明石康の発言 (外交・防衛委員会)
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○参考人(明石康君) 今、広中先生のおっしゃったことにちょっとだけ反論させていただきますと、先生はインド、パキスタンの核実験によって、もやもやしたものがあからさまになってよかったのではないか、透明性が導入されたという見地からお話しになったわけです。そういう見方も確かにあるのでありましょうけれども、最善の策としては私はインドとパキスタンが核兵器を持たなかったことが一番よかったとは思います。
核実験を行うことによってあからさまにみずからの核兵器保有を世界じゅうに知らしめるよりは、そういう形でNPT体制に挑戦するよりは、私はインドとパキスタンが核兵器を持っているのか持っていないのか、核保有国としての敷居を越えたのか越えていないのか、そういうあいまいさを残しておいた方が、決していいことではありませんけれども、余りこういう核兵器保有の事実が青天のもとに露呈されるよりはよかったのではないか。つまり、国際関係においてはあいまいさ、アンビギュイティーというのがいい場合もございます。
そういうことで、私は、インドが核実験を行うことによってパキスタンは、ギリシャ悲劇のように対抗措置としてやらざるを得なかったというふうに考えておりますけれども、核をインドとパキスタンと両方が持つことによってどちらが不利になったかといいますと、印パの関係で見ますと、私はインドの方にとってむしろ不利になったのではないかと思います。といいますのは、通常兵器においてインドはパキスタンに対して圧倒的な優位を既に持っていたわけでありますから、それをある意味で核は両者の間を平等にすることになりかねないわけです。
そういう意味では、私は今のようになったことは非常に不幸なことであり、むしろ前のようなそういうあいまいさを残しておいてほしかったというふうに考えるわけです。
イスラエルに関してもそうであります。イスラエルが核兵器を持っているであろう、しかもその核兵器の数は石ないし二百に達しているであろうというのは、国際的にほぼ受け入れられていることでありますけれども、おれは核兵器を持っている、また核実験をやるということにイスラエルがなりましたら、当然その周囲のアラブ諸国は対抗措置を公然ととらざるを得ないのでありましょうし、そういう意味では今のようなあいまいさというものの持つ一つの効用についても我々は考えておく必要がありはしないかと思います。
ありがとうございました。