中北徹の発言 (予算委員会公聴会)

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○中北公述人 私は、二極分解、改革、これを短期間にむしろ加速すべきであるというふうに思います。安定の名において、護送船団の方に引き戻しているというのがむしろ現実ではないか、この十一月以降の日本がたどってきている道ではないか。そのような状態で、今ビッグバンがもう本当に半月先に控えている、ますます段差が大きくなっていく、日本をますます苦しくしているのじゃないかというふうに思うわけであります。
 基本的には、私は、これは安定化のためであったとしても、公的資金を預金者保護に限定するというものと安定化の維持ということは矛盾しないというふうに思っています。すなわち、万が一不幸にして倒産する銀行がありますならば、日銀が特融を入れる、その限りにおいて預金者を保護し、そして他方において、その後日銀等が中心になって債権を回収する。どうしても回収できない部分に関しては、その後一般会計で、明瞭な形で、ガラス張りの形で計上し、そしてチェックをするということであれば、極めてシンプルで現実的であるというふうに思います。何もわざわざ預金保険機構の中に数十兆円、それも非常にあいまいな形で入れる必要は全くないというふうに私は思います。預金保険機構こそは大蔵省そのものであるというふうに思っております。
 そして、二点目でありますが、私は、貸し渋り、クレジットクランチ、これは先ほど申し上げましたが、誤解を恐れずに申し上げるならば、ある意味で正常化、ノーマライゼーションの過程という側面をもっともっと考えていただきたいというふうに思います。
 銀行は、もう沈み込むように資産を持っています、膨大な貸し付けを行っています。その貸し付けの他方において、借り手がまた膨大な資産を持っている。しかし、その両者の関係においては、もう極めて将来性のある産業、次世代産業の育成にきちっとそれがかみ合っているかどうかということを考えますと、大変疑問であるというふうに私は思うわけであります。
 そのような意味において、金融当局は、貸し渋りという議論に対してはむしろもっと違った議論をすべきである。そのまま受け入れて、そしてそのまま公的資金の議論に乗っているというような印象を私は否めません。
 つまり、日本は、十年前に金融の自由化、リベラライゼーションというのをやったわけでありますが、その後、いかがでしょうか。このインターバンク市場の整備は不徹底であります。つまり、インターバンク市場において、貸し手と借り手という関係を見ますと、もう大手銀行が本当に膨大な借り手、これも担保が必ずしもない形で、一晩で数千億円借りている。一方的な借り手であります。しかし、貸し手はどうでしょうか。もう今や機関投資家であります。したがって、あの十一月にリスクプレミアムが上がれば、これはぐっと締まるのは当然であります。
 この膨大な資産を持った巨大な金融機関が非常に特殊なインターバンクに、市場からの資金調達に寄りかかっているということが非常に異常であるというふうに思います。私は、異常なのはインターバンク市場であって、むしろそこの整備をきちっとやることが重要である、これが一点目です。
 もう一点目は、私は先ほどお話ししましたように、直接金融市場を何が何でももっと整備していただきたい。私は、政治家の方々の任務は、インフラを整備することであって、市場の中に介入していくことではない。おれが、私が買って出るという話ではなくて、やはりきちっとマーケットが機能するための条件整備、つまり決済システム、それから監視機構、それからある意味での格付、そして会計基準の時価評価、国際化、これをもっと後押ししていただきたい。そうしない限りは、ずるずると改革のタイミングを先送りしていくばかりであります。
 私は、ベンチャー企業が今大変苦しんでいるという記事を昨日読みましたけれども、大変憂えております。やはりあの右肩上がりの時代には、経済が多少沈み込んでも、すぐ次の回復のきっかけをつくったのは中小企業でありますが、この方々は大変今苦しんでおります。そこに資金が流れていかない。やはりベンチャー企業その他にリスクキャピタル、危険資本が出ていくような条件整備を何が何でも整備していただきたいというふうに念願しています。

発言情報

speech_id: 114205262X00119980311_024

発言者: 中北徹

speaker_id: 34317

日付: 1998-03-11

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会