谷垣禎一の発言 (文教・科学委員会)
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○国務大臣(谷垣禎一君) 今、北岡委員から、私がお答えしようと思っていた認識とぴたりと符節を合わせるような観点から御質問いただきまして、大変うれしく思っております。
世紀末という言葉がございますけれども、バブルがはじけてから何か元気が出ない、世紀末的な現象もいろいろ起こってくる。何とかこの壁をぶち破るといいますか、突き破っていかなきゃいかぬというのが今の日本の課題だろうと私は思っております。橋本内閣で六つの課題を掲げて六つの改革ということを言っておりますのも、橋本内閣としてのその壁を突き破る処方せんであり試みであるというふうに思っているわけでありますが、長期的に考えますと、今、北岡委員が御指摘のとおり、科学技術というものをこつこつと、こつこつというだけじゃいかぬのかもしれません、ブルドーザーのごとく推し進めていってこの壁を破っていくということは今共通の認識になっているんじゃないかなと思っております、科学技術基本法をつくっていただき、そしてそのもとで科学技術基本計画を策定し、そして科学技術創造立国という目標を立てた、まさにそういうことであるというふうに私は思っているわけであります。
では具体的にどう取り組んでいくかということになりますと、私どもは科学技術基本計画を推し進めるということでありますが、やっぱり社会的経済的なニーズに即した研究開発を進めていかなきゃならない。それを三つぐらい申しますと、一つはゲノム関連研究とかいうライフサイエンス。あるいはそういうものがいろんな新産業の創出につながっていくような面を持っております。それから情報通信の飛躍的進歩、こういったようなところがやはり一つの重点かと思います。それからもう一つの重点は、地球変動予測といった大きな地球規模の研究といいますか、取り組みを進めていかなきゃならない、こういうことがあろうかと思います。それから三番目には、健康の増進とか災害の対策、災害の防止といった生活のいろいろなニーズに対応した諸問題に取り組んでいく必要がある。そういうこととあわせて、そういうものを下支えする基礎研究というものを興こしていかなきゃならない、こういうようなことを柱にして今施策を進めているわけであります。
それと同時に、何に向かっていくかということと同時にもう一つ大切なことは、研究開発環境ですね、余り硬直したものであってはいけない。柔軟で、そして開かれて、先ほどから競争が必要かどうかという御議論がございましたけれども、やはりこういう研究開発の分野にも、競争的であるということも私は必要な要素だろうというふうに思うわけであります。そういう新たな研究開発システムというものをもう一回つくっていかなきゃならないというのがもう一つの重点事項ではないかと思っております。
それで、具体的にはやはり何をやるにも金の裏づけが要るということで、今委員御指摘のように、平成八年度から十二年度、五カ年かけて十七兆円の投資をしていこうということで進んでいるわけであります。
しかし、今財政の厳しい中で十七兆日本当にとれるのかと、どう取り組むのかという御下問でございますが、率直に申しますと、財政構造改革の推進に関する特別措置法、この間つくっていただいたわけでありますが、柔軟な取り組みというとよく聞こえますけれども、なかなかこの十七兆の達成は正直言って容易でないなと、苦しくなってきたなと思っているのが率直なところであります。ただ、これはもちろんあきらめたわけではありません。いろんな機会をつかまえて、チャンスにアタックして何とか十七兆に向かって進んでいこうと、こういう気持ちでございます。
ただ、先ほど困難があるとおっしゃいましたが、平成十年度の予算案におきましても、一般歳出が対前年度減というような財政環境でございますけれども、科学技術関係経費としては対前年度比で一・〇%増、三兆三百十九億円ふやしているということでありますし、一般会計中の科学技術振興費につきましても対前年度化四・九%増の八千九百七億円が計上されておりまして、この分野にはいろいろと配慮をしていただいておるということではないかと思います。
いずれにせよ、こういう財政の厳しいときでありますから、いろんな研究開発の評価をきちっとして、必要なところにつけていくというような重点的な配分を考えていかなければならないんだろうと、こんなふうに考えております。