小林守の発言 (行政改革に関する特別委員会)
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○小林(守)議員 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました内閣法の一部を改正する法律案、首相府設置法案並びに内閣府設置法案について、その提案理由及び内容の概要を申し上げます。
日本の内閣制度の機構と運営の実態は、同じように議院内閣制度を採用しているイギリスやドイツとは似て非なるものとなっております。官僚組織をリードする内閣総理大臣及び内閣を支える補佐機構の大きさや運用などの実態面もさることながら、政治と行政のあり方という根本的な思想に決定的な差があると言わざるを得ません。
そもそも、議院内閣制度は、内閣を通じて政治がリーダーシップを発揮するための装置であるという認識が基盤にあって成り立つ制度であって、初めに行政ありきという明治憲法下の変則的な内閣制度の残滓をそのまま引きずっている我が国現行内閣制度は、世界的に見ても極めて異質な存在となっております。これは、官僚機構が政治からコントロールされずに強力な権限を行使できることから官僚の手によって守られ続け、事務次官会議の制度や、閣議は全会一致、閣議中心主義といった明治憲法下の原則を憲法が改正された際にもそのまま官僚により持ち込まれ、さも当たり前の原則のように言われて現在に至っております。このような、憲法には明記されていない、官僚がつくり上げた原理や原則により、内閣機能は形骸化し、官僚支配のシステムが強固に築かれているのであります。
したがって、行政システムが硬直化している現在の状況では、政権交代しても事実上の官僚支配により何も変わることはなく、このような時代的な課題に対して大胆な解決方法を提示し、実現することはできません。さらに、政治のシステムにおいても、官僚依存体質の自民党政権が長期にわたり続いたため、時代の要請となっている個別の政策課題について、大胆な政治的リーダーシップを行使したり、国民に対し明確な責任を負うことができない状態になっております。
景気低迷、少子高齢化、環境問題など、政治がリーダーシップを発揮して政府を通じて解決しなければならない問題が山積みしている今日では、政府の機能不全に対して国民から非常に厳しい目が向けられており、責任を持って課題を解決できない政治に対する不信がますます強くなるという悪循環が生じております。
今求められていることは、政治のリーダーシップと責任によって国のあり方を決め、実行するシステムなのであります。このシステムによって、初めて国民は政治が責任を負うことの大切さを認識することができ、二十一世紀に向けた構造改革を大胆に推し進めることが可能となるのであります。
ところで、政府の中央省庁等関連法においても内閣機能の強化がうたわれております。しかし、内閣総理大臣の指導性の明確化は、従来から当然の権利とされている閣議における内閣総理大臣の発議権を明記したにすぎず、事務次官会議、閣議の全会一致制、分担管理の原則など、官僚支配を裏づける旧態依然の制度はそのまま温存されております。これでは、内閣総理大臣が行政各部を直接指揮監督できず、官僚依存の縦割り行政は維持され続けることになってしまいます。
そして、内閣、内閣総理大臣の補佐・支援体制についても、時の内閣総理大臣が重要と考える施策を遂行するために柔軟に組織を編成できない、基本方針を決定する審議会が法定事項となっているなど硬直的な組織体制となっており、スタッフも官僚中心のままとなっております。
さらに、内閣府についても、予算、人事や組織体制を統括していないなど、政治的リーダーシップにより各省庁をコントロールする仕組みとしては極めて不十分と言わざるを得ません。
私たち民主党は、内閣総理大臣がすぐれた政治的リーダーシップを発揮し、あわせて政治主導の予算編成と行政改革を実行するため、内閣法を改正し、首相府、内閣府を設置する法案を提案させていただきました。
以下、法律案の要旨を申し述べます。
第一に、内閣法改正案では、内閣総理大臣の権限を大幅に強化しております。まず、内閣は、首長たる内閣総理大臣の統括のもとにその職権を行使することとしております。そして、内閣総理大臣は、閣議の運営に関する基本的な方針を決定し、それに基づき閣議を主宰し、閣議における案件の発議は内閣総理大臣のみが行うことができることとする等の改正を行っております。
第二に、首相府設置法案では、内閣総理大臣を強力にサポートするための機構の整備を行っております。国政についての重要事項の決定、内閣総理大臣の提案する基本方針の補佐、報道対応及び情報収集等を行うために、百名から二百名程度のスタッフを有する首相府を設置して、政治主導による行政のコントロールを行うこととしております。また、重要政策に関する基本方針を企画立案する合議機関を内閣総理大臣が柔軟に設置できるようにするなど、時の政治課題に柔軟に対応できる組織体制としております。
第三に、内閣府設置法案では、行政全体の総合調整を行うための機構の整備を行っております。内閣総理大臣と首相府を強力に補佐し、政治主導の予算編成と行政改革等を実行するための組織としております。
以上が、本法律案の趣旨であります。
今こそ政治がみずからの責任によって行政のコントロール権を回復し、政治主導によって国内外の困難な諸課題に対応していかなければなりません。既存の考え方にとらわれることなく、議論を尽くして国民が納得する制度を構築したいと考えております。十分に議論を尽くしていただきますよう、よろしくお願いいたします。