疋田周朗の発言 (決算行政監視委員会)
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○疋田会計検査院長 今般の防衛庁装備品の過大請求事案に対する会計検査の実施状況、及びその後東洋通信機ほか一社の事案が司法当局の捜査対象となりましたことを受けての本院としての今後の対応について御説明をさせていただきます。
まず、今回の事態の概要とそれに対する検査の実施状況でございます。
今回問題となりました日本工機株式会社、東洋通信機株式会社、藤倉航装株式会社及びニコー電子株式会社の四社の会社の概要につきましては、一ページの表一のとおりであります。
そして、四社に係る過大請求の事態及び調本のとった処理は、二ページの表二にございますが、日本工機以下四社の昭和六十三年度から平成六年度の間の契約におきまして、総額約二十一億一千百万円の過大請求が生じたとして、これを歳入に返納させる、また、履行中の契約から減額する処理がなされております。
四社に対する検査の実施状況につきましては、二ページから四ページにかけまして会社ごとに記述してございますが、これを総括して御説明いたしますと、調本では、本件各事案の契約時の予定価格の算定に当たりましては、個別に価格の構成要素を積み上げて算定する方法を採用しております。
しかし、今回の四社の返還金額の算定に当たりましては、三ページ四行目以降に記述しましたとおり、原価計算のもととなる作業工数等に係る基礎的資料が会社に保存されていないなどのため、個別契約ごとに開差額を算定することは困難であるとして、いわば例外的に、各会社の決算書をもととして過大額を算定していたものであります。
これに対し、本院では、過大積算額を算定する場合は、調本が予定価格を算定するときのように、個別の一契約ごとに基礎的資料によって工数やその他の実績数値を確認するなどして過大支払い額を算定する方法によることとし、本件事案についても、これらの基礎的資料を入手し差額を算定できないかどうか検討したところであります。
しかし、各社ごとにそれぞれ記述しましたような経過により対応したところでありますが、結局、四社いずれにつきましても、個別契約ごとに差額を算定するのに必要となる基礎的資料が作成されていなかったり、あるいは保存されていないとのことで、具体的な説明は得られず、結果として適正な返還金額の検証ができなかったものであります。
次に、七ページをごらんいただきたいと思います。
本院は、本件各事案につきまして、ただいま御説明いたしましたように、過大請求金額の検証ができなかったことなどから、当時は、本院としてこれ以上の調査を継続しても新たな進展が望めないものと判断せざるを得なかったものであります。
しかしながら、今般、東洋通信機ほか一社の事案が司法当局の強制捜査の対象となったことはまことに遺憾であり、本院としても大きな衝撃を受けているところであります。
本件事案につきましては、司法当局の事態の解明の進展を見守りつつ、必要な資料の入手が可能となった時点においてこれまでの検査結果を再検討する必要があると考えております。
また、防衛装備品全般の検査に当たって、その検査の方法の改善は緊急の課題と認識しております。このため、早急に次に申し上げるような対応策を講じることとしております。
その一といたしまして、去る十月一日、事務総局に防衛装備品の調達契約の検査に関する検討委員会を設置し、検査方法等の検討に着手したところであります。
この検討委員会においては、防衛検査の実施体制の強化に関する方策や、従来、会社の協力のもとに肩越し検査で対応していた会社検査について、会計検査院法第二十三条の規定を積極的に適用し、直接に会社を検査するなど、検査の方法及び内容について検討することとしております。
対応策のその二は、本院職員の再就職のあり方に関する検討であります。
今般の事案に関して寄せられました国民の批判は、本院としてこれを真摯に受けとめているところでありまして、政府全体で行われております公務員制度調査会の検討の状況を見ながら、本院としても、例えば昨年の地方自治法の改正により導入された外部監査人の制度や、公的機関の内部監査の充実と本院とのかかわり方など、再就職のあり方について幅広く検討するなどして、今後、国民から本院の検査の公正性に疑念を持たれないように努めてまいりたいと考えております。
このため、去る十月五日、事務総局に職員の再就職に関する検討委員会を設置し、検討に着手したところでございます。
会計検査院といたしましては、本件事案に対する反省のもとに、ただいま申し上げましたような対応策を早急に実施し、今後、装備品の検査を含め、国民の期待にこたえる会計検査の実施に万全を期してまいる所存でございます。
以上をもちまして、御説明を終わらせていただきます。