないで済んだものですし、カンフル注射を打ちますから、時々景気もよくなりますから逆資産効果が表面化しなかった。それから、ビッグバンという話もないし、情報開示というのもなかなかならないために、金融機関は別につぶれる心配もない。安いお金を供給してもらって、それで利益は、ちょっと前までは史上最高の利益を上げていましたから、担保不動産を、償却を随分積んでいました。
 ですから、金融機関にも危機感がなかった。住専という問題はちょっと厄介だけれども、それさえ解決すれば何とか済むと思って、そのうち地価が上がるだろう、そのときに不良債権を処理すればいい、こういうふうにたかをくくっていたわけです。
 事態がおかしくなったのは九六年、正式に言うと九七年ですね。これは中北さんも言っているとおり、日本はそろそろビッグバンをしていかないと、日本の金融システムは大変な劣化をしてきますから、どうしても必要です。ですから、橋本総理が九六年の十一月にビッグバンを掲げたこと、これ自体は大変すばらしいことですね。
 ただ問題は、一つ間違ったのは、その前に解決すべきうみ、黒い血。住専はもう法律が通って解決のめどがはっきりしたのですが、もう一つ大きな、ゼネコンを中心にした不動産バブルを片づけて、過去を清算してから未来に向かってのレールを敷くべきだったのです。
 ところが、未来と過去が一緒くたに来ちゃったものですから、しかも外国の金融機関が千二百兆円をねらってどっと入ってくる、こういうことで、金融機関がもう後戻りができなくなっちゃった。しかも早期是正等が入ってくる。資本比率の問題が出てくる。こういうことになると、今まで貸し渋りなどということを考えたことがなかった金融機関が、自分の資産内容をきれいにしなければいけない。そういう面で資本比率の上昇。
 それから、九五年以降も下がった担保が、土地が全然上がらない。そうすると、その部分について担保が足りなくなっていますから、金融機関は、自分の経営内容からすると当然貸し出しを回収し始めているのですね。
 それから、二十一世紀初頭のビッグバンをねらって財務諸表をよくしなければいけない。そのためには、先ほどちょっと中北さんも言いましたけれども、ある面で長い関係で今まで何となくつき合っていた企業、しかしそういうものも、これからは金融機関の方から多少選別しなければ二十一世紀に生き残れないという危機意識が出てきた。そういうことで貸し渋りが出てきちゃった。
 そして、あと一つ問題は、よくエコノミストの皆さんが言っているように、消費税等の九兆円の、九七年の春の特別減税の廃止とか、財政がもうぎりぎりになってしまっている。ある程度回転しなければいけなくなって、引き締めに転じなければいけなかった。しかも、財政改革法ということで中期的な財政を締める方向を出した。
 そうすると、先ほど言ったカンフル注射がなくなっちゃったのですね。そうすると、逆資産効果というこの怖い顔が表に出てきちゃった。これが今、九七年から九八年になって出てきて、経済ががたがたっときて、デフレ経済。明らかに経済は資産デフレという顔がもろに出ちゃって、もう金融政策は実弾がない、〇・五で。財政も、今後多少出るとしても、もう出る余地がない。こういうところに来てしまっている。そういう面で、今経済は明らかに失速に入ってきていると思います。
 それではどうしたらいいのかというと、問題は、今後財政が出たりしましても一種のカンフル注射に終わる。根っこは何かといいますと、膨大にたまった不良債権を処理しなければいけない。
 つまり、それはよどんだ黒い血なんですね。一回あれだけのものがだあんと倒れてしまいましたから、黒い血になったそのものを吐き出さなければいけない。それを今、血が出るのが怖いからばんそうこうを張っていました。この間みたいにガムテープでとめています。しかし、黒い血が中にありますから、よく最近のお医者さんが言う多機能不全状態。だんだんほかのところまでやってきて、元気が出ない。ベンチャー企業は出てこない。
 そうすると、もう黒い血を出さざるを得ないのですね。政府が思い切って出して、切開して黒い血を出してしまって元気になるか、あるいはほっておくと、これは市場の爆発です、市場の制裁であります。恐らくそれを世界がみんな怖がっているのだと思います。これがアジアと連動しますと、七十年ぶりの世界恐慌に入るのではないかと言われているのは、僕はそんな悲観論じゃありませんからそういう話をするのは嫌なのですけれども、危険性はなくはないということを十分踏まえておかなければいけないと思います。
 ですから、黒い血を早く出してしまわなければいけない。出すのにはどうしたらいいのか。そうすると、今ある不良債権を早く処理することだ。今回の三十兆の問題は確かにある面でのばんそうこうにはなっていますが、黒い血を出す、不良債権の処理にはどれだけ効果があるのかはっきりしません。これが問題だと思います。
 ですから、最後に、まずやるべきことは三つだと思います。
 まず、政府は、黒い血を二年間のうちに出すような基本的な方針を立てる。かつて、オイルショックの後、国民がみんな不安でした。そのとき福田さんは、全治三年という形で、きちっと明快に国民に、三年間我慢してくれということで抜本的な政策をやりました。これから必要なのは、やはり政府は、二年という限定つきで黒い血を出す、大変なことがあるかもしれませんけれども少し辛抱してくれということが一つ。
 それから二つ。そうなりますとデフレ圧力がだあっとかかりますから、そのためにやはり財政をバッファーとして使っていく。バッファーとしては財政政策は効果があると思いますから、そういう面で使う。財政が出れば景気が浮揚力を戻すというのではなくて、黒い血を先に出す、そのために落ち込んだときにはバッファーを出す。しかし、そうなれば、水谷さんも強調なさっていますように、財政自体がもうどうしようもないわけですから、景気が正常に戻り自律したとき、二十一世紀には、その分については徹底的な行革と財政改革でその元を取るということを国民に約束し、また国民の協力を求める。
 最後になりますけれども、この最後のペーパーの図、この図は、日本が世界最大の債権国である、対外純資産、アメリカとちょうど逆転しているのですね。日本が八千九百億ドル、アメリカがマイナスの八千七百億ドル。日本は、インドネシア、韓国と違います。IMFやアメリカから首根っこを押さえられないで、こういう改革ぐらいはできるのですね。その力はあります。ですから、今こそそれをやるべきときではないかという気がいたします。
 失礼いたしました。これで終わらせていただきます。(拍手)

発言情報

speech_id: 114205262X00119980311_006

発言者: 斎藤精一郎

speaker_id: 28299

日付: 1998-03-11

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会