桑原豊の発言 (日米防衛協力のための指針に関する特別委員会)
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○桑原委員 いろいろな緊急の場合で、どうしようもないという事態もあり得るかもしれませんけれども、基本的には、やはり国民にちゃんと了解を得た行動なんだということがわかるようにきちっと知らせていくということは、私は、事前協議というものを本当の意味で実効あらしめるといいますか、国民にとっても、日本にいる米軍がちゃんと日本の政府の了解と納得の上で行動しているんだということがはっきり示されることが大変大事だというふうに思いますので、その点はそういうふうに求めておきたいと思います。
次に、ニカラグア事件というのが、一九八〇年代、アメリカがニカラグアの内紛に関与した、そういう事態としていろいろ取りざたをされて、国際司法裁判所の判決というものも下されたわけです。
私は、この間政府は、我々が、日本が協力をするアメリカの行動というものはすべて、国連憲章そして日米安保にのっとった全く正当な行動なんだ、こういうことを前提にしているんだと。これはまあ、我々が協力をする以上は、我々がかかわる以上は当然の話なんですけれども、そのことは理屈としてはそのとおりなんですけれども、私は、ニカラグアのこの問題を考えてみても、決して米軍がやることのすべてがそういうことではないんだ、いろいろ疑念のあることもあるということも一つの事実としてはあるんではないか。この点については、今までの審議の中でも一定そういったことが理解をされているのかなというふうに私は思うんです。
ここでちょっとお伺いをしたいんですけれども、政府は、武力紛争が発生したときの米軍の行動の性格、これは、考え方として、国連憲章、日米安保条約に従って正しい行動をとっている米軍というように政府としては考えているというふうに答弁をされていますし、また、周辺事態において我が国が行う後方地域支援は、違法な武力行使を行っている国に対して国連憲章及び日米安保条約に従って行動している米軍に対して行うものであって、国際法上は何ら問題はなく、こういうふうに答弁をされておるわけでございますけれども、一つは、ニカラグア事件というものを想起いたしますと、アメリカがこの事件でとった行動というのは、国際司法裁判所の判決によれば、集団的自衛権には当たらない。そして、判決としては、その結果、米軍の反政府組織への軍事的支援の中止、あるいは与えた損害の賠償義務、こういうものを判決として下しておるわけですけれども、アメリカはそれには従わなかった。
この裁判所の判決に加わった日本の裁判官は、アメリカ、そしてイギリスの裁判官とともにこの判決には反対をした、こういうふうなことが言われておるわけですけれども、私は、アメリカのいろいろな行動というものに対して、アメリカだから常に正しいというふうなことはやはりないというふうに思うわけです。
そういう意味で、日本の政府として、このニカラグアの事件について、まず、それに国際司法裁判所が判決を下した、そのことについてどう評価をされているのかということと、アメリカが常に正しいということはないということについて、今までのいろいろな状況を見ながら、そのことについてはどういうふうに考えておられるのか、その点をお聞きしたいと思います。