武見敬三の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○武見敬三君 この調査会は、行政府に対する国会の統制機能発揮のために国会議員みずからが関与できますオンブズマン的機能を備えた行政監視のための第二種常任委員会の設置というのを実は昨年六月に提言をいたしまして、それがこの一月の常会から行政監視委員会という形で設置され、その活動をするようになってきております。
この背景の問題意識について私なりに考えていることを先に申し上げておきたいわけでありますが、大きく時代の流れを見ておりますと、非常に豊かな我が国をつくり上げた近代の歴史の中での我が国の近代化という作業を担っていく上でやはり官僚機構の果たした役割は極めて大きく、かつまた国民の間で官僚機構に対する信頼というものは極めて高かったという認識を持っておりました。しかし、それが近年、こうした国民の間でのいわゆる官僚神話というものが少なくともこれから述べる三つの要件によって崩壊をしてきたという時代状況の認識がございます。
そこで、引き続き二十一世紀に向けていかにこの官僚機構を立て直し、そして新しい国づくりの役割を十分担い得るものにしていくかということは極めて大きな課題であって、そのために立法府としていかなる役割が担えるかということがこうした委員会設置の背景の問題意識としてあったように思うわけであります。そこで、少なくとも私が考えます三つの官僚神話崩壊の原因を考えてみますと、一つ目は明らかに透明性の欠如であった。なぜ近年こんなに透明性について国民が厳しく言うようになったか。これは、一連の政治家のスキャンダルがあった、そしてこの政治家のスキャンダルに対する嫌悪感だけじゃございませんで、なぜこんなに多くこういうスキャンダルが起きるのかという点についての国民の疑問というものが継続してあって、そして我が国の政策決定をめぐる政治文化の中に表の政策決定と裏の政策決定があって、裏の政策決定の中で責任ある立場にいなくても、実際にその要所を占めれば政策を左右することができるというようなことがどうもある。こういうことがいろいろな問題点を実際にスキャンダルのような形で生み出しているんだという認識が国民の中にできてきて、こうした透明性に関する認識が定着をしてきた。
したがって、これから特にこの政策を大きく組みかえる時代状況の中で、政策を決めるときに外から見てもだれから見ても納得のできる物事の決め方をしてほしいという国民の意識というものが確実に定着をして、それが具体的に透明性という言葉の中で今表現されているんだというふうに私は理解をしているわけであります。
特に、そういうことを感ずるようになったら、官僚機構の決め方というのが実は実際こういう透明性に関しては極めて欠如した決め方をしている組織、機構だったということに国民が気がついてその不信感を増すようになったというのが根底にある。
二つ目の原因は、官僚の倫理観に関する信頼の欠如であります。従来、こういう官僚というのは、いずれも戦前の内務官僚以来のある一定の、国に対する、あるいは社会に対するロイヤルティーをきちんと持っていて、そして倫理観も一定程度はきちんと確保しておられる集団であるという信頼があったわけでありますが、近年の官僚自身の、特に高級官僚を含む一連のスキャンダルの中で、国民のこういう高級官僚を含む官僚に対する倫理観の信頼感というのも完全にこれは失われてきている。
そして三つ目が、こうした時代の転換期における政策の転換を大きく期待している国民の間にあって、この縦割り行政というものの中では、どうも実際にそういう政策の転換はできないんではないかという不信感、これがまた大きく出てくるようになってきた。こうした三つのまさに要件が出てきて官僚神話が崩壊してきたんだろうと思うわけてあります。本日の三人の参考人の方々のお話を聞いて、いずれもその感をさらに深くしたものであります。
そこで、実は既に私どもが生みの親のような形になりました行政監視委員会、設置されて二カ月余り経過してきているわけでありますが、この委員会がさらにこうした時代状況のもとでより積極的に大きな役割を担っていかれることを実は切に我々は祈っているわけであります。
そこで、まず山本先生にお聞きしたいわけであります。先生御自身このレジュメの五ページの中で、「我が国における政策評価制度のあり方」、その第一の「立法府における評価」の中でも御意見を開陳されておられるわけでありますけれども、実際に立法府における機関としての行政監視委員会を活用するということを考えたときに、それでは具体的にどういうふうにこの委員会を活用していけばこの行政統制としての立法府の役割が果たせるのか、そのお考えをまず伺いたいと思います。