保岡興治の発言 (金融安定化に関する特別委員会)
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○保岡委員 古川議員が言われますとおり、金融再生法と今度我々で提案いたしました金融健全化法というのはまさに車の両輪で、前者が破綻処理に関する対応、そして今度は存続可能な銀行に対して、今の金融危機に対応し、そうしてまた金融再編という積極的な二十一世紀の我が国の金融を構築する、そういった大きな目的のためにも、今度の施策というもの、制度というものは非常に重要だという点は、お互い認識は変わりないと思います。
しかしながら、まず資本増強の対象となります金融機関に、民主党案でいきますと、自己資本比率八%以上の銀行は株式等の引き受けの対象にしないことになっておりますが、これはやはり八%以上の金融機関とはいえ、システミックリスクというものを考えた場合には、健全な銀行といえどもなぎ倒されるという事態もないわけではない。金融安定化スキームというのは、あらゆる事態に対応する万全なものでなければならないという意味で、私は、その点がない民主党案については一つの問題がある、こういうふうに思います。
それからまた、経営健全化計画というものが今度のスキームの中心的な命題になって、資本増強を行う際にはそれを提出していただいて承認するということになっているわけでございますが、これが申請後五年間という長期のものになっております。もちろん、ある程度長期のものも必要でありましょうけれども、問題は当面の危機回避であり、再編を急がれる状況の中での健全化計画でありますから、こういう点はもう少し短期間を想定する必要があるのではないかということ。
それから、健全化計画及び履行状況の公表除外理由が、預金者等その他健全な取引者の秘密を害するおそれのある事項に限定されております。しかしながら、健全化計画というものをしっかりした内容のものとして、これを適切に判断していくためには、申請行のいろいろな情報というものを附属書類その他で出していただいて、それをよく検討して審査する、承認するということが必要でございます。
そういった意味で、健全化計画の中には、それをしっかりした内容にすればするほど、場合によっては、申請金融機関の業務の遂行上、不当な利益を与えるような情報も中にはないわけではないと思います。そういったものの除外が必要であるほか、例えば合併等のことが触れられた場合、それが事前に漏えいするということが、当該行の業務にも非常に重大な問題を起こすということもありましょうし、またシステミックリスクが発生するような大きな広がりをつくってしまうというようなケースもないわけではない。そういうことに対する情報開示についての除外事由というものは、やはり私は必要なことだと思います。
それから、役員の解任命令というものが決められておりまして、健全化計画の履行がされていないと認めるとき、あるいは優先株式等に対する利益の配当を確保することが困難であると認められる場合、取締役等役員の解任を命ずるという措置が民主党案にありますが、これは株主権との関係で、もう少し慎重に考えた方がいいのじゃないかと我々は考えました。
資産の売却命令等については、場合によってはそういうことも、業務改善命令などの一環としてないわけではないとは思いますが、特に一番問題な点は、先ほど坂口提案者からも説明がありました不良資産に対する引き当て率の強制でございます。
これは、御案内のとおり、時価を反映したり、あるいは十分な備えをするために低価法を採用することは、一つの理想的な考え方ではあると思うし、いずれそういうものにできるだけ早い機会に我が国も対応できるものでなければならないとは思いますが、現下の本当に危機的な状況、国民は経済の危機、金融の危機にあえいでいる、こういう状況において、さらに、高い、実態を正確に反映しない引き当て率を強制するということは、無用な資金を金融機関にとどめることにさせると同時に、そのために貸し渋りがさらに広がるという危険性があることを考えると、今は何をおいてもこの経済危機を乗り越えるということを前提にすれば、この強制引き当てというものは今時点においては非常に危険な対応で、そういうリスクを我々は冒すべきではない、そういうふうに考えているところでございます。