渡邊信の発言 (労働委員会)

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○渡邊(信)政府委員 ただいま中高年の方の就職問題につきまして、賃金の問題、能力開発の問題、それから年齢の問題、御質問がございました。
 賃金の問題は、これはもう基本的な問題というか大変大きい問題で、雇用対策だけでどうこうなるということではもちろんないわけであります。実際に、在職者の賃金の平均と、例えば安定所に寄せられる求人の賃金の高いところ、上限の平均、こういったものを見ましても相当の乖離がありまして、年収で百万ぐらい転職をすると下がるんじゃないかといった調査結果もあります。そういったことで、賃金が厚い壁になって、特に中高年の転職、再就職がなかなか難しい、条件が折り合わないということが大変大きなネックになっているのは事実でございます。
 この問題は、今お触れになりました日本の年功的賃金体系等のもとで大変な問題であるわけでありますが、例えば賃金面の助成措置といたしまして、現在、安定所の紹介で四十五歳以上の方を採用したときには、例えば、中小企業ですと雇い入れた事業主に対しまして一年間賃金の四分の一、大企業に対しましては賃金の六分の一を助成するというふうなことは行っているわけであります。こういった措置によりましてこの一年間でおよそ三十万人ぐらいの方がこの支給制度の助成の対象になったというふうなこともあって、一定の成果を上げているかと思いますが、根本的な問題としては、日本の賃金制度のあり方あるいは年功的労務管理のあり方、こういうものが大きな問題として背景にあるのではないかというふうに思います。
 それから、中高年の方に対します能力開発ですけれども、今回の緊急雇用対策における対策ということでございますが、今般、この緊急雇用対策におきましては、中高年の非自発的離職者の方が民間教育訓練機関の実施をいたします教育訓練コースを自分で自主的に選択をして受講したいというときに、その希望に沿ってその受講を認めていく、こういった新しい仕組みを導入するということにしておりまして、中高年の方が自分で将来の就職をにらみながら訓練を受けられる、自分で選択できる、こういった新しい制度をつくるということにしているわけであります。
 また、年齢の問題も中高年の方の再就職を阻んでいる大変大きい壁でございます。実際に安定所に寄せられる求人を見ますと、かなり多くの求人が三十五歳までというふうな条件をつけているわけでありまして、先ほどの賃金と年齢というのは大変大きなリンク関係があるわけで、先ほどから申しておりますが、年功的労務管理、賃金体系、こういったことで高齢者や中高年を雇うと賃金も高くてとても大変だということになって、経営上の理由からそういうことになるということは多いと思いますが、ただ、中高年の方は、年齢三十五と言われるだけでもう再就職とても無理だという、入り口のところで無理になってしまうわけでございます。
 この四月には、労働大臣から主要経済団体に対しましてこの年齢要件の緩和ということについてお願いをしてまいりましたし、現場のハローワークにおきましても、常にこの年齢要件の緩和ということを求人を受け付けるたびに指導をしてお願いをしている、こういうふうなことになっております。
 この年齢と賃金の問題は大変大きなネックではありますが、そういったことで、現場におきましても努力をしながら、何とか事業主の方の求人側の理解を得るというふうな努力をしているというところでございます。

発言情報

speech_id: 114505289X01519990709_013

発言者: 渡邊信

speaker_id: 8141

日付: 1999-07-09

院: 衆議院

会議名: 労働委員会