リチャード・クーの発言 (財政・金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(リチャード・クー君) 今、国際社会という御指摘があったんですが、私も海外から来ている者としましては日本の交際費の使い方は随分すごいなと思わせられることは随分あります。料亭に行くくらいなら現金で欲しいなと思ったこともあるくらいで、あの金額を見ると大変なものなんです。
ただ、一律に交際費は悪いからこれを削るという議論に今なっているのは、例えば日本の場合、限界税率が非常に高いということで、結局交際費が使えるということが多くの会社員の最終的な目標みたいになっているところがあるわけです。海外ですと、特にアメリカは限界税率はそれほど高くない。つまり、全部上げるからあとの問題は自分の所得の中から出してくださいと言っても、日本の場合は限界税率が非常に高いわけですから、結局そういう変な方向へ行ってしまっているのではないかと。そうすると、これは日本の税制の問題でもあるわけですね。もう少し日本の税制が個人にお金が行くような形になっていればこんなに銀行、銀行に限らず、企業が交際費をつけなくてもよかったんじゃないのかなというふうに思います。
もう一つ、国際社会という点でお話しさせていただきますと、今回いろんなスキャンダルが言われているわけですが、日本の企業の議論になっているわけですけれども、海外でも交際費というのはかなりあります。例えば、ウィンブルドンのテニスを見に行くとき、一番いい席はほとんどロンドンの金融・証券会社が持っております。海外に行きますと、外資系になりますとヨットを持っていてヨットでお客さんを接待するとか、大変な迎賓館みたいなクラブを持っていてそこで接待するとか、そういうことも行われているわけです。そうすると、じゃ日本企業だけが縛られて動けなくなるのか、それとも国際的にどういう状況になっているのか全体を見て対応しなくちゃいけないのか、一律にこれはけしからぬじゃないかということでやってしまっていいのかどうか、もしも例えばこのスキャンダルの中で幾つか外資系が同じようなことをやっていたときにこれを日本の法律でどうするのか、例えばそれがロンドンで行われたときにどうするのか、こういう問題もあるんじゃないかなという気がします。
我々の業界ですと、証券会社というのは一応セルサイドと言われるわけですけれども、バイサイド、いわゆる我々の反対側、または発行体、こういうところは結局物すごい競争になるわけで、そうするとどのくらいいい情報を出せるか、そういう情報はそういう場で出すというようなところも今まであったわけですから海外でもこれはかなりすさまじいと言っているぐらいの競争になります。
したがって、国際社会ということを言うと、じゃ本当に日本だけでこれ議論できるのかどうか、海外の慣習みたいなものも当然あるわけですからそういうものも含めて、もちろん今の日本の状況がいいとはとても思えませんし、紺谷さんが指摘されたとおりひどいところがたくさんあるわけですはれども、一律にもう交際費は全部やめましょうというのも、今度はそうすると日本の金融機関や日本の企業が海外で仕事をする上で問題が出てくる可能性もあるんじゃないかという気がします。