小渕恵三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小渕恵三君) 畑英次郎議員にお答え申し上げます。
 まず、我が国の外交安保戦略についてお尋ねがありました。
 我が国は、日米安保体制の堅持とともに、域内の信頼醸成のための安保対話や、域内協力の進展等を通じた我が国を取り巻く安保環境の安定化が極めて重要と考えております。かかる観点から、ASEAN地域フォーラム等の多国間の枠組みや、域内各国との二国間の安保対話、防衛交流に積極的に取り組んでおりまして、今後とも、このような努力を継続する考えであります。
 新たな日米防衛協力のための指針の作成理由についてお尋ねがありました。
 冷戦終結後、国際情勢は大きく変化したものの、依然として不安定、不確実な要因が存在しており、周辺事態に際する対応を含め、より効果的な日米防衛協力関係を構築することが一層重要となっております。こうした認識のもと、新指針を作成し、そのもとでの取り組みに努めておるところでございます。
 新たな日米防衛協力のための指針と日米安保条約の関係について、お尋ねがありました。
 新指針は、安保条約に基づく日米安保体制のより円滑かつ効果的な運用を確保するために策定されたものであります。また、新指針におきまして明確に述べられているとおり、新指針及びそのもとで行われる取り組みは、日米安保条約及びその関連取り決めに基づく権利及び義務並びに日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されないとの基本的な前提に従うものであります。
 新たな日米防衛協力のための指針のもとでの日米協力についてでありますが、日米協力の中では、我が国に対する武力攻撃への共同対処行動や施設・区域の提供のように、安保条約及びその関連取り決めに直接の根拠を有するものと、周辺事態における捜索救助活動や船舶検査活動等に際しての協力のように、直接の根拠規定のないものが含まれますが、こうした協力が安保条約の目的の枠内で行われることは、従来から御説明しておるとおりであります。また、このような対米協力を行い得るようにするための必要な法整備として、指針関連法案を国会にお諮りしておるところであります。
 周辺事態安全確保法案に基づく自衛隊の活動と安保条約の関係についてお尋ねがありました。
 周辺事態は、法案第一条に、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態と一義的に定義されております。御指摘の自衛隊の主体的な活動も、かかる周辺事態への対応措置であるという意味で、安保条約の目的の枠内と言えます。このことからも、同法案が安保条約の目的の枠内であることは明らかであります。
 周辺事態における対応措置についてお尋ねですが、周辺事態とは、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であり、この点は法案にも明記しておるところであります。
 また、米国に対する後方地域支援は、憲法の範囲内において、強制力を伴わない態様で、我が国の平和と安全を確保するために行われるものであり、国以外の者に対する協力の要請もかかる観点から行うものでございます。
 政府といたしましては、周辺事態への対応措置の重要性等につきましてこれまで説明してまいっておりますが、今後とも、この趣旨について御理解いただけるよう努力してまいりたいと考えております。
 基本計画についてお尋ねがありました。
 計画の見直しにつきましては、法案におきまして、基本計画の変更に係る規定が置かれております。また、基本計画の策定、変更に係る国会の関与につきましては、武力の行使を含まないこと、強制力を伴わないという点で国民の権利義務に直接関係するものではないこと等の周辺事態への対応措置の基本的性格を勘案いたしますれば、必ずしも国会の承認を得なければならないものではなく、国会に遅滞なく御報告し、議論の対象としていただくことが妥当と考えます。
 後方地域支援についてのお尋ねがありました。
 周辺事態安全確保法案に基づき実施することを想定いたしております後方地域支援は、武器弾薬等の輸送を含め、それ自体は武力の行使に該当せず、また後方地域において行われる行為であり、米軍の武力行使との一体化の問題が生ずることも想定されません。
 また、当該活動が後方地域において実施されることにつきましては、防衛庁長官が、軍事的な常識を踏まえつつ、各種の情報を総合的に分析し、合理的に判断することによって、これを確保することができると考えております。なお、これらの活動の実施に際し、万一不測の事態が発生した場合には、実施区域の変更、活動の中断等の対応をとることとされております。
 周辺事態の際の武器使用に係るお尋ねでありました。
 周辺事態安全確保法案や自衛隊法改正案に規定する武器使用は、職務に従事する自衛官等の生命または身体を防護するための必要最小限度のものでありまして、いわば自己保存のための自然権的権利というべきものでありまして、また自衛隊法第九十五条の武器使用は、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段である自衛隊の武器等を破壊、奪取しようとする行為からこれを防護するため、武器等の警護に当たる自衛官に認められた極めて受動的かつ限定的な必要最小限度の行為であり、いずれも憲法の禁ずる武力の行使または武力による威嚇には当たらないと考えます。このことから、従来の政府見解を変更する必要はないと考えます。
 最後に、国以外の者の協力についてお答えいたします。
 協力の内容につきましては、事態ごとに異なるものでありまして、あらかじめ具体的に確定される性格のものではありませんが、港湾、空港施設の使用や物資の輸送等に関する協力が例として想定されます。協力項目例につきましては、今後も引き続き地方公共団体の要望を踏まえつつ、説明を行っていきたいと考えております。また、これらの協力は、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える周辺事態に際してのものであることから、できる限りの協力を期待しておりますが、強制するものではありません。
 また、協力の求めまたは依頼を受けた者が損失を受けた場合には、法案におきまして必要な財政上の措置を講ずることといたしております。
 以上、御答弁といたします。(拍手)
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発言情報

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発言者: 小渕恵三

speaker_id: 19131

日付: 1999-03-12

院: 衆議院

会議名: 本会議