労働委員会

1999-04-28 衆議院 全108発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十一年四月二十八日(水曜日)
    午前九時三十二分開議
  出席委員
   委員長 岩田 順介君
   理事 荒井 広幸君 理事 能勢 和子君
   理事 森  英介君 理事 柳本 卓治君
   理事 石橋 大吉君 理事 川端 達夫君
   理事 前田  正君 理事 青山  丘君
      井奥 貞雄君    稲垣 実男君
      大石 秀政君    大村 秀章君
      小林 興起君    坂本 剛二君
      田中 昭一君    保利 耕輔君
      望月 義夫君    今田 保典君
      中桐 伸五君    松本 惟子君
      河上 覃雄君    岩浅 嘉仁君
      大森  猛君    寺前  巖君
      濱田 健一君    土屋 品子君
 出席国務大臣
        労働大臣    甘利  明君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 野寺 康幸君
        労働省職業安定
        局長      渡邊  信君
 委員外の出席者
        議員      大森  猛君
        議員      金子 満広君
        労働委員会専門
        員       渡辺 貞好君
委員の異動
四月二十八日       
 辞任         補欠選任
  白川 勝彦君     望月 義夫君
  棚橋 泰文君     大石 秀政君
  城島 正光君     今田 保典君
  畠山健治郎君     濱田 健一君
同日       
 辞任         補欠選任
  大石 秀政君     棚橋 泰文君
  望月 義夫君     白川 勝彦君
  今田 保典君     城島 正光君
  濱田 健一君     畠山健治郎君
四月二十三日
 労働時間の男女共通の法的規制実現に関する請願(大森猛君紹介)(第二九〇七号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二九〇八号)
 同(松本善明君紹介)(第二九〇九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二九一〇号)
 労働者派遣事業の対象業務の拡大反対、労働者派遣法の抜本的改正に関する請願(大森猛君紹介)(第二九一一号)
 同(寺前巖君紹介)(第二九一二号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二九一三号)
 同(松本善明君紹介)(第二九一四号)
同月二十八日
 労働時間の男女共通の法的規制実現に関する請願(大森猛君紹介)(第三〇五一号)
は本委員会に付託された。
四月二十七日
 深夜・時間外・休日労働の男女共通の規制実現に関する陳情書外三件(第一五八号)
 総合的な雇用対策の充実に関する陳情書外二件(第一五九号)
 緊急雇用安定地域の指定拡大に関する陳情書(第一六〇号)
 派遣労働者の保護措置の拡充に関する陳情書外七件(第一六一号)
 じん肺患者救済とじん肺対策の充実に関する陳情書外二件(第一六二号)
は本委員会に参考送付された。
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百四十三回国会閣法第一〇号)
 職業安定法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九〇号)
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(大森猛君外一名提出、衆法第一五号)
    午前九時三十二分開議
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
岩田順介#1
○岩田委員長 これより会議を開きます。
 第百四十三回国会、内閣提出、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案及び内閣提出、職業安定法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大村秀章君。
この発言だけを見る →
大村秀章#2
○大村委員 おはようございます。自由民主党の大村秀章でございます。
 それでは、きょうは貴重なお時間をいただきまして、労働者派遣法そして職業安定法の質問をさせていただきたいと存じます。
 法案の質問に先立ちまして、中央省庁の行政改革につきまして、もうこれは決定したことでございますのでどんどん進めていかなければならないわけでありますけれども、大臣の感想といいますか、御見解をまずお聞きできればと思っております。
 昨年成立いたしました中央省庁改革の基本法を受けまして、本日ですか、関係各省庁の設置法の法案が内閣より国会に提出される予定となっておるわけでありまして、労働省は厚生省と一体となりまして、雇用から社会保障に至るまで国民生活に深くかかわる分野を担当する役所としてますます重要な責務を担うということになるわけでございます。今後は、これを着実に進めていって、行政改革の実を上げていくことが重要だと思うわけでございます。
 こうした中で、昨年来、省庁名につきましていろいろ御議論がございました。私は、昨年も、そしてこの間の二月の大臣の所信表明に対する質問でも申し上げましたけれども、やはり労働という概念、これを明記するということがどうしても必要だということを主張させていただいてまいりました。
 今回提出された設置法案では、厚生労働省という形になりました。いろいろ御意見はあった上でこうして決まったわけでございますが、労働という名称が今回省庁名に明記をされたということにつきまして、これは決まったことでありますので大臣の御見解というのも変でありますけれども、御感想でも結構でありますが、これにつきまして、今後の労働行政についての考え方も含めてまずお聞かせいただければというふうに思います。
この発言だけを見る →
甘利明#3
○甘利国務大臣 新しい省名につきましては、大村先生にも大変御心配をいただきまして、そして労働行政にかかわる多くの皆さん方に御心配をいただきました。おかげさまで労働という名前が新しい省名に入ることになりまして、非常に感謝をいたしております。
 私、役所の名前というのは、その役所が所管をします行政の内容を端的に表現しているのが一番いいと思います。さきのG8雇用サミットに出席をしましたときに、ほとんどすべての参加国の大臣が労働あるいはそれに類する名前のついた大臣でありまして、私が在任をしているときに新省名が決まって、そこに労働という名前がなかったら、これはどうしようかなということを非常に心配しておりました。
 おかげさまで厚生労働省と。人によっては単純に二省の名前をくっつけただけじゃないかとおっしゃる方もおられますけれども、単純にそうしたのではなくて、いろいろ考えをめぐらせて、議論をして、最終的に両省の名前が一緒になった新省名になったということで、熟慮した結果、最終的に総理が決断をされたということでありまして、これは英断であったというふうに思っております。
この発言だけを見る →
大村秀章#4
○大村委員 まさしくそういうことだろうと私も思います。労働という概念が明記をされたということは、やはり政府の中で労働行政、特にこうしたものが重要だということでもあると思うわけでありまして、ぜひこれも踏まえて引き続き労働行政の推進にお力をいただきたいというふうに思っております。
