山口泰の発言 (予算委員会)
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○参考人(山口泰君) お答え申し上げます。
金融政策につきまして、金利を上げる場合でも下げる場合でもメリットとそれからデメリットと両方の効果というのが常にあり得るというふうに私ども考えております。
仮に金利を上げるというようなことを行いますと、ただいま先生から御指摘をいただきましたように、差し当たり家計部門の利子所得がふえるとか、あるいは世上よく言われております財団等の資金の運用についてある種のプラスの効果が生ずるとかいうようなことが考えられるというふうに思います。
ただ、もう一方でデメリットということを考えてみますと、当然経済の中の債務を、借金を負っている企業なり個人の方々にとりましてはそれだけ負担が多くなるということにならざるを得ないかと存じます。
結論的に申しますと、私どもは現下の経済情勢のもとではマイナスの効果の方が恐らくまさって出てくるのではないかというふうに判断しているところでございます。
企業の設備投資は御案内のとおり現在頭を打ちつつありまして、今年度の設備投資計画なども昨年度までに比べますと多少とも弱くなっておりますが、この状態で金利負担がふえるということになりますと、恐らく投資にとってはもう少し厳しい状態になるのではないかと考えられます。また、近年住宅投資が大変活発に行われましたので、住宅ローンの残高もかなりふえておりますけれども、そういう方々にとりましては金利負担もふえるということになってくるわけでございます。
さらに一つだけつけ加えさせていただきますと、現在のように景気の見通しが非常に厳しいという状況のもとで金利をあえて引き上げますと、恐らく株価でありますとか地価でありますとか、こういう資産価額にとりましては大変大きな下落の圧力がかかってくる可能性があろうかというふうに考えております。
以上、プラス面、マイナス面両様申し上げましたけれども、両方差し引きいたしますと、私どもは経済全体として金利の引き上げは景気に対してマイナスの影響の方が大きく出てくるのではないかなというふうに考えておりまして、現在の景気停滞の状況のもとでは、やはり金融面から、金利の面から経済活動をしっかりと下支えしてまいりたい、このように考えておるところでございます。