甘利明の発言 (労働委員会)
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○甘利国務大臣 先月の雇用対策会議の席上、一両年の間に七十七万人の新規の雇用創出を図る、各省別に数字が出されました。
これについて、決意の度合いが足りないという御指摘も今いただきました。政府としては相当な決意で取り組んでいくつもりでありますし、現在そうしているわけでありますが、日本自体が計画経済の国ではありませんし、これは民間の努力に依存するものであります。介護福祉のような分野は、予算をふやした分人がふえるという直結性がありますけれども、それ以外は予算と雇用の直結性がございません。そこで、環境整備は政府が精いっぱいするから極力それに向かって頑張ってほしい、政府も挙げて取り組むという範囲を超えることがどうしてもできないわけであります。小渕内閣としては、雇用を最重点の課題と考えております。
きょうも産業競争力会議が朝ございました。そこで経営者側からもいろいろな意見が出されたわけでありますけれども、私からも発言をさせていただきまして、とにかく今の経済状態を回復する強力な世界の牽引役になっていくためには、個々の企業の競争力を引き上げていかなければならないことは事実である、ただし、その場合に、安易に雇用の削減という手法で競争力を上げる、生産性を向上させるということではなくて、そこにいる従業員の労働能力を引き上げる、バージョンアップを図るということを通じて生産性の向上を図るということを最優先に取り組んでもらいたいというお話をさせていただきました。経団連の会長からも、雇用を守るというのは企業の社会的責務であるということはよく承知をしておりますというお話をいただきました。
そこで、各社がリストラ計画を発表しております。先生御指摘のように、上場企業は何千人あるいは一万何千人という単位でリストラ計画を発表しておりますが、確かにその本体で雇用者数が減るというのは紛れもない事実でありますけれども、一般にその分生首が飛ぶという印象、これは誤解がありまして、その誤解が社会不安をあおって、それが消費が停滞したままというふうにはね返ってきている。そうしますと、さらなるリストラを強いられるというエンドレスの追っかけっこになってしまう。これを断ち切らなきゃならない。
企業が、特に大手企業が発表しておりますリストラ計画は自然減で調整するものであって、私も調査をさせましたけれども、生首を飛ばすというのはほとんど、パーセンテージはうんと少ないわけであります。社会に与える誤解を払拭していくということがまず大事だと思います。
ただ、そういう前提があっても、その本体での雇用者数が減ることは事実でありますから、新たに雇用者の受け皿になってくれる企業がどんどん伸びていかないといけないということであります。
競争力会議でも、新しい分野のニーズをつくり出していくことが大事だと。そこで、ニーズがあるから企業ができるということも事実だけれども、サプライサイド、供給側の企業ができるから逆にニーズが起きるということも言えるんではないだろうかと。
例えば、今レンタルビデオとかレンタルレコードというのが非常に盛んであります。その業態ができますときに、そういう貸し業務が広範にできると物を買う人がいなくなっちゃって売れなくなるという心配が随分業界から出されました。しかし、レンタル業務ができて逆に物が売れたというのも事実でありますし、特に物によっては、例えばビデオは自分で買って見るかといったら、そういう業務がなかったらビデオは見ないで、映画館かテレビでやるのを見るだけということになっちゃう。そういう業ができたことによって、借りる人がふえて、レンタルビデオショップは同じ映画を一つだけ置くんじゃなくて、二十も三十も買い入れてレンタル用に置くわけでありますから、それが伸びるということになってきているわけであります。
サービス業分野、よく経企庁長官は家事のアウトソーシングということを言われます。家事をアウトソーシングで引き受ける業務がないからアウトソーシングをしないということも事実だと思いますし、そこで業ができることによって逆にニーズが起きてくる、それによって雇用が拡大をするということ等々ございまして、今の競争力会議では、社会全体での雇用の安定ということを踏まえてのいろいろな議論がなされているところであります。
総理は、最後にあえて発言をされまして、自分はスローモーだと一般的には思われているけれども意外とせっかちですよ、具体的に延々と議論をしないで結論を出して、法改正が必要なものはやっていくべきだと思うという発言をわざわざされておりますので、積極果断な対応ができるかというふうに思っております。