 特に、今の雇用情勢を考えますときに、労働行政の重要性はますます高まっていると思っております。昨年の十一月に決定いたしました総合経済対策も含めまして、ことしの小渕内閣の大きなテーマとしてやはり経済再生、景気回復というのがあるわけであります。その中に、雇用活性化総合プランという形で百万人の雇用を新たにつくる、そしてまた安定をさせるということをうたっておるわけでございます。
 そういう中で、今の雇用失業情勢、二月が完全失業率四・六%という形で過去最高ということでもございますし、また雇用者数もずっと過去一年にわたって減ってきておることでもございます。そして、特に中高年齢層の失業者という形も大変深刻なものでありまして、また一方で、若年者の失業率といったものも大きな問題になっておるわけでございます。そういう意味で、失業率が一たん高まって、またこれを一生懸命下げるというのはなかなか難しいことがあるわけであります。
 そういう意味で、法案の質問の前に、この法案の前提といいますか、大きな流れの中で、やはり失業率を抑えながら円滑に労働移動を進めていくというのが、今の小渕内閣が抱える、経済再生を図る上で大変大きなテーマであるというふうに思います。そういう意味で、こうした厳しい雇用失業情勢に対しまして、労働省としてどういう対策を基本的に講じようとお考えなのか、その点につきましてまずお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
甘利明#5
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、現在は大変厳しい雇用情勢下にあります。経企庁長官の方の発表ですと、景気に底打ち感が見えてきた、これから景気が反転攻勢に出る幾つかの指標も出てきている、これを大事にはぐくんでいきたいというお話がありました。
 今は非常にその大事な時期だと思いまして、雇用情勢が非常に厳しい、これは相当真剣に、そして積極果敢に雇用対策に取り組んでいくということが基本でありますが、もう一方で、余りいたずらに大変だ大変だというのを持ち歩かない方がいいという思いもいたします。
 そういう発言をしましたら、一部のマスコミに、甘利労働大臣はのうてんきだと書かれたのでありますが、私は決してのうてんきではありませんで、つまり、不安をあおり過ぎちゃうと、せっかく景気が底をついたのにもう一段底割れを起こすおそれがある。つまり、雇用不安をいたずらにあおりますと、消費の停滞を必ず招きます、自己防衛本能が働きますから。そうしますと、さらに景気の腰折れを起こして、とまりつつある下降がとまらなくなるということを私は心配しているのでありまして、決して雇用対策をなおざりにするということではなくて、もっと真剣にやりますけれども、政府が真剣にやっていますから任せてもらいたいということを強く言う必要があるんじゃないだろうかというふうに思っております。
 言ってみれば、今は、病気は治りつつあるけれども、病み上がりというのが一番大事でありまして、いきなり走り出したり、いきなり冷たい風に当てますと、ぶり返すということになります。そっちの方が厄介だと思っておりまして、真剣に、そしていたずらに不安をあおらないように積極果敢に取り組んでいくということが大事だと思います。
 十一月の経済対策のときに雇用に焦点を当てる対策を行って、今現在、そのほとんどは一月からスタートしているわけですから、まだ立ち上がったばかりであります。その中には、恐らく初めての試みでありますけれども、政労使で真摯に話し合って、そこでの取りまとめを政策提言という形で盛り込んだ、これが百万人の雇用創出、安定であります。その後に、雇用対策本部におきまして、この創出部分をもっと拡大していこうということで七十七万という数字が出て、これに向かって今努力をしている最中であります。
 それから、今先生が御指摘をされました人材の適宜適切な供給のためのスムーズな移動、今回の法案にかかわってくることでありますけれども、企業が永遠に雇用を拡大し続けることができるかといいますと、大きくなった企業は、維持効果はありますけれども、さらに雇用を拡大していく効果というのはだんだん落ちてくるのでありまして、そこは、新しい企業が生まれて、それが伸びていく段階で急激に雇用吸収効果が出てくるわけでありますから、そういう急激に伸びていくところに適切に人材が移動できるということは大事な政策でありまして、目詰まり状態を起こしてしまいますと、新たに雇用吸収力がある企業がその力を発揮できないということになります。
 その際に、ただ単にスムーズ、円滑な移動というだけでなくて、職業能力をアップした、その企業に合った能力を持った、つまり能力で武装した人材を移動できるというふうな措置をしっかりとセーフティーネットの一環として組み込むということは非常に大事なことだというふうに思っております。
 また、先般、去る二十三日に、総理から新しい指示をいただきました。エンプロイアビリティーの向上と雇用のミスマッチの解消について、労働大臣は、通産大臣や文部大臣その他と連携をとりながら新しい政策を出せという御指示でありまして、今、通産省他と鋭意打ち合わせ中でございまして、五月中にもその新しい政策も発表できるかというふうに思っております。
この発言だけを見る →
大村秀章#6
○大村委員 今大臣言われましたように、円滑な労働移動は大事でありますし、今総理から言われたという、その新しい雇用の創出も含めた政策、これも、とにかくこれでいいというのはないと思いますので、どんどん新しいものをまた打ち出していただいて、ぜひ切れ目ない対策というのをお願いできればというふうに思っております。
 そういうことで、今言われましたことを前提にして今回の改正案があるというふうに思っております。失業を抑えながら、適正な労働市場、労働力の移動を円滑に進めていくといったことが必要なわけでありまして、そのことが景気回復、経済再生に結びつくわけでございます。
 私、二月の大臣の所信表明に対する質疑でも申し上げましたけれども、今回の両法案は、まさしく産業構造の変化でありますとかライフスタイルの多様化、要は働く人自身が一生そこで勤めるという形の考え方がだんだん薄くなって、一たんそこで働いてみて、これは自分に向いているとか、やはりこういう仕事につきたいとかいうことを見つけながら仕事を選んでいく、そんな時代が来たかなというふうに思っております。そういう意味で、ジョブサーチ型の労働といいますか、働き方というのがだんだんできてきたんじゃないか。私自身、私の知り合いなり親友、私と同じ世代、三十代ぐらいの人間にとりましては、余り会社をかわるというのが抵抗がない、そういう時代でもあるんだろうと思っております。
 そういう意味で、今大臣言われた、新しい雇用をつくり出すということはもちろん必要でありますけれども、それに労働力を需給調整するという機能をつくる、強化するということも、あわせて本当に大事だなと。今回の両改正案は、その意味での労働力需給調整機能の強化という点に全く資するものだと思いますし、そういう意味で、ぜひこれを早目に成立させていただきたいと思います。
 そのことを申し上げまして、労働者派遣法の改正案につきまして少しお聞きをいたしたいと思っております。
 今私が申し上げたようなことで、まず労働者派遣法の改正案についてでありますけれども、今回の改正案の大きなポイントというのは、対象業務による限定を原則として外す。ポジリストをいわゆるネガリストに変えるということになるわけでございまして、派遣期間による限定の方式、限定をするということで、対象業務の限定を撤廃するわけでございます。
