西尾勝の発言 (行政改革に関する特別委員会公聴会)

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○西尾公述人 まず第一点でございますが、法定受託事務が見込み以上にふえたのではないかと言われますのは、第一次勧告を提出しました後の記者レクなどで問われました委員会側が、最終的には自治事務が八割、法定受託事務が二割ぐらいにおさまるのではないだろうか、私を初めそう申し上げたことが、その後ずっと伝わって、こういうことになっているわけであります。
 端的に申し上げますと、我が委員会の見込み違いということに尽きます。もっと正直に言えば、当時、機関委任事務制度の全貌について、私どもが正確な把握をしていなかったということでございます。
 御承知のように、地方自治法の別表には一覧表が出ていることになっておりますけれども、あそこの書き方はかなり概括的でありまして、細かく全部列挙されているわけではありませんし、あの別表に載っていない機関委任事務というのが多数続々と出てまいりまして、それがどんどん最終的に整理されていったということになるわけでありますが、正直に申し上げますと、私どもが全体像を正確に把握していなくて、あの時点で、その辺でおさまるのではないかと見込みを述べたことが、大変軽率であったというふうに思います。
 しかし、もう一つ、それだけふえた大きな要因になっておりますのは、先ほども冒頭陳述の中で申し上げましたように、メルクマールの七に当たっているというような、経由事務的な実に細々としたものが、件数としては非常に膨大にあるということでございます。これがなかなか、一つ一つ、どれだけ数があるかということを私どもが確認できていなかった、把握していなかったというところに最大原因があるかと思っております。
 結論として、でき上がってきたものについて、法定受託事務が多過ぎるというふうに私は思っておりません。事務の性質に従った分類があれできちんとなされている、理屈は立っているというふうに考えております。
 第二点目でございますが、ここは先ほど来公述人からもいろいろ御意見がございましたけれども、現行の地方自治法における内閣総理大臣による是正措置要求というものの法的効果について、私とは解釈が違います。
 私は、現行の地方自治法の内閣総理大臣による是正措置要求がなされたならば、地方公共団体はこれに従う義務があるというふうに解釈されてきたと考えております。その意味では、その点は変わるわけではありません。
 ただ、私どもが考えましたときに、第一次勧告の時点ではそのことをはっきりと書いておりませんけれども、第二次勧告になりましたときに、国が市町村に対して行う、あるいは都道府県が国からの法定受託事務として市町村に対して是正改善を求めるというときの是正の要求、当時は私どもは是正措置要求と言っておりましたが、今度の法案では是正の要求という言葉に変わっておりますが、この是正の要求とは区別いたしまして、都道府県が自治事務として市町村に対して改善を求める場合には、これは是正の勧告という言葉を使っているわけであります。あえて是正の要求と是正の勧告を分けているわけであります。ということは、勧告には尊重義務が生じるのみでありますけれども、是正の要求の方については、一段と尊重義務以上に強い義務が生じるということを当然の前提に考えておりました。
 さらに戻って申しますと、関与の基本類型の中に、技術的助言、次に勧告とありまして、それから特定の場合の指示があって、是正の要求というような話になるわけですけれども、一般的な勧告と是正の要求とどこが違うのかという問題が起こります。これが単に尊重義務であれば、勧告と何ら違わないものということになるわけであります。
 したがって、是正の要求は、勧告よりは一段と強い求めである、それに従う一段と強い義務が地方公共団体に生ずるということを当然の前提として、私どもは設計しておりました。したがって、是正の要求については、国地方係争処理委員会の係争の対象になる、司法審査にまで行き得る話である、こういうふうに考えていたわけであります。
 ただ、現在の地方自治法も、あえて、是正または改善の措置を講ずる、必要な措置を講ずる、講じなければならないというような書きぶりにはしていないわけですね。したがって、そういう解釈だといたしましても、そこまではっきりと法文に書くか書かないかは一つの選択肢だと思っておりました。したがって、私どもはその点を勧告ではっきり書いておりませんでしたけれども、政府の方におかれましては、法制的な検討をした結果、最終的にああいう表現をとるという決断をなさったわけであります。
 それは、こういうことを明確にしておきませんと、今度は、訴訟に行くときには、その取り消しを求めるのだということに組み立てないとなかなか理屈が立たないので、そこを明確に書くことにしたんだ、こう理解しております。その趣旨は、私にはよく理解できると思います。
 以上です。

発言情報

speech_id: 114504279X00119990607_012

発言者: 西尾勝

speaker_id: 27858

日付: 1999-06-07

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会公聴会