中桐伸五の発言 (労働委員会)
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○中桐委員 これは私も現地に行って聞いている話じゃありませんので、この問題でさらに根掘り葉掘りというつもりはございませんが、しかし、この間の失業問題というのは非常に深刻であることは間違いない。たしかきょうの新聞でも、川鉄が大規模なリストラの計画を発表したというふうなニュースも出ております。そういう意味では、まさに重厚長大産業における構造改革というものが進み始めてから、まあオイルショック以降ずっと進んできてはいるんだけれども、さらにそれが進められようとしているということも事実だと言わなきゃいけないと思います。
そうしますと、川鉄のような大きな規模の大企業がリストラをするということが進んでくるということは、先ほど大臣が言われましたように、これからまださらに失業率の問題というのは深刻になっていくと考えなきゃいけない。そういう状況の中で、実はこの職安法の改正が行われようと提起され、そしてまた労働者派遣事業法の改正案が政府提案で出されてきているわけでありまして、まさに今国会における、現時点における委員会の審議というのは大変重要な意味を持っていると再確認をしなきゃいけないと私は思うわけであります。
さて、そういう中で、問題は構造改革が不可避の状況になっている。これは、金融システムの問題の改革も含め、現下の国際、国内、経済、社会の情勢の中から不可避の状況になっているという認識も、これはもう冷静にしなきゃいけない。そういう中で、従来型の、いわば日本型の経営と言われますか日本型の雇用システムと言われますか、そういった問題についても、この改革は避けて通れないというか、変動は避けて通れない状況にあるということも認識しなければならないんではないかと思うわけであります。
私ども民主党のといいますか、私の個人的見解も加えた立場でありますけれども、そういった構造改革やあるいは従来型の労使慣行といいますか、そういったものが変動を余儀なくされるという状況の中で、これまでの労働者の中における機会の均等と同時に、いわゆる雇用の問題でいえば就労機会の平等といいますか、そういったものを確保すると同時に、もう一つの問題は、余りにも大きな就業条件の格差を生み出してはいけないという立場に私どもは立つわけであります。
そういう中で、例えばリストラ、構造改革の中で、規制緩和というふうなものも行われる必要がある分野においては、経済分野においては特にたくさんあるだろうというふうに思うわけでありますが、しかし、その規制緩和を行うということと同時に必ずセットにしてやらなければいけないのは、今日までの労働者保護のシステムがどこに問題があったのか。それを、大きく変動する今日の状況の中で、どう是正をすれば、労働者保護というか、あるいは不平等の拡大が極端な形で進まないようにすることができるのかという問題は、これは同時にセットしておかないと大変なことになる、こう私は思うわけであります。
そういう意味においては、例えば経済的な規制を緩和するということになりますと同時に、社会的な規制というのはむしろ強化しなければいけない、そういう分野が必ずある、そのように私は考えるものであります。
そういう立場から、政府の提案している職安法あるいは労働者派遣法改正案について質疑を進めていきたい、こういうふうに思うわけであります。
さて、その中で、まず職安法の改正の問題でありますが、これは従来、日本の雇用が、いわば大企業を中心とする日本型雇用システム、つまり終身雇用型、年功序列型賃金でいわゆる労働力の流動が少ない、そういう形で言われてきた特徴のあるシステムまでが、今変動にさらされているということだと思います。
そういう中で、いわゆる日本型雇用システムという形で位置づけられてきた部分というのは、しかし、これは大企業の、あるいは公務員の世界の話であって、中小零細企業では、そもそも雇用の勤続年数一つをとってみても、そんなに長くはない、決して欧米とそんなに大きく違う状況で今日まで来たわけではない、そういうことになろうかと思うのですが、ただ、我が国は、バブルがはじけるまでは世界でも有数の経済成長を保ってきた。そのために、新しい雇用の拡大というものがその経済成長の中で解決をされてきていたために高い失業率を生み出さなくて今日まで来たと言えると思います。
しかし、そういう経済成長はもう我が国のこれから二十一世紀に期待はできない、こういう状況の中で、まさに今雇用不安というものが起こっていると言わなければならない。そのときに、果たして今までのシステムで十分機能できるのかどうかという問題をひとつ考えてみたいと思うわけです。
そのときに、職安法の改正の中で、いわゆる有料職業紹介事業というものを拡大するという形の措置がとられていこうとしているわけでありますけれども、その前に、では今までの公共職業安定所が果たしてきた役割とは一体どういうことなのか、どういう状況だったのか。そして、この新しい職安法の改正に伴う有料職業紹介事業の拡大というものを措置するに当たって、公共職業安定所の機能はどのように再編成するのか、そういう問題が極めて重要であろうと思います。
その話に入る前に、今日までに、有料職業紹介事業にかかわってさまざまな苦情とか相談が労働者からなされてきた。その実情の把握から質疑のスタートを切りたいと思うのですが、まず、現在までの有料職業紹介事業にかかわっての苦情や相談の実情というのは一体どういうものなのか。まず政府の方から、余り長々しくではなくて結構ですから、簡潔に、要領よくお答えをいただきたいと思います。