 これは、この国会にも提出されておりますILOの第百八十一号条約ですか、それにも準拠する形になっておるわけでありまして、私が先ほどから申し上げておりますように、大変望ましい方向だなと思っておりますが、今回、こうした内容の労働者派遣法の改正を提案された背景でありますとか、その目指すべき方向につきまして、労働省の御見解をお聞きしたいと思っております。
この発言だけを見る →
甘利明#7
○甘利国務大臣 今回、派遣事業の規制緩和を行うわけでありますけれども、これは、働く側と働いてもらう側の両方からのニーズに合致をした規制緩和であるというふうに思っております。
 企業の側からしますと、臨時的、一時的な労働力需要があって、そこに可及的速やかに人材供給をしてもらえるということが企業自身の競争力の上でも必要だというときに、そういう仕組みがないとすると、それを見送ってしまう。そうすると、企業自身にとってもマイナスであるし、見送らなければそこに雇用の場があるのに、実は雇用の場が失われてしまう。
 働く方からしましても、自分の働き方にいろいろな選択肢が持てる。もちろん、正規常用雇用として働きたい人、あるいは、自分はこういう仕事だけしたいし、こういう期間だけしたいというニーズも当然あるわけであります。あるいは、将来正規常用雇用としてずっと勤めたい仕事を探す間、派遣社員としていろいろな体験をしてみたい、その中から自分が生涯取り組む仕事だというのを見つけたいという思いも当然あるでしょう。
 その両方のニーズを満たすということで、今回の改正をお願いしているわけであります。
 国際的に言いましても、一昨年の六月に労働者の派遣事業を含む民間の労働力需給調整事業の運営を認めること等を目的とする、先ほど来お話がありましたけれども、ILOの百八十一号条約が大多数の政労使の一致の賛成によりまして採択をされたところでありまして、これを国内法としてもちゃんと満たしていくというためにも今回の改正が必要だというふうに考えて、今お願いをしているところでございます。
この発言だけを見る →
大村秀章#8
○大村委員 この法案が通りましたら、ぜひILOの百八十一号条約、これにつきましてもこの国会でできるだけ早く批准がされればいいなというふうに思っておりまして、その点につきましての御努力もお願いできればというふうに思っております。
 そして、今大臣からも御答弁をいただきましたが、私は、雇う側だけじゃなくて、やはり働く側の人の意識の変化というのも大きい流れがあると思っておりまして、そういう意味では、今回の派遣法によっていろいろなメリットというか効果も大変出てくると思うんですね。
 例えば中高年齢者の方を再雇用するといった場合でも、こういった方は即戦力として雇う企業の方は考えるわけでありますけれども、今まで使ってきたわけじゃないわけでありますので、なかなかその人の能力をはかりがたい。そういった中で、リスクを冒してまでとにかくずっと本採用してあれするということはなかなか二の足を踏む場合もあるんだろうと思うんですね。ですから、そういう意味で、こういった派遣の形を活用して、そういった方々の雇用をもっとつくり出していくことも考えられるんじゃないかというように私は思います。
 現在、この派遣労働者は、労働省の調べでは八十六万人という方がこういった形で働いておられるというふうにもお聞きしておりますし、何かずっとこういう形で働く方がふえておるわけですね。ですから、そういう意味で、こういう形のものが円滑に進むように、今回、この法律が成立した上でも、やはりその施行も含めて整備していくことではないかと思っております。
 そういう意味では、一部の方から、今回の労働者派遣事業の対象業務の縮小でありますとか、三年後の登録型の派遣の廃止なんかを言われる向きがあるようでありますけれども、こうしたことをやりますと、今やっている労働者の派遣事業が広がっていく、そこにある意味でストップをかけるというようなことにもなると思いますので、これはいろいろお考えはおありかとは思うんですが、私は、やはりいかがなものかな、いわゆる実態に即してどうも余り合わないんじゃないかなと思うわけであります。そのことも少し申し上げたいと思います。
 メリットはもちろんでありますけれども、今回の派遣法の改正に際しまして一つの大きな焦点といいますか、ポイントとなったのは、やはり労働者の保護措置といったものもあわせて当然やっていかなければならないわけでございます。派遣法が、今までこの労働者派遣事業がある意味ではいろいろな規制が強かったというのは、やはり過去の歴史を振り返りますと、労働者の権利の保護が十分でなかったという時代、そういった歴史があったことも私は否定できないと思うわけですね。
 今回の改正案では、保険関係でありますとか苦情処理、さらには秘密保護、いろいろな保護規定がありまして、そういった保護規定につきましては十分配慮されていると私は考えておりますけれども、さらに、こういった点は十分なのかという声があるのも事実でございますので、この点につきましては、この規定はもちろんでありますけれども、実際の法律、制度の施行、執行段階におきましても、労働省として、労働行政として十分そういった声にも耳を傾けてフォローしていく必要があるんじゃないかと思っております。そういった懸念に対して十分対応した上で、やはりメリットを生かしていくということが私は必要だと思っております。
 そういう意味で、同じような話かもしれませんけれども、今私が申し上げた点、いわゆる労働者の保護措置を十分講じながら、十分配慮しながら、一方でそのメリットを生かしていくといったことについての労働省のお考えをぜひお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
甘利明#9
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、今回の改正は、企業側と労働者側、両方からあるニーズに対処するということと同時に、懸念される働く側の問題について法改正の中に対処をしていくということを入れているわけであります。
 先生御指摘のように、個人情報の守秘義務であるとか、あるいは常用正規雇用の代替として使われないように一年を超えた場合には正規雇用として採用するという義務を持ってもらうとか、これは努力義務でありますけれども、あるいは、労働条件が当初の話と違うあるいは明らかに労働基準法違反であるというようなときに、働いている者がちゃんと申告をしてそれに対処できるような仕組みを入れる、あるいは、そのことをしたことによって不利にならないようにする等々、労働者側の心配に対処する部分も十分盛り込みまして改正内容としたところでございます。
この発言だけを見る →
大村秀章#10
○大村委員 先ほど私が申し上げた観点、そして今大臣が御答弁いただいた観点、そうしたものを十分踏まえて、その上で、今の労働省の流れを踏まえてこのメリットをぜひ生かしていただきたいと思っております。
 もう時間が大分来ていますのであれでございますが、そういう意味で、今回、労働者派遣法と、もう一つ職業安定法で従来ずっと公共の職業安定機関を中心に職業紹介をやられてきたものを、民間の職業紹介をきちっと位置づける、そしてその範囲も広げる。あわせて、労働市場の労働力需給調整の機能を強化していくということが今回の大きな流れだと思っておりまして、この二法案が成立した暁には、それを受けて労働市場機能の強化をぜひお願いしたいと思っております。
