谷垣禎一の発言 (文教・科学委員会)

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○国務大臣(谷垣禎一君) 今、特殊法人というものが存在するから国の研究費が必ずしも国と民間研究との連携、あるいは国の資金が民間に流れて活発な研究を促していくという側面が弱くなるのではないかという御指摘だったと思うんですが、私はちょっと委員の御指摘とは違った考えを率直に申しますと持っております。
 確かに国の研究機関と民間の研究機関というのはそれぞれやはり得意なところ、それから得意ならざるところというのがあるんだと思います。ところが、どうしても民間の研究機関であればやはり営利ということがございますから、なかなか民間の研究機関ではできない研究開発というものがございます。じゃ、それは全部国立の試験研究機関でやるかということになりますと、国の試験研究機関ということになりますと、どうしてもそれは公務員でございますし、やはり国の予算制度の厳格な縛りがあるということになりまして、なかなか柔軟性がとれないという場合が私はあるような気がいたします。したがいまして、特殊法人というのは、人材を弾力的に使っていく、あるいは運営を弾力的にやっていく、それから資金の投入も、国の試験研究機関に予算を使うより、より柔軟にできるという意味で私はメリットがあるのではないかというふうに実は思っております。
 ただ、この特殊法人もいろんな特殊法人がございまして、先生がお挙げになりましたようなビッグプロジェクトということになりますと、なかなかまだこれは、大分宇宙開発等につきましても実用的な面といいますかビジネス的な面がかなり進んできているとはいいましても、じゃ今の日本の宇宙開発の技術が衛星やあるいはロケットにおいて全部民間でやれるかというと、まだそこまで来ているわけではないだろうと思います。それから原子力についても同じところがあると思いますので、国のビッグプロジェクトはそういうところでやるという必然性があるのじゃないかと思います。
 それからもう一つ、若干違いますのは、例えば理化学研究所というのが、これもやはり特殊法人でございますけれども、実は私もこの連休中に、ボストンやシリコンバレーでいろいろなベンチャーがどうやって起こってくるのか、あるいは日本の研究環境とアメリカの研究環境はどう違うかというようなことをいろいろ見聞きしてまいったわけでございますけれども、理化学研究所の評価は、やはり自由な研究ができる、国立大学等はとかく公務員制度で縛られて窮屈であるけれども、理化学研究所はそういう意味で自由なところができるという御評価もございました。
 現に、流動的な研究体制のもとに、産学官だけではなく海外の人材も結集して先端的基礎研究を行っているとか、それから、理研で行われた研究成果をもとにその周辺に民間企業と一緒になってベンチャーを起こしていくというような工夫が起きております。これは多分、国立大学はもちろん基礎的な研究やなんかいろいろな特徴があるわけでありますけれども、国立大学、国の試験研究機関等ではなかなかできない面があるのではないかな、私はこんなふうに思っておりまして、特殊法人はやはり国の機関よりも柔軟である、しかし民間よりも営利ということを考えずにできるという特色をむしろこれから生かしていくべきじゃないかなというふうに私は思っております。
 ただ、先生がお触れになりましたように、じゃそれの評価をどうしていくかという問題がやっぱりきちっとやられなければいけないということじゃないかと思います。
 それで、「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」というのがございますけれども、これに沿って、研究開発を行う特殊法人についても機関評価をきちっとしていくということが必要でございましょうし、こういう評価結果を活用して研究開発活動を効率化していくとか活性化していくとか、そういうことを考えていかなければならないんじゃないかというように考えているところでございます。

発言情報

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発言者: 谷垣禎一

speaker_id: 1444

日付: 1998-05-21

院: 参議院

会議名: 文教・科学委員会