野中広務の発言 (内閣委員会)
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○野中国務大臣 日の丸・君が代が長年の慣行によりまして、それぞれ国旗・国歌として国民の間に広く定着をしていることを踏まえまして、提案理由にも申し上げましたように、二十一世紀を迎えることを一つの契機といたしまして、成文法にその根拠を明確に規定することが必要であると認識をいたしまして、このたび法制化をお願いをすることとした次第であります。
ただいま佐々木委員から、みずからの少年期を語りながらお話がございました。佐々木委員と私とは九歳の違いがあります。けれども、その九歳の違いは、小学校五年生とそして兵役で終戦を迎えた、その違いがあるわけでありまして、その違いを思いますときに、あと一年足らずも戦争が続いておったら、私はこの席で佐々木委員に答弁することはなかったかと思うときに、おかげさまで命をいただいて、この五十年平和を享受することができて、生かさせていただいた幸せをかみしめておるわけであります。
けれども、新しい憲法のもとで我が国がスタートをいたしましたけれども、国家の骨幹となる国旗とかあるいは国歌というものについて成文化をせず、中途半端に私はその時代をずっと送ってきたような気がいたします。
今日我が国は国際化が進み、そしてそれぞれ多くの市町村に至るまで他の国々と友好、盟約の都市をつくり上げて、国際交流が進んでまいります。国際交流が進んでまいります中で、外国から人を受け入れ、また外国に若い人たちが行く、そういうときに、みずからの国の国旗・国歌、そして他国の国旗・国歌に敬意を表する手段を知らない日本の若い人を思うときに、教育のありように心を打たれるわけであります。
教育のありようを思いますときに、この教育の現場で国旗・国歌を掲揚し斉唱することが多くの問題を惹起いたしまして、先ほどお話がございましたように、広島県の世羅高校の石川校長も、これを斉唱しあるいは掲揚することを人権差別だと言われる教職員組合やあるいは運動団体の交渉の中に疲れ、そして大変なはざまに置かれて、とうとう命を絶たれたという話を聞きました。幾たびか私どもも、また地方の政治をやっておるときに、この問題をめぐる厳しい対立のあった現場を知ってまいりました。
二十一世紀をもうあと一年半で迎える今日、我々はこの半世紀を振り返りながら、積み残してきた問題をいかに解決していくかということの政治家としての責任を考えますときに、今申し上げましたように、二十一世紀に新たな問題を少しでも残していかない、そういうためにも、ここで成文化をしておくことが重要な問題であると認識をさせていただいた次第であります。
以上、法制化に至る経過を私なりに、佐々木委員がみずからの国民学校時代に触れられまして申されましたので、やや私も私なりの歩みを触れながら、感情的なものを入れて申し上げたかもわかりませんけれども、いずれにいたしましても、今日まで慣行とされてきた、そして国民の中に定着した問題でありますけれども、成文法の根拠を持って、これから教育の場はもちろんのこと、国民がそれを理解し、責任を持って国旗・国歌を誇りを持ってやっていける法文化を目指していきたいと考え、御審議をお願いしておるところでございます。