 最後にもう一度。本当は安定法につきましてももうちょっとお聞きしたかったんですが、残念ながら時間が来ておりますので……。
 今回、この両法律案の改正につきましては、民間の需給調整事業の活用を図るという考え方のもとにいろいろなルールが整備をされるわけであります。重要なのは、このルールの履行の確保を厳格に実施し、労働者の保護を図るとともに、労働力の需給調整システムに対する十分な信頼を確保していくということであると思っております。
 ある意味で、官民相まっての労働力需給調整機能の強化というのが、今後といいますか、ことしの、とりあえずまず当面の労働行政の一番大きな焦点ですね。ですから、そういう意味で、これをどういうふうに展開していくか、この両法案を踏まえてどう展開していくか、最後に大臣の御決意をお聞かせいただき、私の質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →
甘利明#11
○甘利国務大臣 国が働きたい人に仕事の場を紹介できる仕組みあるいは職業能力をつけていく仕組み、これは憲法上、条文の中に国が基本的なこと、最低限のことはやっていくということが明記をされております。ただ、国がすべてをカバーできませんから、漏れがないように民間の力を使って、あるいは国が手が届かないところを民間の英知でもってカバーしていくという体制、官民両々相まって労働需給調整機能をしっかりと持つということは、社会のセーフティーネットでありますから大事なことであります。
 その際に、あわせて労働市場のルールの整備充実とその履行の確保を図っていくということも大事なことでありまして、官と民が協力をして、働きやすい、そして将来ニーズを先取りして対応できる仕組み、それから働く者にとっての安心感を醸成する仕組みを両々相まって構築していくということは大事なことでありまして、それらのことに資する法改正として現在お願いをさせていただいているところでありますし、委員の皆さんの御理解をいただいて、本法案が成立した際には、法案の趣旨に遺漏なきよう、しっかりと行政として取り組んでいきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
大村秀章#12
○大村委員 終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →
岩田順介#13
○岩田委員長 石橋大吉君。
この発言だけを見る →
石橋大吉#14
○石橋委員 わずか三十分の質問時間ですので、余り大した質問ができませんが、今国会も後半は省庁の再編や地方分権一括法案の審議、参議院におけるガイドラインの審議などもあって、本来なれば一日か二日かけて労働委員会でも雇用失業問題をやはりしっかり議論する必要がある、こう思っておりますが、そういう機会がなかなかとれないんじゃないかと思いますので、きょうは最初に政府の雇用政策について労働大臣に少しお尋ねをしておきたいと思います。
 御承知のように、政府は去年の十一月に緊急経済対策の柱の一つとして百万人規模の雇用創出計画を打ち出したわけです。ことしになりまして三月の五日に、産業構造転換・雇用対策本部の会合を開いて、先ほどもちょっとお話がありましたが、雇用創出に向けて新たな数値目標を決定した。御承知のように、七十七万人の期待される雇用創出規模を決定したわけであります。実現すべき雇用創出規模、こうなっていないところに少し問題があるんじゃないかな、こういう感じがしておりますが、どっちにしても、そういう雇用失業問題が深刻になっていますから、政府としての対策を決定したわけです。
 民主党の労働部会の労働市場小委員会を三月十八日に開きまして、関係省庁の課長クラスを呼んで、各省のヒアリングをずっと受けました。その中で明らかになったことは、この数字は産業連関表を使ってはじき出した数字だ、そういう意味では、さっき言いましたように期待される数字であって、何が何でもこれを実現する、こういうふうに必ずしも受けとめられていないように私どもは理解しました。
 同時に、そのときにこの七十七万人の雇用創出、一両年の間に実現をするというわけですが、そのことについて全体を総合的にまとめ、かつ引っ張りながらこれの実現に向けて一体どこの省庁が責任を持ってやるのかと聞いたら、労働省からそのときにだれが来ておったか余り覚えていませんが、それは労働省が責任を持って全体の牽引車になってやる、こういう態度表明が残念ながらありませんでした。
 御承知のように、雇用対策法では、完全雇用の達成を政府の政策目標として鮮明にしながら、労働大臣に関係行政機関の長に対する要請権を規定をして、雇用対策に関する労働大臣の調整機関としての地位を明らかにしているわけであります。どうも労働省全体がそういう規定を踏まえながら積極的かつ熱意あふれる雇用創出についての態度を持っておられるのかどうか、そのヒアリングを受けた感じではいささか疑問を持たざるを得ないような受けとめ方を私はいたしました。
 御承知のように、この一月及び二月末発表の労働力調査によりますと、失業率は一月末四・四%が二月末は四・六%、完全失業者の数は一月末二百九十八万人が二月末には三百十三万人、こういうふうにふえているわけであります。
 しかも、加えまして、三月三十一日の朝日新聞に「主要企業が最近発表した人員削減策」、こういうのをちょっと詳しく載せておりました。それを見ますと、例えば日立製作所は九八年度中に四千人の削減をする、九九年度には分社化などで四千人の出向あるいは転籍をする。東芝はATM部門の売却などで九九年度末で約四千人の減員をする。NECは二〇〇一年度末までに一万五千人の削減をする。ソニーは二〇〇二年度末までにグループ従業員の約一割に当たる一万七千人を削減する。こういう削減計画がずらっと並んでいるわけですね。こういう状況は、まさに人減らし競争の時代、こう言わざるを得ないほどリストラ計画が並んでいるわけであります。
 四月の七日付の日経新聞の「検証 雇用改革」によれば、日本経済新聞のデータバンクの試算では、企業の過剰雇用数は五百六十万人だ、こういう数字をはじき出しているわけです。五百六十万全部をリストラするかどうかは別ですが、どっちにしても、まだまだそういう意味では企業の労働者の削減、リストラが続く、こう見ておかなければならぬと思うのです。
 そういう状況に照らして考えたときに、この七十七万人の雇用創出計画については政府を挙げてよほど真剣に取り組まないと失業者の増大に追いつかない、こういう状況になるんじゃないか、こう心配しているわけであります。
 この点で、労働大臣の雇用創出にかける決意と考え方をまず最初に伺っておきたいと思います。
この発言だけを見る →
甘利明#15
○甘利国務大臣 先月の雇用対策会議の席上、一両年の間に七十七万人の新規の雇用創出を図る、各省別に数字が出されました。
 これについて、決意の度合いが足りないという御指摘も今いただきました。政府としては相当な決意で取り組んでいくつもりでありますし、現在そうしているわけでありますが、日本自体が計画経済の国ではありませんし、これは民間の努力に依存するものであります。介護福祉のような分野は、予算をふやした分人がふえるという直結性がありますけれども、それ以外は予算と雇用の直結性がございません。そこで、環境整備は政府が精いっぱいするから極力それに向かって頑張ってほしい、政府も挙げて取り組むという範囲を超えることがどうしてもできないわけであります。小渕内閣としては、雇用を最重点の課題と考えております。
