明石康の発言 (外交・防衛委員会)
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○参考人(明石康君) 高野先生から核廃絶に至る過程においてNGOが果たし得る役割について御質問がございました。それに関連して、対人地雷廃止条約のときにNGOは非常に効果的な役割を果たしたという御指摘がありました。それはそのとおりでございます。
対人地雷の場合にNGOがあれだけ影響力を発揮できだというのは、一つには対人地雷の犠牲になる無事の民衆というものが非常に具体的な形で、目に見える形で世界じゅうの人々にアピールしたということもあるでしょうし、対人地雷が持つ非常に限られた軍事的な効用というものもその一つの理由であったのではないかと思います。それからもう一つ、世界のNGOのみならず赤十字国際委員会ICRCあたりが、この対人地雷の廃止に向かって非常に積極的に働きかけたということもあったと思います。
それで、私は、核兵器の場合は対人地雷と同じように物を考えることは必ずしもできないわけですし、少なくともアメリカその他の核保有国はやはり核兵器の存在というものを自国の安全保障政策の中心に置いておりますので、マージナルな武器ということにはなりませんので抵抗も相当あるんじゃないかと思います。
しかしながら、私は、世界のNGOと地方自治体、それから研究団体、こういったようなものの横のつながりを強化するという道をとることによって、また、そういったようなものが単に核廃絶を叫ぶだけではこれは余り説得力がございませんので、現実的な段階的な説得力のある提言をまとめることができれば話は違ってくるんじゃないかと思います。
その点、可能性は幾つかあると思いますし、私の冒頭発言で申しましたとおり、アメリカあたりにもそういう現実的な段階的な核廃絶論がぼつぼつ出てきております。そういうことで、可能性はあるんじゃないかと思います。
また、政府とNGOとの中間にあります。そういうICRC的な団体の存在、これも重要であります。私は、核の問題に関しましては、例えばWHOあたりが人体に及ぼす核被害というものをきちんと把握し、これを世界じゅうに伝えてくれれば非常によろしいと思いますけれども、国連機関の中でも核被害については必ずしも意見は一致しておりません。例えば、ウィーンにあります国際原子力機構、IAEAあたりはチェルノブイルの核被害に関しましても非常に被害を何か小さくとらえる傾向がありはしないかと思います。
そういう意味で、国連関連機関が一致した形で何か見解を述べられるようになればよろしいわけだと思いますし、またその点、国際司法裁判所、ICJがこの核兵器の合法性について勧告的意見を出しております。この勧告的意見は読み方がいろいろございまして、ある意味では非常に進んだ意見であるというふうにとれる面もありますし、国連憲章五十一条に言及することによって、自衛のためには、もう本当に迫られたときにはそれを使用することも非合法ではないというふうにとらえる面もありまして、ある意味では玉虫色の勧告でありますけれども、そういったような国際機関がいろんな形で発言するということも情勢を変える要因になろうかと思います。
そういうことで、NGOの役割というのは、これから鋭意さらに考え、また横の連帯というものを強めていく点で可能性を潜めておることだと思います。