岩國哲人の発言 (行政改革に関する特別委員会)

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○岩國委員 確かに、選挙制度というのはいろいろな議論があって大変難しい問題でありますけれども、ただいまの総理の答弁、大変難しくて、非常に理解しにくい点が多々ございました。
 ただ、私は、素朴な一般有権者の目から見て、小さな選挙区で、自分たちの市の市会議員や区会議員よりも小さな選挙区で国政を論ずる国会議員が選ばれるということについて何かおかしいと思っている素朴な有権者の常識というものを尊重しなければならないのではないかと思います。
 そういうおかしさがどんどんこれからまたさらに広がっていくわけですから、市会議員選挙、区会議員選挙よりも小さな選挙区で選ばれた人が日本の将来を論じ、あるいは外交問題を議論し、それでいいだろうかという素朴な一般有権者の見方というものを私たちはどうとらえていくのか。
 そういった点からも、今の選挙制度の小選挙区をもっと大きな選挙区にするのか、あるいは、市町村合併をストップして、これ以上市町村の規模が大きくならないようにするのか、あるいは第三の道があるのか、そういったことを真剣に、この地方分権に絡んでもこの小選挙区制度のあり方というものが問われてくる、私はそのように認識しております。
 次の質問に移らせていただきます。
 今、選挙制度についてお伺いしましたけれども、こうした地方の民主化、行政の改革あるいは住民本位の政治、すべてこれは選挙のあり方について絡んでくるわけでありますから、地方分権も行政改革も選挙のあり方とは無関係で議論が進むとは思いません。
 そこで、今の選挙の中の定数格差の問題について、私は再三取り上げさせていただきました。私もかつてニューヨークから、日本を、ふるさとの島根県を見ながら、東京と地方の格差の激しさというものを見たときに、その格差を埋めるためには、単純な人口比例だけではなくて、ある程度面積比例も必要ではないか。例えば、島根県は七十五万人で東京の三倍の広さ。これは、三倍の広さを持っているから豊かじゃないかという見方も一つあるかもしれませんけれども、逆に言えば、三倍の大きさの国土を七十何万人の人間がお世話するというこの負担の大きさということを考えた場合に、しかも、同じような所得水準の人が七十五万ではなく、七掛けの所得しか持っていない人が三倍の大きさの面積の国土をお世話する。もちろん、自分たちのお金だけでお世話しておるわけではありませんけれども、そうした格差を埋めるためには、面積を五割、人口を五割、極端な話ですけれども、人口と面積をそれぞれに勘案した定数というものが一つのやり方ではないかという意見を私は二十年前には持っておりました。
 しかし、時代は変わりました。この地方分権を本当にこれから進めていこうということになれば、これは県が大きかろうと小さかろうと、そうした県のインフラ整備をするという仕事は限りなく知事や市町村長や地方議会の議員の手にゆだねなければならない、それが我々がここで議論していることであります。ということは、国会議員は要らないとまでは言いません、しかし、そういう国会議員の数でもって東京と島根県の格差を埋めようという時代は終わりつつあるし、また終わらせなければならないというのがこの地方分権ではないかと私は思うわけです。
 そこで、お伺いいたしますけれども、天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず、政治の根底というのは、民主主義、人間平等主義、人権差別のない国を目指すことだと私は思います。そうした大胆な一歩を今こそ我々の手で実現する、第三の改革を唱えている今こそその大胆な一歩を踏み出すべきではないかと思います。
 この地方分権法案の中を見ますと、残念ながら、財源を渡すという項目はほとんど影を見せておらないわけです。これはそれぞれの各委員が指摘されたとおりであります。財源を渡さない、しかし地方には票だけを渡す。金が欲しければ票を出せと皆さんがおっしゃっているわけではありませんけれども、先ほど山口委員の御発言の中にもありました、地方の議員やあるいは知事、市長の役割というのは、どれだけたくさん補助金を国からいただいてくるか。私もその中の一人でありました。
 そのような政治のゆがみの構図というものを改革することなく、それがそっくり温存されて二十一世紀へ引き継がれていく。私は、今のこの地方分権の本当のあり方というのは、私も賛成してまいりましたし、何とか前進してもらいたいと思いますけれども、これは中身のない、二十一世紀を目指す地方分権ではなくて、十七世紀を目指しておるんではないかと思うわけです。
 仕事だけをさせて金を渡さない、依然として中央が金で地方をコントロールしていく、こういう構図がそのまま残されている。それを断ち切るためにも、私は、国会議員の定数のあり方、これも並行して進めていかなければならないと思います。
 地方には金がない、金のかわりに地方には票がある、金が欲しければ票を持ってこい、これは皆さんがおっしゃったわけではありませんけれども、一部の政治家はそれをはっきりと口に出しておっしゃいました。これはまさに地方分権の精神と逆行するものであります。こうした点について総理の御所感をお願いいたします。

発言情報

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発言者: 岩國哲人

speaker_id: 12438

日付: 1999-06-10

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会