 きょうも産業競争力会議が朝ございました。そこで経営者側からもいろいろな意見が出されたわけでありますけれども、私からも発言をさせていただきまして、とにかく今の経済状態を回復する強力な世界の牽引役になっていくためには、個々の企業の競争力を引き上げていかなければならないことは事実である、ただし、その場合に、安易に雇用の削減という手法で競争力を上げる、生産性を向上させるということではなくて、そこにいる従業員の労働能力を引き上げる、バージョンアップを図るということを通じて生産性の向上を図るということを最優先に取り組んでもらいたいというお話をさせていただきました。経団連の会長からも、雇用を守るというのは企業の社会的責務であるということはよく承知をしておりますというお話をいただきました。
 そこで、各社がリストラ計画を発表しております。先生御指摘のように、上場企業は何千人あるいは一万何千人という単位でリストラ計画を発表しておりますが、確かにその本体で雇用者数が減るというのは紛れもない事実でありますけれども、一般にその分生首が飛ぶという印象、これは誤解がありまして、その誤解が社会不安をあおって、それが消費が停滞したままというふうにはね返ってきている。そうしますと、さらなるリストラを強いられるというエンドレスの追っかけっこになってしまう。これを断ち切らなきゃならない。
 企業が、特に大手企業が発表しておりますリストラ計画は自然減で調整するものであって、私も調査をさせましたけれども、生首を飛ばすというのはほとんど、パーセンテージはうんと少ないわけであります。社会に与える誤解を払拭していくということがまず大事だと思います。
 ただ、そういう前提があっても、その本体での雇用者数が減ることは事実でありますから、新たに雇用者の受け皿になってくれる企業がどんどん伸びていかないといけないということであります。
 競争力会議でも、新しい分野のニーズをつくり出していくことが大事だと。そこで、ニーズがあるから企業ができるということも事実だけれども、サプライサイド、供給側の企業ができるから逆にニーズが起きるということも言えるんではないだろうかと。
 例えば、今レンタルビデオとかレンタルレコードというのが非常に盛んであります。その業態ができますときに、そういう貸し業務が広範にできると物を買う人がいなくなっちゃって売れなくなるという心配が随分業界から出されました。しかし、レンタル業務ができて逆に物が売れたというのも事実でありますし、特に物によっては、例えばビデオは自分で買って見るかといったら、そういう業務がなかったらビデオは見ないで、映画館かテレビでやるのを見るだけということになっちゃう。そういう業ができたことによって、借りる人がふえて、レンタルビデオショップは同じ映画を一つだけ置くんじゃなくて、二十も三十も買い入れてレンタル用に置くわけでありますから、それが伸びるということになってきているわけであります。
 サービス業分野、よく経企庁長官は家事のアウトソーシングということを言われます。家事をアウトソーシングで引き受ける業務がないからアウトソーシングをしないということも事実だと思いますし、そこで業ができることによって逆にニーズが起きてくる、それによって雇用が拡大をするということ等々ございまして、今の競争力会議では、社会全体での雇用の安定ということを踏まえてのいろいろな議論がなされているところであります。
 総理は、最後にあえて発言をされまして、自分はスローモーだと一般的には思われているけれども意外とせっかちですよ、具体的に延々と議論をしないで結論を出して、法改正が必要なものはやっていくべきだと思うという発言をわざわざされておりますので、積極果断な対応ができるかというふうに思っております。
この発言だけを見る →
石橋大吉#16
○石橋委員 どっちにしても、景気回復のためにも、また本当の意味で働く場所を確保するという意味でも非常に大事な話ですので、真剣にひとつ頑張っていただきたい、こういうお願いをしておきたいと思います。
 そういう意味で、次には政府の景気対策に関連して少しお伺いをしたいと思っておりましたが、大臣が丁寧な答弁をされたものだから、これでもう十五分ぐらいたってしまいまして、余り時間がありませんから、次の質問は飛ばします。
 労働者派遣法の改正案について一、二伺っておきたいと思うのです。
 まず、派遣労働の原則自由化をめぐってちょっとお伺いをしたいと思いますが、平成九年度の労働者派遣事業報告によりますと、派遣労働者数は約八十六万人、対前年度比で一八・一%の増加。一九八六年の労働者派遣法施行以降、派遣労働者数は急速に増加をしている、こういう状況になっているようであります。
 労働者が派遣労働を選択する理由は、おおむね労働時間や就労期間の柔軟性を重視して自発的に選択するケースもあれば、派遣以外の就業形態を選択する余地がなかったといった経済的理由を挙げるケースもあるようであります。このいずれが主要な要因になっているかは諸外国の例を見ても必ずしもはっきりしていない、こういう状況であるようですが、我が国では女性が派遣に従事している割合が非常に多い、こういうこともありまして、最近の労働省調査でも、この形態を今後も選択したい、こういう派遣労働者も少なくないようであります。
 企業サイドの派遣労働の利用の理由を見ると、一つは、正社員の年休、病欠その他一時的な休業代替や季節的な一時的な労働需要の増加に対応するものとして、すなわち臨時的、一時的な労働需要を満たす手段として派遣を利用するケースであります。
 ところが、最近は、これにとどまらず、もう一つ非常に注目される、心配されるのは、企業がその労働組織のスリム化や人件費削減のために派遣を利用する、こういう形が非常に広がりつつあるといいますか、心配をされているわけであります。
 こういう派遣利用のあり方について、常用雇用システムに対する脅威として労働組合側が強く反対していることは御承知のとおりであります。連合が登録型派遣労働反対、こういう要求を出している根拠もここにある、こう思います。先ほど申しましたような大企業のリストラ計画などとちょうどたまたま同じ時期にこれが出てきたということもあって、殊さら心配をかき立てるような社会的な状況もあるわけであります。
 そういう意味で、労働者側には、現在のポジティブリスト方式の維持を求める見解もありますし、連合のように登録型派遣の禁止を求める見解もあるわけでありますが、こういう点について、まず労働省の側の受けとめ方、考え方を最初にお伺いをしておきたいと思います。
この発言だけを見る →
渡邊信#17
○渡邊(信)政府委員 今委員御指摘のように、派遣労働で働く方の理由にもいろいろなものがあります。好きなときに自分の得意な分野で働いてみたいという積極的な理由もあれば、なかなか正社員の道がないので派遣で働くというふうな働き方もあるわけでありますし、企業の方から見ましても、臨時的、一時的な即戦力としてこれを緊急に雇用したいといった理由に基づくものも、あるいは一部にはリストラにかわるものとして派遣労働者を使いたい、こういったものもいろいろあろうかと思います。
 今回の改正は、従来派遣労働についていろいろと指摘されてきた問題点、特に労働者の保護という点に十分配慮しながら、いろいろな改正点を加えながら臨時的、一時的な、あくまで常用労働の代替を防止するといういろいろな仕組みをつくりまして労働者派遣対象を広く認めていこうというものでありまして、これをポジティブリスト方式だけにするということでは現在の労使それぞれの需要にこたえられないのではないかというふうに思います。
