小島慶三の発言 (経済活性化及び中小企業対策に関する特別委員会)
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○小島慶三君 きょうは三大臣におそろいでおいでをいただきましてありがとうございます。お忙しいところ本当に恐縮でございました。
私も幾つか御質問を申し上げたいと思っておりますが、まずその初めに、この委員会の成り立ちが経済の活性化と中小企業ということでございますので、これはまさしく今のアメリカの中小企業が果たしている役割をそのままあらわしているようなことではないかと思います。金と技術と人というのは中小企業対策の三要素だと思うんですけれども、これにシステムというものを加えたものが例えばアメリカのシリコンバレーであり、そして今、株式市場を通じて非常に急速に破天荒に伸びているアメリカの中小企業、中企業と申しますか、そういったものがアメリカの経済の成長を支えていると言っても間違いないぐらいの非常に重要な役割をしていると思うのでございます。
実は私、前にシュマッハーの「スモール・イズ・ビューティフル」という本を翻訳したことがあります。今二十版を重ねておりますが、その「スモール・イズ・ビューティフル」が大いに読まれましたころに、アメリカでは、確かに、スモール・イズ・ビューティフルだけれども、しかし非常に弱い、ウイークであるというふうな論評が出たことがあります。それが今はスモール・イズ・ビューティフルで、かつスモール・イズ・パワフルであるということぐらいまで言われているようでありまして、これはまさしく破天荒なことだと思っております。
日本も昔から中小企業のウエートというのは非常に高かった。日本の産業構造が柔軟なのは中小商工業があるからだという説もあるくらいでありまして、この重要性またはこのウエートの高さというのはこれはちょっとよその国にないほどのものかと思うんですけれども、それが今はもう惨たんたる状態になっている、中小商工業者は苦汁をのんでいるというのが現状であろうと思うんです。
アメリカは中小企業によって成功し、日本はそういう中小企業の伝統はあるのに今それだけ中小企業が弱って、しかもこれが経済全体の成長の足を引っ張っているというのは、一体これはどうしたことかというふうに私も時々考えてみるわけであります。一つには、やはり中小企業の持っています立場からして、なかなかやはり新しい仕事を始めるにも立ち上がり資金が得られない、技術のトランスファーというものが十分でない、人がなかなか来てくれないというふうな、アメリカが成功した三要素の逆を行くような状態というのが日本の場合にはあるのではなかろうか。
中小企業庁におかれましては、そういう点を勘案して、ベンチャービジネスの立ち上がり資金の提供、あるいは株式上場のあり方、あるいは今の林さんの御質問にもありましたようないろんな貸し渋り対策、オールラウンドの貸し渋り対策というのを精力的にやっておられまして、これはまことに結構なことだと思います。
ただ、これは今は余り言われなくなりましたけれども、かつては中小企業対策というのは弱者対策だと言われていた時代がありました。そしてまた、弱者対策という一面も中小企業対策としては非常に重要な要素であるというふうに私は実は思っております。その弱者というグループから抜け出したのがいわゆる中堅企業ということになると思うんですけれども、なかなかそれから飛び出せない。
これはちょっとアメリカと反対の現象ですけれども、例えば中国の場合には郷鎮企業というのがありまして、農産物の生産性が非常に高くなったことから人が余ってきた。この余ってきた農民が、約八千万人とも一億とも言われますが、これが農村から出てきた。農村から出てきてどこへ行ったかというと、政府が創設した、援助をした郷鎮企業というところに行っているわけです。その郷鎮企業というのは約一千二百万もあると言われておりますけれども、これが中国の輸出の急速なテンポを支えております。行く先はアメリカでありますが、そのアメリカにも中小企業が乗り出して、郷鎮企業が乗り出していってアメリカの中小企業の一翼を支えている、こういう現実もあるわけであります。
日本の中小企業は中国の郷鎮企業よりもレベルが高くなってきましたから、なかなか中国のように低賃金だけで競争するというわけにはいかないと思うんですけれども、そういう一面もまだ中小企業は持っているということでありますので、これは中国の郷鎮企業をまねしろということは言えませんが、中国の持っているそういうふうな中小企業の特質、弱者対策としてのかつて言われたそういった伝統、そういったものはまだ日本の中小企業にはあるわけでありますので、どうしてもこの中小企業対策というのは両面の対策というのが必要である。技術を生かした対策、それから中小企業の特質を生かした対策、両面の対策が要ると思うのでございますが、この辺につきましてひとつ、きょうはせっかく通産大臣も大蔵大臣もお見えでございますので、両大臣から感想を伺いたいというふうに思います。
どうぞよろしくお願いいたします。