明石康の発言 (外交・防衛委員会)

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○参考人(明石康君) 今、鈴木先生の幾つかの御質問に関しましては堂ノ脇参考人並びに森本参考人からの御発言がありまして、ミサイルの開発に関しては、開発そのものを妨げるということは難しいにしろ、技術移転をできるだけ抑えること、そのための国際的な協力の枠組みに日本も参加し、またそれを強化する必要があろうという点で私は全く同感であります。
 それから、核の傘に入っていることについての問題でありますけれども、これは宮澤先生からの御質問にありました。それは決して望ましいことではないかもしれませんけれども、ほかにそれではどういう道があるかと言いますと、核の傘に入るかわりに単独核武装の道を選ぶのかということになりますと、これはまた大変なマイナスの問題が山積してきます。私は、次善の策として、核の傘に入っておるというのは望ましいことではないにしろやむを得ないことであり、また私が先ほど申し上げたとおり、核の傘自体を、アメリカ単独で日本に対してかざす核の傘からマルチの形の、できればユニバーサルな核の傘というものに次第に進化させていく道を探るべきではないかというふうに考えております。
 経済制裁の問題は、堂ノ脇参考人から御指摘のように、いろいろマイナス面がございます。パキスタンが核実験をしたときのシャリフ首相の記者会見の面持ちは非常に沈痛でありました。彼は、日本、アメリカその他から受けるそういう制裁を十分覚悟した上で、なおかつインドに対する対抗措置として核実験をせざるを得ないという選択を迫られたという、その苦悩を十分に意識しておりました。
 確かに、経済制裁というのは余りいい手段ではありません。堂ノ脇さんがおっしゃったとおり、為政者はちっとも困らないところか、また為政者に対して国民をむしろ団結させることもあり得るでしょう。また、何の罪もない国民自体が非常な制裁の被害を受けるということにもなりかねません。それから、制裁が効果を発揮するためには非常に時間がかかります。また、インドとパキスタンに関して言いますと、最初に核実験をやったインドの方は割と困らないし、二番目にやったパキスタンの方がよりその被害を受けるという問題もあります。
 しかしながら、ではほかにどういう道があるか。国連なんかも武力制裁、外交制裁、経済制裁、いろんな道を考えておりますけれども、やはり武力制裁にはもっとマイナスの影響が考えられますし、そういう意味ではこれまた次善の策として経済制裁が実施されることが町々あるわけであります。
 また、経済制裁に関しても、いかにして民衆への影響、被害を最小にするか。例えば、食糧、医薬品、そういったようなものを除くかというふうに、かなり精細なものに制裁自体がなりつつあるわけであります。現在の段階では、国際社会がある国の行っておる行為を是認しておらないということを示す手段として、経済制裁、その他限られた少数のものしかないということはあると思いますけれども、一国のバイタルな安全に関することについてはどんな貧しい国であっても、経済制裁があっても自分がやるべきだと思った防衛措置をとるというのは今度の印パの事件が示しておるとおりだと思います。

発言情報

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発言者: 明石康

speaker_id: 32147

日付: 1998-06-11

院: 参議院

会議名: 外交・防衛委員会