 また、登録型派遣につきましても、我が国社会のいろいろな変化を背景にいたしまして、自分の働きたいときに働きたいという労働者が、先ほど申しましたが、随分とふえてきているわけであります。実際にも登録型で働いている方が多いわけでありまして、これを認めないということになりますと、これら多くの方の職場を逆に失うことにもなるというふうに考えております。
 こうした観点から、あくまでも常用代替については厳格にこれを禁止するという方策をとる一方、また労働者の保護についても十分な手当てをしながら、今回の対象業務は広く拡大し、労働者の保護もしっかりとするという形で法案の提出をしているところでございます。
この発言だけを見る →
石橋大吉#18
○石橋委員 足らざるところはこれから何日か時間をとって、同僚議員からも引き続きましてしっかり問題点の追及をさせていただきたい、こう思っておりますので、次に移りたいと思います。
 次は、派遣受け入れ期間の制限とその実効性の確保について伺いたいと思うのです。
 連合など労働組合側が非常に心配をしているように、派遣労働が常用雇用の代替となり、いたずらに拡大しないようにするための最大のかぎは、派遣受け入れ期間の制限に果たして実効性があるのかどうか、これが一番大きな問題ではないか、私はこう思っているわけであります。
 そういう意味で、今回の改正案の特徴を見ると、一応、派遣労働の利用が常用雇用の代替とならないような枠組みを持っていることは間違いないと思います。すなわち、改正法案では、常用雇用の代替のおそれが少ない臨時的、一時的な労働需要に限って派遣労働の原則自由化を図ったものでありまして、その背景には、こうした就業の利用が長期雇用システムを不当に侵食しないように歯どめをかけるという考え方があると思うのです。
 そして、具体的に、改正法案では、この第四十条の二第一項ですが、派遣先はその事業所ごとに同一業務について一年を超えて派遣を受け入れてはならない、こういうふうになっておりまして、問題は、果たしてこれが現実に実効性があるかどうかが問題になるわけであります。
 このことに関連して、まとめて三つほど聞いておきたいと思うのですが、まず第一点は、一年の受け入れ期間を超えて派遣労働者を用いた場合の派遣先に対する制裁をどうするか、こういう問題であります。
 改正法案では、制裁としては企業名公表などの措置が予定をされているわけですが、しかし、派遣期間を限定する法制において、派遣期間を超えた場合にはユーザー企業である派遣先への雇い入れを強制される制度をとっている国、例えばドイツ、フランスもそうだったと思いますが、そういう国々が結構多いわけであります。我が国においてもそういう制度を導入することはできないのかどうか、これが一つ。
 二つ目は、改正法案では、同一事業所の同一業務について一年を超えてはならない、こう規定しているわけですが、問題は、同一業務をどのように当事者及び監督官庁が特定、認識をするか、こういう問題があります。従来の適用対象業務という枠と違って、ネガティブリスト方式のもとでは企業ごとに多種多様な業務指定がされる可能性があり、また業務の境界線もあいまいとなるものと考えられるわけであります。この点も厳格にきちんとされなければ一年間の期間制限も全く無意味なものになってしまう、こういう問題があると思うのです。この点をどう考えるか。
 三つ目の問題は、派遣受け入れが終了した時点からどの程度のインターバル、クーリング期間を置けば同一業務についての派遣を受け入れることも可能となるのかなどが重要な問題となると思います。期間限定の実効性が担保されるような基準を設ける必要があると思いますが、この点についてどういうふうに考えておられるか、承りたいと思います。
この発言だけを見る →
渡邊信#19
○渡邊(信)政府委員 まず、一年を超えて派遣労働者を使用した、その場合のいわゆる義務化の問題でございます。
 確かに、諸外国の例には、派遣期間を超えて継続してこれを使用するといった場合には雇用契約が成立したものとみなすといったふうな規定を設けておる例が見られます。我が国の雇用に関する法制を見ますと、例えば障害者について雇用率の制度を設けているとか、あるいは男女について採用で差別をしてはいけないといった規定、こういったふうに雇用について一定の規制をかけておる法制度は既にあるわけでございますが、いずれにいたしましても、特定の個人の雇用を強制するという法制はないわけでありまして、この点は、事業主が広く有していると解されております営業の自由、採用の自由を含め営業の自由、こういったものの保障との関係でかなり大きな問題があるのではないかというふうに考えておりまして、現行では、雇用についての努力義務を課するというところがぎりぎりのところではないかというふうに考えているところであります。
 また、同一の業務の範囲の確定の問題でございます。
 改正法案におきましては、同一の業務について継続して派遣労働者を受け入れてはいけないというふうに規定しているわけでありまして、この解釈を確定するということが、常用代替の防止を図る、厳密に運用するという点から大変大事なことであるというふうに私どもも思っております。
 現行の法令におきましても、この派遣労働法関係でも、この業務という言葉はいろいろ使われておりまして、例えば職業や職種を用いて表現するものとしては秘書の業務とか通訳の業務というふうに使われていたり、あるいは具体的な行為を明記して表現するものとして事務用機器の操作の業務というふうに、確かにかなりいろいろな使われ方をしているわけでありますが、この同一の業務の解釈に当たりましては、これが常用労働の代替を防止するという観点から解釈をされる必要がある、こういった観点に立ってかなり厳密に解釈をする必要があるというふうに考えているところであります。
 現在の段階では、この同一の業務につきましては、派遣労働者が就業いたします課よりも小さい、組織の最小単位であります係あるいは班において行われる業務、こういったものを基本として考えるべきではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、この点は指針等におきましてさらに具体化する必要がある、客観的にさらに明らかにする必要があるであろうというふうに考えております。
 次に、いわゆるクーリング期間の問題でございます。
 これは、継続して受け入れてはならないという場合のその継続の解釈に係る問題だろうと思いますが、これについては、この議論をしていただきました関係審議会におきましてもいろいろな議論が出たというふうに伺っております。三カ月程度ならどうかとかいろいろな議論が出たというふうに聞いておりますが、この問題につきましては、あくまでもこれも常用労働の代替の防止という観点に立ちまして、どのくらいの期間が適当であるか、これは、法案が成立しました後に、審議会の御意見も聞きながら検討したいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
石橋大吉#20
○石橋委員 時間がそろそろ来ましたが、最後に二つほどまとめて質問をしたいと思うのです。
 一つは、製造業における派遣の禁止に関する問題であります。
 改正案附則第四項、製造業における労働者派遣事業を当分の間禁止、こうなっているわけです。しかし、産業界を中心にして、製造業における派遣を解禁すべきだ、こういう意見もあるわけであります。さっきの雇用調整の問題などもそういうところに絡まってくるのかなという感じもしないことはないんですが、製造業における派遣労働が禁止をされているということは、そういう意味では産業経済に非常に大きな影響を与えている、こう思うんです。
