楠木行雄の発言 (外交・防衛委員会)
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○政府委員(楠木行雄君) まず第一番に、海上保安庁は、三月二十三日、海上自衛隊からの連絡を受けて、二隻の不審船の追尾等を行いましたが、その概要について御説明申し上げます。
三月二十三日午前十一時ごろ、海上自衛隊から、能登半島東方約二十五海里の領海内において、漁船二隻を海上自衛隊の航空機が発見し、以後護衛艦が確認している旨の情報を入手し、その後、このうちの第二大和丸については兵庫県浜坂沖で操業中であることが確認されたため、情報のあった同名の漁船は不審船であると判断いたしました。
また、同日午後一時ごろ、海上自衛隊から、護衛艦がさらに一隻の不審な漁船を発見した旨の情報を入手し、その後、この第一大西丸は漁船原簿から抹消されていることが確認されたため、情報のあった同名の漁船は、不審船であると判断いたしました。
これらの確認作業と並行して、巡視船艇及び航空機の発動を指示し、現場海域に巡視船艇十五隻及び航空機十二機を動員いたしました。現場に到着した航空機は、午後一時十八分から二十一分までの間第二大和丸に対し、午後二時から六分までの間第一大西丸に対し、それぞれ漁業法第七十四条第三項に基づく検査等を行うため停船命令を実施しましたが、両船はこれを無視して北に向け十ノットの速度で逃走いたしました。
そこで、巡視船艇、航空機により追跡を開始するとともに、停船命令を繰り返し行いましたが、両船はなおもこれを無視して速力を上げて逃走を続けたため、海上保安庁法第二十条に基づく威嚇射撃を実施いたしました。具体的には、第二大和丸に対しては、午後八時ごろに巡視船「ちくぜん」から二十ミリ機銃により五十発を、午後八時二十四分と午後九時一分ごろに巡視艇「はまゆき」から十三ミリ機銃により合計百九十五発を発射いたしました。また、第一大西丸に対しては、午後八時三十一分ごろ以降、巡視艇「なおづき」から自動小銃により千五十発を発射いたしました。
しかしながら、両船はこの威嚇射撃をも無視して高速で逃走を続けたため、燃料不足から巡視艇「はまゆき」と「なおづき」は追尾を断念し、また、巡視船については、速力が遅いため次第に不審船から離され、第一大西丸は二十時十四分、第二大和丸は二十一時十二分それぞれ巡視船のレーダーから消えました。
海上保安庁では、このような状況を内閣、防衛庁等の関係省庁に逐次連絡し、これを受けて政府としての対策が検討された結果、二十四日午前零時五十分、自衛隊法第八十二条に基づく海上警備行動が発動されるに至ったものであります。
海上保安庁としては、残念ながら不審船を停船させることができませんでしたが、関係省庁と密接に連携しつつ、でき得る限りの措置を講じたものと考えております。
今後は、今回の事案を踏まえ、問題点を分析するとともに、同種事案が発生した場合に、より適切に対処できるよう対策を検討していくこととしています。
また、全国の管区本部に対しては、領海警備をより一層強化するよう既に指示しており、不審船の警戒に万全を期していく所存であります。