佐々木秀典の発言 (内閣委員会)
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○佐々木(秀)委員 今の御答弁を聞いて、はしなくも政府の本音が出てきたような感じが私はいたします。
きれいごととしては、二十一世紀、新世紀を迎えるに当たって、ここでいわば国のシンボルとしての国旗あるいは国歌というものを、国民の間に定着もしてきているんだから、お互いに確認をして大切なものとするためにというように言われてきたのじゃないかと私は思うのだけれども、今の官房長官のお話だと、実はこれが、教育現場でこれをめぐっていろいろな問題が起きている、これを法制化することによって、そういうことが法的な根拠を与えることによって解決できるのではないかというような御趣旨に私は今お聞きをいたしました。そこにやはり動機があるのかなと実は承っていたわけであります。
先ほど来申し上げておりますように、定着の問題だとか、果たしてこれが法制化されても、そういう教育現場でのいろいろな錯綜というものが解消されるのか、これについては私は非常に疑問を持っております。持っておりますけれども、これはちょっと後に置いておきます。
それで、今のお話でも、先ほど来の御答弁の中でも、国旗・国歌というものが、日の丸・君が代が国民の間に定着してきたというようなこと、あるいは、今まで法制化されたことがなかったのは、慣習としてあるいは慣習法としてこれが根づいてきたんだというお話がこれまたありました。
確かに、これは、諸外国の例を見ても、国旗や国歌の定め方というのはさまざまだと私は思うのです。例えば、フランスでは、国旗・国歌ともに憲法に規定が置かれている。ところが、イギリスでは、慣習として位置づけられて、国旗・国歌に係る法令はない。それからまた、イタリアでは、国旗は憲法、国歌は慣習として認められている、あるいは歌われている、演奏されている。こういうことになっているのですね。
このことは、実は、過日の本会議でも、私ども民主党の代表質問に立った伊藤英成さんがこのことを指摘しているわけです。それからまた、先ほどの御答弁の中でも、慣習あるいは慣習法の重みというようなものについてもお話がありました。私は、まさにそうだと思うのです。
そこで、実は、私どもの民主党の幹事長代理の鳩山由紀夫さんから、先日、ある示唆に富んだお話を承りましたので、先ほど、彼にそれを披瀝していいかと言ったら、いいというお許しを得ましたので、ここで御披瀝を申し上げて、皆さんにもお考えいただきたいと思うのです。
というのは、鳩山由紀夫代議士が、今から一月ぐらい前だそうですけれども、もう引退なすった松野頼三先生にお会いになったそうです。松野頼三先生とこの国旗・国歌の問題について話をする機会があったそうです。そうしたら、そのとき、はしなくも松野頼三先生が、戦後先生が国会に来られたとき、まだ保守合同の前だったそうですけれども、一年生か二年議員のときだったそうです。この松野頼三先生たちは、その当時の若手の議員たちが、国旗・国歌を法制化した方がいいのではないかという議論の上で、その法制化の準備をしたことがあったそうです。
そうしたら、そのときに、松野先生たちの先輩だった、もちろん私どもにとっても大先輩でありますけれども、後に衆議院の議長をお務めになった星島二郎先生が、その松野先生たちの法制化の動きについて、君たち、そういうことを、国旗・国歌などというものは軽々に法律をつくって定めるというべきものではない、イギリスの例にも見られるように、慣習としてあるいは慣習法の裏づけがあって国民の皆さんの中に認識をされ尊重をされる、そういうことが大切なことではないのか、つまり、法制化するということは法律によって定めるということなんだから、あるいは政権がかわったり、また政治状況が変わって、その法律を変えることによって別な歌を国歌とし、あるいは別な旗を国旗とするということだってできるんだよということを言われたそうです。
慣習法あるいは慣習によってということになると、そんなことにはならないんだ、だから、そういう法律によってでない方がもっと重みがあるんだ、国旗・国歌というものはそれによってむしろ大事にされるんだというお話があって、松野先生たちはその法制化をしようという活動をおやめになった、そういうエピソードを鳩山由紀夫さんにお話しになった、そのことを私は聞かされたわけです。
そのことを思うにつけても、私は、やはりここで法制化するということについては慎重に考えていくのがいいのではないか、それがあるべき姿ではないかと思っているわけであります。私は大変示唆に富んだ話と承っております。
このことについて、伝聞でありますから、直接のことではありませんから大変恐縮ですけれども、官房長官、御感想ありますか。