 例えばフランスなんかは、鉄鋼だとか電機だとか自動車だとか、ほとんどそういう製造業中心で派遣労働が行われておって、四分の三は男子だ、こういう形になっております。日本では、製造業における派遣が禁止をされておるということも恐らく関係があるだろうと思いますが、派遣労働の大部分が女性、こういう形になっておるかと思うんです。
 製造業における派遣の禁止をめぐっては、派遣と請負の関係をめぐって非常に問題がある。ドイツなんかでは、相当期間をかけて議論しているけれどもなかなか平行線でらちが明かない、こういう状況があるようですが、製造業における派遣の解禁問題と、請負と派遣の関係について、労働省当局はどういうふうに考えておるのか、これをちょっと、時間の範囲内でいいですから、まずお聞きをしておきたい。
 もう一つは、男女雇用機会均等法の適用について、ここでちょっと念のために伺っておきたいと思います。
 改正男女雇用均等法が四月一日から施行されました。派遣労働の現場でもこれを厳重に守ることが非常に重要だ、こういうふうに考えているわけであります。派遣事業者に対して法の遵守の徹底をどのように指導していくのか、特に、派遣労働の制度上、均等法の事業主責任について、派遣元のみならず、派遣労働者を指揮命令する派遣先にも責任を負わせるべきだ、こういうふうに考えますが、この点どういうふうに考えておられるか、簡単にひとつお答えいただきたい。
この発言だけを見る →
渡邊信#21
○渡邊(信)政府委員 製造業におきます派遣の適用につきましては、特に製造業の現場にこれを適用することについて、強い懸念が表明されたところであります。したがいまして、改正法案におきましても、こういった意見に留意をいたしまして、製造業の現場業務につきましては、当分の間、労働省令においてこれを適用しないこととするというふうにしておるところであります。これは、特に製造業において、今委員御指摘ありましたように、いわゆる偽装請負というふうなものがまだ存在するのではないか、こういった懸念があるために、今回もこういった措置になったというふうに理解をしております。
 この請負と派遣との区分の基準でございますが、これは派遣法制定当時から、労働大臣告示によりまして、みずから事業を行うというふうに厳格に言えるための条件をいろいろと示しているわけでありますが、今般は、さらにこの基準について踏み込めるものがあるかどうか、さらに検討を進めていきたいというふうに考えているところであります。
 また、いわゆるセクシュアルハラスメントの問題でありますが、現在でも現行の派遣法におきまして苦情の処理に関する規定がありますが、今般の改正法におきましては、派遣労働者の就業環境を派遣先が整備するためにいろいろと努力しなければいけないという規定を設けておりまして、そういった努力の一環としてこの問題も取り上げられることになると思いますが、具体的には、指針におきまして、派遣先におけるセクシュアルハラスメントの防止について規定をしていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
石橋大吉#22
○石橋委員 まだまだ不十分ですが、あとはこれからの質疑に譲って、時間が来ましたから、私の質問はこれで終わります。
この発言だけを見る →
岩田順介#23
○岩田委員長 次に、前田正君。
この発言だけを見る →
前田正#24
○前田(正)委員 公明党・改革クラブを代表して、三十分の短い時間ではございますが、質問をさせていただきたいと思っております。
 質問に入る前に、まず労働大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 現下の雇用情勢は大変厳しいものがございまして、この二月で完全失業率が四・六%、三百十三万人ぐらいの方々が失業されているということが発表されたわけでございます。失業率という数字ではありますけれども、私どもは大変心配をしておるわけでございまして、これがどのようにして雇用が順調にいけるのだろうか、あるいはさらに悪化をしていくんだろうかということでございます。
 この間、経済企画庁長官は、景気は底割れをした、これからの負の連鎖反応、デフレスパイラルというものは脱したというふうな会見をされておられたわけであります。しかし、私は大阪の地元のことしかわかりませんけれども、地元の中小零細企業者の方々はそれぞれ今大変苦しんでおられますし、また、私どもの事務所にも、大学を来年卒業する、あるいはことしの三月に卒業する、しかし、残念ながら就職がないので、先生、一遍どこか関係のところをどこでもいいですから紹介していただけませんかというふうなことの問い合わせがたくさんあるわけでございまして、大学を卒業しながら就職ができないという方々も幾人もおられるわけでございます。
 こういうことを考え、大臣として今の御心境と、これからの雇用対策をどう取り組んでいかれるか、この辺をまずお伺いさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
甘利明#25
○甘利国務大臣 先般、経企庁長官が、景気が底打ちをして、デフレスパイラルの心配は脱したという宣言をされました。私もぜひそうあってほしいと思いますし、そういう具体的な要素は幾つか出てきていると思います。
 中小企業で見ますと、御指摘のようにまだまだ厳しい状況は続いております。ただ、今までみたいに、見える限りの景色が全部灰色だったのから、少し明るい色も出てきたなという状況に変わっているわけであります。ただ、灰色部分がまだ依然として相当ある、灰色というのは見通しが非常によくないという意味ですけれども、それは事実でありますから、これからも手抜かりなく雇用対策、そしてそれ以前に景気対策をきちっと推進していく必要があろうかと思います。
 アメリカが今建国史上最高と言っていいような絶好調の状態が続いていますけれども、これも、アメリカの景気拡大がたしか九二年の三月くらいから始まりまして、今最長記録に至っていると思うんですが、景気拡大が始まりましても失業率はうんと悪くなり続けておりました。景気拡大が始まって実に一年二、三カ月後に失業率は底を打ったという状況でありまして、当時アメリカでは、先生も先刻御承知だと思いますが、景気が拡大しても雇用情勢は改善しないのではないかというような不安さえ広がった。しかし、一年二、三カ月後に底を打って、反転して失業率が改善をしていって、今や日本を追い抜く低失業率に至ったということであります。
 日本におきましても、失業率というのは景気の遅行指標でありますから、後追いで改善をしていく。だから、景気が立ち上がっていきながらもさらに雇用情勢は悪くなるという特性はありますけれども、しかし、アメリカほど長くはないと思います。通常、半年ぐらいと言われていますから、景気が立ち上がって半年後が一番つらいところだと思います。
 堺屋長官の言ではありませんけれども、今一番つらいところを雇用情勢は乗り切ろうとしているんだというふうに思います。ここのつらいところをしっかりと耐え忍んで、そしてタイムラグをできるだけ短くしながら、景気が反転していくのに追随をしてよくなっていくようにすることが必要だと思っておりまして、各般の施策をとっているところであります。
 もう説明の必要はないと思いますが、昨年の秋の対策、これは、補正それから本年度予算とあわせて雇用というものを最重点施策の一つとして掲げて、今までの安定施策に加えて、さらに創出、生み出すという施策に踏み込んで、しかも、労働省単体ではなくて、政府全体で取り組んでいこうということにしているわけであります。
