山本清の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○参考人(山本清君) 非常に難しい御質問でございますけれども、まず結論的に言いますと、もともと評価というのは、主観的な物事を客観的な手段で測定することを評価というふうに言って学者は逃げるわけでございますけれども、それは答えになりませんのでもう少し具体的な事例で申し上げたいと思います。
先ほど来話題になっております公共事業につきましては、最も早くから政策の効果につきましては貨幣で換算いたしまして、例えば道路にバイパスをつくれば、十億円の事業に対して将来的に現在価値に割り戻して二十億の貨幣価値に換算できる効果が出るというふうに計算は可能なわけでございますけれども、実は政策評価で一番難しくされておる問題は、例えば公共事業以外のソフトな事業でありますような社会福祉でありますとか、あるいは特に教育でございますとかそういった問題についての評価をどうするかというのが非常に問題になってまいります。
特に、こういった国会の立法府の行政に対するコントロールということにかんがみますと、ある意味におきましては公共事業と社会福祉についてどれぐらいの予算を配分するかという、そういったまさしく集合的な意思決定をこの議会の場でなさなければいけない。そのための一つの大きな判断資料というのはまさしく評価報告なり評価結果であるというふうに思われます。そうしますと、ある意味におきまして公共事業も社会福祉も何らかの格好で効果なり成果を比較できるような評価方法でないと最終的な目的を達成できないということになります。
そこで、最近、私が研究なりあるいは諸外国で少し取り入れておりますのが、先ほど金本先生からも少し御紹介ありました、顧客ということに対して着目して評価するということでございます。これは一部には誤解もかなりあるようでございますが、顧客満足度を調査するということは確かに正しいんですが、その顧客満足度という場合の調査方法にかなり問題があるということでございます。これは最近私がいろいろ調査してわかったのでございますが、特に重要な場合におきましては、税金等でなされている事業につきましては、どれくらいのコストがかかっているかということをほとんどの国民は存じ上げていないものでございますから、単純に例えば社会福祉について満足していますかというような尋ね方をしても、とてもこれは成果の評価にはならないということでございます。したがって、正しいコスト情報でありますとかサービスの質に関する情報をきちんと提供して顧客満足度調査をやりますと、かなり客観的なデータと一致する。
例えば、こういうことでございます。上水道等の顧客満足度調査をやって水質の現実的な、物理化学的な水質の基準と比較しますと、きちんとデータを提供すると、ある水源を水源地とするような流域の上水道の住民の満足度というのは、悪い場合にはかなり満足度も低くなるということで、きちんとデータを与えますとかなりソフトな顧客満足度調査も客観的なデータとほとんど同じような整合性を持った結果を得られるということが最近わかってまいりましたものですから、その場合に特に国民の負担でありますコスト情報を同時に提供して、満足度調査をかなりうまくやれば、いわゆる貨幣で換算できないような分野についても評価ができるのではないかというようなことを最近考えて、試行的にやって、そういったことで諸外国でやっている例もございます。