橋本龍太郎の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私が申し上げることが適切かどうかわかりませんけれども、議員が今触れられました中にパール判事のお話がございました。そして、パール判事は、御承知のように極東国際軍事裁判の判事としてこの裁判において被告全員の無罪を勧告された方であります。ただ、それは戦争中の日本の行為を免罪としたものではございませんでした。そしてその上で、戦勝国が敗戦国を一方的に裁くこと及び事後法によって被告を裁くことの不条理さ、これを厳密な法理論のもとにその観点から指摘をされた、そう私たちは後に学びました。
 そして、東京裁判につきましては、パール博士の議論も含めまして法的にさまざまな問題について議論があることも事実です。同時に、私は、当時の日本人、我々の先輩世代の方々が、このパール判事のこうした姿勢によって、敗戦に打ちひしがれたその中で日本人が勇気づけられたことも事実であったと思います。そして、議員が今紹介をされましたような先輩議員の党派を超えたその声というものは、そうした当時の我々の先輩たちの胸の中に党派を超えて存在した思いを表現されたものだと思います。
 そして、みずからの責務に取り組まれたこの献身的な姿勢に対し、その真摯な姿勢というものが日本人の心に深く刻まれておりますし、日印両国国民の精神的紐帯のきずなとなっているということも御承知のとおりであります。政府はこうした博士の功績をたたえて勲一等瑞宝章を授与いたしてまいりました。
 今、サンフランシスコ講和条約から、あるいはこの条約によってその裁判を受諾したこと、それについてのコメントは政府として申し上げることは適当ではないと思いますけれども、このパール判事の行動に対する今も伝わっております日本人の中に残る思い、それがインドとの紐帯を築いているきずなとなっていること、そうしたものから国民の思いというものは御理解がいただけることであろう、私はそう思います。

発言情報

speech_id: 114215261X01019980325_015

発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1998-03-25

院: 参議院

会議名: 予算委員会