 さらに、先般、総理から、企業が競争力をつけていく過程で雇用不安が極力起きないように新たな対策を労働、通産で考えてみるようにという御指示もいただきました。現在、新しい傾向としては、ホワイトカラー、特に中高年のホワイトカラーの雇用不安が広がっておりますので、ここに焦点を当てた一連の対策が組めないかということで、当然、予算の限度もありますし、制約もかけられてはいるのでありますけれども、その中で、通産と打ち合わせをしながら、ホワイトカラーの中高年に焦点を当てた新たな雇用対策ということを今策定中でございます。これは五月中にも発表できるのではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →
前田正#26
○前田(正)委員 今大臣から詳しくお話がありましたけれども、大変に雇用状況というものは厳しい、そして経済と連動するということも我々わかりますし、経済の景気がよくなる、雇用というものはその後追いをする、しばらくの期間を置いてから雇用というものが発生するということもよくわかるわけでございますが、こういった大変厳しい状況の中で、本当に雇用対策がこれでいいのか、今のままで必ず雇用というものはよくなっていくのかどうかということももう一度検証しながら、やはり全力を挙げてこの問題に取り組んでいただきたいということを私は申し上げておきたいと思います。
 次に、労働者派遣法の問題に触れてまいりたいと思います。
 今お話がありましたとおり、今、雇用状況が非常に厳しいわけでございます。常用の方がどんどんリストラで切られていくわけでございますが、こういう状況の中でこの労働者派遣法という法律が改正をされるということになりますと、むしろなぜ今こういう時期にあえてこの労働者派遣法という法律の改正案を出す必要があるのか、まだもう少し先送りをする方がいいのではないか、今は、そういった派遣ではなしに、まず常用雇用というものを我々はどうしていくかということを真剣に考えるべきであって、今のところこの二十六業種だけで十分に業界としての要望にこたえておるのではないか、私はそう考えておるわけでございます。むしろこれを改正をする方が、より今のこの失業率が四・六、三百十三万人を救済する方向に向くんだというお考えであるのか、この辺の政府としてのお考え、省としてのお考えを一遍お聞かせをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
渡邊信#27
○渡邊(信)政府委員 本年二月の失業率は四・六%というふうに大変高いわけでありますが、この失業率の内容ですけれども、二種類あるかというふうに見ております。
 一つは需要不足による失業でございまして、昨今の失業率の上昇はこの面に負うものが大変多いところでありますが、片や構造的、摩擦的な要因による失業率の上昇という面も見られているわけであります。いろいろな事情で需給がマッチングしないという状況であります。この失業率は、近年、とみにといいますか、じわじわと上昇してきておりまして、現在では、四・六%の失業率のうち三%程度はこの需給のミスマッチによる失業ではないかというふうに見ているところであります。
 実際にも、公共職業安定所に一年間に寄せられる求人の数は約五百万件近くございます。したがって、日本の労働市場において求人が絶対的に減少している状況ではないというふうに私ども考えているわけでありますが、ただ、残念なことにこれがいろいろな理由によりまして結合しない。例えば事業主の期待する能力を備えた労働者がいないとか、労働者側から見れば労働条件が低いとかあるいは年齢制限が非常に厳しくて就職できないとか、こういったいろいろな事情があって、ミスマッチがあって、五百万近い求人が実際には三割弱しか充足をされていないという大変不幸な状態にあるわけであります。
 このミスマッチの中には、今議論いただいております、一時的な労働の場を見つけたい、あるいは短期の即戦力を見つけたい、こういった労使のニーズというものに的確にこたえ切れていない面がある、こういったところもミスマッチの一つの原因になっているのではないかというふうに考えておりまして、今般、派遣労働の対象を広く認めることによりまして失業の解消に向かう、そういう側面が大きいというふうに私どもは考えているわけであります。
 ただし、これが常用労働を代替する、リストラの手段として使われるということは絶対に避けるべきであるというのが現在の我が国の共通の認識であろうかというふうに思います。
 そういった意味では、派遣労働は、今般拡大するところは厳格に一年に限定をするということで、派遣労働が常用労働の代替になるということは絶対にないという仕組みを行いながら派遣労働を広く認めていくとしているところでございまして、こういった意味で、常用労働と今般拡充する派遣労働の働く場というものはぶつかり合うものではないのではないかというふうに考えているところであります。
この発言だけを見る →
前田正#28
○前田(正)委員 今説明をお聞きいたしますと、要するに、常用雇用がいわば派遣によって圧迫されることはない、また、むしろこの今の経済不況の中で雇用の推進につながっていく、こうおっしゃっておられると理解をしております。
 そこで、労働者派遣事業の事業所数及び派遣労働者数、できれば男女別あるいは年齢別の、特にそういったもので突出しておるところの現状及び労働者派遣事業の総売り上げといいますか、どれぐらいになっておるのか。そしてまた、今回の法改正によって派遣労働者数というのがどの程度増加するように見込んでおられるのか、この辺についてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
渡邊信#29
○渡邊(信)政府委員 まず、派遣元の事業所数でございますけれども、平成十一年、本年の四月一日現在で一万五千六百九十二所というふうになっております。このうち、一般労働者派遣事業所が三千六百七十七所、特定労働者派遣事業所が一万二千十五所というふうになっております。
 また、派遣労働者数ですが、これは平成九年度の報告でございますけれども、これによると、約八十六万人でございます。そのうち、いわゆる登録型の派遣労働者は七十万人、常用労働者が約十六万人であります。登録型の中には複数の事業所に登録をしている方もおられますので、この方たちについて常用換算してみますと、派遣労働者は平成九年で約三十四万人ぐらいではないかと思います。したがいまして、派遣労働者の実数は八十六万人と三十四万人の中にあるのではないかというふうに見ているわけでございます。
 また、平成九年の調査によりますと、派遣労働者に女性が占める割合は七二・四%というふうになっております。また、年齢別では二十歳代が四〇・三%というふうになっているわけでございます。
 また、この事業報告によりますと、派遣労働者の平成九年度の年間売上高は総額が約一兆三千三百三十五億円で、これは前年度比一二・八%増ということになっておりまして、平成六年度以降増加傾向にございます。
 今回の改正によりまして派遣労働者がどの程度ふえるかということでございますけれども、現在は二十六業務のいわゆる専門的業務に特定しておるわけでありますが、これを広く拡大していくということになります。ただ、これは、そういった面では増大要因でありますし、また、従来の派遣と違いまして、あくまで臨時的、一時的な一年間の限定をつけるということでございますから、これが正確に今後どのくらい伸びるかという予測はなかなか難しいのですが、そう急激にふえることはないのではないかというふうに見ております。
この発言だけを見る →
← 戻る